The City Must Survive
(この都市は生き延びなければならない)
概要
※発売はDMMGAMESが担当
ポーランドはワルシャワの「11 bit studios」が制作したシムシティライクとサバイバルゲームを融合した氷河期スチームパンク都市経営RTSである。公式曰く「ソシエティサバイバル」。
同様の作品にはShining Rock Software開発の「banished」が近い。
2020年現在、世界一売れたゲームになったり某有名ラノベの題材になったりするほど世界的に新たなブームとなっているサバイバルゲーム。その多くはfalloutシリーズに代表されるオープンワールドRPGまたそれに準ずる広大なマップを舞台としたサバイバルクラフトが中心であった。
そんな中にあって本作は限られた箱庭を発展管理する都市ゲーをフォーマットとした異端の作品であり、生き抜くのも一人の英雄ではなく多数の市民である。
プレイヤーは最も温暖でも-20℃という過酷なスノーボールアースへと至った地球でコミュニティの指導者となり、そこからもなお下がりつづける気温と戦い、時には全体の生存のために少数を、そして人道を切り捨て白い死の世界での生存に挑むこととなる。
ゲーム内容
都市建設が主なパートではあるが、トロピコやCivilizationのように特定の目的(一定期間生き延びるなど)を達成すればクリアとなるタイプ。
無茶な命令や失政を繰り返せば市民の不満が上昇し、やがて失脚してゲームオーバーとなる点は同じだが、本作はサバイバルゲームでもあるためその制限がかなり厳しくなっている。
また、サバイバル要素として本作では不満に加え希望の要素があり、こちらが尽きてもゲームオーバーになってしまう。
希望と不満の二択を迫られるイベントも多く、必ずしも全てに良い顔はできないし、難易度設定を上げるにつれむしろ全てを救おうとする行為は破滅に直結してゆく。「あらゆる決断に代償がつきもの」という本作の煽り文句は、決して誇張でも脅しでもないのだ。
独自要素
氷河期を舞台にした本作ならではの概念として温度管理の要素がある。
都市は中央にそびえる超巨大石炭発電機兼ストーブ「ジェネレーター」を中心として建築され、常にプレイヤーはジェネレーターの燃料である石炭の収支とにらめっこを続けることになる。
一部の施設は気温が下がりすぎると操業を停止するため、プレイヤーは気温の低下とともにジェネレーターの出力と範囲を上げていく必要がある。
しかし当然出力に比例して燃料の消費も増加するため、やりくりを誤ってジェネレーターが停止すればまたたく間に市民は凍死。ゲームオーバーとなってプレイヤーは身一つで白銀の荒野に追放されることとなる。
エンディング&トロフィー
プレイヤーの都市建築の様子がナレーションとともに早回しで再生されていくが、このナレーションが曲者。本作の主目的は生存であり2周目引き継ぎなどもないため、どれだけ酷い圧政を行おうとも一部の実績orトロフィー、そしてこのナレーションぐらいにしか影響はない。
……のだが、ほとんどの場合はこのナレーションにボロクソにこき下ろされることになる。
生存者モードでナレーションに褒められた方、リアルで政治家になってはいかがでしょう?
