髑髏島
どくろとう
概要
海外版『キングコング』シリーズではだいたい全作共通の設定としてキングコングの出身地とされている。
外界からは完全に途絶されているため独自の生態系が発達しており、キングコングを始め、この島特有の巨大な、あるいは異形の生物が多数生息している。また、大陸では何千万年も前に絶滅したはずの恐竜などといった古生物の子孫も棲息している。
生物間の生存競争は激しいが、原住民と言える人類も少数ながら生きている。共通した設定として、太古の昔に建設された防護壁で集落を守っており、コングを神として崇拝している。
オリジナル版(『コングの復讐』も含む)
スマトラ島の南西に浮かぶ島。マレー半島にも後述するコング崇拝などの文化は知られている。
原住民はアフリカ系に近い容姿だが、マレー系に近い原語で話す。島の生態系の頂点に君臨するコングを神として崇め、若い娘を「花嫁」と称して生贄に捧げているが、畏敬の念よりも恐怖からの崇拝らしく、コングが集落を襲撃した際は応戦していた。
『コングの復讐』では、島の奥に原住民の財宝が隠されており、再び島に戻ったカール・デナムたちによって発見されたが、突如発生した大地震によって海底へと沈んだ。
1976年版
南太平洋に浮かぶ未開の島として登場するが、劇中で島の名前は一度も髑髏島とは呼ばれていない。
島には油田があるが、石油は未成熟で使い物にならず、新たな油田の開拓のため訪れたフレッド・ウィルソンを落胆させた。
スマトラ島西方の海域にある島。磁気異常の地域の中心にあたる上に周囲の海も荒れており、1933年にカール・デナム達が発見するまで世界にその存在を知られていなかった。
元々は中生代の南半球にあったゴンドワナ大陸の一部で、インド・オーストラリア・プレートとユーラシア・プレートの境界に位置した島であった。2つのプレートのせめぎ合う圧力で火山活動が活発となり、白亜紀末期の隕石衝突による大絶滅の際も島内は温暖な環境が維持され、外界では絶滅した恐竜たちが生き残ったらしい。だがこの火山活動で溶岩が地表に噴出するとともに、髑髏島の一部は徐々に地盤沈下していった。
島内には少なくとも3000年前まで、四大文明にも匹敵する古代文明が発達していた。当時の人々は巨大な防護壁を築くことでジャングルとの境界線を作り、島の中心に様々な建造物を築いた。だが前述した火山活動の影響で島が収縮していくとともに、崩壊した壁から野生動物たちが島の中心に進出してきたことで文明は崩壊してしまった。
その後髑髏島に住み着いた島民たちはその文明人の子孫ではなく、300~400年前に移住したポリネシア系の移民の末裔とされており、かつての文明人が墓地とした地域に住み着いた。島民は野生動物を恐れて島の中心には入らず、海岸で海鳥や魚介類などを捕らえる採集民族となっており、文明も発達せず衣類は自分たちの髪の毛でつくっていた。
1933年にカールがコングを連れ帰った後、彼の指揮のもと各国の研究機関による調査が実施されたものの、大半は過酷な髑髏島の自然の犠牲となった。第二次世界大戦が始まると一時調査は中止され、終戦から3年後の1948年に再び調査が再開された。しかし同年、巨大な地震が発生し、遂に髑髏島は海に沈むことになってしまった。
生息する生物
- メガプリマトゥス・コング
- バスタトサウルス・レックス
- ヴェナトサウルス
- ブロントサウルス
- フィートドン
- フェルクタス
- テラプスモルダックス
- ピラニアドン
- スコルピオ・ピード
- ウェタ・レックス
- アラクノ・クラウ
- デプレクター
- カルニクティス
- デカルノシメックス
第2作『髑髏島の巨神』から登場。第3作『キング・オブ・モンスターズ』や第4作『ゴジラVSコング』でも登場している。
これまでの髑髏島やファロ島などとは違い、赤道直下の東太平洋にあるが(ロケ地の関係で)東南アジアの風貌が強く、なぜかオーロラも発生する(参照)。ちなみに地理学的にこの場所に島は存在しえないらしい(参照)。
1973年に人工衛星が発見するまで、強烈な嵐に守られ隠されてきたこともあり、外界から発見されてこなかった。
生物相も過去作のような古生物はあまり見られず、「動物と植物のハイブリッド」とでも形容したような独自の進化を遂げた生物種が存在している。
また地質調査の結果、島の地下には巨大な空間があるとされ、すべてのタイタン(怪獣)たちのルーツはこの島にあるとMONARCHは推測している。
(※なお、地下空間およびその入り口は髑髏島以外にも世界のいたるところに存在するらしく、『キング・オブ・モンスターズ』ではゴジラがギドラを追跡する際にこの地下空間を利用して移動した他、ゴジラ復活のための核弾頭を搭載した原子力潜水艦が海流に飲み込まれてゴジラの眠る地下空間へ漂着する描写がある。)
人類が住むには過酷な環境であるものの、島内にはイーウィス族とよばれる原住民族が住んでいる。巨大生物達に目立たぬよう言語を捨て、身振り手振りでコミュニケーションを取るという独自の文化を持っている。
また、かつてはその過程で樹上生活をしていたが、コングと共存関係を築いてからは地上に戻り、大きな砦を築きその中で暮らしている。