「実はあたし……二次元にしか恋したこと、ないんだよね……」
プロフィール
概要
第9巻よりその存在が仄めかされて来た世界で二番目に確認された精霊その人で、始原の精霊のことを唯一知り得る存在でもある為、始源の精霊を探している狂三が情報源として探していた。
識別名は<シスター>。ショートカットの灰色の髪にトルコ石のような瞳をした、外見年齢18~19歳くらいの眼鏡女性。
物語が始まる10年前から軋轢を起こす事もなく人間社会の中で生活していたという精霊で、“本条蒼二”というペンネームで『SILVER・BREAD』という作品を描く漫画家としての日々を送っていた。
5年前エレンの闇討ちを受けて囚われてしまい、DEMの極秘研究所に捕らわれていたが、12巻にて起こった出来事により脱出を果たし、その数週間後、士道を自らの家に誘い込んで彼に正体を明かす。
人物
軽快かつさばさばとした性格で、基本的には喜怒哀楽豊かなお調子者としての面が目立つ。
時折年下をからかう小悪魔的な一面を持ち、士道に対しては少年と呼び、年上のお姉さんまたは対等な友達のような関係で接している。
他人に変なあだ名をつけることも多く、後述の人間不信が無ければ交友関係はとても広かったと思われる。
遊びやゲームの知識が詳しいため、彼女が加入してから彼女が発端で番外編の話が展開されることが結構多かったりする。
またかなりの貧乳キャラであるのだが、この手のキャラに珍しくあまり貧乳であることにコンプレックスを持っていない。むしろネタにしている。男装したりもしてる。
常に大人の余裕を持っており、他の精霊は感情を表に出して怒ったりすることが多いが二亜はあまりそういった所が見られない。
とある理由を発端とする極度のオタク気質であり、その守備範囲はゲームやラノベを中心にかなり広く、過去の経験から作品に込められた作者の情熱を何よりも大切にしている。
十大精霊の中では唯一の成人だが、かなりの飲ん兵衛であり、劇中でも他の者から飲んだくれ扱いされる事も(士道たちと出会うまでは漫画家の性もあって結構だらしない生活を送っていた模様)。
一方で社会人としての分別自体はしっかりわきまえており、個人のプライバシーに関しても一番の良識人だったりする。普段は気丈に振舞っているが、内心では自身の空虚を癒してくれた士道たちにかなりの甘えと感謝を抱いている節が見え隠れしている。
というより、二亜は士道を自分の主夫にする気満々だったりする。確かに士道は家庭的なので主夫っぽいが…
能力
霊装は識別名の通り、各所に十字架があしらわれた暗灰色の修道服状の形状をしているが、精霊中彼女のみ霊装のイメージと本人の人物像が一致していない。
また、頭部に付いた髪飾りはペンとして用いることが可能である。
下記の天使により、情報戦という分野においてはまさにチートと言って良い無敵の力を発揮しており、その他にも幾つかの強力な異能力を秘めている。
一方、単純な戦闘力は全精霊中ぶっちぎりの最下位で、殴り合い殺し合い等も全くの不得手。加入後は天使の力も殆ど行使出来なくなってしまった為、戦いにおいてはほぼ戦力外となっている。
囁告篇帙‐ラジエル
二亜の顕現させる天使。聖書を思わせる本の形をしており、知りたいと思う情報を何でも知る事ができるという全知の能力を有している。
経歴
12巻にて日本の関連施設に運ばれる途中であったが、何らかの事情で暴走状態になっていた士道の霊力に共鳴して目覚めて彼に助けを求め、士道の放った波動で輸送機が撃墜された隙に捕えられていたコンテナを破壊し脱出を果たす。
その後自身の力を封印してもらう為、自身の天使の能力により事前に情報を得ていた五河士道の前に現れ、彼とのデートも自らノリノリで提案する。
が、実は彼女は天使の能力で自身の正体やどんな人間でも持っている汚い部分を知ってしまった結果、人間という存在そのものに愛想を尽かして現実の人間を信じられなくなり、二次元へと傾倒し、どんなに彼女と親しくしようと近づいてくる人間もその人物の汚い部分を知りたくないが故に心を閉ざして避け続けて来た。
その為に士道とデートをしても好感度が上がらないばかりか、なんとかして心を開かせようとあの手この手と試みるも玉砕が続く結果となってしまう。
