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概要

種族妖獣(妖怪兎)
二つ名地上の兎()・幸運の素兎()・飛び跳ねる兎の大群()
巧言令色の素兎()
能力人間を幸運にする程度の能力
危険度
人間友好度普通
主な活動場所迷いの竹林
登場作品永夜抄 5面中ボス・花映塚文花帖 LEVEL 4
テーマ曲お宇佐さまの素い幡

※ただし危険度や人間友好度等の評価は作中登場人物の稗田阿求による。

因幡てゐは、迷いの竹林と、その奥にある永遠亭を住処とする妖怪兎

健康に気を遣って長生きする内に妖怪変化の力を身に付けた。

竹林や永遠亭に住む妖怪兎たち(モブイナバ)のリーダーであり、彼ら(彼女ら)は全ててゐの手下である。

初登場は東方永夜抄。ストーリー中では5面中ボスとしてのみの登場であり、ラストワードでないと立ち絵が見られない。妖精に近いと言われるほど気性は激しく嘘つきで悪戯っ子だが、後述のように年齢から来る経験を持つ為時折カリスマめいたものを醸し出すような立ち振る舞いや発言もある。

因幡の素兎伝説の兎本人とすれば、その年齢は179万乃至180万歳以上と推測される。これは大まかな年齢が判っている東方のキャラクターの中では2、3番目に高齢ということになる(一番は上司)。

見た目は幻想郷でも屈指のロリなので凄まじいロリババアである。

永琳輝夜迷いの竹林永遠亭を建てて数百年後に永遠亭に侵入した。その際に迷いの竹林の所有者を自称し、二人が「人間に見付かるまで歴史が進まない仕掛け」を亭に施して月の使者を避けていた事を見越してか「人間を寄せ付けなくする代わりに(手下の)兎達に知恵を授けろ」と契約を持ちかけ、それ以来部下共々永遠亭に住み込んでいる。

なお、てゐは輝夜の能力と永琳の知恵の結晶である仕掛けのせいで新たな歴史が起こらない筈だった昔の永遠亭に唯一歴史を起こしている人物でもある。てゐが何故仕掛けを潜り抜けているかは永琳すら解っていない。

この他鈴仙によれば、てゐは迷いの竹林の旧名称を知っており、かつてゐだけがこの場所についての全てを知っている。

てゐは迷いの竹林の旧名称の頃からここに棲んでいる「 最長老 」であるという。

名前のローマ字表記は、永夜抄では「Tewi」だったが、花映塚では「Tei」となっている。ちなみに中華圏だと「因幡帝」という表記となる、なにそれ強そう。

名前の由来

彼女の「てゐ」という一見由来の分からない、不思議な名前の出どころに関しては幾つかの説がある。

物語冒頭で翁が光る竹の中からかぐや姫を見つけるシーンの一文に、

「それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。」

とあり、ここから採られた名前であるという説。似た名前の由来が指摘される妖怪もいる。

  • 万葉仮名由来説

「て」と「ゐ」を平仮名の原型である万葉仮名に戻すと「天」と「為」であり、繋げて「天為」となる。

天為とは「天の為すわざ」の意味であり、てゐのある意味天命を左右する力である「人間を幸運にする程度の能力」に由来する名前であるという説。

  • 十干十二支由来説

てゐを十干の一つ「丁(てい)」とし、丁は四番目を意味して使われることもあるので、十二支の四番目である「卯(うさぎ)」を示した名前であるという説。

容姿

癖っ毛の短めな黒髪(「白」兎なのに・・・)と、ふわふわなウサミミ、もふもふなウサ尻尾を持つ。服は桃色で、裾に赤い縫い目のある半袖ワンピースを着用。永夜抄では裸足だったが、花映塚では靴下を履いている。4コマではドロワーズをはいていることが確認されている。

ZUN絵でも頭身はかなり低く、各書籍においても身長はかなり低く描かれていた。

作者が「神主にキャラ間の身長比を詳しく聞いている」らしい東方三月精においては永琳輝夜鈴仙>てゐ、といった身長順で描写されている。

また同作では先の服装に加え、はんてん(らしき上着)と丸サングラスにタバコ様の何かを持つといういでたちも披露した他、儚月抄では雨合羽姿や鉢巻きをした姿なども見られる。