そんな感じで難易度こそ高いが自由度の高いゲームなので、生存とシナリオ目的以外の目標はゲーム内に存在せず、トロフィー・実績の扱いのみとなっている。一例を上げると
- テントを使用しないorテントだけで生き抜く(ロンドンより良いor酷い)
- 炭焼窯以外の石炭生産施設を使用せず(収集は可)に木炭のみで生き抜く(木炭化)
- 厳しい法律の制定やアビリティの使用を行わなず善政を行う(黄金の道)
などがある。中でも一番困難なのは、メインシナリオハードモードを一人も死者を出さずにクリアする「鉄の救世主」だろう。誰か死んでも当然の世界で一人も死なせない、鉄というよりむしろ鋼の救世主である。
ストーリー
蒸気機関が発達し、スチームパンク世界線となった19世紀。
地球はクラカタウとタンボラ山の噴火が一因と思われる急激な寒冷化に見舞われる。
寒さに不慣れな南国と植民地は真っ先に壊滅し、政治的・経済的混乱が世界を覆った。それは繁栄の時代を謳歌していた大英帝国とて例外ではなかった。
懐疑主義者と各国政府が地球寒冷化を否定し続ける中、寒冷化の更なる悪化を予期したイギリスは、未だ石炭の豊富に埋蔵されている北極方面への避難を計画。混乱の及ばぬ複数の僻地にジェネレーターを建造する。
失敗こそあれいくつかのジェネレーターは稼働にこぎつけたが、果たして寒冷化の予想は的中し、ついに世界は地球史規模の大災害―――全球凍結へと至ってしまう。
プレイヤーは難民たちのリーダーとなり、ジェネレーターを中心に「人類最後の街」を建設する。
摂氏マイナス20度が日常となる極限環境の中、資源を集め、荒野を探索し、寒波に備え、時に犠牲を伴う決断を下さなければならない。
新しい家(A New Home)
メインシナリオ。チュートリアルでもあり、一定期間生き延びるかクリアして初めて他の3シナリオが解放される。
時は1886年。
ロンドンを逃れ新天地「ウィンターホーム」を目指す難民たちは遭難し散々となってしまう。
決死行の果てに放棄されたジェネレーターを発見した「キャプテン」(=プレイヤー)率いる80人は
ここをひとまずの避難所とし街の建設を開始する。
―――しかし、ひとまずの安全を得た彼らにもたらされたのは、約束の地であったはずのウィンターホームが崩壊しているという一報であった。
絶望が街を覆い、移民を中止しロンドンに戻ることを主張する「ロンドン主義者」たちが街を混沌状態に陥らせる。この状況ではウィンターホームの二の舞になると判断したキャプテンは、住人たちに生きる目的を与える政策を決断する。
神に祈り信仰の元に救いと希望を求めるか、規律と秩序を掲げ権力とプロパガンダで不満を抑え込むか。
数々の人間性と引き換えに希望を取り戻していく街。結末はどうあれ、ロンドン主義者は消え、住人たちは再び一つになった。
しかし、今度こそ訪れたと思われた平穏は、突如街に現れた大量の難民たちによってまたしても打ち破られる。
そして明らかになったのは零下100℃を超える死のブリザードが街に迫っていること。
前回とは比較にならない絶望だった。それでも生存を諦めず、嵐に対する備えを始める街。
果たして彼らは生き延びることができるのか―――。
聖櫃(Arks)
いつ明けるともわからない永遠の冬。
それでも人類はいつか訪れる春に向け、世界中の植物の種と苗木を納めた「聖櫃」を建造していた。それを凍結から死守するべく、オックスフォードとケンブリッジより生え抜きの科学者たちはオートマトンによる自律稼働都市の建設を任された。たとえ自分たちが遥か彼方の春を見ることがなかったとしても―――
しかしその最中、彼らは崩壊間際の街「ニューマンチェスター」を発見。ニューマンチェスターを見捨てて己が使命に身を捧げるか、苦難の道となっても彼らを救うか、選択を迫られる。
住民が(ある例外を除いて)わずか40名のエンジニアのみで、以後増えることがないのが特徴。
食料調達は温室のみとなりいかに働ける人員を減らさぬか、そして早くオートマトンを建造するかが攻略の鍵。
難民(Refugees)
