概要
節足動物の大グループの1つ、「甲殻亜門」に属するものの総称。
その多くが海洋生物であり、昆虫と鋏角類に次いて節足動物における大きいなグループである。
ほとんどの甲殻類は水生節足動物で、完全陸生のものはダンゴムシなど僅かしかない。
大雑把に言うと、節足動物における昆虫は「陸>淡水>海」で、甲殻類は「陸<淡水<海」という逆さまな分布具合になっている。
大型なカニとエビが印象的であるが、これらは系統的に甲殻類の一握り(軟甲綱・十脚目)に過ぎない。実際、甲殻類はカニとエビの他にも、貝にそっくりなフジツボ、微小なカイアシとミジンコ、虫扱いとされる陸生のダンゴムシや寄生虫として知られるシタムシをも含んだ多彩なグループである。
2対の触角、脚など付属肢にもう1本の枝(二叉型付属肢)を持つことが共通点であるが、これらの特徴が退化して不明瞭になった例も少なくない。(ミジンコのYの字形の触角が二叉型の一例である。カニやエビの場合は枝がほぼ退化している。決してハサミのことではありません。)
ほとんどの種類が水生のためか、魚介類としてのイメージが強く、陸生のダンゴムシや寄生虫の部類に入るものを除いて、節足動物の中ではさほど「虫」扱いとされないグループである。
甲殻類と昆虫
鳥は爬虫類の恐竜から進化したように、昆虫は系統的に甲殻類の間から進化したグループである。そのため、甲殻類は汎甲殻類に属する節足動物のうち、昆虫を含めて六脚類(六脚亜門)を除いたものをまとめた様々なグループの総称である。
汎甲殻類(=甲殻類+六脚類)
┗┳━甲殻類:フジツボ、カイアシ、軟甲綱(十脚目、等脚目、シャコなど)
┗┳━甲殻類:ムカデエビ
┗━六脚類:昆虫