概要
プジョー(PEUGEOT)はフランスの四輪自動車、二輪自動車、自転車のブランド。
元々は歯車やペッパーミルを製造する金属製造業を生業にしていたところからスタートするので、現在でもペッパーミルやコーヒーミルも製造販売している(後述)。
ライオンをモチーフとした企業ロゴ・エンブレムを用いていることで知られる。
シトロエン/DSオートモビルズ/オペル/ボクスホールの各ブランドとともに「グループPSA(Peugeot Société Anonyme、株式会社プジョーの略)」(旧社名PSA・プジョー・シトロエン)を構成していたが、2021年にフィアット・クライスラーと合併して誕生した多国籍グループ「ステランティス」の一員に編成されている。
市販車の特徴
部品メーカーに頼らず独自にサスペンションを開発している。そのしなやかなで路面に吸い付くような足回りが日本では「猫足」と呼ばれ、一部の車オタクの心を掴んでいる(ただし最近ではドイツ車風の硬めの脚になっている、という論評もチラホラ見られる)。
デザインのおしゃれさでも知られている。
一部を除いて車名の命名規則に208、308といったように“x0x”のように真ん中にゼロを入れる数字とする伝統がある。
最初の数字が車体の大きさ、最後の数字を世代としていたが、208世代を最後に「8」はヨーロッパ向け、新興国向けには「1」を使用することとなった。
また真ん中の「0」はSUVのような大型車の場合は「00」となり4桁の数字となる。
モータースポーツ
最古の公式自動車レース「パリ・ルーアン・トライアル」(1894年)へ参加したのを皮切りに積極的にモータースポーツに取り組んできた。今では想像もつかないが、インディ500で優勝したこともある。
特に1980年代以降のプジョーの活躍はめざましく、以下のようにライバルがやってこなかったような画期的な設計を用いたレーシングカーを多く世に送り出し、成功を収めている。
- ミッドシップ+4WD+ターボエンジンのパッケージングを持ち込んでWRC・パリダカ・パイクスピークなどを総嘗めにしたグループBの205 T16
- BセグメントコンパクトカーがWRカーの主役となる切っ掛けを作った206 WRC
- プロトタイプスポーツカーにハイノーズを持ち込んだグループCの905
- 二輪駆動ながらダカールラリーを3連覇した3008 Maxi DKR
- リアウィングを取っ払うという現代のスポーツカーとしては前代未聞の挑戦をしている9X8
プジョーのレーシングカーの命名規則は、基本的には市販車を踏襲している。
沿革
プジョー家は1810年頃からブルゴーニュのヴァランティニーでペッパーミル、歯車などの製造を営んでいた。
1865年、アルマン・プジョーが家業の経営に参画。
1882年、自転車製造を始める。
1889年、蒸気エンジン自動車を4台製作。
1890年、ダイムラー社、パナール社と話し合い、パナールがライセンス生産したダイムラーのガソリンエンジンを自社の自動車に採用する。
1896年、自社製エンジンを搭載したタイプ15を開発。
1974年、シトロエン社を合併し、持株会社PSAを設立。
1979年、イギリス・クライスラー社、シムカ社を傘下に収める。
2005年、トヨタ自動車との合弁会社、トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモービルを設立。
2014年、中国の東風汽車と資本提携。
2017年、ゼネラルモーターズからオペル、ボクスホールを買収。
2019年、フィアット・クライスラー・オートモービルズと経営統合。