ロンドンが崩壊するなか、脱出船「ドレッドノート」(※戦艦のほうではなく、本作オリジナルの水陸両用の砕氷移民船の一般名称。でかい蒸気機関車みたいな感じ)に乗り込めたのは金持ちや貴族、領主と言った富裕層ばかりだった。しかし、見捨てられた市民の一部が反旗を翻してドレッドノートを強奪し、ジェネレーターへとたどり着くことに成功する。
人々が平等に暮らせる街を建設すべく続々と押し寄せる難民を受け入れる住民たちであったが、かつて住民を迫害した領主が町に迫っているとの報が届く。極限環境の中で階級闘争が再燃する。
とにかく増え続ける住人をいかに捌くかが問われる。
産業革命による社会構造の変革と階級闘争をからめた19世紀らしいシナリオである。
ウィンターホームの崩壊(Fall of Winterhome)
メインシナリオの前日譚。「新しい家」でも登場したウィンターホームでの物語を追体験する。
前任のリーダーの抑圧と寒さに不満が限界を迎えた住人たちが暴動を起こし、ウィンターホームは焦土と化した。
新たなリーダーとなったプレイヤーは街の復興を任せられるが、その最中、ジェネレーターに致命的な欠陥があり、いつ爆発してもおかしくない状況であること、そして修理するには既に手遅れであることが判明する。
迫る爆発のタイムリミット。プレイヤーは町の近くに放棄されていたドレッドノートを修復しての脱出を決断する。町に混乱が広がる中、避難を完了させることはできるのか。
都市ゲーとしては珍しい「町のダウンサイジング」、そして今まで以上に緻密な資源管理が求められる。屈指の高難度シナリオであり、少しのミスでベストエンドが吹き飛びかねない。
......さらに言えば、そのベストエンドさえも全くもってハッピーではない。
エンドレスモード
文字通りエンディングが存在しないエンドレスなシナリオ(?)。
さらにこのモード自体が通常シナリオのような極限環境の「忍耐」と、穏やかな気候で好きな街を作る「平穏」の2種にわかれており、強いて言えば、トロフィー条件である「忍耐」のノーマル・ハード・エクストリームの各難易度での100日生存がエンディングである。
- 険しい山々:ジェネレーター049。大きいが、岩が建設を妨害
- 峡谷:ジェネレーター358。小さく、崖が建築を妨害
- 平地:ジェネレーター番号不明。非常に大きく建築しやすいが、資源が遠い
- クレーター:ジェネレーター番号不明。バランスの取れた中サイズ
の4つの地形が用意されている。
なおこのモード専用の建築物や用意されている他、町の名前も自由に決められる。
なお、クレーターは「新しい家」と同じ地形である。これを選んで中央から均等な角度で一直線に伸びる道路の先に蒸気ハブを建築したっていいぞ!
以下の2シナリオは有料DLCとなる。
最後の秋(The Last Autumn)
The Winter...
(冬は...)
...seems inevitable.
(...避けられないようだ)
タイトルからお察しの通り、本編の前日譚にあたるシナリオ。
まだ地球に緑と海が残っていた頃、沿岸沿いの「サイト113」を舞台にジェネレーター建設を巡る物語が描かれる。
すぐにやる気を下げストライキに走る労働者、安全対策を講じてなお危険極まりない建設現場、そして徐々に襲い来る寒波。人々の、そしてサイト113の運命やいかに。
ジェネレーター建設にかかわる様々な新建造物や資源、新システムが登場。
本シナリオでは「希望」ゲージが「意欲」ゲージに置き換わる。職場の効率に直結するため高く保つに越したことはない。
また建設現場では「安全度」の概念が追加。安全な職場は効率が落ち込むが、万が一の事態の際、より安全な選択肢が取れるようになる。建設速度か安全かを天秤にかけよう。
またこのDLCを導入するとエンドレスモードに新たな環境「建設作業員」が追加される。
こちらでも1からジェネレーターを建てていくことになるのだが、当然ながらシナリオとは違い雪に覆われた環境下での作業となるためいつも以上に資材のやりくりや健康管理に悩まされることになる。
