工藤有希子
くどうゆきこ
概要
CV:島本須美
初登場は5巻収録『江戸川コナン誘拐事件』(アニメは43話)。
世界的に有名な伝説の美人女優。くるくるとした巻き毛がトレードマーク。現在は、夫・工藤優作とアメリカで暮らしている。
子煩悩な親バカで、新一を見つけると「新ちゃん」と呼んで甘えたり甘やかそうとしたりする。息子が若返って江戸川コナンになっても、(たまに「新ちゃん」と呼びそうになってボロが出てしまうが)基本的に変わらない……というより、ますます可愛がっている。
夫である優作のことは「優ちゃん」「優作」等、今でも新婚ラブラブの御様子。
パワフルで家族愛の強い女性。
旧姓名は藤峰有希子。高校在学中にその美貌と演技力で女優デビューを果たして、日本中どころか世界的にも名が知られるようになり、卒業後は19歳にして大女優として数々の賞を総ナメ的に受賞するなどの伝説を残し、ハリウッド映画界にも進出した。
しかし若手有望の天才小説家だった工藤優作との大恋愛の末、弱冠20歳で芸能界を引退。灰原哀は「彼(コナン)の演技力と目立ちたがり屋な性格は彼女譲り」だと述べている。
女優時代、黒羽盗一に友人のシャロン・ヴィンヤードとともに弟子入りした経験があり、自分はもちろんのこと他人をもまったく別の人物に変装させるメイク技術を持っている。また現怪盗キッドで盗一の息子である黒羽快斗とも彼が幼少期の頃に会ったことがある。
本編でも変装技術が存分に活かされ、コナンを灰原に、服部平次を新一そっくりに変装させて二人が変装を解くまで周りを欺くことに成功している。
演技力においては天才的。また、高度な運転技術も持っており、平気でスピード違反を犯す。ニューヨークでの愛車は、ジャガー・Eタイプ。日本に来てまでレンタカーとしてアルファロメオ・アルファGTに乗るほどの相当な車好き。大型自動二輪の免許も持つ。
アメリカでは、「闇の男爵夫人(ナイトバロニス)」と呼ばれている。由来は「闇の男爵」の作者の妻であることに加え、アメリカのテレビ番組に招かれた際に話した推理(夫の受け売り)が見事に的中してあっという間に難事件を解決したことから。
引退しても根強いファンは多く、藤峰有希子と知られれば「女優復帰しないんですか」などと聞かれることもある。アメリカで時々テレビ番組に出演したり、新一の幼少期にもエッセイを執筆するなど、女優業の第一線からは退いたが、時折メディアに姿を見せたり活動する事がある。
女優時代はプリンセスの異名を取っただけあって、年齢の割に非常に若々しく可愛い容姿は殆ど変化しておらず、性格もしっかり者で優しく純真だが、唯一の欠点としてその異名に対するプライドから「おばさん」呼ばわりされるのを嫌う傾向があり、(一応表向きは母ではなく親戚扱いの)コナンが少年探偵団やFBIに「おばさん」と紹介した際にはいつもの黒い人のような目つきで睨んだり、容姿を褒められても「『きれい』と『おばさん』は並べちゃいけないのよ」と苦言を呈す程である(もっとも「きれいなおばさん」と言われた当時は27歳だったので無理もないが)。
服部平次の母静華が(有希子より年上とはいえ)息子からちょくちょくオバハン呼ばわりされているのとは対照的である。
『犯人の犯沢さん』では美容師の資格を持っている設定で、米花町では時たま訪れる度に美容師たちが騒然となる。犯沢さんは若かったからか素性に気付かず「芸能人みたいな人だ!」としか思わなかった。
人間関係
コナンとの関係は、真実を知らない人(毛利蘭・妃英理)には遠い親戚(祖父の兄の娘のいとこの叔父の孫)ということにして何とか隠している。
ちなみに上述の関係は嘘を言ってるように見えるが、関係をたどってみると『自分の息子』と言えなくもないものにしようと試みているが実はズレが生じており、正しくは祖父の兄の娘のいとこの叔父の孫の子供である。
また仮にこの説明が正しければ有希子の祖父には兄が少なくとも一人ともう一人兄または姉がいることになる。
妃英理とは帝丹高校時代に、学園祭のミスコン対決を繰り広げている。結果は両者同票で、20年以上経った今でも伝説のミスコンとして校内に語り継がれている。彼女の娘の蘭を幼少時から可愛がっていて新一と蘭の仲をからかいながらも暖かく見守っている。2人が幼い頃は蘭も泊まり込みで旅行に連れて行く事も少なくなかった。2人が高校生になった年にNYへ招いた際、蘭のことを「未来の娘」と紹介していた。
英理に頼まれて、毎日のように息子・新一と遊んでいた別居中の幼い蘭に、料理や家事の仕方を色々教えたのではないかとも言われている。
現在沖矢昴が工藤邸に下宿しているが、その正体は有希子から手ほどきを受けて変装した赤井秀一である。その境遇故か、沖矢(赤井)はコナンが新一であることを隠そうと悪戦苦闘しているさまも楽しんでいる様子。
初期の頃は夫とセットでの登場が多かったが、優作に比べるとコナンに直接手助けをすることが多いためか単独での出番も多い。またかつての親友シャロンが組織に関わっていると知ったのを機に本格的に組織との戦いに関わっていくことになり、『漆黒の特急(ミステリートレイン)』で実際にシャロンと対峙している。準レギュラー的な出番だが、回想シーンも含めれば登場頻度は割合としてレギュラー並みに高めである。その一方で劇場版シリーズでは現時点では冒頭ナレーション以外では全く登場していない。
江戸川文代
CV:高畑淳子
有希子が初登場した際に変装した架空の人物で、「江戸川コナンの母」を名乗る姿。コナンが太ったような外見をしている。
毛利探偵事務所から用があると称してコナンを攫い、廃屋に閉じ込めた。その際には蓮っ葉な喋り方をしている(コナンが聞いてない優作との携帯電話の会話の時ですら)。
コナンからは黒の組織の構成員かと思われていたが、実は夫・優作(闇の男爵)や阿笠(謎の大男)と結託した芝居であった。
1回限りの登場だが、後に蘭の口から「コナン君のお母さんは文代さんって言うのよね!」との台詞が出たことがある。
余談
元親友のシャロン=ベルモットと共に峰不二子をモデルとしており、作者によると有希子が良い方の峰不二子、ベルモットが悪い方の峰不二子らしい。名前の由来も峰不二子と初代不二子役の二階堂有希子から取られている。
ちなみに担当声優の島本氏はかの名作カリオストロの城のゲストヒロイン・クラリス役で有名であり、キャスティングもルパン三世との縁を思わせる配役になっている。