概要
周囲を省みずに目標に向かって突き進む人の性格や言動を表す四字熟語である。
解説
「猪突」と「猛進」の二語を複合した言葉。
【猪突】は豬突豨勇(前漢期の囚人兵)に由来し「真っ直ぐ突き進む」こと、猛進は文字通り「とにかく勢いで押し進む」ことを意味する。
合わせて(猪の様に)目標に向かってひたすら突き進む様子を表現している。
ただ会話で使う場合、「勇猛果敢」や「一意専心」等と混同しないよう注意が必要である。
そもそもこの言葉は「怒った猪は攻撃する相手しか見えず、ひたすら一直線に突進する」という、猪へのマイナスイメージに端を発した言葉である。
安易に人を褒めるつもりで使うと、「独りで突っ走る短気で直情径行な人物」と揶揄することになるので、「勇往邁進(努力を惜しまず果敢に挑戦すること)」等の言葉に言い換えたほうがいい。
余談になるが、「猪は怒ると直線にしか走れない」というのは、単に昔の人々の偏見であり、実際は猛スピードでドリフトターンさながらの急カーブを決めてくることさえある。
また短気そうというイメージも実際は違っており、本来は臆病で神経質だが縄張り意識が強い性格をしている。
急に突進してくることがあるのは、縄張りを侵害された事と、臆病さと神経質な性質からパニックを起こして「とにかく目の前の相手を追い払おう」とするからである。
関連イラスト
関連タグ
- 脳筋:筋力と気合いに頼って物事を強引に進めるひとへの皮肉。ある意味では類義語。
- 体育会系:脳筋と似た者同士。大雑把な脳筋より規範にうるさく、より猪突猛進になることもある。
- 猛牛:猪同様に、血の気が多く突撃一択のイメージを持たれやすい。