婚約破棄のショックで前世の記憶を思い出したアイリーン。
ここって前世の乙女ゲームの世界ですわよね?
ならわたくしは、ヒロインと魔王の戦いに巻き込まれてナレ死予定の悪役令嬢……
冗談じゃなくってよ!
こうなったらラスボス(魔王様)を攻略して死亡フラグを回避しましょう。
悪役令嬢に転生してしまった私tueeeeな主人公が、
ヒロインと元婚約者と幼馴染み達にざまぁしたり、
事業やら何やらで部下(下僕)を順調に増やしたり、
魔王様に愛されたりするお話。
概要
小説家になろうで連載されているウェブ小説。著者は永瀬さらさ氏。
角川ビーンズ文庫より書籍化、角川コミックス・エースよりコミック化されている。
既刊はそれぞれ、書籍版が10巻、漫画版が全4巻(2022年11月現在)。
コミカライズ版は紙面連載と共にComicWalker、Pixivコミックでも配信されていた。現在は、第1話、第2話のみ試読可能となっている。
略称は「悪ラス」。
中世ヨーロッパ風の魔法が存在する世界が舞台。タイトルに「悪役令嬢」と銘打ってある通り、「乙女ゲームの世界に転生した主人公が悪役令嬢になってしまった」「婚約破棄により地位が危うくなったため挽回しようと奮闘する」など導入部分~第1部は他の「悪役令嬢もの」作品と大きな相違はないが、第2部からは主人公らを巻き込む事件を解決するために剣や魔法やアイテムを駆使して黒幕と戦う展開がストーリーの主軸となり、「異世界転生もの」の英雄譚となっている。
あらすじ
学園の冬期学期終了の夜会の最中、アイリーン・ローレン・ドートリシュ公爵令嬢は婚約者であるエルメイア皇国皇太子セドリック・ジャンヌ・エルメイアより婚約破棄を宣言され、その直後に自身の前世の記憶を思い出し、自身が乙女ゲームの世界で転生したこと、自分が最後には破滅し死亡する悪役令嬢であることに気が付く。自身の破滅を回避するため、アイリーンは元の乙女ゲームではラスボスであり攻略対象でもある魔王クロード・ジャンヌ・エルメイアと協力することを画策する。
「わたくし、あなたに求婚しにきましたの」
登場人物
CV:高橋李依
本作の主人公。エルメイア皇国宰相ドートリシュ公爵家の令嬢。
エルメイア皇国の元皇太子であり魔王。
エルメイア皇国
『聖と魔と乙女のレガリア1』の舞台。首都は皇都アルカート。『聖剣の乙女』の伝承が伝わる国家であり、ピエール・ジャンヌ・エルメイア皇帝が治世している。
王城を中心に扇形に広がる形で一層~五層に分類されており、一層は主に貴族達が住む居住区で、二層は役所や銀行といった公共施設が並ぶ。三層は商業区、四層は一般市民達が暮らす居住区、五層はそれ以外のいわゆる貧困街で治安の悪い場所である。皇国の一画には「魔王の城」がある。
CV:増田俊樹
エルメイア皇国の第二皇子。アイリーンの元婚約者。『1』の攻略対象の一人。クロードの異母兄弟。作中でクロードが皇太子の地位を取り戻したため、後に皇位継承権2位に格下げされた。
高慢だが、本当は繊細な心の持ち主。幼少の頃から優秀なクロードと比較され続けたことがコンプレックスになっていたため、周囲の評価を上げることに躍起になっており、アイリーンの功績を奪って自分の物にしていた。そのうちに優秀なアイリーンをむしろ憎むようになり、自身の心情に唯一理解を示してくれたリリアを愛するようになる。
アイリーンを罠にはめて婚約破棄を宣言するが、彼女がクロードと婚約したことで立場が逆転し、プライドも地位もズタズタにされる。以後は豹変したリリアに付き従って動いていたが、クロードやアイリーンとの付き合いを通して精神的に成長していき、リリアですら思いもよらない行動を取るようになる。
CV:花澤香菜
