概要
対応ハード | 発売日 |
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STEAM | 2018年4月24日 |
[[[XboxOne]] | 2019年10月11日 |
Playstation4(海外版) | 2019年10月11日 |
Playstation4(日本版)※ | 2020年2月27日 |
※発売はまさかのDMMGAMES担当
ポーランドはワルシャワの11 bit studiosが制作したシムシティライクとサバイバルを融合した氷河期スチームパンク都市経営RTSである。公式曰くソシエティサバイバル。
2020年現在、某有名ラノベの題材になる程度には世界的に新たなブームとなっているサバイバルゲーム。その多くはfalloutシリーズに代表されるオープンワールドRPGまたそれに準ずる広大なマップを舞台とした作品が中心であった。
そんな中にあって本作は限られた箱庭を発展管理する都市ゲーをフォーマットとした異端の作品であり、生き抜くのも一人の英雄ではなく多数の市民である。
プレイヤーは最も温暖でも-20℃という過酷なスノーボールアースへと至った地球でコミュニティの指導者となり、そこからもなお下がりつづける気温と戦い、時には全体の生存のために少数を、そして人道を切り捨て白い死の世界での生存に挑むこととなる。
本作の市民たちは資源であると同時に寒さと並ぶ最大の敵でもある。
まぁこの手のゲームにはありがちというか、遭難や内戦で全滅寸前の状況でも12時間しか働かないクz…ゲフンゲフン。とにかくしかたないね。
なに?12時間“も”?たった12時間と思えるようになったらあなたは初心者卒業だ。
ゲーム内容
トロピコやCivilizationのように特定の目的を達成すればクリア(エンドレスモードを除く)となるタイプ。
無茶な命令や失政を繰り返せば市民の不満が上昇し、やがて失脚してゲームオーバーとなる点は同じだが、本作はサバイバルゲームでもあるためその制限がかなり厳しくなっている。
また、サバイバル要素として本作では不満に加え希望の要素があり、これは主に住人の死によって減少、ゼロになるとゲームオーバーになってしまう。
希望と不満の二択を迫られるイベントも多く、必ずしも市民全てに良い顔はできないし、難易度設定を上げるにつれ全てを救おうとする行為は破滅に直結してゆく。
難易度はイージーから始まる5段階で、最高難易度はノーセーブを強いられる生存者モードとなっており、クイックポーズまで禁止されている(ポーズ自体は可、中断セーブはあり)。
生存者モード以外は要素ごとに難易度のカスタマイズが可能で、「イージーだが資源供給量だけエクストリーム」と言ったプレイもできる。
独自要素
更に氷河期を舞台にした本作ならではの概念として温度管理の要素がある。都市は中央の超巨大ストーブを中心として建築され、常にプレイヤーは燃料たる石炭の収支とにらめっこを続けることになる。
病院や食堂などの一部の施設はヒーターの範囲の外では操業すらできないため、プレイヤーは気温の低下とともにヒーターの出力と範囲を上げていく必要がある。しかしそのたびに燃料の消費は劇的に増加し、やりくりを誤ってストーブが停止すればまたたく間に市民は凍死、ゲームオーバーとなってプレイヤーは身一つで白銀の荒野に追放されることとなる。
エンディング&トロフィー
プレイヤーの都市建築の様子がナレーションとともに早回しで再生されていくが、このナレーションが曲者。本作の主目的は生存であり2周目引き継ぎなどもないため、どれだけ酷い圧政を行おうとも一部の実績orトロフィー以外に影響はない。
……のだが、殆どの場合はこのナレーションにボロクソにこき下ろされることになる。
生存者モードでナレーションに褒められた方、リアルで政治家になってはいかがでしょう?
