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悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました

あくやくれいじょうなのでらすぼすをかってみました

ウェブ小説投稿サイト『小説家になろう』で永瀬さらさ氏により投稿されている作品。角川ビーンズ文庫より書籍化、角川コミックス・エースよりコミック化されている。

婚約破棄のショックで前世の記憶を思い出したアイリーン。

ここって前世の乙女ゲームの世界ですわよね?

ならわたくしは、ヒロインと魔王の戦いに巻き込まれてナレ死予定の悪役令嬢……

冗談じゃなくってよ!

こうなったらラスボス(魔王様)を攻略して死亡フラグを回避しましょう。

悪役令嬢に転生してしまった私tueeeeな主人公が、

ヒロインと元婚約者と幼馴染み達にざまぁしたり、

事業やら何やらで部下(下僕)を順調に増やしたり、

魔王様に愛されたりするお話。

概要

小説家になろうで連載されているウェブ小説。著者は永瀬さらさ氏。

角川ビーンズ文庫より書籍化角川コミックス・エースよりコミック化されている。

イラストは紫真衣氏、漫画は柚アンコ氏が担当。

既刊はそれぞれ、書籍版が7巻、漫画版が全3巻。

コミカライズ版は紙面連載と共にComicWalkerPixivコミックでも配信されていた。現在は、第1話、第2話のみ視聴可能となっている。

略称は「悪ラス」。

中世ヨーロッパ風魔法が存在する世界が舞台。タイトルに「悪役令嬢」と銘打っている通り、「乙女ゲームの世界に転生した主人公が悪役令嬢になってしまった」「婚約破棄により地位が危うくなったため挽回しようと奮闘する」という点は同ジャンルの作品と相違ないが、他の貴族との政治外交といった要素は少ない。特に第2部からはゲームのシナリオ通りに主人公らを巻き込む事件を解決するために剣や魔法やアイテムを駆使して戦っていく展開が主軸で、異世界転生ものの英雄譚となっている。

あらすじ

学園の冬期学期終了の夜会の最中、アイリーン・ローレン・ドートリシュ公爵令嬢は婚約者であるエルメイア皇国皇太子セドリック・ジャンヌ・エルメイアより婚約破棄を宣言され、その直後に自身の前世の記憶を思い出し、自身が乙女ゲームの世界で転生したこと、自分が最後には破滅し死亡する悪役令嬢であることに気が付く。自身の破滅を回避するため、アイリーンは元の乙女ゲームではラスボスであり攻略対象でもある魔王クロード・ジャンヌ・エルメイアと協力することを画策する。

「わたくし、あなたに求婚しにきましたの」

登場人物

  • アイリーン・ローレン・ドートリシュ

本作の主人公。エルメイア皇国宰相ドートリシュ公爵家の令嬢。エルメイア皇国皇太子セドリック・ジャンヌ・エルメイアの元婚約者。乙女ゲーム『聖と魔と乙女のレガリア1』悪役令嬢。次期皇妃に相応しい教養を備えた人物であり、公爵家の事業運営にも携わっていたことから政治経済に明るく、労働者階級からの信頼が厚い。婚約破棄したセドリックのことは本当に愛していたのだが、前世の記憶を取り戻し客観的な視点を得たことで未練を断ち切り、魔王であるクロード・ジャンヌ・エルメイアに婚約を申し込み「魔王の妻」となる。

威勢が良く素直で思ったことを口に出す、どんな逆境にもめげずに勝利を信じる性格であり、例え命を落としかねない危険な場所であっても自ら前に立ち、戦いに挑んでいく胆力の持ち主。ただ闇雲に突っ込むわけではなく「事態解決のため下手に時間を費やすよりも行動を起こすべき」という問題解決能力の高さに裏打ちされた行動でもある。前世の記憶を取り戻してからも人格や性格は変わっていないが、ゲームの知識により事前に発生が解っている事件や事故の解決に対して周囲への説明を省いて率先して取り組むため、周囲からは「暴走癖がある」と認識されている。

