オウガバトルシリーズの2作目にあたり、クォータービュー方式のSRPGとしては草分け的存在。
複数の機種に移植され、現在ではWiiのバーチャルコンソールでも配信されている。
オリジナル版のサブタイトルは、“Let Us Cling Together”(手をとりあって)。
発売から15年後、当時のオリジナルスタッフが再集結し、本作は『タクティクスオウガ 運命の輪』として
リメイク。そちらは2010年11月11日にスクウェア・エニックスからPSP用ソフトとして発売された。
プロローグ
オベロ海に浮かぶヴァレリア島・・・。
古来より海洋貿易の中継地として栄えたこの島では、その覇権を巡り民族間で紛争が絶えなかった。
そうした永い戦いに終止符を打った男がいた。後に覇王と呼ばれたドルガルアである。
多民族からなるこの地を統一したドルガルア王は他民族間の婚姻を奨励し、国教を1つとすることで
こうした対立を取り除こうとした。
その統治は半世紀に渡り、ヴァレリアは栄えた。
しかし、紛争の火種が消えたわけではなかった・・・。
王の死後、司祭ブランタは支配者階級の大半を占めるバクラム人を扇動し、王都ハイムの独立を宣言。
さらに北の大国・ローディス教国と密約を結び、その庇護の下バクラム・ヴァレリア国を建国した。
司祭ブランタは島全土を手に入れることを主張したが、
ローディスから派遣された暗黒騎士団団長のランスロット・タルタロスは戦力の損失を恐れ拒否。
ブランタも渋々それを受け入れ、進軍は停止した。
島の南半分に残された2つの民族主義陣営のうち、人口の7割を占めるガルガスタン系民族主義勢力は
指導者バルバトス枢機卿のもと、南半分の覇権を手にするためウォルスタ系住民に宣戦を布告。
民族の根絶を目的とした虐殺を展開した。
一方、ウォルスタ人はロンウェー公爵を旗頭として抗戦したが、戦力の差によりわずか半年で敗北した。
バルバトス枢機卿はガルガスタン王国の建国と内乱の終結を宣言したが、
ウォルスタ人に対する弾圧は、なおも執拗に続いた。
残されたウォルスタ人の多くは抵抗を続けたが、指導者ロンウェー公爵が捕囚の身となってからは
それも次第に下火となり、ガルガスタンの用意した猫の額ほどの広さの自治区に足を運ぶ者が増加した。
こうしてヴァレリアの内乱は鎮静化した。
しかし、それが、つかの間の静寂であることを知らぬ者はいなかった・・・。
主な登場人物
主人公。少数民族ウォルスタ人の復権と父親の敵討ちを果たすべく、
幼なじみのヴァイス、姉のカチュアらと共にゲリラ活動を開始する。
デニムの姉。ゴリアテの町で僧侶を務めている。デニムとの姉弟の絆に強い執着を持つ。
本作品をプレイした人々にはいろいろとめんどくさい人として、その名を広く知られる。
デニムの親友。デニム同様、ウォルスタ人の復権を求めて戦いに身を投じる。
行動力に富む男。シナリオルートごとにまったく異なる役割で登場する。
フォリナー四姉妹の長女。バクラムの武装過激派ゲリラ『ヴァレリア解放戦線』の指導者。
フォリナー四姉妹の三女。姉・セリエとともにヴァレリア解放戦線でゲリラ活動をしている。
フォリナー四姉妹の末娘。フィラーハ教団の僧侶。父である大神官モルーバとともに布教活動に従事する。
フォリナー四姉妹の次女。以前はオリビアらとともに教団に所属していたが、ある出来事をきっかけに
父の下を去り、バクラム軍に参加。その後、司祭ブランタ直属の配下となり、特殊任務に就く。
騎士レオナール
ウォルスタ解放軍の指導者ロンウェー侯爵の側近。解放軍の要として辣腕を振るう。
ウォルスタ人の弓使い(アーチャー)。オリジナル版では雷神の弓を持たせると最強のアタッカーとなる。
『剣聖』の称号を持つ盲目のソードマスター。付いたあだ名はペトロクラウダー……だったが、
『運命の輪』では仕様変更により、ソードマスターはペトロクラウドが使えなくなってしまった。
ゼノビア人
