アオバ自転車店
あおばじてんしゃてん
宮尾岳の自転車漫画作品。1999年より『ヤングキング』(少年画報社)関係誌に連載されている。
なお、この作品に登場する自転車・乗り物に関しては、非常に多岐にわたり記載すれば記事を多分に圧迫するため、各主要(レギュラー)キャラの愛車や関連する車両以外(いわゆるゲスト車両)に関しては解説を割愛する。
少年画報社の漫画雑誌において15年以上の長きに渡り連載を続けているロングランシリーズ。
『ヤングキング』『月刊ヤングキング/月刊ヤングキングアワーズGH』『ヤングキングアワーズ』などで連載・掲載されている。時期によっては各誌並行連載となっている期間もある。
1999年からスタートした連載版タイトル及び単行本第1期シリーズ『並木橋通りアオバ自転車店』から始まり、第2期シリーズ『アオバ自転車店』、第3期シリーズ『アオバ自転車店へようこそ!』、第4期シリーズ『アオバ自転車店といこうよ!』に至っているシリーズ。各期の単行本は20巻で区切りとなっている。以下本稿では「〇期」として表記する。
基本は様々な自転車を主題とした日常系の一話完結のオムニバスで構成されている。ただし、各話の自転車に関わる人物として作題にもある「アオバ自転車店」(峠輪業)が関わる、という作りになっている。
各話においては、あくまでも該当話におけるゲストキャラクターとその人物に関わる自転車が主人公であるため、アオバ自転車店の面々を初めとするレギュラーキャラクターは狂言回しとしての側面を持っている。
キャラクターによっては年齢が進むこともあるが、基本的にはサザエさん方式でストーリーが進んでいる。
各期の区切りは話を単行本としてまとめる際に用いられているものであるため、シリーズの区切りの時期においては雑誌で前期シリーズの名称が用いられたままで、単行本は後期シリーズの名称のものが発刊される、というケースもある。(単行本収録時に是正される)
元々が「単行本収集をする際に50巻も100巻も200巻もあったら、フツーその数字を見た時点で心が折れるだろう。そんな事を気にせず思わせず気軽に触れられる作品でありたい 」という作者の配慮からの期括りなので、各期を比較しての物語の差異はほぼ存在せず、前述したオムニバスシリーズであることも相まって基本的に、どの期のどの巻から読んでも物語の可読に支障をきたすことは無い。
2期では実験的な試みとしてレギュラーキャラのひとりである小林モリオが主人公となるスピンオフ作品『ケイリンチャレンジ編』が別枠で執筆され単行本化されている。別枠作品ではあるが内容はその後の各期作品に反映されており、パラレルではない同一世界観・同一時間軸の作品として位置付けられる。(ケイリンチャレンジ編の登場キャラも後の各期作品にスピンインしている)
・登場人物の名前はカタカナで表記されることが多い。漢字表記のあるキャラクターは極力漢字で表記する。
・愛車名はアオバスペシャルのように名前の出ない車両があったり、話によっては違う名前になることもあるため、基本的には3期20巻第6話「回して回して」に記載された車名で表記する。
峠家
アオバ自転車店は峠創作が興した「峠輪業」の世代交代によって出来た店。店名は主人公であり一人娘の峠アオバに由来する。峠輪業時代から完璧な組み立てと修理技術の確かさで有名となり「一生乗るならアオバ(または峠輪業)」という人も少なくない。店の裏にはフレーム工房「アオバ・ファクトリー」があり、そこではオリジナルサイクル「アオバスペシャル」の開発、組み立てを手掛ける。「アオバ」ではあるが「青葉」ではないのでそこは注意。
- 峠 アオバ (とうげ - )
- アオバ自転車店(峠輪業)の一人娘。サイクルエンジェルを自称する、頭の中の97%(※)が自転車(と商売)の事と言われる血筋的にも家業的にも性格的にも生粋の自転車バカ。店の名前は彼女の名前が由来。※話によって数値が変わることもある。
- 誕生日は3月1日(1期13巻より、改築したアオバ自転車店のオープン日でもある)、身長は具体的には記されていないが、1期8巻の「あと30センチアレバ自転車店」では中3になった彼女が158センチになって喜んでいる姿が描かれており、「30センチ大きくなっても」という台詞があることから現在の身長は某ネコ型ロボットの身長に近い128㎝であることが窺える。そして「最上ヒデキ」のファン(TV番組で共演したアイドルユニットTRAPよりもヒデキのサインをもらって喜んでいたこともある)。
- 愛車はプジョーNS40。母親のワカバが学生時代から乗っていたものを乗り継いでいる、すごく大事な相棒的存在。ワカバから乗れる背丈になったら譲ると約束し、サドルを下げることで乗れるようになったことで彼女の愛車となった。車体色はワカバが乗ってた頃の白が傷んできたこともあり「あの空とおんなじ色」として選んだ水色にリペイントされている。NS40の「NS」は「NOUVEAU STYLE」(ヌーボスタイル=新型)を意味する。アオバに継いでからのカスタマイズとして、フロントにハンドルバー固定の籐風のバスケットを追加し、シマノ製のMTB用シューを加工して装着している。これはオリジナルのブレーキシューのメーカー在庫がなくなったことによるもので、約20年程前の創作(後述)もそのブレーキの強力な制動力に驚いていた。そして「地味な仕事だが一級品の腕前」と未来の工一を褒めていた。
