概要
児童誌でのスチール連載小説及びそれを原作とした小説『仮面ライダーZX オリジナルストーリー』(著:平山亨)に登場するバダン帝国の強化兵士である毒蛾の能力を兼ね備えた改造人間。
クモロイドが倒された次にZXを抹殺するために本格的にバダンが送り込んだ怪人で、設定から察するにバダン唯一の女性怪人だと思われる。
ZXの抹殺と自らが持つ繁殖能力を使って第2第3のドクガロイドを生み出量産することを使命とする。
人間の血液をエネルギー源としており、マント状の翅で空を自在に飛び回り、神経系の毒鱗粉を撒き散らし、麻痺させ動けなくなった相手に長い口吻を突き刺し吸血してミイラにするのと同時に卵を産み付け、ドクガロイドの幼虫の餌として与えて繁殖させる能力を持つ。
また、相手を目で見つめて催眠術を掛け、意のままに操ることもできるほか、小説の設定では人間を溶かしてしまう猛毒の鱗粉を持った毒蛾を使役することもでき、これを使って要人の暗殺なども行うこともできる。
バダン帝国の最高大幹部(司令官)である暗闇大使と共に裏切り者である村雨良=仮面ライダーZXを抹殺するため襲い掛かり、暗闇大使との連係プレイで追い詰めるが、最後は「ZXイナズマキック」を受けた後に「ZXパンチ」を腹部に喰らい爆死した。
ちなみに、「仮面ライダー10号誕生記念・石森章太郎のオールナイトニッポン」というラジオ番組にも出演した事があるらしく、その時のCVは渡部猛氏だったらしい。
あれっ?男の人…??
その後、最終決戦やTVスペシャル『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』で再生怪人軍団の一員として登場した。
仮面ライダーspiritsでの設定
「真っ青だ……気を失いそうなくらいに………… 」
仮面ライダーSPIRITS・第1部「約束の蒼空(前編・後編)」に登場。
マッドサイエンティストにして父親でもあるボーヒネン博士の手により猛毒を操ることの出来る生物兵器へと改造されたフレイ・ボーヒネンが、その能力をバダン帝国に買われ、強化改造を施された姿で、毒蛾の能力を付与された事により、スカイライダーや戦闘機に匹敵するほどの飛行能力のほか、さらに強力な猛毒を扱えるようになった。
なお、描写から察するに脳改造の類は施されていないようで、記憶処理などの措置は施されていない模様。
幼少期に双子の妹であるフレイアと共に父親であるボーヒネン博士に連れられて自家用機でフィヨルド上空を観光していた時に事故によってフレイア共々重傷を負い、ボーヒネン博士が持つ生物兵器作成の技術によってフレイは猛毒の精製能力、フレイアは猛毒の分解能力を持つ改造人間となる事で一命を取り留めた過去を持つ。
そしてフレイは猛毒の精製能力を制御しきれずに苦しみぬいた末に出奔し、(おそらくは自らの能力を制御する術を求めて)バダンに加わって再改造を受けた。
だが、実は彼とフレイアが改造人間となるきっかけとなった事故はボーヒネン博士が自身の子供たちを実験台として利用する口実を作るために意図的に仕組んだ物であり、二人もそれに気づいていたようだが、それでもフレイとフレイアは父親の愛情を信じ続けていた。
組織内ではフランス語で毒を意味する「プワゾン」とのコードネームで呼ばれており、女性と見紛う長髪の美少年で、雑誌や小説の設定とは異なり、アメンバロイド、ヤマアラシロイド、トカゲロイドを含むバダンの四天王幹部怪人の1人という設定に変更されている。デザイン面でもより生物的かつシャープな体格になっており、マント状の翅は、完全に蛾の翅の形状になっている。
伊藤博士に続きバイオテクノロジーの権威にして自身の父親でもあるボーヒネン博士をバダンへ迎え入れるため、かつて自身が暮らしていた自宅である古城へと襲来した。
以前に有していた猛毒を操る能力はバダンの技術でより一層パワーアップしており、全身から猛毒の鱗粉を撒き散らせるほか、口から毒鱗粉を毒ガスとしても放出することが可能。この毒ガスは無色無臭の超強力な毒性を有し、金属なら一瞬にして腐敗させ、生物は触れただけでも焼けただれて死に至らしめる程の威力がある。空中を飛ぶ弾丸を一瞬で腐敗させるなどの離れ業も可能で、この能力で1度はスカイライダーを退け、連絡を受け駆けつけたノルウェー空軍機の一個編隊を一瞬にして壊滅させた。
改造されたばかりで自身の持つ能力の為に苦しみに苛まされていた時も、バダンに見いだされ、彼らに拾われて怪物と化した現在でも、父親を心から信じ続けていたが、父親と再会しバダンへと誘おうとした際、父親の関心がもはやフレイをドクガロイドとして完成させたバダンの技術力にしか向けられていない事を知る。彼は今までの一連の出来事が全て醜い裏切りであったことを悟り、深い悲しみと強い怒りから父親を毒殺し、瞬時に白骨化した死体を廃棄する。
ちなみに心優しい性格であるスカイライダーこと筑波洋でさえも、父親としても人間としても最低なボーヒネン博士の醜い本性を知った際には激怒して、彼を殴り飛ばしていた(流石に殺さなかったが)。
その後、やり場のない怒りの矛先を復活したスカイライダーに向け襲い掛かるが、ライダーが偶然、フレイアを助けようとした際に彼女が持つ解毒と治癒促進の能力を一時的に身に着けていた為通用せず、猛毒鱗粉の毒霧を切り裂きながら迫り来た『大回転スカイキック』の直撃を受け、大空に散っていった。
なお、死の間際、フレイは人間としての涙を流していた。
その後、彼の遺体はボーヒネン家の墓に葬られたようである。
「いいね…人間だった頃よりしっくりくる」
168話にてニードルの回想として再登場。彼の手によって改造された二人目のバダン怪人であったことが明かされる。バダンの指導者としてカプセルの中に安置された改造前のガモン…後の暗闇大使を目撃した際はその姿を見て「やだな…ぼく抜けようかな」と呟くなど組織への帰属意識の低さがうかがわれる。