エネミーとして
『Fate/GrandOrder』に登場するエネミー。第五特異点「北米神話大戦イ・プルーリバス・ウナム」にて初登場した。
イングランド南西部のコーンウォール地方に伝わる妖精「スプリガン」を原典とする。
コーンウォールはケルト文明があった土地の一つであり、女王メイヴやケルトの古代戦士たちと共にFGOに参戦した。
他作品の妖精スプリガンは美少女だったりロボットだったりしているなか、Fateシリーズらしく原典を尊重したキャラデザが特徴。
二足歩行の人型クリーチャーとしては最大級のサイズを誇るエネミー。当然超巨大特性を有している。
その姿を一言で表現するなら「歩く石の巨像」。背中から首筋、頭頂にかけてヤドリギのようなものが生えている。
手には石柱をどっかから引き抜いてきたような得物を持つが、蹴りもそれに劣らず強烈である。
亜種として、青銅の身体を持つ「ブロンズスプリガン」、
後述のシェイクスピアの魔力を利用して作られた「リア王」が存在する。
後者は新宿に登場し、スプリガンとは所々が異なる外観になっている。
ゲーム上では
主にセイバークラスで登場。
素の攻撃力が高く、1ターンに最大で三回行動が可能な上に、【自身のクリティカル率&クリティカル威力上昇(各3T)】の効果を持つスキル「守護者の闘気」を持つ。
1ターンでも行動を許せば、このスキルを重ね掛けした上で大ダメージのクリティカル攻撃をぶちかましてくる。その強烈なクリダメは最早宝具クラスといっても差し支えないレベルで、相性で優位な高レアのアーチャーやルーラーすら瞬時に沈めてしまう事もある。
手足が太い太鼓腹のおじさんのような形状であるが、男性特攻は効かない。固有ドロップアイテムはアイテム「精霊根」。
また、「悪性隔絶魔境新宿」では亜種のリア王が登場。使用スキル「王の嘆き」は【自身の宝具威力アップ(3T)】が加わった上位版となっている。
対策としては、行動する前に速攻を仕掛けて倒すか、スキルを封じる、無敵・回避で確実に凌ぐといった方法が効果的。
また、取り巻きの雑魚がいる場合、そちらは無視するのも手。『FGO』の仕様上、敵側は合計で3回までしか行動出来ないので、弱い敵を残しておけば実質的な攻撃回数を減らせるのである。
尚、「絶対魔獣戦線バビロニア」のストーリーではアサシンクラスでもとして数体登場するのだが、連戦の最後の一体だけがライダークラスという実に実に嫌らしい配置になっている。
ゲーム内でもこの確信犯的な嫌がらせに対してキャスター約一名がメタい文句を垂れた。
登場人物として
2部6章『妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ』では、同じ名を"襲名"したひとりの男が登場する。
妖精國の六つの氏族「土の氏族」の長にして、鍛冶の街ノリッジを治める親女王派の領主。
同氏族は所謂ドワーフに値するのだが、彼自身は金の長髪と刈り込んだ顎髭を持つエルフ似の姿をしている。
妖精にしては異質な、権謀術数に長けた政治家タイプの人物であり、状況がどう転ぼうと自分の損失が最小限になるよう立ち回れる等油断ならない。
かつて領主の座を奪われたボガードからはゲス扱いされており、昔は「キャップレス」という名だったとの事。自身が経営する商社にも、二つの名が入っている。
邪魔されず知識を集める事を喜びにしている様で、女王からの褒美も含め積極的に外界の知識を招集しているらしく、同世界には存在しないサクソン人やニホン人の存在も知っていた。
関連タグ
※この先アヴァロン・ル・フェ後編のネタバレ注意!
氏族長スプリガンの正体と思惑
異聞帯における彼の在り方が汎人類史の人間の在り方に似ていたり、サクソン人やニホン人のことを知っているような場面が前編で見られたが、それもそのはず、彼は元々汎人類史から漂流した人間だからである。
このブリテン異聞帯では、汎人類史からあらゆるものが漂流してくることがあるのだが、彼もその一人だった。しかも、「ナカムラ某などという人間にも戻れない」と発言している辺り、現在は本来の名前を忘却しかけてはいるものの、おそらく主人公と同じく日本人であったことが窺える。
回想によると、元々はカルデアにいる彼らが活躍していた頃に薩摩にいた、イギリス留学を希望するとある下級武士の若者であったらしい。
妖精國で人間であることを、ましてや一氏族の長が隠し通すなど、一見すれば不可能なように思えるが、このブリテン異聞帯において、妖精は一体一体特色があるため、匂い、魔力量、カタチといった人間と妖精の判別条件をクリアしてしまえば、簡単に誤魔化せてしまうのである。漂流した後は妖精に捕らえられ奴隷とされていたものの、紆余曲折を経て人間ということを隠せるようになった後はキャップレスという名で先代スプリガンの補佐を行うようになり、その後先代を誅殺しスプリガンの名を襲名、今の地位に落ち着いたという訳である。
そのため見た目は妖精のように変化し若く保っているものの、中身は突如異邦に流され二度と故郷に帰れない上に10年以上の奴隷人生を送ることになっても腐らず耐え、さらに氏族の長まで実力と謀略でのし上がり今も現役の90歳越えの爺というとんでもないガッツに溢れる人物でもある。
そして、妖精社会に取り入る手段として土の氏族を集中的に標的とした。なぜなら土の氏族は人柄より技術でもって相手を信用するため、優れた技術があれば最も与しやすい相手だし、騙しも容易く行える。
彼は自身の安心できる居場所が最も重要であるという考えを持っており、予言の子もモルガンも彼にとっては二の次である。
ノリッジの巡礼の鐘も、他の氏族であれば全力で守るところを、あくまで鐘を鳴らしたのは予言の子であって、自分は全く関係ないという事を示すため、敢えて兵を引かせ、鳴らすよう陽動している。
鐘を鳴らされた後は、しばらく姿を消すがその性格から、決して警戒を解いてはならない人物であると言えよう。
その証拠に自分の信じてきた人物達に裏切られ、全てを失った男や正体を晒されてしまい、壊れ果てた少女を利用し、まだ何かを企んでいるようで…。