セドリックとはおよそ恋人らしいことをしたことがなかったため、恋愛ごとに関しては免疫がなく、クロードのアプローチにはたじたじになってしまう。

  • クロード・ジャンヌ・エルメイア

エルメイア皇国の元皇太子であり魔王。「魔王の城」と呼ばれる皇国の一画で魔物らと共に生活している。『1』のラスボスであり攻略対象。絶大な魔力の持ち主であり、作中で彼とまともに戦うことが出来る相手は数少ない。表情を変えることはほとんどないが、感情が激しく起伏すると身体から魔力が漏れて異常気象を発生させる。

非常に聡明で心の優しい性格であり、人も魔物も傷つけず平穏な日々を過ごすことを願っている。幼少の頃から「魔王の城」に隔離されて生活していたことから、一般の常識や感覚にはやや疎く、特に気に入った人物には地位や魔力を使ったイタズラを仕掛けたり、過剰ともいえる干渉をしたがるなどお茶目な一面を見せるが、そういった人物に害成す存在には一転して冷酷な対応を取る。

当初はアイリーンのことも邪険に扱っていたものの、彼女のくじけない姿勢や優しい性根に触れて徐々に惹かれていき婚約、以後はアイリーンにベタ惚れしており、その熱烈さでしばしば周囲を唖然とさせている。彼女との生活をよりよくし、いずれは人間と魔物が平等に生活できる国家の樹立を目指して、皇太子の地位を取り戻し皇位継承権を手に入れる。

エルメイア皇国

『聖と魔と乙女のレガリア1』の舞台。首都は皇都アルカート。『聖剣の乙女』の伝承が伝わる国家であり、ピエール・ジャンヌ・エルメイア皇帝が治世している。

王城を中心に扇形に広がる形で一層~五層に分類されており、一層は主に貴族達が住む居住区で、二層は役所や銀行といった公共施設が並ぶ。三層は商業区で、四層は一般市民達が暮らす居住区、五層はそれ以外のいわゆる貧困街で、歓楽街などもあり治安の悪い場所である。皇国の一画には「魔王の城」がある。

  • セドリック・ジャンヌ・エルメイア

エルメイア皇国の第二皇子。アイリーンの元婚約者。『1』の攻略対象の一人。クロードの異母兄弟で、彼が皇太子の地位を取り戻したため、皇位継承権2位に格下げされた。アイリーンと婚約こそしていたが愛しておらず、しかし彼女が発案する事業や政策などの功績を奪い取って名声を得ていた。高慢だが本当は繊細な心の持ち主で、幼少の頃から優秀なクロードと比較され続けたことがコンプレックスになっており、周囲の評価を上げるために外面を良くしようと必死になり追い詰められており、唯一理解を示してくれたリリアを愛するようになる。

アイリーンを罠にはめて婚約破棄を宣言するが、彼女がクロードと婚約したことで立場が逆転、軽率さや不手際を露見されアイリーンからも絶縁状を叩きつけられ、プライドも地位もズタズタにされる。以後は豹変したリリアに付き従って動いていたものの、クロードやアイリーンとの付き合いを通して徐々に成長していき、リリアですら思いもよらない行動を取るようになる。

  • リリア・レインワーズ

レインワーズ男爵令嬢で、『1』の主人公。魔物を打ち払う聖剣を操る『聖剣の乙女』。セドリックのことを愛している。「話し合えば誰とでも仲良くすることが出来る」という善性の持ち主だが、自身のその行動の結果何が起きるのかということを考慮しない独善の過ぎる性格をしており、実質的にセドリックを奪われたアイリーンに対して心から謝罪をするが事後に一切の配慮もしないなど、本質的に人の心を理解していない。

彼女もまた転生者であり、作中で前世の記憶を取り戻す。「この世界はゲームで、主人公の自分とアイリーン以外は全てNPC」と解釈しており、元の天真爛漫さを残しつつも誰かが犠牲になるような事件を引き起こす。一方でアイリーンには執着しており、必要があれば彼女に協力することも辞さない。元のゲームは細かなフラグ管理や裏設定さえ記憶しているほどやり込んでいたため、その知識や機転で状況を打開することもしばしば。

  • マークス・カウエル

エルメイア皇国騎士団の一員で、『1』の攻略対象の一人。セドリックアイリーンとは幼馴染。正義感が強く不正を許さない高潔な性格の持ち主だが、匿名の証言を鵜呑みにして、証拠もなくアイリーンが悪事を働いていたことを信じ込んでしまうなど際立って短慮な一面がある。セドリックが皇太子としての地位を失い、それでもそれを糧に成長をしていくことでマークス自身も影響され、騎士としての責務と、幼馴染としてセドリックとアイリーン仲が拗れる前に仲介することができたはずだと後悔するようになる。

