概要
アニメ版
劇場版『さらば宇宙戦艦ヤマト』およびTV版『宇宙戦艦ヤマト2』に登場した、地球防衛軍の最新鋭戦艦。ガミラス帝国との戦争後に建造されたもので、西暦2201年に就役した。主力戦艦をベースとした艦体のスタイルに、艦隊旗艦としての機能を加え込んだ高性能な戦艦であり、艦首の連装拡散波動砲や三連装ショックカノン砲塔4基を主兵装とした重武装艦。
ただし人員削減として、乗組員は100名にも満たない95名しかいないという、かなり省力化を目指した大型戦艦である。この所以は防衛軍首脳部の科学力または機械力の盲目的な信仰にあったとされている。これを真田志郎が批判しているが、地球総人口の大量激減を考えると、寧ろ省力化という方法を取らざるを得ない状況だったとも考えられる。
ガトランティス帝国との戦争に投入され、艦隊旗艦として活躍。苦戦する事もあったが、見事にガトランティス艦隊を撃退している。しかし、劇場版では白色彗星に対する拡散波動砲の攻撃が効かず、そのまま呑み込まれて轟沈、TV版では拡散波動砲により白色彗星のガス体を取り払うも姿を現した都市帝国の大型ミサイル攻撃によって戦闘不能に陥り、そのまま特攻する形で轟沈、ゲーム版では両者の描写を統合しているが、やはり彗星に呑み込まれて爆沈と、いずれの場合でも戦没する結果となっている。
TV版では同型艦がいくつか建造中だったが、その後復活篇DC版で同型12番艦が登場するまで姿を見せなかったところから戦争に間に合わずに破壊されてしまった可能性がある。
ゲーム版
PS版ではゲーム化を踏まえてリデザインされているが、外見はほぼ変わらない。所々にディテールアップを施されている他に、分かりにくいかもしれないが、主砲塔の形状や、艦橋周りのデザインが異なっているのが確認できる。
PS2版『宇宙戦艦ヤマト~二重銀河の崩壊~』では、同系艦『ネメシス』が登場しており、拡散波動砲ではなく敢えて収束波動砲を搭載しているのが特徴である。また同シリーズ3部作では、発展改良型とされる『春藍』が登場。こちらは拡散波動砲3門に四連装ショックカノン砲塔5基と、ヤマトとアンドロメダを遥かに上回る性能を有している。
復活篇
劇場版『宇宙戦艦ヤマト復活編』では、アンドロメダを継承した『スーパーアンドロメダ』が登場。詳細は『スーパーアンドロメダ級戦艦』にて。
『復活編DC版』では旧型となったアンドロメダ級12番艦『アンドロメダA12』が終盤に登場した。ただし、主砲等の兵装が耐用年数を超えてしまい、艦橋砲を砲塔にしたような武装に換装されている。また下部のタンク状の設備は輸送用タンクに改造され、波動砲射出口には蓋がされていた。
宇宙戦艦ヤマト2202
そしてリメイクアニメ『宇宙戦艦ヤマト2202』で再登場を果たす。艦級名『アンドロメダ級』と記載しつつも『前衛武装宇宙艦』という名前でも記載されている。当然の事ながらアンドロメダが1番艦である。
またアンドロメダに関しては、復興後3年間の間に建造されたが、その短期間での建造にしては完成度が高い。そのため、公にはできない様な秘密(不明な点が多いとのこと)を保持している形で建造されたとされる。
そして2199の国連から地球連邦に態勢を様変わりさせた後、政府が波動砲艦隊構想を提唱し、それを具現化したのかアンドロメダ級戦艦である。つまりアンドロメダ級がヤマト以降で初の波動砲装備艦艇であり、当艦艇が就役する以前の艦艇は波動砲未装備と考えるのが妥当だと思われる(イスカンダルとの条約もネックになっていたことから尚更ではある)。とはいえいまだに情報量が足りない故、公式HPの公開情報待ちである。
アンドロメダ級1番艦(前衛武装宇宙艦AAA‐1)『アンドロメダ』は、地球連邦防衛軍宇宙艦隊総旗艦として就役している。艦長は山南修。
デザイン
ディテールアップして登場する。デザインはほぼオリジナルを踏襲し、担当したのは玉盛順一郎氏である。言うなればゲーム版デザインに準拠している。主砲の砲身基部の位置、艦底部のVLSと乏しきハッチ等は、PS版並びにPS2版で書き起されたデザインに共通していると言えよう。また新装備が多岐にわたり追加された。因みに全長の設定は公式HPに掲載された情報から全長444mに設定された事がわかる。
武装