レインワーズ男爵令嬢で、『1』の主人公。魔物を打ち払う聖剣を操る『聖剣の乙女』。セドリックのことを愛している。「話し合えば誰とでも仲良くすることが出来る」という善性の持ち主だが「自身の行動がどんな結果をもたらすのか」を一切考慮せず、実質的にセドリックを奪われたアイリーンに対して心から謝罪をするが事後に何の配慮もしないなど、本質的に人の心を理解していない。
彼女もまた転生者で、作中で前世の記憶を取り戻す。「この世界はゲームであり、自分とアイリーン以外は全てNPC」と解釈しているため、元の天真爛漫さを残しつつも、他人の死傷や心情に全く関心を示さなくなる。
その一方でアイリーンには執着しており、必要があれば彼女に協力する。元の乙女ゲームを細かなイベントフラグや裏設定さえ記憶しているほどやり込んでいたため、その知識や機転で状況を打開することもしばしば。
- マークス・カウエル
CV:大塚剛央
エルメイア皇国騎士団の一員で、『1』の攻略対象の一人。セドリックやアイリーンとは幼馴染で、セドリックに付き従っている。正義感が強く不正を許さない高潔な性格の持ち主だが、匿名の証言を鵜呑みにして、証拠もなくアイリーンの悪事を信じるなど短慮な一面がある。セドリックに影響され、マークス自身も成長していく。
- レスター・クレイン
CV:立花慎之介
クレイン侯爵家長男。『1』の攻略対象の一人。聡明な人物で、有事の際には普段の敵対関係を超えて共同戦線を申し込む合理的な思考の持ち主。
- エレファス・レヴィ
CV:内山昂輝
魔法大公レヴィ一族の末裔の魔道士。『FD』のラスボス。魔王以外でも魔力を扱うことが出来る一族で、過去にエルメイア皇国と戦争し敗北、以後は皇国に忠誠を誓うことで生きながらえることを許されている。出自の経緯から魔法の腕だけならクロードに勝るとも劣らず、調整能力が抜群に高く問題を解決する手段や知識に長ける。普段は飄々としているが奴隷根性が染みついているため自虐的。また魔法に頼り過ぎているきらいがあり、女性にすら負けかねないほど運動能力が低い。
クロードに仕えるようになってからは様々な問題解決に引っ張り出され重用されている。
- ルドルフ・ローレン・ドートリシュ
CV:土師孝也
エルメイア皇国宰相。アイリーンの父親。エルメイア皇国随一の切れ者として知られる。人のよさそうな外見をしているが、本性は根っからのサディストでの持ち主。当初よりセドリックの本性に気が付いており、アイリーンに「いつ婚約破棄されるか楽しみにしていた」と笑顔で語るほど。
セドリックやピエールらを見限り、クロードが次期皇帝になるよう周到に準備を進める。
- ピエール・ジャンヌ・エルメイア
CV:浜田賢二
第16代エルメイア皇帝。クロードとセドリックの父親。日和見な性格で、セドリックにさえ内心で馬鹿にされている。
- ララ・ジャンヌ・エルメイア
CV:かないみか
エルメイア皇太后。ピエールの母で、クロードとセドリックの祖母。齢60を超えているのだが瑞々しい少女のような外見をしており、その美しい容貌を何よりも大切にしている。
オベロン商会
魔王の城の運営や資金獲得のため、アイリーンが立ち上げた商会。セドリックに奪われた商会から解雇された人間を主な構成員としている。主要な商品は婦人用の化粧品で、評判が良く、急成長している。
- アイザック・ロンバール
CV:内田雄馬
ロンバール伯爵家の三男。三白眼の鋭い顔立ちを持った、いわゆる美形。一見すると不良のようで近づきがたいが、頭が回り商才にも優れる。素直にならず意地っ張りな部分があるものの情に厚い性格。アイリーンに協力し、商会運営をしつつ有事の際には作戦立案を行うなど頭脳戦を担当している。昔からセドリックの名声がアイリーンの功績を横取りしたものであることに気が付いていたのだが、糾弾するだけの勇気も地位も持ち合わせていなかったため黙って見ていたことを負い目に感じている。アイリーンと同じような目に遭いながら、挫けずに前を向くレイチェルのことを気にかけているものの、なかなか関係を進展させることが出来ずにいる。