  • レスター・クレイン

クレイン侯爵家長男。『1』の攻略対象の一人。聡明な人物で、有事の際には普段の敵対関係を超えて共同戦線を申し込む合理的な思考の持ち主。

  • エレファス・レヴィ

魔法大公レヴィ一族の末裔の魔道士。『1』のファンディスクのラスボス。魔王以外でも魔力を扱うことが出来る一族で、過去にエルメイア皇国と戦争し敗北、以後は皇国に忠誠を誓うことで生きながらえることを許されている。事件の末にクロードに仕えるようになるが、様々な雑用を任されており気苦労が絶えない。出自の経緯から魔法の腕だけならクロードに勝るとも劣らず、調整能力が抜群に高く状況を打破する手段や知識に長ける。普段は飄々としているものの、奴隷根性が染みついているため自虐的で惚れっぽい。また魔法に頼り過ぎているきらいがあり、魔法が使えない状態では女性にすら負けかねないほど運動能力が低い。その能力から様々な問題解決に引っ張り出され、それらの解決の手口から「外道魔道士」「詐欺魔道士」と評価されている。

  • ルドルフ・ローレン・ドートリシュ

エルメイア皇国宰相。アイリーンの父親。エルメイア皇国随一の切れ者として知られる。人のよさそうな外見をしているが、本性は根っからのサディストであり、愛する者が不運や災難に見舞われ慟哭する姿に心の底から同情して興奮する性癖の持ち主。セドリックの本性もとっくに気が付いており、アイリーンとの婚約の破棄についても「いつ婚約破棄されるか楽しみにしていた」と笑顔で語るほどであったが、同時にセドリックやピエールらを見限り、クロードが次期皇帝になるよう周到に準備を行う。

  • ピエール・ジャンヌ・エルメイア

第16代エルメイア皇帝。クロードセドリックの父親。日和見な性格で、セドリックにさえ内心で馬鹿にされている。

  • ララ・ジャンヌ・エルメイア

エルメイア皇太后。ピエールの母で、クロードセドリックの祖母。齢60を超えているのだが瑞々しい少女のような外見をしており、その美しい容貌を何よりも大切にしている。

  • アイザック・ロンバール

ロンバール伯爵家の三男。ロンバール伯爵は爵位を金で買った成り上がり貴族であり、その出自から頭が回り商才にも優れる。粗野な言動で素直に物事を伝えない意地っ張りな部分があるものの情に厚い性格。アイリーンの活動に協力し、普段は彼女が立ち上げた商会運営をしつつ、有事の際には作戦立案を行うなど頭脳戦を担当している。実は当初よりアイリーンの才能を見抜き、セドリックの名声がアイリーンの功績を横取りしたものであることにも気が付いていたのだが、自身の地位の低さや糾弾するだけの無謀な勇気も持ち合わせていなかったため、黙って見ているしかなかった、という負い目がある。アイリーンと同じような目に遭いながら、彼女と同様に挫けずに前を向くレイチェルのことが気になっているが、なかなか関係を進展させることが出来ずにいる。

  • ジャスパー・バリエ

バリエ新聞社の社長兼新聞記者。第四層出身。気骨のある性格の持ち主で、貴族間の癒着や政治的汚職を追っている。彼の新聞は平民向けに作成されており、しっかりとした裏付けのある記事と公平な視点から評判が高い。アイリーンとはセドリックの名を騙る汚職貴族の不正を暴くために協力し合った仲であり、情報収集を担当する。

  • ドニ

第五層出身の建築士。セドリックに横取りされたアイリーンの商会で働いていた。陽気な性格で、変わった建築様式の建物には目がない。自身も建築士として一級の腕前を持つほか、器械や機械にも造詣が深く大抵の物は素早く作ってしまうモノづくりの天才。そのため魔物たちからも引っ張りだこであり、クロードベルゼビュートらとも仲が良い。

  • リュック

第五層出身の薬師。セドリックに横取りされたアイリーンの商会で働いていた。明るい性格ながら時折狂気的な一面を見せる。新しくアイリーンが立ち上げた商会の主力商品である化粧品の開発に勤しむ他、医療品、媚薬や自白剤を製作する。

