砂漠の使徒
さばくのしと
概要
こころの大樹を枯らせ、世界を砂漠にするのが目的の組織。
…なのだが、彼らの詳しい正体や砂漠化したい動機が何であるかは本編では語られなかった。
特に彼らがどこからやってきたのかはまるっきり謎のままであった。
本作はプリキュアシリーズでは珍しく「人間界とは異なる不思議な世界がある」という便利な設定を排除していたため、彼らの出自については宇宙人(異星人)説がよく語られる。
しかし、司令官のサバーク博士も三幹部も、その正体は地球に住むふつうの人間が洗脳されたものだったことが、宇宙人起源説をとったとしても、宇宙人はラスボスである砂漠の王デューンただ一人しかいないことになる。
その後発表された本編準拠の小説版では、実際にデューンのみが宇宙人であることや、彼が地球を砂漠化したい動機が明らかになる。詳しくは本人の項目を参照。
上北ふたごのコミカライズ版でも実際に宇宙人という設定になっているが、こちらは地球を狙う理由が若干異なっている。
砂漠の使徒の侵略が初めて確認されたのはおよそ400年くらい前で、そのときからプリキュアと砂漠の使徒との果てしない戦いが歴史の裏側で断続的に行われている。
いつの時代もプリキュアたちが最終的には勝利し砂漠の使徒を撃退しているが、何十年か立つとまた舞い戻ってくる。
普段は地球と月のそばにある三日月型の星にアジトを構えている。
構成員
上層部
デューン(声:緑川光) | サバーク博士(声:楠大典) |
---|---|
でゅーんさまbyかさき | それでもまだ枯れたくはないbyてんぷら |
砂漠の使徒の頂点に君臨する「砂漠の王」で、母星を失った流浪の民でもある。かつて地球に侵攻を開始するが、キュアフラワーに敗れて宇宙へと撤退した経緯をもつ。最終決戦では地球を砂漠化させることに成功するが、最後はプリキュアによる愛の浄化技を受けて心を癒され、消滅した。 | 砂漠の使徒の総帥を務める仮面の男性。組織内では総指揮官の地位におり、構成員に指示を下す権限をもつ。元々は月影ゆりの父・「月影博士」だったが、デューンに洗脳されて現在に至る。最終決戦ではプリキュアに挑み、キュアムーンライトの奮闘によって元の人格を取り戻すが、デューンの攻撃からプリキュアを守る形で爆散する。 |
ダークプリキュア(声:高山みなみ) | |
ダーさん。by和馬村政 | |
サバーク博士の側近を務める闇のプリキュア。組織内では大幹部よりも格上の地位にいる。月影ゆりの一部とサバーク博士の研究によって作り出された人造人間で、ゆりの姉妹とも言える存在である。最終決戦ではキュアムーンライトとの戦闘に挑むが、彼女の浄化技を受けて戦闘不能になり、最後はサバーク博士に抱かれながら穏やかに消滅する。 |
大幹部
サソリーナ(声:高乃麗) | クモジャキー(声:竹本英史) |
---|---|
公開まであと少し!by腹筋 | 練習byかさき |
砂漠の使徒の大幹部を務める褐色肌の女性。元々は保育士だったが、心の花を枯らしたことで現在に至る。最後通告を受けてプリキュアとの決戦に挑むが、彼女たちの浄化技を受けて心を癒される。人間の姿に戻った後は保育士として復帰を果たす。 | 砂漠の使徒の大幹部を務める熱血漢。元々は「熊本」という格闘家だったが、心の花を枯らしたことで現在に至る。最終決戦ではキュアマリンとの一騎討ちに挑むが、最後は彼女の浄化技を受けて改心するに至り、人間の姿に戻った後は格闘家として復帰を果たした。 |
コブラージャ(声:野島裕史) | |
コブラージャbyりと | |
砂漠の使徒の大幹部を務める長髪の男性。元々はコーディネーターだったが、心の花を枯らしたことで現在に至る。最終決戦ではキュアサンシャインとの一騎討ちに挑むが、彼女の浄化技を受けて改心するに至り、人間の姿に戻った後はコーディネーターとして復帰を果たす。 |
怪物・戦闘員
デザトリアン(声:金田朋子) | デザートデビル(声:星野貴紀) |
---|---|
ゴゴゴby1 | 大変です!番くんがデザートデビルに乗っちゃいました!!by真咲一砂(かずさ) |
砂漠の使徒が使役する怪物。人間の弱った「こころの花」を素に、物体・生物に融合させることで誕生する。中盤以降、「ダークブレスレッド」の力で強化された個体が登場する。 | デューンが使役する非常に強力な怪物。2本の角を生やした巨大な姿が特徴。惑星1つを砂漠化させる強大な戦闘能力をもつ。デューンが放つ「砂漠の種」から生まれる存在。 |