武装面ではオリジナル版に比してかなり追加されており、未知の部分が多い。拡散波動砲は無論のこと存在するが、驚くべきことに今回の拡散波動砲の波動エネルギーは、1つ1つが小エネルギー弾に分散するのではなく、拡散した波動エネルギーは分散しても1つ1つの威力は収束型となんら変わらない点にある。
また艦体が巨大化並びに省力化した反面、主砲口径は40㎝とヤマトより小型化している(とはいえ超ド級戦艦らしい大口径砲である事は変わりがないが。)点も大きな違いと言えよう。また主砲はショックカノンと同じ原理ではあるが発展形ともいえる収束圧縮型衝撃波砲塔を採用、技術向上によるエネルギージェネレーターの大型化と砲身の中間部に設けられた陽電子収束器によって、小口径ながら高威力かつ高い速射能力を有しており、特に速射性からくる制圧能力は圧倒的であると言え、実際に第2章においては、その性能が明確に表現されており、ヤマトを本気で沈めんと豪雨のような連射力で主砲を発射している。
但し、第1章ではカラクルム級に対し艦尾側2基6門を撃ち込んだにもかかわらず重装甲に弾かれてしまったのに対しヤマトは1基3門のみで一撃で破片すら残さない程に跡形もなく易々と爆散させているなど、一撃辺りの貫通力、破壊力に関してはやや劣るような描写である。(当たった角度が悪かったような描写や、ヤマトは主機関からのエネルギー伝導ではなくエネルギー弾からの供給であったこともあるが、本作の戦闘シ-ンは設定スペックを無視している場面が多々あるためその点は留意すべきである。)
同型艦
また今作はアンドロメダ級の同型艦が5隻も建造されている。詳細は『前衛武装宇宙艦』へ
オリジナル版
スペック
- 全長、275m(280m)
- 全幅、66.2m(66m)
- 全高、不明
- 基準排水量、98000t(100000t)
- 乗員、95名
- 機関、波動エンジン×1基、補助エンジン×4基
- 兵装
・艦首拡散波動砲×2門(ゲーム版『ネメシス』は収束波動砲2門)
・50.8㎝三連装衝撃砲×4基(または50㎝)
・五連装(七連装)大型艦橋砲×1基(または艦橋ミサイル砲×5門)
・三連装対空パルスレーザー砲×2基
・二連装対空パルスレーザー砲×2基
・艦首ミサイル発射管×4門
・対空ミサイル砲×8門(または固定式四連装舷側砲×2基)
・連装舷側砲×4基
・対潜宙艦ソナー
- 艦載機、機数不明
- 艦名、「アンドロメダ」「ネメシス」「A12」
― 艦長、土方竜(TV版)
性能
宇宙戦艦ヤマトを凌ぐとされており、地球防衛軍首脳部の多くもアンドロメダを最強の戦艦として認識していた模様。この戦艦の特徴は省力化に伴う全自動化システムにあり、人間はただ計器を眺めているだけであると言われている。ゲーム版では、後に2番艦ネメシスが就役した。
攻撃性能において、拡散波動砲(または収束波動砲)2門に、ショックカノン12門、その他艦橋砲といった武装もあって、その攻撃力はヤマトを凌ぐと言っても過言ではない。攻撃時は、戦術コンピューターが判断して攻撃する。レーダーで捉えた標的を直ぐにコンピューターが各砲塔へと伝達し、自動的に砲撃するのである(発射命令自体は人間がする。でないとヤマト追撃時勝手に各砲が発砲しなかった事に説明がつかない)。
防御性能において、通常の戦艦と比べれば固いと考えられる。しかし、最新鋭と言われながらも彗星都市のミサイル4発の攻撃で戦闘不能に陥っているため、防御性能には疑問の残るところではある。ただしこれは評価の難しいところであり、アンドロメダは艦橋を中心にミサイルの攻撃を受けている。つまり、艦体そのものではなく頭を潰された為に、戦闘不能に陥ったと考えられるからだ。が、省力化によってダメージコントロールも低下しているとも考えられ、ヤマト程のタフネスさはないものと推測される。
航行性能において、難点はない。ただし、ヤマト追撃のおり、小惑星帯の中を思うように進むことができずに取り逃がしている経験がある。航行システムなどのコンピューターが安全面を考えてしまい、島大介のアクロバティックな操艦を選ばなかった可能性もある。もっとも、クルー一同がまだ若手であるという可能性も考慮すると、甲乙の判断は付けがたい。それに小惑星帯を先に出て、ヤマトの進路先に先回りするといった加速性能があるので、決して劣るとは言い難いのである。
経歴
さらば宇宙戦艦ヤマト