- 時々過去や未来にタイムスリップしており、ワカバが初めて峠輪業に行く70年代や中学3年生となる5年後の世界に飛んだりしている(ただし後者についてはワカバが5年後もまだ療養所で入院してたり、一番の仲良しの子であるユミが転校してなかったりといった後の展開に矛盾が生じてくるのと、次の年から中学の制服がセーラー服&学ランからブレザーに替わることが明かされる。更には1期15巻巻末ではパラレルワールドと書いてあることから夢オチの可能性が高い)。
- 工一には「パよりラ」(シン"パ"イ(心配)するよりシン"ラ”イ(信頼)してほしい)を願っている。
- 幼稚園までは二人の事を「パパ・ママ」と呼んでいたが、小1の時に二人から「お父さん・お母さん」と呼ぶように言われ、アオバは二人に対してそれまでお互い「さん」付けだった呼び方を「あなた・ワカバ」にするよう指導した(ただしワカバは場合によっては「工一さん」と呼ぶこともある)。
- TVインタビューでそのバクハツぶりを買われたことでTVに出演したのを機にTV局からの出演依頼もあり、瓶底眼鏡に博士帽子と体全体を覆う博士風のワンピース服を身にまとった「サイクル・エンジェル」(一応自分の名前を出してることもある)として度々TV番組に出演している。
- 峠 工一(とうげ こういち)
- アオバ自転車店の店主で峠輪業時代から数えて3代目。大人しく心優しいパパ。そして峠輪業の技を受け継ぐ至高の自転車職人。幼い頃から家業を手伝い洗練された職人技は、時に顧客の心の目を開げさせ価値観を一変させ、さらには人生すらをも拓かせる、言うなれば自転車界のBJあるいは織部悠。(もっとも円満な一家の大黒柱であるため、彼らほどヒネちゃいないし、よほどの理由が無い限り彼らほど高額な仕事もやらない。ただし『オーダーメイド自転車』という性質上、値段が天井知らずになる事はありうる事だったりする)自転車だけでなく「乗り物」と名の付くモノならば、あらゆる機械を乗りこなし使いこなす。ただし少年時代のトラウマからスケートをはじめとしたウインタースポーツは全くダメで、それを創作にバラされて不機嫌になったこともある。
- 特にパンク修理は神の領域に達しており、完了までに3分もかからないという早業でそれを目の当たりにした人々は驚愕する。そして彼のことを子持ちの既婚者とも知らず「白馬の王子様」と呼ぶ人までいた。
- 幼い頃、山の滑落事故で両親を喪い、以降は祖父である創作に男手一つで育てられた。その事もあるのか、どこか純朴で朴念仁なお人でもある。
- 高校時代は修行として校内で自転車の出張修理をしており、部品代のみで修理を請け負っていた。江東紋太とはそれがきっかけで知り合っている。現在でもパンク修理等の講座を開いたり自分でできる簡単な修理については修理に来た客に教えたりしている。
- 生真面目すぎて仕事を休まないことからたまにワカバが強制的に休ませることがあるが、自転車から離れさせようとしても結局は出先で自転車と関わってしまう。
- 愛車はAOBA・1stランドナーで、工一とワカバの子供の誕生を機に峠輪業から新しい名前に変わる際に創作が工一のために作った車両。そして生まれてきたアオバの名を取った「AOBA」ブランドの第1号車でもある。車両自体は特に凝ったギミックはなく、「オーダーメイドの基本」をシンプルに詰め込んでいる。1期2巻ではミホへの輪行の説明として分解してバッグに収める姿を見せている。ほかにも何台かあるが別稿で語る。その他、自家用車兼社用車としてフルゴネットタイプ※1のワゴン車ルノー・エクスプレス(左ハンドルのMT車、Phase1)もある。
- 名前は「工(たくみ)が一番」が由来となっている。しかし、物語開始当初はいつ終わるかわからないという作者の考えから単行本2巻後半まで名前が出てこなかった。
- 基本的には温厚で諭すことはあっても怒ることは滅多にないが、ノーブレーキ(NB)ピストについては感情を剥き出しにして怒りを露わにすることもあった(公道走行を目的にNBピストを購入しようとした男を追い返した時に逆上し罵倒されたことがあり、そのことが彼のNBピストへの嫌悪の感情を昂らせている要因ともなっていた。更にその男が他所で購入したと思われるNBピストに乗って路上で危険運転をしている姿を街中で目撃するが、いくら注意しても無駄だろうしてスルーしてたところに現れたモリオがその男を追いかけて注意する姿を見て自分の不甲斐なさを感じ、モリオに深く頭を下げている)。
- ※1:2BOX タイプで後部が1BOX並みに全高が高くなっている車種を指す。国産車でいえば日産のAD MAXやスズキのアルトハッスルが該当する。
- 峠 ワカバ (とうげ - )
- アオバ自転車店の女将。おっとりしたアオバの母。店のある並木橋商店街のマドンナでファンも多い。自転車に関しては女将の名に恥じない、プロとして卓越した知識と技を持っている。特にパンク修理は神の領域にある工一にはかなわないものの、同業者も驚く速さである。何でも商売に結び付けるアオバと違い「信頼と共に自転車を売る」スタイルを取っている。料理も得意で、特にふわふわの玉子焼きはアオバや工一も唸るほどの絶品。更にアップルパイは店の常連からも人気がある。