  • クォーツ

第五層出身の植物学者。セドリックに横取りされたアイリーンの商会で働いており、以前はリュックと共に第五層で診療所を経営していた。寡黙で物静かな性格ながら腕は確かで、リュックの商品開発に必要な植物を育てている。イチゴなどの果物や野菜の種や様々な花を魔物たちと協力しながら植えており、クロードらへの食事の材料やプレゼントにしている。

魔王の城

エルメイア皇国の一画にある魔王クロードが居住する廃城と魔物らが生息する領地。魔の力により結界がはられており、何の対策も無ければ城に辿り着くことすらできない。沼も多い農耕に不向きな土地で荒廃しており、魔物が多数生息している。

  • キース・エイスグリッド

エイスグリッド伯爵家令息。クロードの側近であり「魔王の城」内では唯一の人間。幼い頃にクロードに命を助けられて以後彼に忠誠を誓っている。明るく朗らかな性格で、突然やってきたアイリーンにも好意的に接する。クロードに対して面と向かって文句を言ったり、叱り飛ばして仕事や執務を強制できるほぼ唯一の存在。クロードからの信頼も厚く、クロードの有事の際には一度だけクロードの命令として全魔物に命令を出すことのできる「魔王の代行権」を行使できる。ただし細々としたお願い程度ならば聞いてもらえるほど魔物と仲も良い。

  • ベルゼビュート

クロードの側近であり人型の魔物。愛称は「ベル」。クロード第一主義であり、何事よりもクロードを優先する。粗野な言動をするものの根は素直であり、少しでもクロードの役に立てるよう人間の礼儀やマナーを覚えたり、文字を覚えるなどの努力家でもある。当初は人間を毛嫌いしていたが、アイリーンや彼女の連れてきた人間と交流していくうちに成長していく。カッコいいものが大好きで、人間の軍服を気に入っており、公の場ではそれを着用している。

  • アーモンド

頭蓋骨を持った大型のカラスの魔物。カタコトながら言葉を話すことが出来、文字も読める。空からの監視や情報収集、手紙や道具の運搬など多種多様な任務を行う。ジャスパーと協力すれば大抵の情報は抜き出すことが出来る。

  • シュガー

白色のカラスの魔物。アーモンドとは異なり古めかしい喋り方をする。クロードの護衛であるウォルトカイルとよく一緒に行動している。

ミルチェッタ公国

エルメイア皇国を建国した聖剣の乙女が、故郷のミルチェッタ地方を両親に任せた経緯から生まれた公国。エルメイア皇国の属国でありながら聖剣の乙女の兄弟国として、皇国内でも特別な自治権を持っている。聖剣の乙女の遺した「たとえ世界を救ったとしても女性としてのつとめを忘れることなかれ。」という教訓が歪めて解釈されており、男尊女卑の傾向が根強い。ミルチェッタ公国随一の教育機関ミーシャ学園『聖と魔と乙女のレガリア2』の舞台。

  • ゼームス・シャルル

ミルチェッタ公国の公子。半魔(人間と魔族のハーフ)であり『聖と魔と乙女のレガリア2』のラスボス。ミーシャ学園の生徒会長を務める。

出自により幼少の頃から命を狙われていたため頑固で偏屈なところがあり、学園に蔓延する男尊女卑の現状を諌めるつもりもなく、魔王であるクロードのことも嘲っていた

性根は優しく誇り高い性格で、一癖も二癖もある生徒会のメンバーをまとめ上げ的確に仕事を割り振れるなど面倒見がよく管理能力も高い。事件を乗り越えた後はアイリーンに話を進められ、クロードの忠臣となる。

  • オーギュスト・ツェルム

『2』の攻略対象。ミーシャ学園の生徒会副会長。素直で真っ直ぐな熱血漢であり、困った人は放っておけないお人好し。正義感も強いが盲目的に正義を信じるタイプではなく、自分の目や耳で見たものを信じるため、女性が虐げられる学園の現状を良しとしていない珍しい人物。剣の腕前に優れ、エルメイア皇国に引き入れられてからは皇帝に仕える聖騎士団に入団する。将来有望な男性に愛想を振りまくセレナに内心侮蔑していたが、彼女の置かれていた立場や状況を知るうちにその考えを改め、彼女に惹かれていくようになる。