スナッキー(声:堀井茶渡、岩崎了) | ボスナッキー(声:不明) |
もりもりスナッキーby玄米茶 | えりかー!俺の部屋にも来てくれーッ!by円盤生物 |
砂漠の使徒に所属する戦闘員たち。主にプリキュアとの戦闘や雑用を任されている。プリキュアに比べて戦闘能力はあまり高くない。いずれも砂を布で覆った身体で構成されている。 | 砂漠の使徒に所属する上級戦闘員で、スナッキーたちを統率する隊長のような存在。本編では2体登場する。スナッキーと同じ身体構成をしている。 |
侵略方法
本作の世界観での地球は「こころの大樹」というものが存在しており、それは地球という惑星の生命力とつながっている。
砂漠の使徒はこころの大樹を枯らすことで、地球の生命力を枯渇させて砂漠化させようとたくらんでいる。
第1話冒頭でこころの大樹は悪の戦士ダークプリキュアの襲撃によって大ダメージを受けるが、大樹は自らの意志で地球のどこかに転移してしまい、行方がわからなくなってしまった。
そのため、砂漠の使徒はこころの大樹を枯らすために人間たちを利用しようとしている。
すべての人間の心の中には「こころの花」なるものが存在しており、それはこころの大樹と精神的につながっている。
こころの花はその人間が落ち込んだりしたときに弱ってしまうが、普通は枯れるようなことはない。
もしも一本でも枯れてしまうようなことが起これば、大樹は自らの身体の一部を引き抜かれたようなことになり、そのたびに大きなダメージを受けてしまう。
そして砂漠の使徒は、心がしょんぼりしている人間のこころの花を物理的に取り出し、それを「デザトリアン」という怪物の姿に変えることができる。
デザトリアンは自身がもつコンプレックスを制御できなくなり、悲しみに吠えながら暴れまわる。その行為はデザトリアンの素材となったこころの花をさらに弱らせ、最後には枯れ果ててしまう。
つまり、砂漠の使徒が行う基本的な悪事とは、「心が弱っている人間を怪物に変えて暴れさせ、苦しめること」である。
砂漠の使徒の大幹部
主に作戦を実行する隊長的な存在。デザトリアンを生み出せる。
三幹部の名前の由来は砂漠に住む生き物をモチーフにしている。
その正体は人間のこころの花をベースに創られた存在で、デザトリアンの一種であると言える。
そのため各幹部の本体である眠りについている人間が必ずどこかに存在する。
お互いをライバル視しているが三幹部同士の絆は強い。
一方でサバーク博士やデューンに対する忠誠心などは薄いようで、こころの大樹を弱らせるという仕事を真面目にこなそうとしていない。むしろ、人間界の文化や行事を積極的に楽しんでいたり、かなりマイペースな動き方をしていた。
デザトリアンを暴れさせてこころの大樹を弱らせようとするのだが、劇中での破壊活動に計画性はほとんどなく、デザトリアンに選ぶ人間の人選も殆どが偶然見つけた気落ちした人間である。
結局毎回プリキュアに邪魔されて作戦に一度も成功していない。
本作ではプリキュアにデザトリアンが浄化されるたびに逆にこころの大樹が元気になるという世界法則があったため、第一話でダークプリキュアが頑張ってダメージを与えたこころの大樹を復活させてしまう原因を作っている。
デューン帰還まで三幹部が遊んでいた方が使徒は勝ってたんじゃないかと言われることも…
余談
モチーフ
「砂漠→佐幕→新選組」という発想からか、博士と三幹部の衣装には共通して、ダンダラ模様があしらわれている。
敵が全員改心する路線の先駆け
梅澤時代のTV本編の敵はスイートプリキュアを除けば首領と側近のみ倒され三幹部は全員生存改心の方針だった。しかし、小説版の記述を見る限り、デューン、サバーク博士、ダークプリキュアの上層部組は三幹部や劇場版の敵同様に改心していた。只、上層部組のみ死亡だった為、スイートプリキュアのマイナーランドやハピネスチャージプリキュア!の幻影帝国の様にTV本編に限れば全員生存改心にまでは至らなかった。(但し、劇場版に登場する両組織の敵幹部は死亡している。)
しかし8年後のHUGっと!プリキュアでクライアス社の敵幹部が本編及び本編以外も含めて全員生存改心した事で、ようやく本当の意味での全員改心が成し遂げられる事になった。
只、一つ言えるのは2010年代に入ってからのプリキュアで幾度か見られる様になった敵が全員改心する路線の先駆けになった敵組織でもある。