- 旧姓でもある実家の山咲家は中堅商社を営む資産家で、現在は姉のヒトハが後継となっているが、それに頼るようなことはしない。幼いころから呼吸器系が弱く外に出ることも苦手な、いわゆる「深窓の令嬢」だった。
- 登場初期では長期間の療養所生活であったが、のちに回復し店に復帰して辣腕を振るうようになる。(そのため初登場は単行本1期2巻、以後は過去の話に登場し、レギュラー化は同9巻と少し遅い。しかも最初は存在が不明だった)そもそも工一と出会ったのもワカバの虚弱を慮ったヒトハが体力づくりの一環として峠輪業に自転車を求めたため(ちなみに、峠輪業を選びNS40を勧めたのはマサである)。
- 体の回復と共にメンタル面も強くなっているが、ゴ〇ブリだけは名前を聞くのも苦手で、殺虫剤のパッケージの絵ですらダメ(2期6巻 余談だが、近年はメーカーによって外装のフィルムを剥がせば絵の描いてないシンプルなデザインの缶になる殺虫剤もある)。
- 並木橋商店街のオヤジ(店主)共の永遠のマドンナで人気もすごく高く、同じ商店街の他店の店主たちから言い寄られる事も多い。しかし本人は常に夫である工一に一途である事と、その夫同様の朴念仁、さらに生まれ持った天然気質によってそれらに対しては自覚もなく、さらりとかわしている。このため彼女を慕う商店街店主たちの間では本人も知らぬうちにファンクラブ的な共同体が出来上がっており、彼女に対して抜け駆けをしたり点数を稼ごうとすると、ほかの店からの冷たい視線を浴びることとなる。更には息子たちの世代にも名が知れ渡り、彼女に「おばさん」と呼ぶのは禁句らしい。ちなみに奥様方は彼女が工一にゾッコンなのを知ってるため、彼女と商店街の各店の奥様方との間でのトラブルは起きてない。むしろ彼女に熱を上げる野郎どもを「アイドル歌手にワーワー言ってるファンクラブのガキ」程度にしか見ていない。
- 髪型は基本的にはストレートのロングヘアーを後ろにリボンでまとめている。これは彼女が峠家に嫁入りしたときに「自転車屋のおかみ」になるためのイロハを厳しく教えたかつての並木橋のマドンナ、八百丸のタマキおばあさん(故人)を真似ている。入院時は編み込みで、学生時代は三つ編みのハーフアップだった。ただしハーフアップは現在でも出かけるときなどに時々することもある。
- 現在の愛車はプジョー STEP IN(改)。それまで乗っていたNS40をアオバに譲ったことで、普段乗り用の「自転車が欲しい」というワカバの要望に応えて工一が用意したもの(工一は当初アオバスペシャルを作ろうとしたが、よそ行きになるから使えないと断った)。台湾製の車体をベースに工一が70年代のプジョー風にカスタマイズしている。買い物などの日常使いで活躍するほか、多島への一人旅にも利用している(一人旅をしたい理由は家族でのサイクリングは何度もしてるが一人旅をしたことがないということと回ってきた回覧板の広報を見て、多島を選んだ理由は心配性の工一が後を付いてこないようにするためで、敢えて陸続きではないところを選んだ)。
- 以前の愛車だったNS40は高1の時に峠輪業で購入してから(※1)転地療養する前までずっと乗っていた(アオバに譲ってからもSTEP INが登場するまでは時々乗っていた)。この車両は本来店が注文した色とは違う色(赤とオレンジを注文して届いたのが白(※2))だったが「人生を変える1台かもしれない」と工一に初めて最初から組ませた車両で※3、その後乗り方のアドバイス等のアフターサービスも含めて二人の恋の懸け橋となった車両でもあり、工一にとっても特別な1台となっている。購入間もなくに一度盗まれるも工一が執念で見つけ出し、この一件がきっかけでワカバが工一のことを意識しだすようになった。後日談として、工一はもし盗まれても持ち主が分かるある対策を施してあったことも創作に明かす。
- その他に工一からプロポーズされた時に登場した「WAKABA」の名を冠した26インチタンデム車(同席していたヒトハ曰く「26インチのエンゲージリング」と口にする)もある。このタンデム車はプロポーズ、結婚式、退院時の3度登場している。前述のSTEP INやNS40共車体色は全て白(NS40を選んだ際の理由が「あの雲とおんなじ色」ということから選んだ色で、STEP INやタンデム車もその流れを汲んでいる)。タンデム車のWAKABAロゴはSTEP INのチェーンカバーにも入っている。
- 3期12巻では同じ作者がかつて別出版社のアニメ雑誌で連載していた漫画「七味撫子うのん」(1993年初出)の主人公、讃岐うのんを「大人になったうのんちゃん」の姿として納車をしている。これは作者が香川県出身でこの回に登場した車両が香川県の讃岐製(正しくはさぬき市製。タイレル社)であり、ワカバとうのんはキャラの基本パターンが同じだったことから。この回が掲載された単行本の表紙にもうのんの姿をしたワカバと琴平コンペイの姿をしたアオバが描かれている。ちなみに納車後にこの漫画を読んだワカバは「これは反則」と呟いている。