聖騎士ランスロット
祖国を追われた騎士。傭兵としての仕事を求めて仲間と共にヴァレリア島を訪れる。
風使いカノープス
聖騎士ランスロットの仲間の一人。古代有翼人の末裔。デニム達に協力を申し出る。
占星術師ウォーレン
聖騎士ランスロットの仲間の一人。老年の魔法使い。ゲームの内に外にと活躍する指南役。
魔女デネブ
カボチャ大好きボディコン魔女。カノープスやウォーレンの戦友だが、現在はなぜか雑貨屋を営んでいる。
終盤、ある条件を満たすと仲間に加えられるが、隠し要素を満たすとさらに強力な状態で仲間にできる。
暗黒騎士団ロスローリアン
暗黒騎士ランスロット
大国ローディスから派遣された騎士団ロスローリアンの団長。隻眼。デニムの父・プランシーを拉致した人物。
暗黒騎士オズマ
オズの姉。SFC版ではただの「おっかない姐さん」だったが、『運命の輪』において
新たにイベントが追加され、ルートによっては仲間に加える事も可能となった。
暗黒騎士オズ
オズマの弟。サディスティックな男。話のわかる上司として部下達から慕われている。
オズ 「よおし、この女はお前たちにくれてやるッ。好きにしろッ!」
暗黒騎士「さっすが~、オズ様は話がわかるッ!」
『運命の輪』追加キャラクター
騎士ラヴィニス
『運命の輪』における新キャラクター。ウォルスタ解放軍の騎士。FFTに登場した某女騎士に似た容姿から人気を博す。
屍術士クレシダ
ガルガスタン人の屍術士。屍霊術を「死者の無念を晴らし、彼らの願いを叶える術」であるとする
独自の考えを持っている。胸元の大きく開いた衣装が特徴的。
………他、多数の人物が登場する。
一部のキャラクターは物語が進むと人種が変わる(本来の人種が明かされる)者がいる。
ゲームシステム
特徴的なものを取り上げる。
ウェイトターン(WT)とアタックターン(AT)
ウェイトターンは、ユニット自体の素早さに装備品の重量その他の条件を加味した数値。戦闘フィールド内では敵味方関係なく、その戦闘に参加している全ユニットが、この数値の少ない順に行動する。
行動の順番が回ってきたユニットはアタックターンとなり、移動と行動をそれぞれ選択できる。この際に待機を絡めた行動(何もせずに待機、移動・行動後に待機)をとることでウェイトターンの増加を抑えられるので、アタックターンの順番を意図して変えることができる。
戦闘フィールド
各フィールドは、ひし形の地形パネルが一つ一つ組み合わされる事で構成されている。パネルの種類は、むき出しの固い地面を始めとして草地や砂地、湿地、水面、人工物と多岐に渡っており、それぞれに細かく地形効果が設定されている。
また、地形には高低差の概念があり、移動と攻撃にそれぞれ影響を及ぼす。例えば弓などの投射武器ならばより高い場所のほうが射程距離が伸び、低い位置から高所の相手への攻撃は届きづらくなる。
これら要素を読み解きつつ、より有効な戦術を組み立てることで戦闘を有利に進める事ができる。
トレーニング
自軍を2チームに分けて、滞在するマップ上で戦わせるというもの。実戦同様に経験値を得られるので、ノーリスクで自軍を強化できるがゲームバランスを壊す恐れもある。
※『運命の輪』では使えなくなっているが、クリア後特典によっていくらでもシナリオを遡れるため、トレーニングの必要性が実質なくなる。
コミカライズ(漫画版)
松葉博によるコミカライズ版(全4巻)がスクウェア・エニックスより刊行されている。
全編血塗れの極めてハードな漫画である。やり過ぎなくらい首がポンポン飛ぶ。
ストーリーは1章終盤からLルート2章終了まで。
打ち切りエンド気味だが、4巻あとがきによれば当初からの予定との事。
他、DNAメディアミックスから4コマコミックスとアンソロジーコミックスが各1冊ずつ発売された。
関連イベント
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