そんな感じで難易度こそ高いが自由度の高いゲームなので、生存とシナリオ目的以外の目標はゲーム内に存在せず、トロフィー・実績の扱いのみとなっている。一例を上げると
- テントを使用しないorテントだけで生き抜く(ロンドンより良いor酷い)
- 炭焼窯以外の石炭生産施設を使用せず(収集は可)に木炭のみで生き抜く(木炭化)
- 厳しい法律の制定やアビリティの使用を行わなず善政を行う(黄金の道)
などがある。中でも一番困難なのは、メインシナリオハードモードを一人も死者を出さずにクリアする「鉄の救世主」だろう。誰か死んでも当然の世界で一人も死なせない、鉄というよりむしろ鋼の救世主である。
ストーリー
蒸気機関が発達し、スチームパンク世界線となった19世紀。
地球はクラカタウとタンボラ山の噴火が一因と思われる急激な寒冷化に見舞われる。
寒さに不慣れな南国と植民地は真っ先に壊滅し、政治的経済的混乱が世界を覆った。
懐疑主義者と政府が地球寒冷化を否定し続ける中、寒冷化の更なる悪化を予期した大英帝国は未だ石炭の豊富に埋蔵されている北極方面への避難を計画し、混乱の及ばぬ複数の僻地に石炭駆動の巨大な蒸気ジェネレーターを建造する。
その予想は的中し、ついに世界は地球史規模の大災害全球凍結へとで至ってしまう。
プレイヤーは難民たちのリーダーとなり、ジェネレーターを中心に人類最後の街を建設する。
時に摂氏マイナス100度を下回る極限環境の中、資源を集め、荒野を探索し、寒波に備え、時に犠牲を伴う決断を下さなければならない。
新しい家(New Home)
メインシナリオ。
時は1886年。
ロンドンを逃れ新天地「ウィンターホーム」を目指す難民たちは遭難し散々となってしまう。
決死行の果てに放棄されたジェネレーターを発見したプレイヤー「キャプテン」率いる80人は
ここをひとまずの避難所とし街の建設を開始する。
しかし、ひとまずの安全を得た彼らにもたらされたのは、約束の地であったはずのウィンターホームが崩壊しているという一報であった。絶望が街を覆い移民を中止しロンドンに戻ることをc主張するロンドン主義者たちが街を混沌状態に陥らせる。この状況ではウィンターホームの二の舞になると判断した「キャプテン」は、住人たちに目的を与える政策を決断する。
信仰 | か | 秩序 |
---|---|---|
数々の人間性と引き換えに希望を取り戻していく街。結末はどうあれ、ロンドン主義者は消え、住人たちは再び一つになった。
しかし、今度こそ訪れたと思われた平穏は、突如街に現れた大量の難民たちによってまたしても打ち破られる。
そして明らかになったのは零下100℃を超える死のブリザードが街に迫っている、前回とは比較にならない絶望だった。それでも生存を諦めず、嵐に対する備えを始める街。
果たして彼らは生き延びることができるのか―――
メインにしてチュートリアルでもあり、クリアして初めて他の3シナリオが解放される。
2日続く-150℃の大寒波に耐えることが最終目的となる。
ゲームの期限はどんなに引き伸ばしても47日となる。
聖櫃(Arks)
いつ明けるともわからない永遠の冬。
それでも人類はいつか訪れる春に向け、世界中の植物の種と苗木を納めた「聖櫃」を建造していた。それを凍結から死守するべく、オックスフォードとケンブリッジよりぬきの科学者たちはオートマトンによる自律稼働都市の建設を任された。たとえ自分たちが遥か彼方の春を見ることがなかったとしても―――
しかしその最中、彼らは崩壊間際の街を発。使命に身を捧げるか、苦難の道となっても彼らを救うか、選択を迫られる。
住民がわずか40名のエンジニアのみで、以後増えることがないのが特徴。
食料調達は温室のみとなり、いかに早くオートマトンを建造するかが攻略の鍵。
難民(Refugees)
時は未だ19世紀。
ロンドンが崩壊し金持ちや貴族と言った富裕層ばかりがジェネレーターへ脱出する中、捨てられた市民の一部が北へと向かう船を強奪し、偶然にもジェネレーターへとたどり着くことに成功する。
人々が平等に暮らせる街を建設すべく続々と押し寄せる難民を受け入れる住民たちであったが、ついに貴族たちの難民が街へと到達。極限環境の中で階級闘争が再燃する。
産業革命による社会構造の変革と階級闘争をからめた19世紀らしいシナリオである。
ウィンターホームの崩壊(Fall of Winterhome)
メインシナリオの前日譚。
ウィンターホームは焦土となり、ジェネレーターは停止した。
前任のリーダーの抑圧と寒さに不満が限界を迎えた住人たちが反乱を起こしたのだ。
新たなリーダーとなったプレイヤーは街の復興を任せられるがその最中、ジェネレーターが既に手遅れであることが判明する。
迫る爆発のタイムリミットまでに、避難を完了させることはできるのか。
The Last Autumn ※DLC
2020年3月現在、PS4版では未実装。
まだ地球に緑と海が残っていた頃、サイト113を舞台にジェネレーター建設を巡る物語が描かれる本編そのものの前日談。
DLC扱いであり、新たな建築物や法律ツリーが実装。
シナリオ中でついに冬が到来し、プレイヤーの決断では混乱の末にMystic Power的な法律すらも施行可能となる。そのためCERO:CなPS4版での実装が心配されるところ。
エンドレスモード
文字通りエンディングが存在しないエンドレスなシナリオ(?)。
さらにこのモード自体が通常シナリオのような極限環境の「忍耐」と、穏やかな気候で好きな街を作る「平穏」の2種にわかれており、強いて言えば、トロフィー条件である「忍耐」のノーマル・ハード・エクストリームの各難易度での100日生存がエンディングである。
- 険しい山々:ジェネレーター049。大きいが、岩が建設を妨害
- 峡谷:ジェネレーター358。小さく、崖が建築を妨害
- 平地:ジェネレーター番号不明。非常に大きく建築しやすいが、資源が遠い
- クレーター:ジェネレーター番号不明。バランスの取れた中サイズ
の4つの地形が用意されている。
なおこのモード専用の建築物や用意されている他、町の名前も自由に決められる。
なお、クレーターは「新しい家」と同じ地形である。これを選んで中央から均等な角度で一直線に伸びる道路の先に蒸気ハブを建築したっていいぞ!
