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「この作品は、犯罪を助長するゲームではなく、『金田一少年の事件簿』の世界を舞台に推理トリックを楽しむゲームです。」

概要

正式タイトルは『金田一少年の事件簿 星見島悲しみの復讐鬼』。

金田一少年の事件簿』を題材としたアドベンチャーゲームで特徴としては他のアドベンチャーゲームとは違いは、プレーヤー自身が犯人となって金田一一に犯行がバレないように完全犯罪をやり遂げるのが目的の異色作で、犯罪を前面に押したゲームのためか、パッケージ裏・取扱説明書・本編冒頭では注意書きがされている。

主人公が犯人という「誰にも気づかれずに殺人を実行する緊張感」は他のゲームでは味わえない独自の色を出しているが、それ故にゲームの難易度は高めでターゲットの探索、殺害方法、トリック、逃走の仕方と事件に関わる全ての事を自分で計画しなければならず、少しでも手順を間違えたり、不審な行動をしてしまったら金田一に気付かれてしまいそのままエンディングを迎える事になる。

そして本ゲームにはシーンお色気要素があるにも拘らず何故か「全年齢対象」。

今だったら確実に対象年齢が引き上げられるか、発売自体が難しいであろう。

ストーリー

人気アイドル「桂木なお」と所属事務所の社長の息子「辰巳伸也」との密会写真がスキャンダルされてしまった。この事でマスコミは加熱し、それが元で「辰巳伸也」が自殺してしまい、その事で「桂木なお」やマネージャの「立花由布」は世間からは厳しく冷たい声が続き、しばらくして「立花由布」が自殺をし、「桂木なお」は失踪してしまう。

しかしこのスキャンダルの全ては彼女を陥れるために仕組まれたものだった。

「阿佐桐卓也」は婚約者である立花由布を奪った人物たちへの復讐の為に…

「桂木なお」は2人の弔いと自身を陥れた人物たちへの復讐の為に…

真犯人への復讐を誓う2人の怪人を生み出した。

そして星見島のツアーで開催されるレジャー施設で陰謀がひしめく。

シナリオ

本作は推理ゲームになるのだが、主人公は犯人側に立つので「いかに犯行を行うか」「いかに犯人と疑われないか」と犯罪の謎を解き犯人を推測するのではなく、犯罪を遂行し探偵の目を欺くのに焦点が置かれている。

主人公のモノローグ以外は全編フルボイスでかなりのボリュームがある。

このほか、おまけシナリオとして「金田一編」があり、その内容はパロディで、あまりにもぶっとんだギャグ調のものになっている。ただし本編の内容の暗さを吹き飛ばすような明るさのため、ある意味救いのあるシナリオでもある。ちなみにテキストのみで、グラフィックや音声はない。

アドベンチャーモード

金田一一や仲間たちに怪しまれないように犯行を実行し、注意を払い、犯罪トリックを計画し、それに使えそうな道具を探す事になるが、何処かで間違えると犯行がばれてしまったり、逆に真犯人に殺されてしまったり、無関係な人を巻き込んでしまいゲームオーバーになる。

そして真面目に実行するのから突拍子もないお遊びまで自由度の高い選択肢があり、それによって様々なバッドエンドになり、色々楽しめる要素なのだが、しかしどちらを選んでも展開に変化がない選択肢もあり、中には何回も選択肢を選ばせるくどい展開も存在する。

リアルタイムサスペンスモード

アドベンチャーモード合間に挿入されるモードで主人公を操作して、犯行を行ったり、逃走したりと溢れる緊張感の中で主人公をうまく操作し冷静かつ速やかに計画を実行する事が求められる。

犯行が失敗したり見つかったりすると、即ゲームオーバーになったり今後の展開が変わったりする。

登場人物

主人公

  • 桂木なお(CV:緒方恵美
    • 怪人名は「復讐の歌姫」。自身のスキャンダルやマネージャーである立花由布の死により失踪してしまった元アイドル。スキャンダルが仕組まれたものだと知り、復讐を誓う。ゲーム内では男に変装して「直木桂一」と名乗り行動する。
  • 阿佐桐卓也(CV:置鮎龍太郎
    • 怪人名は「審判の使徒」。星見島ツアーの責任者で婚約していた立花由布が自殺してしまい、その死の真相を探っていくと自殺ではなく他殺だと判明し、しかもツアー客の中にその犯人がいる事を知り恋人の復讐を果たそうとする。

2人の事件が同時進行するわけではなく、このうちの1人を選んで事件を起こす。ストーリー設定だけを見るとまるで2人が同じ場所で同時に事件を起こすように見えるが、実際にはそれぞれのストーリーは完全に独立しているパラレル設定で、動機や関わっている相手が違うため、対象も異なる。選ばれなかった方の主人公は第三者として登場し事件には関わらない。

金田一サイドのキャラ

  • 金田一一(CV:草尾毅
    • 本作のラスボス。彼を欺き完全犯罪を行う事が目的なのだがそう簡単には行かず、些細な事から事件の真相を暴く事も有り、彼を敵に回すとどれだけ恐ろしいかを実感できる
  • 七瀬美雪(CV:飯塚雅弓
    • 金田一の幼なじみ。事件には関わらないが相変わらず巻き込まれる。
  • 剣持勇(CV:土師孝也
    • 警視庁刑事部捜査一課所属の警部なのだが犯人視点からだと頼もしい味方に見える時もある。
  • 明智健悟(CV:子安武人
  • 速水玲香(CV:倉田雅世
    • 星見島ツアーに呼ばれたトップアイドルで主人公の桂木なおとは同業者でもある。
  • いつき陽介(CV:藤原啓治
    • フリーのルポライターで金田一たちとは顔なじみ。水が苦手なのに船に乗り星見島ツアーに取材に行く。