- 3期16巻ではとある公道レース漫画(某Dではなく、モモコーの知り合いの漫画家が描いている作品)をきっかけに自動車運転免許(限定なし)を1か月ほどで取得。しかし家の車が左ハンドルだったことからシフトレバーの位置が変わると運転できず、創作が若いころ購入し、義理の弟である小峰ハジメに譲った初代の社用車ホンダ・T360がまだあることを聞き再度譲り受け(正確には「返す」と創作が補足している)、これが彼女専用の社用車となっている。この車にはハジメが後付けでタコメーターを装着しており、ハジメからは「どんだけ回してもいい」とアドバイスを受けている。彼女自身はこの車に関して歴史やスペックなどはよくわからないと前置きした上で、「可愛く役立ちそうで走ることが面白い」と評している。その後、夜な夜な峠に走り込み、同じDOHC・ミッドシップのレイアウトを持つ同社の現行オープンの軽をぶっちぎったことで「カエル顔の軽トラに気をつけろ」という妙な伝説まで生まれてしまったという。 ちなみに話中のアルバムで登場した2代目はホンダ・ライフ ピックアップ(ステップバンのトラック仕様)で初期の回想話や1期10巻7話扉絵などに登場、アオバが3歳の頃まで使われていた。
- 新しい自転車や運転免許の時に思い立った姿で「○○が欲しいです」と言って立ち上がり、工一が「どうぞ」と言うシーンは別表現も含めこれまでに4回程あり、一種のお約束となっている。
- 実は意外とナイスバディで、水着姿も時々拝める。ほかには1期10巻7話では1コマながらメガネ姿のワカバも拝める。まさに「ワカバさんいいっ」。
- ※1:1期2巻(前者)ではワカバとワカバの父が峠輪業に訪れて店にあった白のNS40に決めて購入していたが、2期1巻(後者)ではアオバがタイムスリップしたことで同じものが2つ存在しないという「タイム・パラドックス」現象が起きてしまっていることから、ワカバらが訪れた時の峠輪業にはNS40が置いてなかったことで購入せずに帰ってしまい、少し後にアオバから事情を聞いた少年時代のマサが「すごくきれいな白い自転車を見かけた」と言って勧めるという展開が追加されている。前者の展開が3期9巻でも描かれており(後者での白のNS40入荷後の話もあるが、ここではタイムスリップしたアオバについては触れられていない)、4期5巻では後者の後に前者という展開になっている(後者ではタイムスリップしたアオバも描かれている)。ただし、ワカバの父のセリフは前後者どちらも同じだった。※2:ワカバのNS40は最初期型の車体で、創作と工一はタイムスリップしたアオバのNS40で初めて現物を見ることとなる。次話でも峠輪業で購入したオレンジ色のNS40が登場しているが、この車体にはワカバのNS40にはないネイマン社製のステアリングロック装着車で、年式が違うとあるため同時期に入荷した車体ではない。 ※3:自転車は基本的に7割程の半完成品で、残りの3割を自転車店が組んでいる。
- 峠 創作(とうげ そうさく)
- アオバの曽祖父。自転車店の前身である峠輪業(3期4巻によれば昭和26年に24歳開業)の初代にして創業者、オリジナルサイクル「TOUGE」ブランドの創始者である。そして自らを「風来坊じいさん」と呼び、アオバからは「ひじいちゃん」と呼ばれている。その技術は工一すらも遥かに超えている。高齢となってなお意気盛んな職人で、自転車黎明期の生き証人。一線を退いたとはいえ、その技術は今なお工一も及ばない神の域にあると目されている。その言葉が出る頻度は少ないが、口癖は「ボチボチとな」。自転車に乗れない人のためにペダルを外した状態で足で地面を蹴ってバランスを取る方法を編み出し「創作方式」として普及させたのも彼である。
- 第2期シリーズまでキャンピング(大容量のキャンプ用具が積載可能な自転車)で世界一周の旅に出ていた。このキャンピング車は峠輪業から新しい店名に変える際に工一が創作のために作った車両で、一般向け「TOUGE」ブランド車としてはファイナルの車両でもある(ただし、のちに競輪選手の岩田岩男ただ一人のため、競輪車用の専門ブランドとして「TOUGE PISTE/TP(トウゲ・ピスト)」が「TOUGE」最後の系譜として残されていた事が明かされた)。
- 「TOUGE」ブランドの車両は550台程が作られたが、その第1号は妻・サユリのために作ったミキスト型スポーツ車「SAYURI SPORTS」。サユリの父親が遺した設計図(焼け跡の作業場の床下にあった金属の缶に入ってたのを創作が見つけた)を基に、死の間際に創作に渡した小峰の「小」を型どった手作りのラグを組み込んでいる。
- 峠家にある「TOUGE」ブランドの車両はほかにも、1968年製の市販車ベースの折りたたみ自転車があり、折りたたみのフレームの中にケーブル類を内蔵して塗り替えた車体がある。1期14巻でアオバが倉庫から見つけたもので、働きづめだった工一を休ませるために輪行サイクリングに使用。3期10巻では創作も輪行に使用しオホーツク海まで走っている姿が描かれている。
- アオバがタイムスリップしたときにはアオバが自分のことを「ひじいちゃん」、工一のことを「お父さん」と呼んでいることを聞き逃がさず、アオバのことを「お嬢ちゃんは不思議な子」と言っていた。
- 峠 サユリ(とうげ - )
- 創作の妻(故人)でアオバの曾祖母に当たる。旧姓は小峰(こみね)。かつては並木橋商店街のマドンナと呼ばれていた。
