概要
球状の、極めて複雑なシリコン構造体。後述のエピメテウスシリーズを除き、人工的に作り出されたものではない。
分かりやすく言うなら外宇宙(つまり、こことは異なる宇宙)から来た異種生命体。107年前(復興歴0年)、「この宇宙」と「iDOLの宇宙」を繋ぐゲート「アウリン」が開いた際に「この宇宙」、ひいては地球に5体が飛来した。その際、アウリンによって月が破壊された(ロスト・アルテミス)。
アニメ本編では一切言葉を発していないものの、その行動などから大凡の性格の推測は可能。しかしほぼ全機が何かしらの問題行動を起こしているため、今でも色々とネタ扱いされている。
iDOLは、月の欠片を起源とする隕石「ドロップ」を破壊する為の人型重機「プロメテウス」のコア(エネルギー源)として利用されている。プロメテウスのパイロットはiDOL自身が認めた少女に限られ、彼女達は「アイドルマスター」と呼ばれる。尚、iDOL自身がプロメテウスを動かすことも可能。
プロメテウスの起動には「アイ (i)」と呼ばれる、iDOL毎に対応したキーが(基本的には)必要。これは黄金色に輝く棒状の結晶体で、普段はキーホルダーに納められている。サイズは女子高生の片手で包めるくらい。iDOLはアイを通して離れた場所のことを見聞きできる。
他、iDOLの能力として重力や慣性を自在に操るというとんでもないものがある。巨大・重量級のプロメテウスを維持し動作させられるのもその為。その能力を活かして作りあげた「レイヤーフィールド」(重力レイヤー)と呼ばれる一種のバリアで機体を保護することにより、宇宙空間でも行動可能。プロメテウスを調整すればマグマの中でさえも平気で動ける一方、使い方を間違えれば周囲の物体を無差別破壊してしまう。ドロップ破壊などに用いられる必殺パンチ「トレークハイト・ブレッヒャー」も慣性操作の賜物であり、対象の慣性を不均一にすることで完全に粉砕する。爆発寸前の火山を抑え込むほどのパワーを持つこの一撃に耐えられるのは、同じ能力を持つiDOLくらいである。
iDOL一覧
全高は頭部構造物(角とか)の頂点までの高さ。
各自の名前については別キャラの説明になっていることもあります。
インベル(Imber)
全高 | 38.83m |
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重量 | 232.27t |
メインカラー | 白(差し色は青→ピンク→白→ピンク) |
型番 | PROMETHEUS 1 |
マスター | 天海春香、如月千早、三浦あずさ(コミック版) |
名前の由来 | 月の地名「雨の海」(学名:Mare Imbrium) |
主人公機。16年間閉鎖された第七格納庫に収納されていたが、春香の声に反応し起動。以降春香の搭乗機となる。春香のために度々無人で起動することもある。ちなみにかつては千早がマスターを務めており、彼女と恋愛関係にあった模様。
胸部のピンク色は春香の好きな色で、8話で律子らに塗り替えられた。千早に奪取された際は白になっているが、最終話では再びピンク色に塗られている。後に戦術核並みの破壊力を持つパイルバンカー型の武装ユニット「ファウストシュラーク」が装備された。
最終話にて不安定化したアウリンに他のプロメテウスシリーズと共に突撃。春香を乗せたコクピットを強制排除し、他の4体と共に命と引き換えにしてアウリンを安定化・消滅させた。その際、春香に宛てた「ダイスキ」というメッセージをアイに遺していた。
何よりも春香が好きで、最後の出撃をした理由も他のiDOL達と違いあくまでも「春香のため」で、地球のことはオマケに考えていたらしい。また春香の(ほぼ盗撮同然の)写真を大量に保存していたり、エンディングの全裸で回転する春香はインベルの妄想(公式)であったりなどの点から、視聴者からは「盗撮ロボ」「淫ベル」などという不名誉なあだ名をつけられてしまっている。
また主人公機にもかかわらず「敵に一度奪取される」「負け星が多い」など、戦闘面での扱いは若干不遇。ただし、それ以外の成績(ドロップ撃破など)は良好。
性格はヌービアムに叩きのめされたため恐怖して動かなくなる(2、7話)、春香(と千早)以外は乗せようとしない、春香を助けるために何度も勝手に動いている(1話など)という点から考察すると、「勇敢だが臆病」「基本的に想いは一途」と思われる。
小説『アイドルマスターXENOGLOSSIA -絆-』では、脱走した春香を探すべく伊織と共に銀座中の監視カメラをハッキングするという強硬手段を採った。
ネーブラ(Nebula)
全高 | 37.90m |
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重量 | 228.4t |
メインカラー | 黄色とオレンジ |
型番 | PROMETHEUS 2 |
マスター | 水瀬伊織、菊地真、三浦あずさ/秋月律子(DVDオマケ映像) |
名前の由来 | 月の地名「霧の沼」(学名:Palus Nebularum) |
