概要
- イエス・キリストを信奉する12人の高弟『十二使徒』の1人、ユダの通称。
- 平野耕太による漫画作品『HELLSING』に登場する架空の機関名。
- 三田誠による小説作品の表題。
- 上記以外の創作作品上に登場する反逆者の代名詞
など
現時点において、本項は概要2について説明を記述するものであり、親記事等もこれに倣うものとする。
なお、イスカリオテそのものの語義は、ヘブライ語で「カリオテ(ユダヤ地方の村名の1つ)の人」、即ち出身地を意味する。
特務機関イスカリオテ
キリスト教の最大教派『ローマ・カトリック教会』の総本山であるバチカンが極秘に保有する唯一の武力組織。高度な戦闘訓練を受け、一部の例外を除いて祝福儀礼を施した拳銃を装備した神父『武装神父隊』で構成される。キリスト教において最も忌避される数字である13の代名詞となった「裏切りの使徒」ユダの名を冠し、バチカンの暗部として活動する特殊戦闘部隊であるため、その存在を知る者はごく少数に留まる。
ただし、『新約聖書』に収められている正典『マルコによる福音書』『マタイによる福音書』『ルカによる福音書』ではユダこそが十二使徒の12人目である旨が記されており、さらに『使徒行伝』ではユダの死後にその空座をマティアが継承して十二使徒が再構成されたため、キリスト教の正典中において13番目の使徒は存在していない事実が立証されている。
ユダを13番目の使徒であるとするのは、数多くのイコンに刻まれたイエスの事跡『最後の晩餐』から発生した俗説が起源となっている。
活動
第一任務:カトリック教圏内で発生する異形の討伐、怪異の鎮圧、穢土の浄化、内通者の粛清
第二任務:プロテスタントおよびその教圏内の異形対策活動に関する監視、偵察、牽制
第三任務:プロテスタント以外でカトリックに仇成す異教およびその教圏内の監視、偵察
第四任務:非戦闘時における各自担当の職務遂行
教義
イスカリオテに所属する職員は自らの存在をユダと重ね合わせ、現世における神罰の代行者として『ミディアン』(闇の世界に跋扈する人外の総称)や異教、背信者を殲滅する力によって主への絶対的忠誠を示す反面、狂信に等しい敬虔な信徒でありながらリンボ(辺獄=復活を経たイエスの昇天に伴う魂の救済を待つために留まり続ける地獄の手前)への道しか許されていない最大の恥辱を承知の上で活動に参加しており、それらの信念は以下の教義に詳しい(原作版とOVA版では内容に若干の差異がある)。
原作版
我らは己らに問う 汝ら何ぞや!!
我らは熱心党(イスカリオテ) 熱心党(イスカリオテ)のユダなり!!
ならばイスカリオテよ 汝らに問う 汝らの右手に持つ物は何ぞや!!
ならばイスカリオテよ 汝らに問う 汝らの左手に持つ物は何ぞや!!
銀貨三十と荒縄なり!!
ならば!!
ならばイスカリオテよ 汝ら何ぞや!!
我ら使徒にして使徒にあらず
信徒にして信徒にあらず
教徒にして教徒にあらず
逆徒にして逆徒にあらず!!
我ら死徒なり 死徒の群れなり
ただ伏して御主に許しを請い ただ伏して御主の敵を打ち倒す者なり
闇夜で短刀を振るい、夕餉に毒を盛る者なり
我ら刺客なり 刺客(イスカリオテ)のユダなり!!
時至らば 我ら銀貨三十神所に投げ込み 荒縄をもって己の素っ首吊り下げるなり
さらば我ら徒党を組んで地獄へと下り 隊伍を組みて方陣を布き
七百四十万五千九百二十六の地獄の悪鬼と合戦所望するなり
黙示の日まで!!(アポカリプス ナウ)
OVA版
我らは己(うぬ)らに問う、汝らは何ぞや。
我らイスカリオテ、イスカリオテのユダなり。
ならばイスカリオテよ。汝らに問う、右手に持つものは何ぞや。
短刀と毒薬なり。
ならばイスカリオテよ。汝らに問う、左手に持つものは何ぞや。
銀貨三十と荒縄なり。
ならばイスカリオテよ。汝らは何ぞや。
我ら使徒にして使徒にあらず。
信徒にして信徒にあらず。
教徒にして教徒にあらず。
逆徒にして逆徒にあらず。
我らは、ただひたすらに主に従う者。
ただ伏して御主に許しを請い、ただ伏して御主の敵を打ち倒す。
闇夜で短刀を振るい、夕餉(ゆうげ)に毒を盛る死の一兵卒。
我ら死徒なり。死徒の群れなり。
我ら刺客なり。イスカリオテのユダなり。
時至らば、我ら銀貨三十神所に投げ込み、荒縄を以って己の素っ首吊り下げるなり。
されば我ら徒党を組んで地獄へと下り、隊伍を組みて方陣を敷き、
七百四十万五千九百二十六の地獄の悪鬼と合戦所望するなり。
職員
- エンリコ・マクスウェル(イスカリオテ機関長):速水奨
「お前たちは哀れだ。だが許せぬ!実を結ばぬ烈花のように死ね!!蝶のように舞い蜂のように死ね!!」
「Dust to dust. 塵は塵に。塵に過ぎないお前等は、塵に還れ!」
「イスカリオテのユダでなくなってしまう!ただの糞尿と血の詰まった肉の袋になってしまう!!」
「『そうあれかし』と叫んで斬れば、世界はするりと片付き申す。」
「我々は500年待った。あと100年、200年。何の事も無い。次の第十次は上手くやるさ。」
- 武装神父隊
イスカリオテの主戦力たる精鋭戦闘員。ミレニアムの吸血鬼兵士とも互角以上に渡り合う戦闘能力を有し、主に祝福儀礼が施された銃器で戦う。ほぼ全員メガネ着用。