- ジャスパー・バリエ
CV:安元洋貴
バリエ新聞社の社長兼新聞記者。第四層出身。気骨のある性格の持ち主で、貴族間の癒着や政治的汚職を追っている。しっかりとした裏付けと公平な視点から記事を書くため評判が高い。アイリーンとはセドリックの名を騙る汚職貴族の不正を暴くために協力し合った仲。
情報収集を担当する。
- ドニ
CV:吉永拓斗
第五層出身の建築士。愛嬌のある顔立ちをした小柄な少年。陽気な性格で、変わった建築様式の建物には目がない。自身も建築士として一級の腕前を持つほか、器械や機械にも造詣が深く、大抵の物は素早く作ってしまうモノづくりの天才。魔物たちからも引っ張りだこであり、クロードやベルゼビュートらとも仲が良い。
- リュック
CV:神尾晋一郎
第五層出身の薬師。クセっ毛の髪を持つ青年。明るい性格ながら時折狂気的な一面を見せる。新しくアイリーンが立ち上げた商会の主力商品である化粧品の開発に勤しむ他、医療品、媚薬や自白剤を製作する。
- クォーツ
CV:宮崎遊
第五層出身の植物学者。右目に大きな眼帯を付けている、長い髪を一つにまとめた端整な顔立ちの青年。以前はリュックと共に第五層で診療所を経営していた。寡黙で物静かな性格ながら腕は確かで、リュックの商品開発に必要な植物を育てている。イチゴなどの果物や野菜の種や様々な花を魔物たちと協力しながら育てている。
魔王の城
エルメイア皇国の一画にある魔王クロードが居住する廃城と魔物らが生息する領地。魔の力により結界がはられており、何の対策も無ければ城に辿り着くことすらできない。荒廃した土地で魔物が多数生息している。
エイスグリッド伯爵家令息。クロードの側近であり「魔王の城」内では唯一の人間。幼い頃にクロードに命を助けられて以後彼に忠誠を誓っている。明るく朗らかな性格で、突然やってきたアイリーンにも好意的に接する。クロードに対して面と向かって文句を言ったり、叱り飛ばして仕事や執務を強制できるほぼ唯一の存在。クロードからの信頼も厚く、クロードの有事の際には一度だけクロードの命令として全魔物に命令を出すことのできる「魔王の代行権」を行使できる。
- ベルゼビュート
CV:小野友樹
クロードの側近であり人型の魔物。愛称は「ベル」。クロード第一主義であり、何事よりもクロードを優先する。魔物としての格は魔王に次ぐ大物で千年以上生きており、クロードを赤ん坊の時から守っており。粗暴だが根は素直であり、少しでもクロードの役に立てるよう人間の礼儀やマナーを学び、文字を覚えるなど努力家でもある。当初は人間を毛嫌いしていたが、アイリーンや彼女の連れてきた人間と交流していくうちに成長していく。カッコいいものが大好きで、人間の軍服を気に入っており、公の場ではそれを着用している。
- アーモンド
CV:杉田智和
頭蓋骨を持った大型のカラスの魔物。カタコトながら言葉を話すことが出来、文字も読める。空からの監視や情報収集、手紙や道具の運搬など多種多様な任務を行う。ジャスパーと協力すれば大抵の情報は抜き出すことが出来る。
- シュガー
白色のカラスの魔物。アーモンドとは異なり古めかしい喋り方をする。クロードの護衛であるウォルトやカイルとよく一緒に行動している。
ミルチェッタ公国
