概要
小説『仮面ライダーZX オリジナルストーリー』(著:平山亨)第3話「悲しき変身」に登場するバダン化学部隊に所属するカニ型改造人間。
TVスペシャルには勿論、児童誌でのスチール連載にも一切登場せず、上記の小説とスチール展開時に掲載されたテレビマガジン、テレビランド版コミカライズのみに登場するバダン帝国の改造人間の為、他のバダン怪人以上に影が薄い。
っというか認知度が低すぎるため、仮面ライダーSPIRITSに登場した時は(後述)、知らない人はSPIRITSオリジナルのバダン怪人と思った人も多かったかも知れない。
その使命は日本に上陸した暗闇大使の護衛と裏切り者である仮面ライダーZXの抹殺を使命としており、機械のパーツで構成されたカニの様な姿をしている。
主な能力は口から腐食性の毒ガスを霧状に散布して、これを吸った人間をボロボロにして溶かしてしまう。
口からは別に泡を吐くが、こちらはZXの複眼を遮蔽させる能力を持ち合わせる(テレビマガジン版)。
また、鎖で繋がれた両腕のカニのハサミをロケットパンチのように飛ばして攻撃することができるほか、地中を掘り進み自在に移動できる能力を持っている。蟹殻の外殻は頑強で防御能力も高い。
人に姿を変える擬態能力も持ち合わせる(テレビランド版)。
ZXを窮地に追い込むほどの力を持つ非常に強力な怪人であるが、カニの改造人間だけに横歩きは素早いが前に進む際は動きが鈍く、同時に腹部が弱いという弱点を持っており、その弱点を突かれ『ZXパンチ』(テレビマガジン版)『衝撃集中爆弾』を喰らい形勢が逆転。転倒した所へ『ZXイナズマキック』(小説)を受け爆死した。
仮面ライダーspiritsでの設定
「シュシュシュシュシュ…」
仮面ライダーSPIRITSの第2部、第7話「襲撃」~第19話「決別」に登場するヒトの名前を持たないバダン怪人三人集の1人。
暗闇の息子たちと呼ばれるジゴクロイド、カマキロイドたちと同じく、ガモンこと暗闇大使の体細胞組織(背骨の一部)を培養して生み出された人造人間(ホムンクルス)を素体として生み出された新型改造人間で、彼に次ぐ地位的と高いスペックを誇る。
デザイン面では、石ノ森プロにあったカニロイドのデサイン画(漫画に登場したカニのロボットのような外見)を元に生物的なアレンジが加えられ、背中に巨大なサワガニの甲羅が付与されている以外は完全に原作通りの姿をしている(原作通りの姿をしているのはこいつとタイガーロイドぐらいのものである)。
人間態は杖を付いた背中が曲がった老人の姿をしており、物臭な性格なため殆ど会話をすることもせず、喋ったとしても小声でブツブツと喋るのみ(一か所だけ「溶かす…」と聞き取れる声で喋っているシーンがあるのみ)。
カニの改造人間だけにその身に纏う甲羅の防御力は並大抵のものではなく、銃弾は勿論、RPG-7の砲撃や果ては落下するヘリコプターが直撃してもビクともしない程の強度を誇る(こちらはテレビマガジン版を彷彿させる)。
主な武器は両腕と両肩にあるハサミ、そして口から吐き出すどんな物でもたちどころに溶かしてしまう強酸性の溶解泡が主な戦力。
さらに強靭的な身体能力を持っており、それを見た滝が思わす「この妖怪ジジィ!!」と罵った程である。
父と慕う暗闇大使がZXや世界各国のライダーたちによる時空魔法陣への攻撃を行った事でそのダメージがフィードバックし瀕死の重傷を負い動けなくなり、怒りと自分たちの歯止め役となっていた暗闇大使が動けない事を良い事に遊び感覚で好き勝手に暴れ回り他の2人と共にZXに宣戦布告する。
先陣を切ったジゴクロイドが敗北し、ZXがカマキロイドと対決している最中、自身は滝ライダーと対決。
その驚異的な身体能力などで滝ライダーを翻弄するが、そこへ駆けつけたV3のV3反転キックとハリケーンジャンプの連続攻撃を受け、窮地に追い込まれてしまう。
しかし、ダブルロイドへと変態したジゴクロイドたちの元へ逃げ込むと彼らと融合し、トリプロイドへとその姿を変えた。
最後は記憶を取り戻したZXの猛攻の前に敗北し、本来の姿である一節の背骨の姿の状態で辛うじて一命を取り留めるが、ZXのボディの真実を知ってバダンから離反したヤマアラシロイドに硬質化して針状にされた髪の毛を撃ち込まれ完全に止めを刺された。