登場人物
本作には登場人物らしい登場人物はいないが、史実の人間が名前のみ登場する。
この他、OP画面にはゲーム中の各市民の代表として一応名前付きのキャラクターが登場する。
キャプテン(プレイヤー)
大を救うために眉一つ動かさず小を切り捨てるひどいやつ。要するにお前ら。
キャプテンとは主にメインシナリオでの呼称。
トロフィーでは鉄の男だの鋼の救世主だのと呼ばれる辣腕の指導者でもある。
でもまぁ-150℃の嵐を乗り切る程度には有能。むしろ最終的に市民改め臣民が不満は抱いても絶望はしなくなるほど有能。
でも大体の場合は14時間労働を強いて死体を雪穴に遺棄するあたりから始まり、そこから臓器を剥ぎ取り、温室の肥やしにするようになり、児童保護施設を作ったと思ったら研究や看護の手伝いをさせ、重病人の介護施設を作ったと思ったら手足をもいで義手義足を付けて労働に復帰させたり、不満が溜まったら闘技場や密造酒に娼館とアングラ極まりない手段でご機嫌を取る外道でもある。まぁお前らだけど。
しまいには秩序と称してヨシフおじさんやチョビ髭の伍長も真っ赤、もとい真っ青な独裁者に就任したり、あるいは信仰と称して立川のパンチパーマやロン毛もびっくりの救世主に就任したりやりたい放題である。こうなったら反逆者をスチームで文字通り蒸し焼きにするようになる。まぁお前らだけど。
なに、俺は独裁者にも救世主にもならない?生存者モードだろうと「黄金の道」を往く?
フハハハ、精々頑張るんだな!
おそらくは史実における天才交流野郎。
直流どころか蒸気が中心となってしまったこの世界だが、懲りずに電気の力で寒さを克服しようとしていた。
しかし、天才発明家であっても為政者ではなかった彼は悲惨な末路を辿ることとなる。
ただしそんな彼の遺産は攻略に欠かせないものとなり、亡き交流野郎に足を向けて寝られるキャプテンはそう多くはない。
ナンセン
おそらくは史実における北極探検家フリチョフ・ナンセン。
それはこの世界線でも同様で大寒波の襲来を予測、監視していた。
最期はまだ動ける者たちをキャプテンへと託し、動けなくなった病人たちと運命を共にした。
SAMSON FISK
OPでロード画面を開くと現れる「労働者」。暴力とギャンブルを愛する30歳の炭鉱夫。
OPの人物たちの中ではロード画面が完全に開くと隠れてしまうため存在がわかりにくい。
まぁプロフィールから言って自業自得だが。
COLIN CLARKE
OPでシナリオ選択画面を開くと現れる「エンジニア」。街にテクノロジーを提供する52歳。
CLAIRE DESMOND
OPで設定画面を開くと現れる「子供」。太陽と食事を夢見る12歳の児童労働者。
ANN DESMOND
OPで設定画面を開くと現れる37歳のロンドン難民。社会層は不明。
「医療ヘルパー上クレアにとっての母親」とちょっとよくわからないプロフィール。
洋ゲーにはつきものの誤訳だろうか?