花映塚ではニンジンアクセサリー鈴仙とお揃いで着けている(てゐ:ネックレス、鈴仙:ネクタイピン)。永夜抄の後で何があったのか、想像が膨らむ。

能力

人間を幸運にする程度の能力

他人に幸運を与えることが出来る。

迷いの竹林で迷った場合でも、てゐを見つけることさえ出来れば運良く竹林を抜けることが出来る。ただ、折角貰った幸運も竹林を抜けるだけでほぼ全て使ってしまうのだが。

花映塚ではてゐの足元の花が全て四葉のクローバー(てゐ曰く四葉のクローバーが見つかる確率は10万分の1)になっていたり、儚月抄4コマ)では金銀財宝を掘り当てていたりするなど、てゐ自身も幸運になれるようである。

性格

妖精のように気性の激しい性格。花映塚における鈴仙の波長診断でも、「兎の中でも飛び抜けて短い波長(長いほど暢気、短いほど短気)」と評される。

また、非常にお調子者で悪戯好き。賽銭詐欺などの規模の小さな詐欺的行為も働いているよう。映姫にも「程度の低い詐欺」呼ばわりされている。ただ、詰めを誤り痛い目に合う事も(花映塚ストーリーモードなど)。

ただし前述のように非常に長い時間を生きてきただけあり、知識と経験はかなり豊富なようである。

それ故か、輝夜の能力と永琳の知恵の合作である仕掛けを潜り抜けたり、「昔の鬼の酒の味」を知っていたり、地上の古い神々を懐かしむ様子を見せたり、「お師匠様(永琳)よりダイコク様の方がいい薬を作る」と永琳をコケにしたりと、妙なカリスマを発揮する事も。

また詐欺だけでなく商売も行うことがあり、とある大晦日には博麗神社に並んだ露天の一角で「カラーうさぎ」を取り扱っていたり(内一匹は別コマでてゐの頭に乗っている。三月精)、別の機会には中有の道の出店の半数以上をM&Aで掌握したりしている(儚月抄4コマ版)。なおその際のM&Aの基本資金はモブイナバ達のお小遣いの投機と、先と同様の「カラーうさぎ」の販売で生み出しており、出店買収後にさらにそこで得た資金を元手に他の出店を買収する形で規模と資本を増強させている様子である。

ただし、鈴仙は「カラーうさぎ」の販売について泣いて反対している。この際てゐは「 汚い金でも蔵は建つ 」と言い放っており、てゐ自身もその商売について何らかの問題点を認識してるようである。

この他「兎角同盟」では幹部となっているが、リーダーである鈴仙とは意見が異なる。

人間関係

永遠亭メンバー

八意永琳

契約相手であり、一応上司。知恵を与えてもらう契約をしている為か「お師匠様」などと呼んではいる。他方、影では余り尊敬していないような態度も。

積極的に関わろうとはしていないが、4コマなどでは彼女への悪戯の為に鈴仙輝夜をけしかける事もたまにあった。

儚月抄小説版で、永琳はてゐについて「 気がついたら居て、気がついたら居なくなっている 」とその不思議な神出鬼没さについて評している。一方で「 重要な時には必ず居る 」ともしており、そのトリックスターぶりが伺える。また永琳が例月祭の時に兎たちにつかせている餅に仕込んだ興奮剤についても、てゐは見抜いている様子を見せた。

鈴仙・優曇華院・イナバ

名目上は上司。実体は契約相手の部下、つまりほぼ格下。悪戯を咎められながらもうまくかわしている。逆に悪戯のターゲットにする事も多々ある様子。

月から逃げてきて迷いの竹林を彷徨う彼女の事を見付け、永琳と輝夜に報告したのはてゐである。

4コマでは悪戯やからかいのメインターゲットとしており、かなりコケにしていたが、時折こっそり気遣ったり目立たない優しさを向けたりも。

蓬莱山輝夜

契約相手の一応上司であり住処の持ち主。輝夜の出番の少なさもあり、本編中では余り絡みは無い。

竹林の外の事を輝夜に伝えているのはイナバ達(輝夜は永遠亭の兎を、鈴仙を含めみな「イナバ」と呼ぶ)であり、そのリーダーはてゐなので、彼女経由で輝夜は外の情報を取り入れている事になる。

4コマでは輝夜の提案に対して兎達を動員して手伝ったり、輝夜が何かやり始めるきっかけを故意に作り出したりしていた。「姫様」とは呼んでいるもののタメ口でかなり気安い様子。