進宙式典にて、大民衆に見守られながら就役を果たし、式典からそのまま宇宙へ飛び立ち、古代進の乗艦する護衛艦とニアミスしつつもテスト航海へと出て行った。
その後、太陽系へ侵攻しつつある彗星帝国の艦隊を迎撃するために出陣する。各国の艦隊を糾合して連合艦隊とし、その旗艦としてアンドロメダが陣頭に立った。活躍も見事なもので、ガトランティスの艦載機部隊を対空砲火のみで全機迎撃してしまい、潜宙艦による奇襲も体制を整えて反撃して壊滅に追いやってしまった。極めつけは、ガトランティス艦隊への拡散波動砲による先制攻撃で、アンドロメダ1隻でバルゼー機動部隊を壊滅に追いやってしまったのである。
しかし続く白色彗星への攻撃で、両者の態勢は入れ替わった。拡散波動砲が通用せず、回避行動が遅れてしまったが為に連合艦隊は全艦が彗星に飲み込まれ、アンドロメダも例外なく吸い込まれバラバラになってしまい、就役から3ヵ月も経たない極めて短い間に生涯を終えたのである。
宇宙戦艦ヤマト2
外周任務から戻ってきたヤマトと、地球軌道付近でニアミスするところから登場。地球市民の関心は高かったようで、アンドロメダの飛行を目の当たりにした子供たちも興奮やまぬ様子だった。
艦長は土方竜提督で、教え子の古代進が進路を譲らないことから一触即発の事態になった。ただし、この時は古代の方が、ガトランティスの攻撃を受けてヤマトが損傷したこと等を報告していれば、アンドロメダが素直にコースを変更していたであろうことが伺える。
その後、ヤマトが脱走したとの報告を受けて、追撃のために急遽駆け付けた。小惑星帯でカーチェイスならぬシップチェイスを繰り広げるも、練度に勝るヤマトと島の操艦に逃げられてしまった。だが小惑星帯を先に出て加速力を生かすことで先回りに成功、ヤマトと砲門を向け合い睨みあった。だが古代たちの意志の固さに見逃すことを決め、土方は上層部に対しヤマトを発見できなかったと嘘の報告をする。
ガトランティスの存在が明らかになった後、土方による独断命令によって艦隊は集結。土星を拠点として迎撃態勢に入った。土方の作戦で、ヤマト率いる空母部隊がガトランティス空母機動部隊を壊滅させ、残るは本隊との決戦となる。
アンドロメダは総旗艦として陣頭に立って挑んだものの、いざ決戦が始まると地球艦隊は不利に陥った。まず側面攻撃を仕掛けたはずのヒぺリオン艦隊が返り討ちにあって壊滅。そして拡散波動砲の発射よりも先に火炎直撃砲の攻撃に晒されてしまい、大きく後退を余儀なくされてしまったからだ。土方は、土星の輪まで一気に後退して誘い込む様に艦隊を動かした。
下手をすればアンドロメダも餌食になりかねなかったが、地球艦隊がカッシーニの隙間に出たところで、ガトランティス艦隊が火炎直撃砲発射による高温で水蒸気爆発を起こしてしまい乱気流の影響で艦列を大きく崩してしまった。その隙を逃さず素早い反転行動を行い、整然として反撃を開始。
砲雨に耐えたバルゼー提督の旗艦『メダルーザ』を残して、ガトランティス艦隊を悉く撃ち減らし撃滅してしまったのである。そして全滅を悟りアンドロメダと刺し違えるべく単艦による突撃を敢行してくるメダルーザに対し、とどめの集中砲撃を開始、滅多撃ちにして轟沈させた。
直後、ワープアウトしてきた白色彗星本体との戦いに突入。拡散波動砲でガスを取り払うもそれが限度だった模様で、その後は決死の砲撃戦を展開するものの一歩及ばず砲撃は都市周辺を纏うガス帯に阻まれ、連合艦隊は都市帝国のミサイル攻撃によって壊滅。アンドロメダも艦体に2発、艦橋基部に1発食らい、トドメのダメ押しと言わんばかりに艦橋に直撃。これが致命的な一撃となって戦闘不能になり、土方を乗せたまま彗星都市に衝突、轟沈してしまった。
PSゲーム版
「さらば」及び「2」の描写が統合されてはいるがおおむねアニメに沿った流れであるが、冒頭の進宙式及び古代艦とのニアミスはカットされ、英雄の丘でヤマトクルーたちの頭上を通過していくシーンが初登場に回されている。またヤマトを追撃するのが小惑星帯から変更され火星軌道を過ぎた地点になっている(これは松本零士氏の漫画版に準じた描写である。)。
ネメシス
PS2版3部作の最終作『宇宙戦艦ヤマト~二重銀河の崩壊~』特定の手順を経てゲームを開始すると援軍ユニットとして最初から参戦している。これはガトランティス帝国戦役の後の話、つまり暗黒星団帝国との戦争時に建造された戦艦である模様。