  • ウォルト・リザニス

『2』の攻略対象。ミーシャ学園の生徒会会計係。正体はミルチェッタ教会の『名もなき司祭』の一人で、ゼームスを暗殺するために派遣されていた。甘い笑みを浮かべた愛想のよい優男だが実力は確かであり、魔物相手でも引けを取らない身体能力を持つ。アイリーンにより教会に根回しされ、クロード直属の護衛になる。

  • カイル・エルフォード

『2』の攻略対象。ミーシャ学園の生徒会会計係。彼もまたウォルトと共に教会から派遣された『名もなき司祭』の一人で、ゼームスを暗殺するために派遣されていた。真面目で義理堅い性格で、お調子者なウォルトをよく諌めている。そのため女性関係は鬼門。アイリーンにより教会に根回しされ、クロード直属の護衛になる。

  • レイチェル・ダニス

ダニス伯爵家の令嬢で、『2』の悪役令嬢。ゲームとは異なり気弱で大人しく控えめな性格。やや地味な外見だが目ざとく空気を読むのが上手で、貴族の令嬢として礼儀作法は完璧であるため、学園祭で行われる『白百合姫の選考会』でも次点と目されていた。アイリーンらと行動を共にするうちに、徐々にその芯の強さを開花させていく。学園での事件解決後はアイリーンに誘われ、アイリーン直属の侍女として仕えるようになる。アイザックに惹かれているのだが、お互いに中々素直になれず、駆け引きをするような奇妙な関係が続いている。

  • セレナ・ジルベール

ジルベール男爵令嬢で、『2』の主人公であり『救済の聖女』。実家は没落しており叔父に媚びを売って生きており、幼少から学園に入学する前は召使い同然に働かされており、さらには卒業後には遥かに年上の貴族へ嫁ぐことが決められていた。そういった経緯からかなりの人間不信で大の男嫌い。徹底した現実主義者で、学園で男性に愛想を振りまいていたのも自分がのしあがるための道具にするのが目的であったのだが、そういった態度はオーギュストらには見透かされてしまっていた。目論見が外れてからは態度が一変し、本性である乱暴な言動も隠さないようになるが、ただ人に利用されるだけの人生は御免だと、時に敵対し、時に仲間となってアイリーンらと関係を続けていく。『救済の聖女』として「力を倍増させる」能力を持ち、武器や兵器の力を引き上げたり、治癒の力の効果を増幅させるなど様々な活躍をする。

心の底では自分だけの王子様を探しており、人生賭けて恋をしてみたいと思っていた。本性を表わしてからも何かにつけてオーギュストから接触を持たれており、受け入れることも拒絶することもできずにやきもきしている。

アシュメイル王国

『聖と魔と乙女のレガリア3』の舞台。エルメイア皇国から運河をはさんで東南に位置する国家。『神剣』と『神の娘』という伝承を持ち、国土のほとんどが砂漠だが『神剣』からあふれ出す水のおかげで、水が潤沢にある。閉鎖的な国風であるため情報が乏しく、特にエルメイア皇国とは建国伝説の解釈違いから国交は断絶状態で、戦争も辞さない程に仲が悪い。

  • バアル・シャー・アシュメイル

アシュメイル王国国王。『聖王』の異名で知られる。『聖と魔と乙女のレガリア3』のラスボス。魔王とは対極をなす存在であり「聖の力」を操る。その実力は確かであり単純な戦闘能力はクロードと互角。普段は魔物が自国内に入ってこないように聖なる結界を王国全土に張り巡らせている。公の場では尊大な態度を見せているが、思慮深く民のことを想う名君であり、王国の世論が「皇国との戦争」に傾いているのを懸命に抑え、過激派の旗印であるアレスを警戒している。しかしそういった態度が弱腰と捉えられており、却って民の評判を下げている。

アイリーンらと協力して陰謀を解決した後はエルメイア皇国と国交を回復させ、クロードとは友人として付き合うようになる

元はサーラを見初めていたが、正妃であるロクサネのことを愛しており、しかし互いの思い違いからすれ違い冷え切った夫婦生活を送っていたのだが、事件以後はお互いの気持ちを知って非常に親密になり、クロードとアイリーンの夫婦よりも先に子供を授かった。