綱渡り(On The Edge)
こちらは「新しい家」の後日譚となる。
大寒波を乗り切った「新しい家」の都市・ニューロンドン。そのニューロンドンから派遣された前哨基地が舞台となる。
荒れた陸軍の倉庫を捜索し資源をニューロンドンに納める日々だったが、厳しい日々に高圧的なニューロンドンの態度が加わり、我慢の限界に達したプレイヤーたちは周囲の集落の交易と協力も仰ぎつつ独立を模索することに。
木材が有限、食料自給も不可、さらに序盤は法律も禁止という、圧政を身をもって体感できるシナリオ。生存には周囲の集落との交易が必須となる。こちらから資源を送り、集落の復興と発展を手伝いつつ助け合うべし。
前哨基地にはジェネレーターが存在しないため、代わりに「最後の秋」でも登場したブレイジャーで暖を取ることとなる。
登場人物
本作には登場人物らしい登場人物はいないが、史実の人間が名前のみ登場する。
この他、OP画面にはゲーム中の各市民の代表として一応名前付きのキャラクターが登場する。
以下、ゲーム内容のネタバレを含むため避けたい方は注意。
キャプテン(プレイヤー)
大を救うために眉一つ動かさず小を切り捨てるひどいやつ。要するにお前ら。
トロフィーではひたすら鉄の男だの鋼の救世主だの連呼される辣腕の指導者である。
-150℃の嵐を乗り切るんだから有能には違いない。街の支配者になれば市民改め臣民が不満は抱いても絶望はしなくなるほどである。
でも大体の場合は14時間労働を強いて死体を雪穴に遺棄するあたりから始まり、そこから臓器を剥ぎ取り、温室の肥やしにするようになり、児童保護施設を作ったと思ったら研究や看護の手伝いをさせ、重病人の介護施設を作ったと思ったら手足をもいで義手義足を付けて労働に復帰させたり、不満が溜まったら闘技場や娼館、挙句に密造酒(世界観や時代背景を考えると19世紀に実在したコカワインの可能性大)とアングラ極まりない手段でご機嫌を取る外道でもある。まぁお前らだけど。
しまいには秩序と称してヨシフおじさんやチョビ髭の伍長も真っ赤、もとい真っ青な独裁者に就任したり、あるいは信仰と称して立川のパンチパーマやロン毛もびっくりの預言者に就任したりやりたい放題である。こうなったら反逆者をスチームで文字通り蒸し焼きにするようになる。まぁお前らだけど。
そんなお前らだがウィンターホームの滅亡のお前らは独裁者から街を取り返し、それでも手遅れだとわかると少数の選ばれた者以外を見捨てるラスボスムーブを行いつつも、自分を見捨てられる側に入れるという男気を見せる。
なに、俺は誰も切り捨てない?独裁者にも預言者にもならない?黄金の道往く鉄の救世主になる?
「フハハハ、精々頑張るんだな!」
おそらくは史実における天才交流野郎。
直流どころか蒸気が中心となってしまったこの世界では、機械工業「テスラ・マニュファクチャリング」を創設し義手義足の開発などを行っていた模様。
そしてアメリカの難民を乗せたドレッドノート(史実と異なり水陸両用の砕氷移民船)級「プロメテウス」「ヘパイストス」を率いて旧ロンドン北方約1900マイル付近(後のニューロンドン近郊)に上陸。「健康な心と体が寒さに打ち勝つ」をスローガンにテスラシティを建設し、交流電気のバリアで寒さから人々を守っていた。
……が、当のテスラ自身が不健全なメンヘラなのは周知の事実。それはこの世界線でも同じだったようで、病人や凍傷で義手義足になった住民を街から追放するアッセイ!の末にシティで反乱が発生。最期はレジスタンスに捕えられ嬲り殺しにされてしまった。
しかも経緯は不明ながら交流バリアがシティ自身を攻撃しはじ都市は人の住める場所ではなくなり、誰一人得をしない結果に終わった。
そんな彼だがその遺産は攻略には欠かせないものであり、亡き交流野郎に足を向けて寝られるキャプテンはそう多くはない。
ナンセン
おそらくは史実における北極探検家フリチョフ・ナンセン。
それはこの世界線でも同様で大寒波の襲来を予測、監視していた。
