「教えてくれ…オレは誰だ!!」
概要
特撮番組『仮面ライダーBLACK』は、いろいろ挑戦しすぎてよくわからない方向に進んでいた仮面ライダーシリーズを一旦原点に回帰するために作られた作品である。そんなTV番組の『仮面ライダーBLACK』と並行して週刊少年サンデーに掲載されていたのが本作『仮面ライダーBlack』である。
この表記はpixiv上では親記事である『仮面ライダーBLACK』と統合されるため、使用してもあまり意味はない。しかしながら、TV番組『BLACK』と石ノ森章太郎御大による漫画『Black』は大きく意を異にする作品であった。
まず第一に、本作ではほとんどバイクが出てこない。それに、主人公である南光太郎の変身した姿も、どちらかと言うとバッタ男に近い化け物のような姿である。これは「異形としての悲哀」を表現した（後の仮面ライダーシンなどと同じく）石ノ森の考えていた「仮面ライダー」という原点の姿だからである。したがって仮面ライダーBlackは腕を生やして阿修羅のようになったり、全身から熱を発したり、脱皮したり、果てはオーラを操作して相手を失神昏倒させ、ドラゴンボールのようにビームを撃ちまくるという、パンチとキックだけで戦っていたTV版の光太郎からは考えられない程天衣無縫な戦闘スタイルを見せた。
そのほか、剣聖ビルゲニアや三神官、シャドームーンなども登場しない。秋月信彦は出て来るが、変身した姿は光太郎と寸分たがわぬバッタ野郎である。
原作は子供番組ではあるが、本作は非常にグロく、怪人は勿論罪なき人々もバンバン殺されていく始末で、しまいにはだれも予想できない、と言うかどうあがいてもRX編が作れそうもない衝撃のラストを迎えることとなる。
あらすじ
アメリカの下水道で都市伝説を調査していたTV局の撮影班は、行き倒れていた全裸の東洋人を見つける。解放しようとするも、突如ワニのような怪人が現れて撮影班を襲う。東洋人の青年は怪人ともつれ合って下水道に転落し、バッタのような怪物へと変貌を遂げる…。
やがて怪人を倒した青年は、自分の名が南光太郎であることを思い出す。なぜ自分は怪物に変身できたのか、襲い来る敵は何なのか。数々の謎を孕んだまま、光太郎は撮影班と共に世界各地を回っていく。
