概要
バダン帝国の蟻地獄をモチーフにした改造人間にして、最強の強化兵士。
スチール連載小説ではZXの抹殺を、小説ではそれに加え、バダンの資金調達や資源確保のために故意に引き起こした事故の真相を知った人物の口封じを使命としている。
その正体は、小説の設定によれば世界大会で5回も優勝した経験を持つ凄腕オートレーサーかつ、フルート演奏が得意なキザな性格の「黒川次郎」が改造された姿とされている。
なお、黒川次郎がバダンに協力しているのは、ZXこと村雨良の姉、村雨しずかに好意を持っているからであり、彼女が既にバダンによってサイボーグ(クローンロイド)に改造された事を知っていた模様。
雑誌展開ではZXの抹殺に赴き、自身の能力で作り上げたアリ地獄に引きずり込んだり、地雷原に誘い込みZXを斃そうとするなど特段、他の怪人たちと同じような感じである。
しかし小説の設定では、強者と認めたZXにターゲットの命を一時的に預けた後、彼に正々堂々と一騎打ちによる決闘を申し込む誇り高き精神の持ち主で、(おそらく)暗闇大使の命により自分たちの決斗に横槍を入れて来たコンバットロイドたちのオートバイ部隊が介入して来た時は激昂するなど、ネオショッカーの黄金ジャガーを彷彿とさせる誇り高き戦士である。
最大の武器は掘削機能が備わった頭部の巨大なハサミで、どんな所でも巨大な蟻地獄を発生させ、そこに獲物を引きずり込み、岩をも砕く切れ味を誇るそのハサミで敵を真っ二つにする戦法を得意としている。
しかしその最大の武器である頭部の巨大なハサミを抑え込められると、途端に弱体化してしまう弱点を持っている。
その他の能力としては、着脱式の切れ味抜群の両腕のハサミを使って敵を切り裂くほか、これを使って岩石を挟み込み、敵に投げつけて攻撃することが得意なため石投げの名手との異名を持っている。
また、『ZXキック』や『電磁ナイフ』などの攻撃を無効化できる程の頑丈なボディと、最大時速600kmのスピードを誇る『ヘルダイバー』に追いついて乗り込むことが出来る程の俊敏性を兼ね備えている。
ZXと互角に渡り合えるほどの凄腕のバイクレーサーで、愛用のバイクを乗り回しZXと壮絶なバイク戦を展開した。
最後は激闘の末、『ヘルダイバー』に備わった『カッター』で体をズタズタに切り裂かれ、別の展雑誌媒体や小説では『ZXキック』を受け倒された。
なお、小説では自身の爆発にZXを巻き込まない様に自分から離れるようにZXに忠告するなど、バダンに所属しているとはいえ、最後まで誇り高い精神を失う事はなかった…。
仮面ライダーspiritsでの設定
「どうやらゼクロスは俺をご指名らしいぜ!! 」
仮面ライダーSPIRITSの第2部、第7話「襲撃」~第19話「決別」に登場するヒトの名前を持たないバダン怪人三人集の1人。
暗闇の息子たちと呼ばれるカマキロイド、カニロイドたちと同じく、ガモンこと暗闇大使の体細胞組織(背骨(の一部)を培養して生み出された人造人間(ホムンクルス)を素体として生み出された新型改造人間で、彼に次ぐ地位的と高いスペックを誇る三怪人のリーダー各(自称)。
デザイン面では脱着式だった両腕のハサミが脱着式ではなく元からそのような形状になっている事と全体的にスマートになった以外はほぼ原作通りの姿をしており、自身の手脚の如くバイクを操ることが出来るその随一の運転テクニックはこちらでも健在で、ハンドルを持たずに運転する事など朝飯前である。
重力を自在に操る能力が備わっており、鎌状の両腕のハサミから振動波を発生させ、触れたもの全てを砂塵に変えることができるため、いかなる場所にも巨大なアリ地獄を発生させることが可能である。