最期はまだ動ける者たちをキャプテンへと託し、動けなくなった病人たちと運命を共にした。
市民
そう、本作の市民たちは資源であると同時に寒さと並ぶ最大の敵なのだ。
まぁこの手のゲームにはありがちというか、遭難や内戦で全滅寸前の状況でも12時間しか働かないクz…ゲフンゲフン。とにかくしかたないね。
なに? 12時間“も”? たった12時間と思えるようになったらあなたは初心者卒業だ。
SAMSON FISK
OPでロード画面を開くと現れる「労働者」。暴力とギャンブルを愛する30歳の炭鉱夫。
OPの人物たちの中ではロード画面が完全に開くと隠れてしまうため存在がわかりにくい。
まぁプロフィールから言って自業自得だが。
COLIN CLARKE
OPでシナリオ選択画面を開くと現れる「エンジニア」。街にテクノロジーを提供する52歳。
CLAIRE DESMOND
OPで設定画面を開くと現れる「子供」。太陽と食事を夢見る12歳の児童労働者。
ANN DESMOND
OPで設定画面を開くと現れる37歳のロンドン難民。社会層は不明。
「医療ヘルパー上クレアにとっての母親」とちょっとよくわからないプロフィール。
洋ゲーにはつきものの誤訳だろうか?
ゲームシステム
上述の通り希望をゼロにせず、また不満を100%にせず、目標の達成まで住人を一人でも生き延びさせるのが本作の大前提である。
そしてそのために重要になるのが気温管理と健康維持、そしてそのための資源である。
難易度はイージー~エクストリームと特殊ルールのある最高難易度生存者モードの5段階。
生存者モード以外は要素ごとに難易度カスタマイズが可能で、「イージーだが資源供給量だけエクストリーム」と言ったプレイもできる。
その生存者モードの特殊ルールというのはノーセーブ、クイックポーズ禁止というもの。クイックでないポーズや中断セーブは可能だが、それでも十分に難易度は高い。オンラインストレージという抜け道はあるが、セーブデータ容量はPS4版で1G近くあるのでオススメはしない。
不満
シムシティライクゲーにはつきものと言っても良い要素。
時間外労働など、市民に都合の悪いことをする上昇する。
サバイバルのために必要であっても問答無用で上昇する。現実と同じである。
この他、住宅の気温が一定値を下回ったり、食料供給が不足しても上昇する。
もちろん、市民の陳情を無視したり公約を破れば上昇する。
100%になると市民から最後通牒を突きつけられ、
期限内に達成できなければ晴れてゲームオーバーとなる。
減少には上記の問題を解決する他、法律で解禁される施設やアビリティで抑えることができる。一杯やったり一回ヤったりすると割とあっさり減る。現実と同じd(ry。
希望
サバイバルゲームである本作に存在する、第二の不満ゲージとも言える要素。
主に住人の死やイベントによって減少、ゼロになるとやはりゲームオーバー。
特に後者が厄介で減少幅が極めて大きい上、シナリオ中で住民の希望を取り戻すことが当座の目標となる場合が非常に多い。
しかし、希望が砕かれるのは一瞬だが回復には手間がかかる。現実と同j(ry。
市民の陳情に対する公約を守ることで回復するが、いい子ちゃんなプレイをしていると陳情は来ない。
時にはあえて市民を苦しめ、陳情をさせ公約で希望をもたせるマッチポンプも必要になるかもしれない。現実t(ry。
そのため希望の維持は法律で解禁される施設やアビリティが中心となる
…が、法律の所にもあるが目的ツリーを最後まで進めて街の支配者となれば希望ゲージは消滅する。献身と服従の前に希望など問題にはならないのだ。EDでコキ降ろされたくない人、全員生存プレイをしている人以外はオススメである。
病気
サバイバルたる本作における第3の敵。
軽度の順に治療済、軽症、危篤(または重病人表記)、そして切断患者の4種がある。
寒ければ寒いほど病気、そしていきなり重病になる確率が上がり、暴動や事故などのイベントによる怪我人も病人に含まれる。
市民は最初に病院系の施設で治療を受けなければならず、未治療のまま放っておくと危篤になりやがて死亡する。