- 実家が自転車屋(小峰輪業)で、峠輪業及びアオバ自転車店のルーツともなっている。彼女の父親が創作に自転車のイロハを教え、創作の人生を大きく変えさせた人物でもある。実家は戦争の空襲で焼失。父親も空襲の衝撃で倒壊した店舗の下敷きとなり、そのまま創作の目の前で炎に巻かれて命を落とす。その父は死の間際、創作に「新しい自転車の時代が来る」と叫び、自転車の部品(ラグ)を託し(当初、創作は託されたラグが何の部品かは知らなかった)自分を見捨てて空襲から逃げるよう促す事で、その魂と志を創作へと受け渡して覚悟の死を遂げた。
- 本人は戦争末期、空襲の増加から本家筋のある小峰一族の本拠地・安曇野(長野県)に疎開しており、そのまま本家の祖業である農家の手伝いをして弟たちを養っていた。その間にも創作との文通は続いた。そのまま数年が経ち、戦後に自転車屋での修行を終えた創作から、独立して「小峰輪業」として店を出すから結婚してくれと店の絵を描いたノートを見せてプロポーズをされた際に、その絵の看板の「小峰」を消して「峠」に書き直し(新しい自転車の時代に必要なのは、かつてあった父の店ではなく、その父から時代を託された「あなた(創作)が創る」新しい店だ、という意図による)「峠輪業」として出すことを結婚の条件とした。
- 兄弟は弟と妹の二人。弟は隣町で五六七八輪業(ごろなやサイクル)を営む小峰ハジメ。妹は名前も含め詳細は不明だが、3期7巻でトレンクルのタイヤ交換をした際のハジメとヒバリの会話で子守歌を歌ってるハジメと眠りについてる妹が描かれ、ヒバリをその妹と似てることを口にする。
- オープン間もないだるまコロッケ(初代)店長に声をかけられて食べたコロッケの美味しさに周囲に宣伝し、だるまコロッケを地元に愛される人気店にするきっかけを作ったのも彼女である(3期18巻)
- いつ頃亡くなったかは明かされていないが、息子の工作が8歳以降(3期18巻3話)~工一が生まれる前の間に亡くなったものと思われる。
- 峠 工作・スミレ(とうげ こうさく・すみれ )
- 創作の息子とその嫁、工一の両親。登山が趣味で山によく登っていたが、工一が3歳になる前に出かけた登山で滑落して命を落とす。
- 工作は峠輪業の継承者の中で唯一眼鏡をかけていない。工一が生まれてすぐに16インチの子供向けスポーツ車を製作していた(仮組みまで済ませた段階で帰らぬ人となった)。工一にとってはこの自転車が父との唯一の接点だった。その後も度々登場しており、アオバも5歳になって最初の自転車としてこれに乗っていた。3期11巻では桃寺コージの同級生が開発した自転車を疑人化する機械「ギジン化・アイ」で父親に会えるかもしれないと工一が持ってきた(結果については明かされていない)。そしてワカバも結婚前に子供を産む自身があるかどうかわからず悩んでた時期にこの自転車から勇気を貰い、これに乗れる子供を産みたいとお腹に赤ん坊を授かったサチコに語っている。
- 16歳の時に習作として最初の一本のフレームを製作していたが、オヤジ(創作)のコピーだとクオリティに納得がいかなかったため組まずにしまっていた。工一の高校入学に合わせ創作が(二人からの)高校入学の贈り物として完成させ、車体色はスミレの好きな色であるベージュに塗装された。この車両は車体番号が打たれていないため「TOUGE」ではない(TOUGEブランドのカウントには入っていない)が、「間違いなく「峠」だ」と創作が語る。
- スミレはもともとは豆腐屋の娘で学生時代から峠輪業に顔を出していた模様で、19歳で峠輪業に嫁ぎ20歳で工一を産んだ(それを聞いたアオバははやいと驚いている)。生前はノートに自転車の整備の事を書いた「自転車おぼえがき」を作っていた。このノートには気づいたことを片っ端から上書きしている。ワカバが峠輪業に嫁入りした時の話の中でアオバにこのノートを見せた(ただし中身は見せなかった)。
山咲家
- 山咲 ヒトハ(やまざき - )
- ワカバの5歳上の姉、山咲商事(トレーディング)の代表。おっとりしたワカバと違い冷静沈着で「動かなくてはならないときに動く」ことをモットーとしている。そのためかハッキリ・スケズケと行動する。アオバの性格はこの人から受け継いでるものと思われる。
- 高校生の時に家の前に捨てられたマサを拾い、「ろくでもない親を探すよりはうちで役に立つ人間に育てたほうがいい」と、マサを山咲家の人間として迎い入れ厳しく鍛え育てた(もちろん法的手続きも済ませてある)。そのマサ曰く「ノラ犬を拾うのは昔から慣れている」と、自分をノラ犬に見立てて語ることがある。
- 愛車は「TOUGE プロムナード(散歩用自転車)」(3期20巻では「ヒトハ’sオーダーメイド」と記されている)。元々は工一がワカバの結婚相手に相応しい人間かどうかを試すために注文したもの。当初は二人の結婚には猛反対していた。峠輪業時代に製作した車両だが、何故か時々AOBAブランドになることもある。そのほかに、BMW・635CSiを自らハンドルを握っている。
- 商店街で何か面白いイベント事があるとほぼ必ずアオバと組んではワカバを巻き込み(ゼロツー大会では自身がデザインしたコスチュームでレースクイーンにさせたり、水着コンテストでは勝手にエントリーしていたり等)、大沢家とリゾートに行った際は少しきわどい水着を用意したりする。
