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Mi-24の編集履歴2015/11/12 23:59:11 版
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Mi-24

みーどゔぁーっつぁちちとぅーりぇ

ソビエト初の攻撃ヘリコプター。輸送ヘリコプターのMi-8をベースに開発されている。本機は攻撃能力と輸送能力を両方備えており、このような機は『強襲ヘリコプター』として知られている。

『空飛ぶ装甲車』

このMi-24はソビエト流電撃戦の為に開発された。

装甲兵員輸送車のように歩兵を同乗させ、戦場を奥深くまで切り開く「空飛ぶタンクデサントである。

歩兵8名が同乗できる兵員室があり、機銃掃射の後に着陸して歩兵を展開させられる。

(というか、他に用途が考えられない)

アメリカAH-1コブラ』を参考にしながら開発され、そこへソビエト独自の要素を導入している。

それが上記の「空飛ぶタンクデサント」であり、その為に装甲車顔負けの装甲が施されている。

愛称は「Крокодилクラカヂール(クロコダイル)」。

NATOコードネームは「ハインド(雌赤鹿)」。非公式には「ブギーマン」とも呼ばれていたとか。

開発について

開発は1968年より開始され、1970年には評価試験用の機体(Mi-24)が完成している。

このMi-24や量産型Mi-24A(ハインドA)は基になったMi-8の特徴を残しており、コクピットは3名乗りの防弾ガラス張りである。

しかし、このコクピットは防弾性能の面に不安があり、(ガラス面積が広かった)1972年に登場したMi-24D(ハインドD)では2人乗りの縦列配置(タンデム)の完全防弾コクピットとなって解決された。

Mi-24Dは新しく可動式の12.7mm機銃をコクピットの下部に搭載しており、対地センサーも追加されている。

同年にはシステムが更新され、誘導ミサイルが使えるMi-24Vも登場。

1974年には可動式機銃を撤去し、機体右側に対地攻撃用の30㎜機関砲(固定式)を搭載したMi-24P(ハインドE)が登場。

1986年には新型のターレットに23mm連装機関砲を積んだMi-24VP(ハインドF)が登場している。

輸出用に「格下げ」された型はMi-25(Mi-24VはMi-35)と呼ばれ、軽量化を兼ねて車輪が固定式にされている。

本家のMi-24共々、現在でも採用された各国で依然として現役である。

余談ながら、Mi-24DのNATOコードネームがハインドDと偶然にも共に「D」を使っている為か、ハインドE(Mi-24P)やハインドF(Mi-24VP)の名称からMi-24EやMi-24Fと誤認して呼ばれる事もある。

装甲車としての有効性

強襲ヘリとしてアフガン侵攻でも使われたMi-24だったが、肝心の能力については不満が残った。

原因は用途の異なるそれぞれのヘリコプターの良いトコ取りをしようとした為である。

輸送ヘリコプターとしてはムダが多く、攻撃ヘリコプターとしては大き過ぎて目標になり易かったのだ。

結果として「攻撃ヘリコプターは専用の機体の方がいい」とされ、後継のMi-28Ka-50では純然たる攻撃ヘリコプターとして設計されている。

それでも一応…

なお、Mi-28に輸送能力は無いが、点検整備用ハッチの奥に2~3名が搭乗できるスペースがあり、「他のヘリの搭乗員等を救出した際に使える」という。

確かにこの方式ならば、殆ど航行速度の制限もされず、無理な機動をしても機内から振り落とされない利点はある。

ただし、入る時にはエンジンの排熱を浴びるし、言うまでもなく中はかなり窮屈で、本当に「外よりはマシ」といった程度である。

だが、AH-64AH-1等でコレをやろうとすると、それこそ外にしがみ付くより他に無いので、安全性では有利である。

アメリカ陸軍では、地上部隊の負傷者の輸送の際に負傷者をAH-64ガンナー席に座らせ、ガンナーは機外のスタブウィングにしがみつくという事を行っているが、これは後方への輸送であり、無論安全が確認された地域で行われた事である。(因みに負傷者の出た部隊とAH-64の部隊は無関係で、通りすがりのAH-64が救援無線を聞いて駆けつけた模様)

イギリス軍の場合はアフガニスタンにてAH.1に4人乗り(うち2人は機外のスタブウィングに搭乗)でタリバン基地を襲撃し、行方不明になっていた海兵隊員の遺体の回収作業も行った。

......まあ、あの国に関してはしょうがない。

装甲車の脅威

強襲ヘリコプターとしての有用性に疑問を残す形となったものの、それでもMi-24の脅威は凄まじいものがあり、アフガン侵攻(1978)では、MI6CIAアフガニスタンのムジャヒディン(イスラム系ゲリラ(民兵))に携行型地対空ミサイルを供与している。

(このムジャヒディンの一部が後年「アルカイダ」に発展するのだが、それはまた別の話である)

