性交体位は、二人が性交(性器を結合)しているときの両者の体の位置関係を表す言葉である。
単に「体位」、または「ラーゲ」(ドイツ語:Lage)ともいう。
なお、シックスナインのように、厳密には性交体位でないものも、これに含める例もある。
pixivでは「体位」タグの方が多く使われている。
概説
一般の動物では交尾の際の姿勢は一定しているが、ヒトにおいては複数の体位があり、それを状況に応じて使い分け、あるいは時によって変更する。
また、一回の性交の中でも、複数の体位を行うことも珍しくない。
伝承
日本
日本では様々な体位をまとめて四十八手と言ったりする。
各国
これは世界各地、それぞれに古くから伝えられたものがある。
古代ギリシャでのそれはアリストパネスの喜劇『女の平和』の中に女たちが性交断ちの誓いをするセリフ
「天井にスリッパをさしあげ(正常位?)」「チーズ削りの上の雌ライオン式に立ち(後背位?)」とあるのがその例となろう。
さらに『蛙』には「キュレネーの十二手式」なるものが出てきており、これは名高い遊女の名である。
また、古代インドの寺院には様々な体位で性交する像が並ぶものがある。
中世ヨーロッパ
中世ヨーロッパでは正常位以外の体位、特に騎乗位を行うものは、魔女であるとされ弾圧を受けることがしばしばあった。
この時代では、陰核亀頭が女の魔法使いにのみ存在する悪魔の乳首であるとされていたいたほど性の知識が蒙昧であり、魔女はクリトリスを勃起させて、騎乗位でセックスしていると信じられていたのである。
また、正常位のセックスでも性感を得ることは罪悪であるという認識もあった。
しかしながら、アナルセックスはセックスでないとみなされることが多く、アナルセックスならば正常位以外の体位でもセックスを行うことができた。
楽しむためのセックスはアナルセックス以外が禁止されていたのである。
そのため、膣は神聖な穴、肛門は快楽の穴と認識されていたが、快楽は不潔で忌避すべき概念でもあるという認識も同時に存在していたのである。
性交体位とはアナルファックにおける体位を意味する言葉であり、体位もアナルでの性感を強く感じるためのものが多く、セックスにおける技術のほとんどがアナルセックスのための技術でもあった。
また、結婚するまでは処女でいることが宗教の戒律となっていたため、アナルセックスは恋愛におけるセックス、ひいては恋愛そのものすら象徴することがあった。
アナルで性感を得ることに慣れるためにオナニーもアナルを中心としたアナニー、アナルオナニーが頻繁に行われ、推奨すらされていたとさえ言われている。
具体例
正常位・後背位(バックスタイル)・騎乗位などが最もポピュラーな体位となっている。
命名や分類ははっきりしないが、
一説には正常位とその派生、後背位とその派生の2つに分けるとも言う(三葉(2008)、p.64)。
名前の付けられている体位の中には、女性を抱え上げるような、腕力を要するものや、互いの体に負担の大きいものもあり、実際にはほとんど行われないものが含まれる。
視覚的に興奮を覚える体位が、必ずしも快感を得られる体位とは限らない。
また女性側にとっては、何度も体位転換があると興奮が中断してしまう場合もある。
映像作品において
日本映画・日本のテレビドラマに登場する濡れ場では、昔から布団をかぶった正常位が多いが、アメリカ映画では女性が男性にまたがった騎乗位が多く、アナルを使用したアナル騎乗位が大半である。
アダルトビデオでは変化を持たせるため、様々な体位が披露される。
主な性交体位
参考文献
- 三葉、『30歳の保健体育』、(2008)、一迅社