エルメイア皇国を建国した聖剣の乙女が、故郷のミルチェッタ地方を両親に任せた経緯から生まれた公国。エルメイア皇国の属国でありながら聖剣の乙女の兄弟国として、皇国内でも特別な自治権を持っている。聖剣の乙女の遺した「たとえ世界を救ったとしても女性としてのつとめを忘れることなかれ。」という教訓が歪めて解釈されており、男尊女卑の傾向が根強い。ミルチェッタ公国随一の教育機関ミーシャ学園は『聖と魔と乙女のレガリア2』の舞台で、学園祭で開催される『白百合姫の選考会』が有名。
- ゼームス・シャルル
CV:斉藤壮馬
ミルチェッタ公国の公子。半魔(人間と魔族のハーフ)であり『聖と魔と乙女のレガリア2』のラスボス。ミーシャ学園の生徒会長を務める。
出自により幼少の頃から命を狙われていたため頑固で偏屈なところがあり、学園に蔓延する男尊女卑の現状を諌めるつもりもなく、魔王であるクロードのことも嘲っていた。
性根は優しく誇り高い性格で、一癖も二癖もある生徒会のメンバーをまとめ上げ的確に仕事を割り振れるなど面倒見がよく管理能力も高い。事件を乗り越えた後はアイリーンに話を進められ、クロードの忠臣となる。
- オーギュスト・ツェルム
CV:畠中祐
『2』の攻略対象。ミーシャ学園の生徒会副会長。素直で真っ直ぐな熱血漢であり、困った人は放っておけないお人好し。正義感も強いが盲目的に正義を信じるのではなく、自身が見聞したものを信じるため、女性が虐げられる学園の現状を良しとしていない珍しい人物。剣の腕前に優れ、エルメイア皇国に引き入れられてからは皇帝に仕える聖騎士団に入団する。当初はセレナを内心で侮蔑していたが、彼女の置かれていた立場や状況を知るうちにその考えを改め、彼女に惹かれていくようになる。
- ウォルト・リザニス
CV:豊永利行
『2』の攻略対象。ミーシャ学園の生徒会会計係。正体はミルチェッタ教会の『名もなき司祭』の一人で、学園に潜む魔物を暗殺するために派遣されていた。甘い笑みを浮かべた愛想のよい優男だが実力は確かであり、魔物相手でも引けを取らない身体能力を持つ。教会に根回しされ、クロード直属の護衛になる。
- カイル・エルフォード
CV:小林千晃
『2』の攻略対象。ミーシャ学園の生徒会会計係。彼もまたウォルトと共に教会から派遣された『名もなき司祭』の一人で、学園に潜む魔物を暗殺するために派遣されていた。真面目で義理堅い性格で、お調子者なウォルトをよく諌めている。教会に根回しされ、クロード直属の護衛になる。
- レイチェル・ダニス
CV:村川梨衣
ダニス伯爵家の令嬢で、『2』の悪役令嬢。ゲームとは異なり気弱で大人しく控えめな性格。やや地味な外見だが空気を読むのが上手で貴族令嬢として礼儀作法は完璧であるため、学園祭で行われる『白百合姫の選考会』でも次点と目されていた。アイリーンらと行動を共にするうちに、徐々にその芯の強さを開花させていく。学園での事件解決後はアイリーンに誘われ、アイリーン直属の侍女として仕えるようになる。アイザックに惹かれているのだが、お互いに中々素直になれず、駆け引きをするような奇妙な関係が続いている。
- セレナ・ジルベール
CV:竹達彩奈
ジルベール男爵令嬢で、『2』の主人公であり『救済の聖女』。幼い頃両親が死に、男爵家を引き継いだ叔父一家は財産を食いつぶしたため没落している。学園に入学するまでは召使いのようにこき使われており、さらに卒業後は二回り以上年上の男性に借金と引き換えに嫁ぐことが決まっていた。
自身の経緯からかなりの人間不信で、大の男嫌い。徹底した現実主義者で、男性に愛想を振りまいていたのも自分がのしあがることが目的であったのだが、オーギュストら生徒会のメンバーには見透かされてしまっていた。目論見が外れてからは態度が一変し、乱暴な言動も隠さないようになるが、どんな目に遭っても己を貫き通す芯の強さは失わず、時に敵対し、時に仲間となってアイリーンらと関係を続けていく。