装備に乏しいムジャヒディンには対空機関砲といったろくな対空火器は無く、小銃の弾丸は跳ね返されてしまい、手元の武器では立ち向かう術が無いのである。

その間にもMi-24はロケット弾を発射し、機銃掃射でみな次々と殺されていく。

それほどまでの脅威だったのだ。当時のムジャヒディンは「ソ連軍は恐ろしくはないが、彼らのヘリは非常に恐ろしい」と述べている。

CIAやMI6としてはソビエトの足を引っ張る程度でミサイルを供与したのだろうが、これはムジャヒディンにとって大きな助けとなった。

ゲリラは地の利の生かし、場合によっては「ヘリコプターの上から」攻撃したのだ。(山の頂上から撃ち下ろした)

この戦争ではMi-24の弱点も明らかになった。

それはエンジンが隣り合っているせいで、片方が被弾するともう片方のエンジンも被害を受けてしまうのだ。

この配置は原型のMi-8から受け継がれたものであり、変更はできなかった。

とりあえずの暫定策としては、両エンジン間に防弾版を追加する事で対処したが、後継機では機体を挟んで配置するようにしている。

とにかく、このMi-24の実戦投入で攻撃ヘリコプターとしての理想形が明らかになった。

それは奇しくもアメリカと同じものであった。

ゲリラ側に供与されたミサイル

最初はイギリスより「ブローパイプ」、後にCIAより「FIM-43 レッドアイ」や「FIM-92 スティンガー」(当時最新鋭)が供与された。

いずれも携帯型の地対空ミサイル(MANPADS)である。

ブローパイプ携帯地対空ミサイル

1975年にイギリスが制式採用した初期のMANPADS(MAN-Portable Air-Defense Systems:携帯式地対空ミサイルシステム)。

誘導装置には「CLOS(Manual Command to Line Of Sight:手動指令照準線一致誘導方式)」が採用されており、ミサイルを発射機のジョイスティックで操作する方式で命中には職人技が求められた。

実態は「無線操縦ミサイル」のようなもので、本国の兵士さえ持てあますほど複雑であったが為にゲリラには使いこなせる筈もなかった。(当然の事である)

結局CIAが最新型の「スティンガー」を供与し、その後ブローパイプも10年で生産終了となった。

誘導装置の不備が決定的だったのである。

ちなみに対戦車ミサイルのような低速で移動する目標に対して使用するミサイル、固定された発射機から打ち出す地対空ミサイルでこの誘導装置を採用することは珍しくはなかったが、歩兵が携行するマンパッツで採用されるのは非常に珍しかった。

後のフォークランド紛争では、イギリス自身が実戦に投入。

一応11機撃墜(2機は不確実)した事になっているが、それはプカラのようなCOIN機相手に、しかも「総合で百数発」とも言われる数を発射してようやく挙げられた戦果である。

もしくは発射した兵士が職人ぞろいだったのかもしれない。

一応は歩兵が地対空ミサイルを携行しているという威圧は与えることは出来たようだが。

イギリス自身も対空火器としては微妙というのは理解していたのか、「ミラン対戦車ミサイル)のように敵陣地に撃ち込んだ」という話もあるほど。

結局はイギリスでも「スティンガー」の便利さに負けて姿を消した。ストックは対地攻撃などで消費されたらしい。

後継としてレーザー誘導方式を採用し、目標を捕らえ続けるだけでいいジャベリンが開発され、こちらもアフガニスタンでムジャヒディンに供与された。

冷戦終結後の発展

アフガン紛争で「馬脚を現した」と見下される嫌いもあるが、「巨体に似合わず最高速度は300km/h近い」「搭載量が大きい(フルロードでは滑走して離陸する。ほとんど固定翼の爆撃機)」「故障知らずで、メンテがそこそこでもちゃんと飛べる」と長所も多く、何より総生産数2,300機以上(おそらく攻撃ヘリとしては世界最多)という数の力だけでも十分な脅威となりうる。

冷戦終結後は後続機が登場したり、機器や兵装を更新した改良型(魔改造)が登場しており、同じくソ連生まれのAK-47T-55のような「生物的進化(それぞれの環境に適応し独自に進化を遂げる)」を遂げつつある。

Mi-24/35 Mk.III「スーパーハインド」

南アフリカで開発された大幅な改修型で、新式の火器管制装置や航空電子機器(GPSなど)を搭載する。

GPSはアメリカ生まれで、かつての敵国の技術が使われているのである。

(Mi-24以外にもT-55T-72戦車等にもこのような事例は有る)

Mi-35P

“P型”の呼称を持つバリエーションは複数存在するが、キプロスのMi-35Pはどう見ても三座(ガンナー席の後ろに並列複座のパイロット席?)。さらにX字型テイルローターやダクテッドファン(フェネストロン)に換装された機体もあるらしい。

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