しかも一度危篤になってしまえば病院に収容しても再起不能となり、治療済となっても確率で死亡する。しかも食糧リソース消費しながら限られた病床を専有し続けるため、放っておけば医療崩壊を招いて治るはずの軽症者が重病になり死ぬ。
現j(ry…同じ過ぎてこれは流石に背筋が寒くなる。PS4版は何というタイミング(2020年2月27日)で発売したのか…
話を戻すとこれらは法律や上位の医療施設を建築することで改善できるので、現実に辟易している人はゲームの中だけでもどうにかしよう。
切断患者は重度の凍傷や危篤から荒療治で無理矢理復帰させた際など、特殊な条件で発生する病人。危篤と違い生命に別状はないが、労働者としては再起不能でやはり食糧リソースだけを消費するだけの状態。しかし健康ではあるので義手義足を開発&可決することでまた労働に復帰することが可能である。
研究
civなどでもおなじみの技術ツリー。
住居・食糧・石炭の確保、そしてこれを行うワークショップの建設をいかに速やかにやるかが最序盤の壁である。
本作ではツリーを進めるには基礎研究を終えて研究レベルのロックを解除する必要がある。
シナリオやプレイスタイルによってはツリーがまるごと不要になる場合も多く、非常事態が起きない限りは基礎研究を優先したい。
法律
本作では研究と並んで重要な要素。
この極限環境下で何のルールも無しに生きていく事は不可能に近いため、それを定めて街の行動規範を整えていく。
根底に関わる要素であるために一つ決定すると次を決めるまで長いクールタイムが掛かるが、その分効果は強力。故にどれを今取ることが有益かという見極めが大事になってくる。
法律は「適応」と「目的」の2種に大別されており、前者はパブや闘技場といった娯楽施設の設置による住人らのガス抜きから働く時間を延長したり、果てや児童労働の認可や死体さえ資源として扱わせると、街の運営方針を決めていく。
後者は更に「信仰/秩序」の二者択一で信仰はその名の通り廃れかけた神々への信仰を蘇らせ人々に希望を与える方向、秩序は厳しくも明確な規範を作って人々の不安解消に努めていく方向となっている。
しかし信仰も秩序も推し進めていくと段々と内容が抑圧的なものになっていき、最終的にはキャプテンが街の支配者となる。
こうなると希望ゲージが「献身」または「服従」の名の下に真っ黒く塗り潰され、人々の言葉も狂信的なまでに街とキャプテンを称えるものと化すという、端から見ればディストピアの一丁上がりである。
資源
石炭・木材・鉄は生産施設は無印→蒸気→新型の順で産出量が上昇していく。
また、本格的な生産施設は建設できる場所が固定されており、
都市づくりの方針に大きな影響を及ぼす。
石炭
本作の最重要資源。切れたらあっというまに凍死である。
繰り返しになるが、本作では常に石炭の収支とにらめっこを続けることになる。
炭鉱と採掘所、炭焼窯の3種で生産できる。
基本的に炭鉱の生産性が圧倒的だが、設置できる場所が決まっている上に寒波の際にそれなり以上の確率で事故が起き、生産量の激減か住民に決死隊として死んでもらうかの二択を迫られる。
一方で採掘所はどこにでも設置できる代わりに蒸気ランクまでしか存在しない上、フル稼働には多数の人手を要する。単純計算で無印で3倍(30人)、蒸気で5倍(50人)の人手が必要となる。
炭焼窯は木材を木炭に転換する施設。木炭と石炭をなぜ同じに扱えるかは気にするな。
木材が余ってくる終盤に有効。
生食材&糧食
石炭の次に重要な資源。
ハンター小屋(基地)と(産業)温室で生食材を生産し、調理場で糧食に加工する。
温室は後述の蒸気核を消費してしまう上に、気温による稼働制限があるので基本的には不要。
ハンター小屋は労働者のみを配属できる施設で、彼らの存在意義はこれのためと言っていい。
ハンター基地にアップグレードすると飛空艇で空を飛んでいく。19世紀なのに。
更にいうと温室を建設しないということはつまり食糧は肉だけだが、健康に問題はない。
お前らヤガですか?