心の底では自分だけの王子様を探しており、人生賭けて恋をしてみたいと思っていた。何かにつけてオーギュストが接触してくるのだが、受け入れることも拒絶することもできずにやきもきしている。
アシュメイル王国
『聖と魔と乙女のレガリア3』の舞台。エルメイア皇国から運河をはさんで東南に位置する国家。『神剣』と『神の娘』という伝承を持ち、国土のほとんどが砂漠だが『神剣』からあふれ出す水のおかげで、水が潤沢にある。閉鎖的な国風であるため情報が乏しく特にエルメイア皇国とは建国伝説の解釈違いから国交は断絶状態になっている。
- バアル・シャー・アシュメイル
アシュメイル王国国王。『聖王』の異名で知られる。『聖と魔と乙女のレガリア3』のラスボス。魔王とは対極をなす存在であり「聖の力」を操る。その実力は確かであり単純な戦闘能力はクロードと互角。普段は魔物が自国内に入ってこないように聖なる結界を王国全土に張り巡らせている。公の場では尊大な態度を見せているが、思慮深く民のことを想う名君であり、王国の世論が「皇国との戦争」に傾いているのを懸命に抑え、過激派の旗印であるアレスを警戒している。しかしそういった態度が弱腰と捉えられており、却って民の評判を下げている。
アイリーンらと協力して陰謀を解決した後はエルメイア皇国と国交を回復させ、クロードとは友人として付き合うようになる。
正妃であるロクサネのことを愛しており、しかし互いの思い違いからすれ違い冷え切った夫婦生活を送っていたのだが、事件以後はお互いの気持ちを知って非常に親密になり、クロードとアイリーンの夫婦よりも先に子供を授かった。
- ロクサネ・フスカ
フスカ家の令嬢で聖王バアルの正妃。『3』の悪役令嬢。本当はアレスの婚約者であったが、彼がサーラのことを見初めたためにロクサネと婚約を破棄し、バアルがロクサネを正妃にしたという経緯を持つ。アレスのことは本気で愛していたのだが、有無も言わさずまるで自身を物のように下げ渡した行為に深く絶望していた。
真面目で聡明な性格。バアルとアレスの対立が続いて王国内で内乱が起きることを危惧し、一計を講じる。
陰謀後はバアルとお互いの気持ちを知って非常に親密になり、クロードとアイリーン夫婦よりも先に子供を授かった。
- アレス・アミール・アシュメイル
アシュメイル王国将軍で『3』の攻略対象の一人。バアル聖王の従兄弟でありサーラの夫。一見して真面目で正義感が強い好青年に見えるが、本質は独善的。「大義のためには犠牲もやむを得ない」ことを公言し、サーラを手に入れるために自身の婚約者であったロクサネをあっさり切り捨て、バアルに下げ渡すなど非常に高慢。魔王クロードが皇帝となったことに危機感を抱いており、エルメイア皇国との開戦を望む過激な思想を持っている。そのため戦争を忌避するバアル聖王を失脚させ、自分が次期王の座に収まろうと陰謀を画策する。
- サーラ
『3』の主人公。『神の娘』。元は奴隷でアシュメイル王国の後宮の下女であったが、そこで力に目覚めたことでアレスに見初められ結婚し、彼の妻となる。
しとやかで優しげな風情の美人で口調も物腰も柔らかい女性。アレスのことを純粋に愛しており、自身に嫉妬しちょっかいをかけてきていたロクサネにも悪感情を持っていない。
- マナ
アシュメイル王国の後宮に住まう水竜。聖竜妃。バアル聖王を慕っている。
『聖と魔と乙女のレガリア』
本作の元となった乙女ゲーム。西洋風の架空の国々が舞台になっている。ハチャメチャで無理矢理なストーリーが話題となり、シリーズは『5』まで続き『外伝』や『1』のFD(ファンディスク)も発売されている。また『6』の制作途中であったこともあかされている。