スペックはアンドロメダと概ね同等であるが、唯一違うのは波動砲が収束型になっている点である。これは推測であるが、今後も白色彗星のような物体を相手にしたとき、あえて貫通力を持たせる為に収束型を搭載したのではと考えられる。
二重銀河でヤマト率いる艦隊に参加し、幾多の戦闘を潜り抜けて無事に地球に帰還したと思われる。
PS2版
指揮戦略戦艦アンドロメダ改級「春藍」
春藍を参照
宇宙戦艦ヤマト復活篇版
スーパーアンドロメダ級戦艦
宇宙戦艦ヤマト2202版
スペック
- 全長:444m
- 機関
・主機『次元波動エンジン』×1基
・補助機『ケルビンインパルスエンジン』×4基
- 兵装
・二連装次元波動爆縮放射器(艦首拡散波動砲)×2門
・40.6㎝三連装収束圧縮型衝撃波砲塔×4基
・速射魚雷発射管×4門
・重力子スプレッド発射機×4基
・四連装対艦グレネード投射機×2基
・亜空間魚雷発射機×4機
・司令塔防護ショックフィールド砲×3基
・近接戦闘用六連装側方光線投射砲×2基
経歴
1番艦たるアンドロメダは密かに進宙していた模様で、物語冒頭のガミラス第8浮遊大陸基地奪還において隠し玉として投入されていた(テスト航海を兼ねていた模様)。古代をはじめとする現場指揮官はアンドロメダ投入の事を殆ど知らされておらず、ガトランティス艦隊が投入してきたカラクルム級戦闘艦の暴風雨の如き暴れように鑑みて、芹沢虎鉄の(半ば独断に近い)意見具申により戦場の遥か後方より拡散波動砲による逆撃を実施し、浮遊大陸及び近隣惑星群への甚大な被害と引き換えにガトランティス艦隊を消滅させた。
ただし、カラクルム級には拡散波動砲の照準が定められていなかった為に、大損害は与えつつも仕留めきれず、調査のため近づいていたアンドロメダの目前で再起動、とっさの事態に判断の遅れた山南艦長だがすぐに立て直し応戦を命ずる。しかし主砲を放つもカラクルム級の予想以上の加速についていけず外してしまい、修正を加えた第二射も入射角度が悪かったのか被弾はしたものの損害を与えられず取り逃がしてしまう結果に終わり、アンドロメダ乗員の練度の低さと波動砲頼み過ぎる戦術という問題点を浮き彫りにする形でアンドロメダにとって前途多難な初陣となった。
その後第二話では同型艦4隻の進宙式典が行われ、恐らくは全長、全高が数十キロにも及ぶであろう巨大なマスドライバー(進宙式のためというより兵器転用を目的として建築されたとされるが用途の狭さ、射界の狭さから兵器というよりは資材運搬用の施設という色味が強い)から打ち出されそのままワープに入り去っていった。(重力環境下及び大気圏内での空間跳躍における危険性をどうやって解決しているのかの描写は劇中で示されていないため現在不明である。)その後1番艦アンドロメダがテスト航海より帰還、「さらば」及び「2」をなぞる形で英雄の丘上空を通過、ヤマトクルー達からの罵声を浴びつつ悠然と飛び去っていった。
余談
構造上の欠陥?
アンドロメダは戦闘艦としては短命な戦艦として知られるが、デザイン的にも非常に印象的なものから視聴者やファンの間では人気の高い戦艦である。しかし、そんなアンドロメダにもちょっとした欠陥構造が存在する。
艦尾の4つ補助エンジンに付いているフィン状のパーツが、第3砲塔を真横に向ける際その射角に入ってしまうというものである(これは、ヤマトの後部副砲にも言える事であるが)。この影響で、平航戦時の4基12門の一斉射撃が不可能となってしまうのである。ヤマト追撃戦の時に、見事にそれが露呈している。
完全版
また2202版として改めて設定が描き起こされる際、旧版のアンドロメダは描かれる角度に応じたパースが数種類存在する為、立体化するうえで安定した形に整えるのが非常に難しいとの事だった。その為、CGでの完全立体化(商品化の狙いも含め)を成し得る為、幾度となく試行錯誤を重ねた結果、あらゆる角度から見ても破綻のない、完全版アンドロメダが完成したに至る。
関連タグ
宇宙戦艦ヤマト 宇宙戦艦ヤマト復活篇 宇宙戦艦 春藍 スーパーアンドロメダ級戦艦 前衛武装宇宙艦AAA アンドロメダ級 アキレス(宇宙戦艦ヤマト) アンタレス(宇宙戦艦ヤマト) アポロノーム(宇宙戦艦ヤマト) アルデバラン(宇宙戦艦ヤマト)