藤子不二雄Aのホラー漫画。1972年から1975年にかけて週刊少年チャンピオンで連載。
概要
友愛学園に転校してきた中学生の主人公・浦見魔太郎は、見た目も性格もイマイチパッとしない、いわゆる典型的「いじめられっ子」。
いじめっ子や悪質な人物から毎回いじめや嫌がらせを受ける魔太郎だが、実は魔太郎は魔術や超能力のような超常の力「うらみ念法」の使い手であり、どうしても許せないいじめや悪行に対しては夜な夜な「うらみ念法」やオカルトアイテム・残虐な手法をもってして復讐していく。
激しい「うらみ」を覚えたときに言う決めゼリフ「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か」は有名。
また、軽くムカついた時などの擬音は大抵「イラッ」「カチン」などだが、魔太郎の場合は「メラッ」である。
そして怒りや悲しみがMAXに達すると復讐前や最中に「メラメラメラ」とうらみが燃え上がる。
魔太郎は生まれついた魔力や呪術の知識を行使し「うらみ念法」により怨敵を地獄に葬る(エコエコアザラクの黒井ミサと性別の意味で対照的)。
しかし魔法のようなそれではあったが、連載初期の頃は、魔太郎の恨みの晴らし方にかなり過激なものが多く（大抵の場合、相手を殺してしまう）、中には物理攻撃で(現実世界において)再現できるものも多数あった。
そのためエピソードのいくつかが単行本未収録、また単行本収録時に修正されており(例えば砂を詰めたボールを振り回して殴りつける旨の台詞は「砂を詰めた」から「スーパー・うらみ・パワーボール」などと曖昧な名前にされている)、作者本人も子どもたちを取り巻く現代の社会的環境を考慮し､本作の映像化を拒否しているという。
連載初期の企画にて「うらみ買います！！」と、読者の今で言ういじめの体験を募集、ないし漫画化するものがあったが、編集部はもとより作者さえ心を痛めるような陰惨な内容が厚い封書で編集部宛に多数届いてしまい、その結果企画は中断されてしまった、という逸話がある。
前半こそ魔太郎は薄気味悪くいかにもいじめられる卑屈な少年だったが、長期連載化により徐々にではあるが普通の少年になっていった。(悪魔のような赤ちゃん切人など主役を喰う程のサブキャラが登場したのも理由のひとつである)
後半はブルース・リーやスプーン曲げの超能力など、70年代の流行が活かされており当時の空気が楽しめる。
魔太郎は無邪気にブームに乗っていたが、後半は開始数コマで車に当て逃げされるなど、いじめられっ子と言うよりも理不尽に運と間の悪い少年になっていた。
もちろん、彼に対して危害を加えたりしている者は制裁に値するロクでもない連中ばかりではあるが、一人旅の途中や家族でリゾートに来ている時でさえ、何故かやたらとそのような人種に絡まれている。
しかし、特異な能力で怨敵を葬っても本当に魔太郎の心が晴れたとは言いきれない話もあり、単に痛快とは限らない描写もある。
関連タグ
女子だが、主人公が不当な迫害を受けて復讐したり黒魔術でトラブルを解決する点は共通している。
同年代、ホラーブームのチャンピオンに連載された。
こちらは美少女だけに少しエッチである。
将棋棋士。容姿が浦見魔太郎に似ていることから（特に少年時代はそっくりだった）、本人のあだ名も「魔太郎」になった。