恋愛シミュレーションではあるが、RPGのようにラスボスが設定されており打ち倒す必要がある。登場キャラクターにはステータスが存在し、ポイントを割り振ることで主人公を成長させることが出来るのだが、成長させたステータスによっては、騎士になったり、名もなき司祭の一員になるなど誰かと恋仲になる以外のエンディングも存在する。
用語
- 魔王
本来有り得ない赤い目を持って生まれ、人間では扱うことのできない魔力を自在に操る存在。魔物を統べる能力を持ち、魔王が命令すれば魔物らは自身の命すら投げ出す。身体能力も常人をはるかに凌ぎ、激情に駆られることで漆黒の龍へと変身する。
- 魔物
人間に仇なす存在とされ、カラスのような外見のものや、人狼、狼、巨大なイカなど多様な種族が存在する。平時であれば獣に毛が生えた程度の存在であり、騎士数人で討伐可能であるが、魔王が君臨している状況では知性や能力が向上し、魔王の命令に忠実に従う最強の軍隊として機能する。
- 名もない司祭
ミルチェッタ教会に所属する対魔物用の戦闘員。聖銃を主武器とする。薬物により寿命と引き換えに身体能力を強化されている他、裏切り防止のために首に爆薬が埋め込まれている。その経緯から公にされておらず、構成員も孤児などの出自の人間が多い。
- 『聖剣の乙女』
エルメイア皇国に伝わる伝説の聖剣を操る乙女のこと。聖剣は持ち主の意思に応じて姿を変える剣とされており、刀身から生まれる光の粒子は魔物を焼き、かの魔王ですらも一撃で消滅させるほどの力を持つ。聖剣は担い手の身体から生まれ、不要な時は体内に引っ込む。魔を打ち払う力としては絶大な能力を有するが人間には無害であり、王家の血が流れている者であれば聖剣を奪うこともできる。奪い取った聖剣を操る乙女は『魔剣の乙女』と揶揄される。
- 『救済の聖女』
セレナが有する「力を増幅させる」能力。単純に身体能力を強化するほか武器の殺傷力や道具の効能、魔法も強化できるなど用途は多岐にわたる。直接手で触れたり手をかざすことで力を付与できるが、血や涙のような体液でも効果を発揮する。
- 『神の娘』
サーラが有する「修復する」能力。人や魔物の怪我を治療できるほか、物体の損傷も回復することができる。『神剣』はこの『神の娘』の力でなければ修復することができない。
- 『神剣』
ハウゼル女王国で神造された人工の聖剣。魔の力を持つ者たちに対し聖剣に匹敵する効果を有すると同時に、物質として存在する剣であるため人間をも殺傷することが出来る。また担い手を選ばず、剣に覚えのある者であれば誰でも振るうことが出来るなど、聖剣よりも汎用性に富む武器なのだが、反面その効能は長持ちせず、『神の娘』により修復され無ければ力が失われてしまう。
- 『魔香』
作中に登場する薬物。いわゆる麻薬であり、作中ではオピム材料を使って作られるという設定になっているがその正体は現代で言う阿片である。人間に馴染ませれば身体能力を上げるの効果があるため名もなき司祭の強化にも使われた。通常の麻薬と同じ様に中毒性が高く廃人になってしまう者がおり現在はその存在が隠蔽されている。また、この魔香は魔物を引き寄せ凶暴化させる効果もある。
アニメ
2022年10月から12月までTOKYOMX、WOWOW、毎日放送、BS-TBSにて放送された。なお、(兵庫県におけるネット局がTBSの系列局だとは言え)BS-TBSが独立局作品の放送を実施するのは極めてレアケースである。
アニメーション制作はMAHOFILM。
主題歌
オープニングテーマ
「共感されなくてもいいじゃない」
歌:高橋李依 作詞・作曲:永井葉子 編曲:TOPICS.LAB
エンディングテーマ
「ノミック」
スタッフ
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