メインキャラクターのCVはアニメ版とも、プレイステーション版とも異なっており本作のみのキャスティングになっている。

ゲームオリジナルキャラ

両シナリオに登場

  • 立花由布(CV:豊嶋真千子
    • 阿佐桐卓也の婚約者で桂木なおのマネージャー。彼女が自殺してしまった事で2人の復讐劇が始まる。
  • 立花麻衣(CV:金月真美
    • 立花由布の妹で星見島レジャーに金田一と美雪を誘った。事件には関わる事は無いが阿佐桐卓也EDの一つではとんでもない事に…
  • 渚ちはる(CV:鈴木史華
    • 桂木なおの後輩。なおのスキャンダル後には彼女の代理として沢山の仕事が入り、今回の星見島ツアーもなおの代理として招待された。
  • 高木ちえ(CV:片岡富枝
    • 渚ちはるの母親でマネージャーで業界ではちえママと呼ばれている。
  • 久堂明子(CV:根谷美智子
    • フリーのルポライター。桂木なおのスキャンダルをスクープした。
  • 大山孝志(CV:三木眞一郎
  • 竹村正彦(CV:高戸靖広
    • 久堂明子の仕事仲間でカメラマン。オカマで孝志とは恋人同士だったりもする。
  • 阿佐桐剛(CV:立木文彦
    • 阿佐桐卓也の父親。阿佐桐病院の院長で彼が愛人を作った事で卓也とは絶縁状態になっている。
  • 岡田淳子(CV:兵藤まこ
    • 阿佐桐剛の愛人。
  • 久堂進(CV:坂口哲夫
    • 久堂明子の父親。立花由布が運ばれた剛の病院の事務長でもある。
  • 辰巳哲(CV:大友龍三郎
    • 辰巳プロダクションの社長で桂木なおや渚ちはるが所属している。卓也編で登場しているがなお編ではボイスのみの登場。
  • 支配人(CV:高木渉
    • 星見島レジャー施設の支配人。
  • チーフ(CV:石井康嗣
    • 船の中でバーテンをしていた人物。ダンディ。

桂木なお編のみに登場

  • 辰巳伸也(CV:うえだゆうじ
    • 桂木なおと密会していたとされていた人物だが、その日は熱を出していたのでなおとは会っていないと証明されたにも拘わらずスキャンダルが過熱してしまい学校の停学だけでなく最後は自殺してしまった。
  • 角野幸夫(CV:うえだゆうじ)
    • 辰巳伸也に似ている人物で桂木なおと密会していたのは彼であり、ツアーに参加していた時は顔に包帯を巻いていた。
  • 矢追つとむ(CV:肥後誠
    • 桂木なおのファンで匂いだけで彼女が分かるという特技(?)を持っている。
  • 司会者(CV:泉尚撃
    • 速水玲香と渚ちはるが出演する予定だった生放送番組「スーパーヒット」の司会者。

阿佐桐卓也編のみに登場

  • 立花光一(CV:清川元夢
    • 立花レジャー開発の社長でリゾートのオーナー。由布と麻衣の父親。
  • 立花華江(CV:さとうあい
    • 立花レジャー開発の社長夫人。由布と麻衣の母親。
  • 大山良介(CV:鈴木淳
    • 孝志の弟で研にアニキと呼ばせており久堂明子に惚れている。
  • 沢沼研(CV:関智一
    • 大山をアニキと呼んでおり内心は小心者。久堂明子に惚れている。
  • 大山征二(CV:泉尚撃)
    • 孝志と良介の父親。
  • 船長(CV:鈴木泰明
    • 星見島に行く船の船長で星見島の伝説を教えてくれる。

マルチエンディング

金田一に犯行がばれたりするとバッドエンドになるのだが、犯行がばれる以外にも「復讐相手に殺される」、「おかしな選択肢を選ぶ事で事件が起きない」、「メインキャラを排除しようとすると逮捕される」等々自滅に近い形やネタ系のEDが存在するが、その中には金田一らしいEDもあったりとそのバリエーションは豊富。

バッドエンドになった時は原作に登場した事件簿の怪人たちからアドバイスを受けられる。

しかし、金田一からの逃げ切れたとしても後味が悪いEDとなっている。また主人公選択画面は「供述調書」となっている事もあり、復讐を遂げた主人公はそのまま逃げたのか、それとも自首したのかはプレイヤーの想像に委ねるという事なのだろう。

余談

原作にも本作品と同じく、倒叙スタイルのエピソードがいくつか存在しており、その多くは犯人から見た金田一の恐ろしさを余すところなく描写している。

ネタ選択肢からのバッドエンドは妙に生々しく作り込まれていて、芸能界マンガゲーム、そしてオタクへの扱いが、悪ノリを通り越して喧嘩を売るつもりなのではないかと勘くぐってしまう。また、ちゃっかり『ハドソン』と『週刊少年マガジン』を宣伝していたりもする。

関連イラスト

有名実況者であるレトルト氏が実況された事も有り彼を含めたイラストもある。

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