インベルと共にアイドルマスター課に配備されているロボット。インベルが春香しか乗せないのに対し、こちらは多くのマスターの登場を許す。その代わり一度拒絶したマスターは以降決して乗せようとしない。整備担当からは「人見知りはしないが、喧嘩すると恐い」と称されている。主に過剰なまでに乱暴に扱われたり大破させたりするとそのマスターを拒絶する傾向にあり、実際作中では乱暴な扱いをした真がはっきり拒絶され、更にその前は暴走事故を起こしたあずさも拒絶されている。ただし伊織は例外で、伊織搭乗時にヒエムスに大破させられた後も彼女を拒絶することなく受け入れて再起動している。
ちなみに律子もネーブラのマスターだったことがあるが、真の方が適合率が高かったため辞退したらしい。
一度iDOLを無人運用する装置「マスターユニゾン」を装着されたが、ネーブラ自身がそれを拒絶して暴走、人格消滅の危機に陥った。その際は伊織が命がけでマスターユニゾンをパージしたことで、事なきを得る。この一件以降(真が拒絶され操縦できなくなったのも一因)、伊織が正規のマスターとなる。ちなみに昔(伊織が子供の頃)に伊織と会っており、その際に伊織の写真を保存している。後にアンカーユニット「ツィードラート」が装備され、エピメテウスを相手に一騎当千の活躍を見せた他、3体のiDOLともほぼ互角に渡り合っている。
最終話にてヒエムスと共にアウリンへの活路を切り開いた後に爆発。その際伊織を乗せたコクピットを強制排除している。
上記の特徴を統合すると、「プレイボーイだが本命は一人」な性格だと思われる。またヒエムスが仲間になった際には今までのけじめとして一発殴り飛ばしているなど、荒っぽい部分も見られる。
小説『アイドルマスターXENOGLOSSIA 伊織サンシャイン!』では主役機を務める。敵に奪われて操られるシーンもあった。最期の時、伊織に「アウリンは私の手で外宇宙に」「ありがとう」と言い遺している。
ヌービアム(Nubilum)
全高 | 41.61m |
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重量 | 234.2t |
メインカラー | 黒と赤 |
型番 | PROMETHEUS 3 |
マスター | 如月千早、萩原雪歩 |
名前の由来 | 月の地名「雲の海」(学名:Mare Nubium) |
敵対組織である「トゥリアビータ」が、唯一モンデンキントから奪取したiDOL。マスターである千早の技量の高さも相まって、強力な戦闘力を有する。さらに雪歩が搭乗した際も圧倒的なパワーと執念でインベルをほぼ一方的に叩きのめし、戦闘不能に追いこんでみせた。
千早が雪歩を連れてきた時から雪歩を見ており、その頃の雪歩の写真を保存している。後に重力砲「シュープボーラー」が追加装備された。
最後は自分の意志で起動、攻撃衛星「ウルトゥリウス」からインベルと雪歩を庇った時にコアを撃ち抜かれ完全に機能を停止、さらにコアはアウリンに吸収されてしまう。オリジナルの5体の中で最初に消滅したiDOLとなった。
アウリンを消滅させる間際に雪歩に「地球を守る」という約束を残していた。
千早がインベルに執着してばかりで自身には見向きもせずとも、雪歩と共に最後まで彼女に忠誠を尽くした。ある意味では彼もまた、雪歩同様に千早の忠実な「犬」だったのかもしれない。
何気に専用と呼べるテーマソングもあったりする。
小説『アイドルマスターXENOGLOSSIA -絆-』では、千早専用機となっている(雪歩が乗らない為)。本作では先にヒエムスがアウリンに取り込まれており、最終盤では千早の意志に従ってインベルの為にアウリンへの道を切り開き、彼女と共に爆死した。アニメと違って千早と心を通わせることができた彼は、本望であっただろう。
テンペスタース(Tempestas)
全高 | 46.35m |
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重量 | 256.3t |
メインカラー | 赤 |
ナンバー | PROMETHEUS4 |
マスター | 双海姉妹 |
名前の由来 | ラテン語で荒天・嵐(Tempestas) |
7年前に起きた事件で行方不明になったiDOL。起動実験中に突如暴走し、マスターである双海真美と共に虚数領域へ消失。
その後トゥリアビータに拉致された双海亜美の前に突如出現し、雪歩のヌービアムと千早のインベルを圧倒的パワーで退けた後、真美を亜美に託し自己犠牲同然の行動に出て外装部分が消滅。この際超高熱に長時間さらされたことにより、大部分の記憶が消失した。
その後はコア単体で運用されており、エピメテウスを引き寄せる波動を放ってトゥリアビータ本部へ向かう春香とインベルの活路を開いた。
最終話でネーブラの腕にくくり付けられ、アウリンへの活路を切り開く。後に消滅する際には双海姉妹に別れの言葉を残した。