木材
建築と研究に多用する。序盤不足し終盤余る資源。
製材所とウォールドリルで生産できるが、前者は蒸気ランクまでしかない上にマップ上の凍結樹を加工するだけ≒有限なので、都市が発展すればいずれお役御免になる。
リソース節約のためにも、できれば研究に手を付けずに一気にウォールドリルから始めたい。
鉄
建築と研究に多用する。序盤余り終盤不足する、木材と逆の資源。
生産は製鉄所のみ、場所は固定、生産量増加の技術なしとなかなか渋いバランス。
その代わり開発建築に必要な資源はゆるいので、可能な限り早めに生産を始めたい。
蒸気核
高度な機械施設の稼働に必要とする、極めて貴重な資源。
原理は不明だが波動コアやフュージョンコアみたいなもんだと思っておこう。ようは気にするな。
オートマトン、診療所、炭鉱、温室、ウォールドリルの建造、つまり重要施設の建築に湯水のように使用する。
入手数に対して全然足りないので計画的に使用していきたい。
使っても施設を解体すれば使用分がまるまる戻ってくるのは救い。
主要な供給源であるテスラシティに派遣した前哨基地チームには、全員生存プレイでもないかぎり凍死するまで蒸気核を発掘してもらいたいぐらいには貴重。
死体
悲しいことに資源である。サバイバルだから仕方ない。
上述のように法律で死体遺棄所ツリーを可決してゆくことで利用可能となる。
デメリットはなくはないものの、病人の回復速度や温室の生産速度を上昇できメリットが遥かに上回る。
更にあまりにも飢えている人々が多い場合、プレイヤーの決断では混乱の末にMystic Power的な法律すらも施行可能となる...つまり人類三大タブーすらも破ることが可能となる。
そのためCERO:CなPS4版での実装が心配されるところ......だったが無事に実装された。
なお仕様上なぜか死人がいなくてもメリットが発生するため、死体遺棄所と二者択一の墓地ツリーのメリットが少なすぎる。
もはやトロフィーを狙う際の縛りプレイ要素と言ってもいい。
まぁ、ゲームだからと割り切ろう。
ランダムハザード
エンドレスモード限定、かつ起こるかどうかの設定をオンにしてゲームを開始すると嵐が去ったタイミングで発生するようになる重大なトラブルの数々。
ざっと挙げるだけでも…
・建築で蒸気核を使用する全設備とオートマトンの稼働効率が約90%低下
・ジェネレーターなど暖房関連の設備が通常の倍の石炭を消費する
・スカウトや前哨チームの移動速度が半減
・住人の疾病への耐性が半減
…など、発生中は只でさえ大変な街の管理が輪を掛けて難儀になるものばかり。
しかしエンドレスモードでも交易を行いたい場合、嫌でもこのランダムハザードを起こるようにしなければならないのである程度ゲームシステムに慣れて来た人向けの要素である。
攻略のコツ・小ネタ
難易度の割に攻略情報に乏しい本作。当初はトロフィーどころかロールプレイすらままならないゆえ、多少ばかり攻略のコツを伝授する。
下記はクリア優先を前提として記述しているので、RPや縛り、トロフィー狙いの場合はまた変わってくる(特に住人は誰も死なせない!という正義の味方気質のあなた)。
とにかく石炭!