また、上記にある通り元は同じ人間から生まれた人造人間をベースにして生み出された改造人間であるため、カマキロイドとカニロイドと融合合体して数倍の力を発揮することが出来る。
人間態時の姿はハードロッカー風の男性の若者で、誇り高い武人であった小説での性格とは違い残虐非道な冷血漢で、殺戮に悦びを見いだしている下衆野郎。
ついでに、同じく暗闇大使から生まれたカマキロイドに惚れているが、当のカマキロイドには全くその気はない。
父と慕う暗闇大使が行った人間狩りを阻止せんとするZXや世界各国のライダーたちによる時空魔法陣への攻撃を行った事で、その時のダメージがフィードバックし瀕死の重傷を負い動けなくなった際、怒りと自分たちの歯止め役となっていた暗闇大使が動けない事を良い事に遊び感覚で、好き勝手に暴れ回り他の2人と共にZXに宣戦布告する。
ZXの一番手として(自称)リーダーという理由から彼との初陣の体手として対決。
当初は歴戦の戦いによる影響や段々と記憶を取り戻しつつあることも影響しているのか、本来の力を出し切れないZXを窮地に陥れ、あっさりと勝利を収める。
思っていた以上に歯応えが無く、全然楽しめなかった腹いせに大量の人間たちを虐殺しようと行動を開始するが、復活したZXに阻まれ自身の驕りによる僅かな油断から滝ライダーとの共闘による波状攻撃で出来た一瞬の隙を突かれて放たれた零距離からの『ZXキック』を受け敗北。
その後、自身が持つ高い自己修復機能により直ぐに再生し、焼け焦げた外皮をウスバカゲロウの毎く脱皮するかのように脱ぎ捨てて真っ白な人間態となり復活‼
但し相当なダメージを受けており、完全に傷が癒えておらず、怪人態になる事が出来なかった為、仕方なくカマキロイドとZXの戦いを見守っていた。
そしてカマキロイドが窮地に陥った際、雪辱戦を兼ねてZXと再戦するカマキロイドと強引に融合(本人が裸であった上に「愛し合おうぜ‼」などと発言しているものだから、物凄く際どい描写になっちゃているが…)。ダブルロイドへと変形した。
「愛の力は強いぜ‼ギィヒッヒッヒッ‼」
ダブルロイド
SPIRITSオリジナルのジゴクロイドとカマキロイドが融合合体した姿。
体の各所から生えた4本の腕の先には切れ味抜群の鎌が備わっており、体内で生産された鋼鉄をも噛み千切る羽虫のような姿の奇怪生物を無数に吐き出し敵を攻撃する。
この姿になる事で数倍の力を発揮できるようになるが、体の主導権がジゴクロイドに移ってしまうカマキロイドとしては大変ご不満な形態でもある。
ZXをその圧倒的な力で追い詰めるが、ライダーマンやスーパー1たちが彼の救援に駆けつけた為、逆に窮地に立たされてしまい、滝ライダーとV3の元から逃げて来たカニロイドと合流し更なる変態を遂げた。
トリプロイド
ダブルロイドがカニロイドと融合合体した姿。
恐らくダブルロイド時の時よりもさらに数倍のパワーアップを遂げていると思われる。
今までの戦いのダメージのために満身創痍状態のZXに止めを刺そうとするが、完全に記憶を取り戻したZXの圧倒的な力の前には全く歯が立たず、全ての腕を『マイクロチェーン』で縛られて電撃を流され、『衝撃集中爆弾』、『電磁ナイフ』、そして『ZXパンチ』の連続攻撃を受けボロボロにされた。
その後、そのまま空中へと牽引され、とどめの一撃をばかりに放たれた『ZXキック』で真っ二つに体を咲かれて爆散。
本人は背骨の一節だけとなった姿で辛くも生き延びるが、ZXのボディの真実を知り、バダンから離反したヤマアラシロイドが放った硬質化して針状にされた髪の毛を撃ち込まれて完全に息の根を止められてしまった。
余談
トリプロイドになる際のダブルロイドとカニロイドの会話は、石ノ森章太郎氏の漫画「幻魔大戦」のオマージュらしい。