前述の暴走事故は実験中に重傷を負った真美を治癒するため行ったことだったのだが、この影響で真美は見た目は12歳だが精神年齢は5歳のままになってしまっている。そのため「幼女拉致監禁ロボ」「誘拐犯」などと言われることも。
戦闘能力に関してはiDOLの中でも最強クラスで、ほぼ完全な自立稼働にもかかわらずインベルとヌービアムを一蹴している。他、ファンネルのような浮遊砲台も装備。さらに他のiDOLに干渉し、その動きを止める波動やエピメテウスを引き寄せる波動を出すことが可能。
登場する話が少なかったために性格などは不明だが、真美を連れて行く際に亜美に謝罪したり、亜美を連れ去ろうとしたヌービアムとインベルを問答無用で叩きのめしているところを見る限り、姉妹への愛情の強さがうかがい知れる。
こちらにも専用と呼べるテーマソングがある。
小説『アイドルマスターXENOGLOSSIA -絆-』では、終盤になってようやく帰還した。尚、真美は行方不明になっていなかったという設定の為、虚数領域へ乗り込んだインベルによってコアだけの状態で引きずり出された。
ヒエムス(Hiems)
全高 | 40.87m |
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重量 | 249.4t |
メインカラー | 白と金 |
型番 | PROMETHEUS 5 |
マスター | 菊地真 |
名前の由来 | 月の地名 「冬の湖」(学名:Lacus Hiemis) |
アイスランドにあるグリムス山に眠っていた最後の1体。モンデンキント本部はアイスランド崩壊の恐れを知りながらコアの回収作戦を優先しようとしたが、人命を優先したジョセフの命令で回収は行なわれずリファによって回収された(アイスランド崩壊は春香とインベルによって防がれる)。
当初から対iDOL戦闘を考慮してフレームが作られたため、そのシルエットは他のiDOLとは大きく異なっており、左手がニードルガンになっている。その分本来の用途であるドロップ除去には若干不向きな一面も見られた。
初登場時は真の操縦技量もありネーブラを完膚無きまでに叩きのめすも、後の東京決戦では互角に渡り合われている。後に真がモンデンキントへ復帰すると共に彼もモンデンキントへ移った。
最終話にてネーブラと共にアウリンへの活路を切り開いた後に爆発。その際真を乗せたコクピットを強制排除している。
登場した時期もあり、上記の4体と比較するとさほど問題行動はないが、真をネタにして「男の子を好きになった」と言われることもある。
ちなみにそのシルエットから女性ではないかという説もあるが、ネーブラを助けた際は今までのけじめとして敢えてその拳を受けるという男らしい一面を見せている。公式ムック『アイドルマスター XENOGLOSSIA Sweet Memories』での長井龍雪(監督)と花田十輝(シリーズ構成・脚本)の対談によれば「最初に小父様というイメージがあって、頭が良い(花田)」「ステキな小父様(長井)」と言うことらしく、ジョセフ・真月のような紳士であることが窺い知れる。
小説『アイドルマスターXENOGLOSSIA -絆-』ではプロメテウスとしての出番は無く、トゥリアビータの首魁・カラスがアウリンを起動させる為にコアのままアウリンへ放り込まれた。哀れ。
エピメテウス(Epimetheus)
全高 | 31.63m |
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重量 | 重量227.5t |
メインカラー | 青 |
型番 | EPIMETHEUS 1 |
マスター | リファ |
名前の由来 | プロメテウスの弟「エピメテウス」 |
トゥリアビータが擁する人工iDOL、及びそれをコアとしたプロメテウス。5歳児程度の知能を持ち、本部からの管制さえあればある程度の自立行動が可能。一応、リファが乗り込む為のコックピットはあるが、むしろ有事の際の待避所という扱いである。
オリジナルのプロメテウスと比べて耐久性にやや難がある。マニピュレーターが爪状になっており、普段は折り畳んでいる腕を伸ばすことで見た目以上の攻撃範囲を誇る。また、双海亜美曰くコアの音色は「聴くに堪えない酷い音」らしい。
東京決戦時には凄まじい数が出現。、一部がモンデンキント本部を襲撃し、組織のトップグループである「グランドロッジの猫」を皆殺しにした。東京に現れた機体の大半はネーブラとヒエムスに撃墜され、トゥリアビータ本部消滅と共にコントロールを失い、全機が機能を停止した。
ちなみにリファが操るエピメテウスのみ外装が異なっている。
小説版2作ではリファ共々出番無し。そんなんありか。
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●REC:女性のセクシーシーンでこの手のコメントが付くことがあるが、それはインベルが元ネタという説がある。
ゾイド:「意思を持ったコアに機械の外装を取りつける」というコンセプトがプロメテウスと似通っている。