- 過去の回想話で父親が登場する場面が幾度かあったが、母親は登場していなく存在も不明。
- この人の前で「おばさ・・・おや、誰か来たようだ。
- 野島 マサキ(のじま - )
- ヒトハの専属ボディガード。愛称は「マサ」で、身長208㎝と本作品の中で一番の長身を誇る。ヒトハの10歳下。9月19日生まれ。峠・山咲家関係者の人間には「様」を付けている。
- 8歳の時に山咲家の前に捨てられていたところをヒトハに拾われた。以後ヒトハに厳しく鍛えられ、ヒトハとユーノ(かつてはワカバも)を守ることを使命とし、自らを「最強の番犬」と称する。ヒトハには実の親に捨てられた自分を拾って育ててもらった恩義を持っているが、好意があるかどうかは現時点では不明。
- 高校時代は走り高跳びの関東記録を持っており大学のスポーツ推薦も取れるほどだったが、「スポーツでは飯が食えない」と、お世話になった山咲家への恩返しを優先するため就職(ヒトハの専属ボディガード)の道を選んでいる。
- アオバがタイムスリップしたときにはアオバのことを最初は無礼者と思っていたが、話を聞くうちにヒトハの姪だと確信し、アオバがタイムスリップした現象を再現する手伝いをした。その際に「タイムパラドックス」という言葉を教え、ハインラインの「夏への扉」という本を勧めた。
- 愛車は「アオバスペシャル W・MAG」、車体色は黒。屋敷内外のパトロールの効率化のためにヒトハがオーダーした「道具」。「シンプル・頑丈・トラブルフリー」を身上に彼のサイズに合わせた極太クロモ・フレームに29インチのMTB用タイヤと内装8段ギアを装着、トップチューブに着脱可能な2本のロングマグライト(ヘッドライトと警棒として使われる)を装着していることから「W・MAG」とネーミングされた。実際に乗ってみて、「自分には過ぎた自転車(贅沢すぎるという意)」と感想を述べている。
- ユーノ・ヤマザキ
- 2期10巻でイギリスからやってきたブロンドヘアーの女の子。自称ヒトハの「娘」(ただし実の娘かどうかは不明)。アオバと同学年で同じクラスになる。来日時は「ミス・ブルーム」と呼ばれていた。
- ヒトハのことは母親だと言っているが、ヒトハ自身のことは名前で呼んでいる。
- 愛車はラレー・トゥエンティ(Raleigh Twenty)、車体色はラベンダー。イギリスから送られてきた車両で、彼女にNS40を酷評されたアオバも美しいと絶賛する程。英語のスペルの読めないアオバは最初「たうえ」と読もうとしていた。
- ヒトハの愛車であるプロムナードを見てその綺麗さと細かさにマサに「工一はヒトハのことを好き」なのかと聞いていた(マサは「工一が愛しているのはずっとワカバだけ」と返している)。
小峰家
- 小峰 チヅル(こみね - )
- 長野の安曇野から並木橋に越してきた巨乳の 女子大生。初登場時は高校2年生で夏休みで並木橋に訪れていたが、後に大学生となり店の近くのアパートに引っ越す。峠家の親戚でハジメの孫娘。
- 気になる胸のサイズはFカップの93→95センチ。
- 愛車は「アオバスペシャル プロムナード」、大学入学祝いとして工一が製作したもの(アオバとしては経営上の戦略も兼ねていた)。中学時代は車種は不明だが、ハジメの手によって整備されたメーカー不明のロッドブレーキ式実用車に乗っていた。
- 家族は父・ツカサ、母・ツグミ、妹・チヒロの4人家族で、父親は高校教師をしている。スカイラーク(大沢ヒバリ)のファンクラブ番号8番。妹のチヒロは小学1年生だが、アオバ曰く三年生かと思うほど体が大きく計算高い。後にスカイラークが関わる映画のオーディションのために上京する。
- エリザベスに誘われてキャンペーンガールのアルバイトをしたことを機に、フィーバー・コーポレーションのカレンダーのモデルのアルバイトをしている。当初は引き受けたのはキャンペーンガールだけでカレンダーのモデルはアーノルドが直々にスカウトしても断っていたが、父親が起こした車3台を全損させた物損事故に充てるお金が急遽必要になったために引き受けることとなった。
- 小峰 ハジメ(こみね - )
- 創作の義理の弟でチヅルの祖父。2期18巻より登場。創作曰く「古物自転車バカ」。長野県の安曇野で「小峰輪業」(父親の店と同じ名前だが、継いだのではなく新規で興した店である)を営んでいたが、妻の二三(ふたみ)が亡くなったことを機に集めた全国から買い付けた古物自転車を大放出ということで東京に引っ越し、並木橋の隣町に「五六七八輪業(ごろなやサイクル)」を開く。
- 五六七八輪業は50~80年の長期在庫車両を再生やアップデートをして販売する傍ら(修理については最新型でも受ける)、昭和が舞台の映画やドラマへの車両レンタルもしている。車両の買い付けには自らの目で確認するために自家用車のトヨタ・ハイエース(もちろんナンバーも「56-78」)で全国を渡り歩いている。しかしアオバは初めて訪れた店のラインナップを見て一言「全部売れ残りだ」と言ってしまっているが、間違っても売れ残りではない。そして店内にはネコの「九太(きゅうた)」がいて「ごろにゃ~」と鳴く。
- 孫娘のチヅルを巡っては楠木ケンタとよくケンカをしている。