そこで士道をモデルにした同人誌(厳密には士道のドキュメンタリー)の主人公に恋させてみてはどうかという話になるが、その同人誌自体彼女が読むに値するかどうかを掛け、コミコ(コミックコロシアムの略)で彼女が描く同人誌と何方が人々の心をつかみ売れるかで勝負する事となった。
そして遂に訪れた決戦において勝負は引き分けという結果に終り、約束通りにその同人誌を読むことになる。内容は決して素人の域を出る物ではなかったが、無意識に使ってしまった天使によって士道の善性に一切の偽りがないことを知り、涙ながらに彼を認め心を開く。
その直後DEMの謀略と襲撃によって精霊としての力の大半を奪われてしまうも、命の危機は免れ、それと同時に彼女は精霊に対するある重大な秘密を皆に伝える事に…。
余談
「生命の樹(セフィロトの樹)」において対応する事象は以下の通り。
数字 | 2 | 名前 | 二亜 |
---|---|---|---|
神名 | ヨッド | 霊装 | 〈神威霊装・二番(ヨッド)〉 |
守護天使 | ラツィエル | 天使 | 〈囁告篇帙(ラジエル)〉 |
また、髪の毛の色が灰色なのは対応するコクマーから来ているものと推測される。
ちなみに<フラクシナスEX>の管理AI MARIAは彼女に対して妙に当たりが強い。
顔つきこそは似てないが、修道服のような形状の霊装は彼女を元にして作られたかと思われる或守鞠奈のものと酷似したものとなっており、繋がりを伺わせる(平たく言えば鞠奈や鞠亜の姉に該当する)。
『マテリアル1.5』では関係性が断言された。
腰にはトルコ石を通されている紐が巻かれているが、そちらは戦闘時に天使を顕現させた鞠奈の体に巻き付いているコードの巻き方が共通している。
関連タグ
漫画家 オタク 情報 シスター 2 残念な美人 眼鏡っ娘 腐女子
二番目の精霊:素性が明らかになる前の呼び名。
以下、彼女に関するネタバレが含まれています。ご注意ください。
その正体は琴理や美九と同じく<ファントム>によって精霊の力を得た元人間である。
本人曰く、精霊としての力を得たのは物語が始まる27、8年前になるとの事。
上述の通り5年間DEMの研究機関に捕らわれていたが、良心や倫理観が欠落したウェストコット達が彼女をまっとうに扱う訳もなく、極秘の実験が行われている地下施設に最重要機密『資材A』として幽閉され、自分たちの手で“反転体”を生み出しその力を奪おうと、地獄の様な人体実験や拷問を受け続け、精神崩壊寸前にされる責め苦を味わっていた。
しかし皮肉にも彼女の心に根付いていた諦観により、後少しの所でどうしても反転体へと至らなかった為、搾取されて殺されるという運命を回避し、脳内に超小型の顕現装置を埋め込まれ、それらの記憶を一時的に消されて休眠状態にさせられていた
そして士道を認め彼に心を開いた直後、それを待ち望んでいたウェストコットにより人体実験や拷問の記憶を思い出したことで、現在の状況と過去に自身が受けたギャップの差で深い絶望に囚われた事で、遂に反転体へと変質。
彼女の脱出自体も、(偶然が加わったとは言え)意図的にそうなるよう仕向けられていたことが発覚した。
「―<神……蝕、篇……帙>―」
霊装は体から汚泥のようなどす黒い霊力の塊のようなものへと変貌し、体には聖痕を思わせるような夥しい数の傷が現れ血を流し続けており、更に自らの血で赤く染まったその顔は血の涙を流し続ける聖母を思わる、どこか終末の到来を予言する不吉さをにじみ出した容姿へと変わり果てた。
間髪入れずに待機していたエレンとアルテミシアに体内の"反霊結晶"を奪い取られ瀕死の重傷を負う。
だが、襲撃を受ける前に士道が<破軍歌姫>の力を用いて彼女の心に直接訴えかけ意識を僅かに呼び起した為に、完全な反転体と化していなかった事が吉となり、僅かに残されていた表の霊力を士道が封印し、<ラタトスク>の集中治療を施された事で辛うじて一命を取り留める。
『あ』『り』『が』『と』『う』
<囁告篇帙>も、黒魔術が記載されている巨大な黒い本の様な形をした魔王<神蝕篇帙(ベルゼバブ)>へと変貌しており、ウェストコットに"霊結晶"ごと奪われて以降は、彼の力として不完全ながらも士道たちを大いに苦しめる事となる。