その他

綿月依姫

本編では絡みは無い。ただ、そのチート級の強さで定評のある彼女を、4コマでとはいえKOした唯一の存在がてゐだったりする(決まり手:落とし穴)。

綿月豊姫

依姫同様小説版・漫画版では接触はないが、4コマ版にて何とか地上の兎(モブイナバ)たちを月の都に連れて帰りたい豊姫の策を見抜き、地上の兎を連れていかせないことに成功している。

一方、豊姫から兎と「月の石」との交換を持ちだされた時はそれに応じようとするなど、真意のなかなか読めないてゐらしさが垣間見える。

このときに交換に持ちだしたのも、てゐの商売の主力商品である先述の「カラーうさぎ」である。

因幡の素兎

淤岐島(おきのしま)から稻羽(いなば)に向かって海を渡ろうとしたとある白兎。

渡る為に、海にいた和邇(読みはワニ。実際はサメであると思われるがワニそのものという説も)達に「互いに同族の数で比べ合おう。海に並んでくれたら、その上を渡りながら貴方達の数を数える」と言って騙して和邇を海に並べて橋とし、それを踏み台にして海を渡った。ところが、渡り終わった後につい騙した事を和邇達に言ってしまったが故に、衣服(毛皮?)を剥がれて怪我をしてしまった。

怪我の痛みに泣いていたところ、八神上売(やがみひめ)に求婚する為に旅をしていた兄弟神である八十神達が訪れた。彼らは兎に「海水で体を洗って風に当たり、高い山の上で休むといい」と嘘のアドバイスをした。その結果、傷は更に痛んだ。

そこに、八十神の兄弟神の一人であり、従者のように扱われ荷物を持たされて連れられていた大穴牟遲神(おおなむちのかみ)が訪れる。兎から事情を聞いた彼は、兎に「水門の所に行って真水で体を洗い、水門の所に生える蒲の穂を取って敷き散らし、その上を転げ回れば傷は癒えるだろう」と助言した。

その通りにした兎の傷は癒えた。

大変感謝した兎は「八神上売様は、八十神ではなく大穴牟遲様を夫とするでしょう」と予言した。後にこれは事実となる。

兎は後に「白兎神」「白兎明神」などと崇められ、縁結びの神として、各地に「白兎神社」を建てられ祭られる事となった。

てゐはこの兎が元ネタ且つこの兎その人と思われる。

そうだとすると、てゐは妖怪である以前に神格持ち且つ神社持ちという事になる。

またこの物語の起こったとされる年代から、前述のようにてゐは170万歳以上と言う事になる。これは因幡の白兎の活躍した神代が神武天皇の即位年である紀元前660年から数えて、即位の16年前である東征開始が年紀元前676年(古事記)、邇邇芸命の天孫降臨が東征開始より1792470余年前(日本書紀)、更に国譲りや大国主神による国造りよりも前にあたることから。ただし天孫降臨から神武東征までの年数は、古事記において記述されてない上、火通理命の年齢が600年弱であるため、日本書紀の記述とは大きく食い違っていることを留意しなくてはならない。

更に、大穴牟遲神、つまり大国主は八坂神奈子の元ネタの一つである建御名方神(タケミナカタ)の親であり、もう一つの八坂刀売神(ヤサカトメ)は建御名方神の妻である為、てゐは神奈子より長く生きており神奈子の親と旧知である、というような事になる。

スペルカードにも符「大穴牟遅様の薬」があったり、ダイコク様(=大国主様)について「大変な美男子で兎達の憧れ」と発言したり、実際部下の兎達も餅搗きの際の歌に名を出していたり、「ダイコク様の方が月の使者より頼りになるし、お師匠様よりもいい薬を作る」と言って兎達と談笑したりと、てゐは彼への感謝や憧れの念を深く持っているようだ。

二次設定

ある時は計略を張り巡らせて、またある時は悪戯半分で他のキャラを騙す、いわゆるう詐欺としての扱いが大半。物語のトリックスター的な扱いがメイン。

・・・そのせいか、一作品前に登場して「狡猾キャラ」が売りだったリリカのキャラが食われてしまった感も。

また、狡猾キャラ以外にも外見相応な子供キャラとして扱われる事もある。

カップリングなどは、兎仲間の鈴仙との組み合わせ(てゐんげ)が殆ど。同じく同居人である永琳輝夜との絡みは少ない。

また、永遠亭外のキャラとの絡みも余り無い。

他の記事言語

Tewi Inaba

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因幡てゐの編集履歴2019/01/29 20:23:07 版