- 初登場話ではアオバに「このスケベ!」と連呼されている。
- 一(ハジメ)、二三(ふたみ)、五六七八(輪業)、九(太)…四はどこ?(ただし四(し)は「死番」に通ずるとされる商売慣習における「忌み番」でもあるため、あえて外された可能性がある)
江東家
- 江東 紋太(えとう もんた)
- 工一の高校時代からの親友で、ストリートカフェ「JULIET(ジュリエット)」店長。工一のことを「コウちゃん」と呼び、工一と麻里からは「モンちゃん」と呼ばれている。1期3巻より登場。
- 妻の麻里とはいわゆる「できちゃった学生婚」で、オクテで朴念仁の工一とワカバをくっつけようとして先にくっついてしまった経緯を持つ。高卒後は麻里の家の運送屋に就職し、15年働いたのち長年の夢だった喫茶店を開く。
- コーヒーにはこだわりを持っていて、自分が作るコーヒーには家で飲むコーヒーでもインスタントを使わない。喫茶店を開くきっかけを作ったのも高校時代に出会った青年の「ブラジルサントスNo2」の豆を使ったコーヒーを飲んだことがきっかけで、店のメニューのトップに記載する程。この青年だった男性もJULIETの常連でもある。
- 愛車については語られていないが、高校時代はカワムラ・ダイバーテクノスという、今でいう「スーパーカー自転車」に乗っていた。
- 父親は江東完太(えとう かんた)。麻里の父親の前で土下座をして紋太を高校だけは卒業させてほしいと頼み込む。高校時代の工一曰く「モノは大事にする」タイプの人である。
- 江東 麻里(えとう まり)
- 紋太の妻でワカバの親友。旧姓は小沢。ワカバがアオバ以外で唯一呼び捨てで呼んでいる女性。高校の時に友達もできず内気なワカバに声をかけて仲良くなり、紋太と共にワカバと工一をくっつけようとした高3の夏に妊娠、高校を中退し翌年に樹里を産む。
- 紋太が独立して喫茶店を開くときは「商売となると話は別」と、当初は反対していた。
- 父親は小沢一烈(おざわ いちれつ)。運送会社の社長をしている。麻里を妊娠させた紋太に厳しい試練を課すものの、学生結婚の二人をフォローしている。のちの独立の際も協力はしないとは言いつつも後押しをした。創作とも知り合いで、紋太の試練に使ったリヤカーも実は峠輪業で作られたものだった。
- 高校時代は演劇部で、人物観察することが好き。
- 回想話としては1期3巻から登場しているが、現在の姿での初登場は1期14巻と紋太や樹里よりは遅い。店には樹里がいることが多いため、出番は思うほど少ない。
- 江東 樹里(えとう じゅり)
- 紋太と麻里の一人娘。カフェ「JULIET」の看板娘。アオバと同じく店の名前も彼女の名前から取られている。彼女目当てでたむろする輩が父親である紋太の悩みの種。紋太と同じく1期3巻より登場。
- 具体的な車種は不明だが、アオバスペシャルに乗っている(1期3巻、ちょうど工一が出張修理に来ていた)。
大沢家
- 大沢 ヒバリ(おおさわ - )
- 1期13巻よりユミと入れ替わりで登場した天敵ポジションの、アオバとは「似て非なる」女の子。家はアオバ自転車店の隣に出来た「だるまコロッケ」の一人娘。アオバとの初顔合わせは商店街で自転車のドミノ倒しに巻き込まれて味の研究用のコロッケが潰されたことに対するアオバへの強烈なビンタだった。学校では病弱キャラで通しているが、実は正体不明の歌姫「スカイラーク」という顔を持つ。この正体を知っているのはアオバと後にボディガードに雇われた黒井のみ。アオバに正体を見せたのは「わがままな歌姫の気まぐれ」で、余計な詮索は無用だと釘を刺し、ユーノに対しては「娘を演じるならもう少しうまくやれ」と、実の娘ではないと思っている。そしてヒトハのファンで、彼女のような大人になりたいと口にしている。幼少時代からピアノを習っている。
- スカイラークになるきっかけは、自転車練習中に出会った下半身不随の男の子との出会いにある。後に手術で海外に発つことになった男の子を空港で見つけるために咄嗟に歌ったことがその場にいた音楽事務所の代表、天童ひびきの目に留まりスカウトされた。SKYLARKがヒバリの英語読みだというのもこの男の子の会話で知る。
- 普段はツインテールにしているが、スカイラークの時は髪を下ろしてサングラスをかけている。
- 愛車はパナソニック・トレンクル6500というチタンフレームで6.5㎏という超軽量な折り畳み自転車。後に工一の手によって変速機が追加されている(それにより若干重量が増えた+シートチューブにAOBAのステッカーが追加された)。この車両は新曲「タカラモノ・キエタ」のPV撮影のギャラとして手に入れたもの。元々は撮影で借りたアオバのNS40への代替車として用意していたものだった。※1
- 桃寺コージの連載漫画「くるくるポニーちゃん」に登場するポニーちゃんの宿敵「黒の女王 ヒリバ」のモデルにもなっており、登場する自転車「トレンキィ」はトレンクルをモデルにしている(ただし作中で作られた実車のトレンキィはトレンクルで作ると20万を超える高額になるため別な市販車がベースになっている)。のちに開催された商店街の水着コンテスト(3期16巻)では最後の最後でトレンキィと共にヒトハの用意した水着仕様のヒリバのコスチュームで登場し、本人は出たくなかったため緊張のあまり高音で叫んでしまうが、それがいい意味での逆効果となって話題をかっさらい見事優勝を収めた(ただし、表彰の時にはトレンキィに水着を引っ掛けて帰ってしまったため2位だったアオバらのソービッツ(※2)3姉妹が繰り上げになった模様、その時のアオバは不満そうだった)。その姿は後にモモコーの描く原作でもソービッツ3姉妹のアオバの姿をしたポニーちゃんと共に登場した。
