概要
大阪府吹田市の江坂駅〜豊中市の千里中央駅を結んでいる。ほぼ全線が高架幹線道路「新御堂筋」に沿って造られており、江坂駅にてOsakaMetro(旧大阪市営地下鉄)御堂筋線と接続、相互直通運転している。第三セクター会社で、全営業区間は5.9kmと短いが、準大手私鉄に分類されている。
1970年、大阪万国博覧会(大阪万博)に合わせて開業。御堂筋線をそのまま延長するだけで済まさなかったのは、
- 大阪市が運営する交通局が、大阪市外の奥まで入る路線を作って、市民や議会を納得させられるのか。
- 万博が終わってから赤字にならないか。
という事で、交通局も阪急も及び腰だったため、阪急が出資して交通局から乗り入れる形態の新会社+新路線が誕生。当時は万博会場まで乗り入れていたが、この末端部分は閉幕後に廃止され、予定通りに中国自動車道の用地になった(大阪モノレールが、この路線跡に並行している)。
現在は、江坂駅から千里中央駅まで運行している南北線を、千里中央駅から北へ約2.5km、箕面萱野駅まで延伸予定で、この区間は2020年の開業を予定している。
会社名の中(北大阪急行)にもあるように、この会社は阪急グループ(阪急阪神東宝グループ)である。なお、開業当時の阪急の正式名称は「京阪神急行電鉄」だった。
黒字路線で運賃も日本一安い(初乗りが大人90円)状態が続いていたが、2016年度以降は支出が収入を上回り赤字となる可能性が出たため、初乗り運賃を大人100円に改定(「100円」という金額は若桜鉄道、岡山電気軌道に並ぶ)することにした。
各駅に転落防止柵を新たに設置している。
実情
利用客も多いにも関わらず、地元でも知名度は低い(とはいっても、料金が地下鉄と別に加算されるので、さすがに利用者が分かっていないような事はない)。運行面でも事実上の御堂筋線の延長として扱われており、現在の8000形が走る前に走っていた2000形は御堂筋線でも走っていた30系のコピー車両だったことから、ことさら北大阪急行を意識されることは少なかった。
実際「地下鉄御堂筋線の終点は?」と問われて中百舌鳥はともかく江坂と答えられる人間は、鉄ヲタ以外いないと言っても過言ではないだろう。日中すべての電車が御堂筋線と乗り入れており、江坂行は早朝深夜を除いて運行はしていない。運行系統的な意味では、江坂が終点だと強調するのは、京浜東北線が存在しないと主張するレベルの空しい発言であろう。
駅一覧(南北線)
駅番号 | 駅名 | 読み | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|
箕面萱野 | みのおかやの | |||
箕面船場阪大前 | みのおせんばはんだいまえ | |||
M08 | 千里中央 | せんりちゅうおう | 大阪モノレール線 | |
M09 | 桃山台 | ももやまだい | ||
M10 | 緑地公園 | りょくちこうえん | ||
M11 | 江坂 | えさか | ||
↓OsakaMetro御堂筋線なかもず駅まで直通運転 |
車両
阪急グループの影響で、車内は阪急寄りの内装となった。御堂筋線を利用する場合でも北大阪急行の編成は「当たり」だと評する乗客も少なくないだろう。
メイン画像の車両、通称「ポールスター」。ローレル賞受賞車両。内装が阪急の車両と酷似している。通路のドアが自動になっている。御堂筋線の女性専用車両はラッピングされているが、こちらの車両はステッカーだけなので乗車時は注意されたい。
後述の9000形の導入で一部廃車も出ている。おなじ阪急グループの地下鉄堺筋線乗り入れ車の阪急3300系はほぼ全車健在、世代的に言えば7300系や8300系に近いのに比べれば雲泥の置き換えペースの速さである。
2014年春運行開始。通称「ポールスターII」。車両メーカーは阪急グループでは珍しく近畿車輛。第3編成以降はデザインを変更して登場した。今後も増備が行われる。
開業時の車両。当時の大阪市営地下鉄の30系に似ている。8000形導入により引退し、1両が静態保存されている。
他に万博閉幕後に大阪市営地下鉄に譲渡されることを前提に作られた7000形、旧8000形(こちらは完全コピー車両、大阪市30系に編入)がある。
発車メロディー
駅に電車がはいってくるとき「鬼のパンツ」(フニクリフニクラ)が流れる。