概要
2025年に開催予定の大阪万博(EXPO2025)で使用されるロゴとして、2020年8月25日に発表された公式ロゴマークにつけられた通称の一つ。2025年日本国際博覧会協会が、応募された5894作品の中から8月3日に最終候補として5作品を公表後、一般からの意見募集と選考委員による最終審査を経て決定された。
その余りにも強烈なデザインセンスから、発表から一日しか経っていないにも関わらず、各所で取り上げられるほど大きな話題になっている。
デザインコンセプト
「いのちの輝き」をテーマに、1970年大阪万博のDNAを受け継いだ「セル(細胞)」を意識した赤い球体をつなげた作品で、このロゴをデザインしたクリエイター集団『TEAM INARI』のアートディレクター・シマダタモツ氏は「小さいころに万博で見た岡本太郎さんの太陽の塔のような、パンチのあるロゴにしたかった。これから5年、万博の顔になると思うと最高に嬉しい」とコメントしており、おそらくは太陽の塔内部の「生命の樹」にも少なからず影響を受けていると思われる。
デザインコンセプトについてタモツ氏はインタビューにこう答えている。(大阪・関西万博ロゴマーク公募サイト結果発表より引用)。
「踊っている。跳ねている。弾んでいる。だから生きている。大阪・関西万博。1970年のデザインエレメントをDNAとして宿したCELLたちが、2025年の夢洲でこれからの未来を共創する。関西とも、大阪府ともとれるフォルムを囲んだメインシンボルだけでなく、CELLたちは、文字や数字を描きだし、キャラクターとしてコミュニケーションする。自由に。有機的に。発展的に。いのちの輝きを表現していく。」
ロゴマーク選考委員会の座長を務めた安藤忠雄氏は「左右対称ではないこのロゴは大阪らしい楽しさもあり、予定調和ではないデザイン」「新しい世界を切り拓こうという作者の意志を感じさせる。エネルギーがあり、いい意味の“違和感”を併せ持っている」とコメントしている。
反響と評価
このロゴマーク自体は、万博と言う国際的な巨大イベントの為に製作され、真っ当な選考を勝ち抜いて万博のシンボルに選ばれたという、非常にまじめなマークである。
しかし、いざ発表されると、そのデザインが「不揃いに連結した赤い円の中にいくつか目のようなものがある」というなんとも名状しがたいデザインだったため、「気持ち悪い」「化け物みたい」と反発する意見が相次ぐ一方で、「太陽の塔も発表当時は否定的な意見が多かった」「岡本太郎イズムを感じて、『第二の大阪万博』を象徴する良デザイン」と、その記憶に残る斬新なデザイン性を高く評価する声も多い。
ネット上でも、「沙耶の唄※」「ショゴス」「ムック※」「セルリアン」「メイドインアビス※」「SCP-066」「何もない」「ガラナの実」「パーマンのPバッジ」「醜悪な(もしくは『錬成に失敗した』)キャラメルコーン」「R-TYPEのバイド※」「成れ果て」「奇獣」「15個揃えたら願い叶いそう」など無数の作品や呼称が呟かれており、発表から約3時間後にはツイッタートレンドの上位9つを関連するワードで占めた。
また、ロゴマークの選考委員の中には、ジョジョの奇妙な冒険の作者である荒木飛呂彦氏が参加していたこともあり、それを知った視聴者の中には、「荒木先生が選んだのなら、このデザインにも納得できる」「新しいスタンド能力?」と言った反応も多く、当初こそは反対だったものの、日を追うごとに愛着を持つ者も多い模様。
また、タモツ氏がインタビュー内で語っている「踊っている。跳ねている。弾んでいる。だから生きている」と言う一文も、「なんだか、この生き物を的確に表している」と言われてしまうほど、嵌まりすぎた名文句であり、タイトル名も「トラウマ回のサブタイトル」「富野監督のアニメにありそう」といった声も上がるほどのインパクトを出しているのも相まって、タイトル名そのまま「いのちの輝き君」と呼ばれてしまうほどに人気になった。
この他にも、「コロシテくん」と言った愛称もあり、基本的にはバイオハザードやブラッドボーンと言った、SFやコズミックホラーと言ったダークな世界観と会わされることが多いようだ。
一見すればクリーチャーのような不気味なデザインだが、本来は無機物的なロゴのはずが分離したり、笑っていたりといった、まるで生きているような描写でファンアートが多く描かれ、気が付いたら本当にいのちが吹き込まれていた。
また、この日は偶然にも「劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明」Blu-ray版の情報が公開されており、半ば巻き込まれるような形でボンドルド卿と合わせたイラストも描かれた(話題被りしてなくても誰かがやっていた可能性は高いが)。
僅か一夜にして大量の創作された「いのちの輝き」がSNSに上がったせいで、海外にまで影響を及ぼしている。しかも大阪万博のロゴが決まったというニュースよりも先に二次創作イラストの方が大量に出回ってしまったせいで、海外では当初新種のモンスターと勘違いされたまま広まった。後で補足説明を受けた人々からは驚きの声が上がっているが、総合的に見れば「あいつら未来に生きてんな」といった感じで一応評価は良い模様。
総じて、好き嫌いが非常に分かれ、賛否両論は激しいものの、概ね話題性には溢れており、万博のPRとしては大成功と言える。
尚、この作品はあくまでも万博のロゴマークであり、マスコットキャラクターではないことに注意したい。なお、ロゴマークの権利を保有する2025年日本国際博覧会協会は、個人による創作が数多く行われていることに関して「販売して利益を得るのは許容できないが、個人で楽しむのは問題ない」と回答している。また、公式グッズを検討しているとのこと。
一部ではこの形のモチーフはJRの大阪環状線で、目の向きはそれぞれ環状線から乗り換えて外へ繋がっている路線を示しているのではないかという考察もなされている。
※Twitterでの反響により公式がツイートしている。
- ニトロプラス(沙耶の唄発売元)
- つくしあきひと(メイドインアビス原作者)
- 九条一馬(R-TYPE開発者)
- ムック
- 「わわわ!このロゴを見た時に「あれっ?わたくしかな?」かと思いました!これは必ず大阪・関西万博に行かないと行けませんぞ〜」
- それを見た大阪府知事は「ガチャピンと一緒に万博に来て下さい、ご招待します(要約)」の遣り取りがあった。
余談
眼球のようなものがあるが、これは眼球ではなく桜の花弁である。と言うのも、前回の大阪万博のロゴマークが、桜をモチーフに作られており、今回の『いのちの輝き』はそれのオマージュの意味合いもある。
だが、今回のを見た後に前回のものを見ると、「前回のも目玉に見えてきた」と言う声や、それに付随するネタもあちこちで見られるようになった。
関連タグ
岡本太郎:前回の大阪万博で発表された作品が、今回のロゴマークに大きな影響を与えた。
マッドサイエンティスト:こういう存在に作られた人工生命体みたいと言う意見が多く、未だにそう言うファンアートがネット上に溢れている。