  • ロクサネ・フスカ

フスカ家の令嬢で聖王バアルの正妃。『3』の悪役令嬢。本当はアレスの婚約者であったが、彼がサーラのことを見初めたためにロクサネと婚約を破棄し、バアルがロクサネを正妃にしたという経緯を持つ。アレスのことは本気で愛していたのだが、有無も言わさずまるで自身を物のように下げ渡した行為に深く絶望しており、その状況下でも自身に声をかけ、正妃になるかどうかをロクサネの意志を尋ねたバアルを愛するようになる。真面目で聡明な性格で、バアルとアレスの対立が続けばやがて王国内で内乱が起きかねないことを危惧しており、一計を講じてバアルを陥れようとする者たちへの囮となった。

陰謀後はバアルとお互いの気持ちを知って非常に親密になりクロードアイリーン夫婦よりも先に子供を授かった。

  • アレス・アミール・アシュメイル

アシュメイル王国将軍で『3』の攻略対象の一人。バアル聖王の従兄弟でありサーラの夫。一見して真面目で正義感が強い好青年に用に見えるが、本質は独善的で「大義のためには犠牲もやむを得ない」という思考を持ち、サーラを手に入れるために自身の婚約者であったロクサネをあっさり切り捨て、バアルに下げ渡すなど非常に高慢。エルメイア皇国で魔王クロードが皇帝となったことに危機感を抱いており、『神の娘』であるサーラの力を用いてエルメイア皇国との開戦を望む過激な思想を持っている。そのため戦争を忌避するバアル聖王を失脚させ自分が次期王の座に収まろうと陰謀を画策する。

  • サーラ

『3』の主人公。『神の娘』。元は奴隷でアシュメイル王国の後宮の下女であったが、そこで力を目覚めさせ、またアレスに見初められ結婚し彼の妻となる。

しとやかで優しげな風情の美人で口調も物腰も柔らかい女性。アレスのことを純粋に愛しており、自身に嫉妬しちょっかいをかけてきていたロクサネにも悪感情を持っていない。『神の娘』として「修復する」能力を持ち、怪我の治療を施すことが出来るほか、『神剣』は『神の娘』である彼女しか直すことが出来ない。セレナと力を合わせた場合は身体の欠損すら回復できるようなチート能力と化す。

  • マナ

アシュメイル王国の後宮に住まう水竜。聖竜妃。バアル聖王を慕っている

用語

  • 魔王

本来有り得ない赤い目を持って生まれ、人間では本来扱うことのできない魔力を自在に操る存在。また魔物を統べる能力を持ち、魔王が命令すれば魔物らは自身の命すら投げ出す。身体能力も常人をはるかに凌ぎ、激情に駆られることで漆黒の龍へと変身する。

  • 魔物

人間に仇なす存在とされ、カラスのような外見のものや、人狼、巨大なイカなど多種多様である。平時であれば獣に毛が生えた程度の存在であり、騎士が複数人でかかれば問題なく討伐ができる程度の存在なのだが、魔王が君臨している状況では知性や能力が向上し、また魔王の命令を受け行動する最強の軍隊として機能する。

  • 『聖剣の乙女』

エルメイア皇国に伝わる伝説の聖剣を操る乙女のこと。聖剣は持ち主の意思に応じて姿を変える剣とされており、刀身から生まれる光の粒子は魔物を焼き、かの魔王ですらも一撃で消滅させるほどの力を持つ。聖剣は担い手の身体から生まれるとされており、不要な時は体内に引っ込む。魔を打ち払う力としては絶大な能力を有するが人間には無害であり、王家の血が流れている者であれば聖剣を奪うこともできる。奪い取った聖剣を操る乙女は『魔剣の乙女』と揶揄される。

  • 『神剣』

ハウゼル女王国で神造された人工の聖剣。聖なる力を有し魔の力を持つ者たちに対し聖剣に匹敵する効果を有すると同時に、物質として存在する剣であるため人間をも殺傷することが出来、担い手を選ばず、剣に覚えのある者であれば誰でも振るうことが出来る。反面その効能は長持ちせず、『神の娘』により修復され無ければ力が失われてしまう。

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