朝鮮半島の分断国家である韓国と北朝鮮の間で起こった戦争。アメリカ合衆国とソビエト連邦・中華人民共和国が介入した。
概要
第二次世界大戦が終結し、敗北した大日本帝国は朝鮮の統治権を放棄した。しかし、半島北部にソ連軍（赤軍）が、南部にアメリカ軍（米軍）が進駐し、米ソによって分割統治がされ、そのまま北部に金日成が率いる朝鮮民主主義人民共和国が、南部に李承晩が率いる大韓民国が建国。
1950年、ソ連の支援を受けた北朝鮮軍の奇襲侵攻で勃発。一気に南部の釜山にまで韓国軍を追い詰めたが、米軍を中心とする国連軍が韓国支援に参戦。今度は逆に中国国境付近まで北朝鮮を追い詰めたが、今度は中国が北朝鮮支援に義勇軍を派遣。米ソ中の代理戦争と化し、両軍は一進一退を続けた。
1953年に「休戦」となり、北緯38度線付近に両国の軍事境界線が設定され、休戦ラインが実質両国の国境に定められた。しかし、飽くまで「休戦」であり「終結」はしておらず、休戦協定は停戦に過ぎない。朝鮮戦争が正式に終わったことを示す平和条約は署名されていないため、両国はまだ戦争中ということになる。
米軍慰安婦・特殊慰安隊
朝鮮戦争中に韓国軍は自軍と駐留しているアメリカ軍のための慰安婦を募集して、韓国政府は韓国軍・アメリカ軍向けの慰安所を設立・運営し、組織的体系的に慰安婦制度をつくった。
詳細⇒韓国軍慰安婦
日本への影響
当時、米軍を中心とする連合国軍・GHQの占領下にあった日本においては、米国の占領政策の転換のきっかけとなった。
日本を非武装中立国家にしようとしたが、在日米軍が手薄となり、日本周辺の共産勢力の脅威も増し、日本人自身に自国を守らせるため、警察予備隊（後の自衛隊）を創設させた。
日本政府は多額の占領軍経費を「終戦処理費」として負担させられ、米軍の指示で海上保安庁から特別掃海隊が派遣され、戦死者も出している。
一方で、国内での米軍物資の生産から「朝鮮特需」が起こり、経済復興の足がかりとなった。
映画『コクリコ坂から』にはこの朝鮮戦争に関するエピソードが描かれている。