上記の通り、本作はとにかく石炭がなければ何も始まらないし全てが終わる。
石炭と人命なら優先すべきは石炭である。
ゲームオーバーに直結するのは人命だが、その人命を維持するのに必要なのは石炭。
生存者をホイホイ受け入れていては石炭の収支はあっという間に赤字に転落する。
人手が余っているなら希望の残量と相談して遠慮なく見殺しにしていこう。
可愛いオートマトン
資源であると同時に負担でもある人間と違い、オートマトンは維持費を必要とせずに不眠不休で働いてくれる。数値上の効率こそ人間の6割、限界まで強化しても9割5分だが、人間と違い24時間働くので実質約二倍である。
究極的にはインフラをすべてオートマトン任せにするのがこのゲームの最終目的とも言える。余剰資源はそれを見据えて動こいていこう。
特にオートマトンをワークショップで使えるようにするエンジニアオートマトンを取得すると世界が目に見えて変わる。
労働効率
建物にカーソルを合わせると表示される数値。見るべきは配属人数ではなくこちらである。
フルメンバーでも病人だらけで効率40%の建物より、人員がかけていても80%の建物の方が街に貢献しているのである。人手が余っている場合は病人をこまめに外そう。
そして狩猟戦術や診療所の機械化といった、建物の配属人数を減らす技術は相対的に労働効率を一気に上昇させる(後者なら2倍)。可能な限り早めにとっていこう。
休憩所の概念
食料を作る調理所と、建物を温める蒸気ハブ。
前者はシナリオにもよるがハードまでなら1つあれば十分だし、後者は石炭の消費を一気に跳ね上げるのであまり使いたくない。しかし、これらには隠された重要な、そして難易度が上がると無視できない機能が存在する。
それは前者は人、後者はオートマトンが定期的に食事をしにいくということ。
つまり、これらの施設から職場が遠いほど食事で作業の止まる時間が長くなるのだ。
シフト制の人間はまだしも、オートマトンは結構影響が大きいので余裕があれば職場の近くに建設したい。特にオートマトン用の蒸気ハブはオフにしていても休憩所としては機能し、建築スペースも取らないのでオートマトンを使う職場の近くには建てるだけ立てておきたい。
子供はドカタ
ガキも働かせる以外ありえませんぞwwwww
チャイルドシェルターの先にある医療or技術研究ブーストは実に魅力的であり、逆に児童労働の先にある「全ての仕事」は事故死の可能性から敬遠したく思える。
が、これは大きな罠である。
まず事故死については「安全な仕事」で解禁される職場では発生しない。
では「全ての仕事」を取る意味は何か?それは「建築」である。
「全ての仕事」を取得することで子供が建物の建築に参加するようになる。しかも怪我や死亡の心配なく。
「建築は手の空いた住人が行う」システム上、大人たちが仕事についている日中でも子供によって建築が進むようになり、都市計画の効率を大きく助けてくれるのだ。
特に高難度では昼間に建築を行うことで、家のアップグレードに伴う一時的ホームレス(≒病気発生率増大)の発生を防げるのが非常に大きい。子供だからといって無駄飯ぐらいにはさせず有効活用しよう。
良心が残ってる人は速やかに凍らせてシロクマに食わせましょう。
PS4版公式トレーラー
I guess,
(あるいは―――)
When you built your society on fire, sooner or later...
(火の上に成り立つ社会は 遅かれ早かれ)
(it will turn into ashes.)
その炎に灼かれる運命なのだろう
関連イラスト
関連タグ
氷河期 スチームパンク ソビエト社会主義共和国連邦 ナチス・ドイツ
banished:中世の村が舞台の都市RTS。こちらもリソースが極めて厳しい。
外部リンク
日本語公式サイト:https://frostpunk.games.dmm.com/
有志攻略wiki:https://wiki3.jp/frostpunk