- 1期16巻8話「ヒバリノアサ」では彼女の夜明け前の起床時から通学時までの一部始終が1話丸ごと台詞なしで描かれている。
- ※1:スカイラークのPVを撮影する監督がアオバのNS40を見てイメージにぴったりだから売ってくれと言い、アオバが断るもそれでも執拗に迫ってきたため根負けして貸すことになったが、演出で神社の階段から落とそうとしてたところを寸前で阻止した。この監督は当初そのことを言っておらず、壊した時の理由を後付けで考えようとしていた。そのNS40が使えなくなった際の代替車がトレンクルだった。実はヒバリはトレンクルを貰いたいがためにそのシーンを止めてほしかったらしく、アオバに遠回しに声をかけていた(直接言うといろんな人の顔を潰すことになるから)。アオバはこの一件がきっかけでしばらくは芸能関係に不信を抱くようになる。※2:ソービッツはアオバのNS40やワカバのSTEP INに装着しているヘッドライトのメーカー、ヒトハのプロムナードにも装着されている。
- 大沢 亀夫(おおさわ かめお)
- ヒバリの父で、アオバ自転車店の隣に出来た「だるまコロッケ店」の二代目店主。アオバ曰く腕っぷしの強いコロッケ職人。
- だるまコロッケは以前は駅前にあって、少年時代の工一もよく食べに行っていたが、駅前の再開発で立ち退きを余儀なくされ一時期は並木橋から消えていた。並木橋への再開店の際も突然現れた鶴子に「先代に追いついてない」と言われ、工一からも味が変わったのかと聞かれて悩んでいたものの、ワカバが昔の工一に話した「おじいさんではなくお客さんの希望にこたえるものを作ろう」という言葉に解決の糸口を見つけた。
- 高校時代は柔道の関東大会3連覇と非公式ながら100人抜きの記録を持っている。単行本1期16・19巻ではその柔道に青春を燃やしていた高校時代の話が描かれている。
- 店の自転車は父親の代から使われた年代物ではあるが峠輪業時代から手入れをしている。看板も創作の手によるもの。一時は新車への代替も検討されたが、鶴子の一声で代替せず、クリスマスにオーバーホールされた。
- 大沢 鶴子(おおさわ つるこ)
- ヒバリの母で女優。旧姓は小池。亀夫からは「おツル」と呼ばれており、職業柄家にいることは少なく、家に帰るとよくケンカをしている(が不仲ではない)。アオバのことを「ハッキリした子」と気に入っている。女優業としては清楚な奥様役をやらせたらナンバーワンと呼ばれていて、そのドラマを見て亀夫が嫉妬する程。
- 家にいることは少ないが店のことを考えており、クリスマス用のだるまチキンなどのアイデアをヒバリを通して提供している。
- 3期15巻では工一が思わず見とれてしまいワカバが嫉妬してしまうほどのセクシーな水着姿を披露している。
- 高校時代、表は地味な三つ編みおさげの姿で演劇部の脚本・演出をして、弱小だった演劇部をコンクール連続入賞へ導く傍ら、裏の顔として多摩最強の女暴走族「狂麗印(クレイン)」の2代目総長をしており、「闇夜のおツル」と呼ばれていた。その時に乗っていたバイクは、3年前に彼女の身代わりとなって自転車で事故の犠牲になった初代総長の愛車、ホンダ・CBX400F。集会では必ずだるまコロッケを食べることが習慣となっていた。
- 狂麗印は初代の総長が一人で走りはじめて3年で36人の仲間を集めたチームで、総長の死をきっかけに2代目を継ぎたいと願い出る鶴子を袋叩きにして副総長が解散を宣言、同時に鶴子に総長のCBXの鍵を預け、鶴子が2代目を継いだ狂麗印は多摩最強の名をモノとしている。初代総長は3年前、雨の中を人目を気にせずに踊りながら横断していた鶴子のもとに走ってきたトラックから守ろうと自転車で突き飛ばし身代わりとなってトラックにはねられ死亡した。それが原因で鶴子は演劇では舞台に立つことができず裏方に徹し、自分の舞台は狂麗印だけという気持ちでいた。そして3年が経ち、自らが作と演出を手掛けた作品が演劇コンクールで優勝し、事故現場にいた鶴子のもとに初代メンバーが集結、形見分けとして貰い、事故現場で月命日に1本ずつ供えていた自転車のスポークが36本目(3年分)を迎え、初代の副総長が鶴子によく頑張ったと称え2代目狂麗印は終わりを迎えた。副総長の回想として、自転車で走る副総長と生前の初代総長(共に女子高生という表の姿)が踊りながら歌う鶴子の姿を見て、ニコニコしながら「まるでヒバリみたいだ」と会話しているシーンが描かれている。余談だが、この自転車のスポークを分解したのは創作で、亀夫と鶴子はこの時点で創作と面識があった。
- 大沢 タツオ(おおさわ - )
- ヒバリの祖父、亀夫の実の父。初代だるまコロッケ店長。昭和38年時点で28歳。
- 1期15・16・19巻、3期18巻の回想話に登場。1期16巻「ヒバリノアサ」ではヒバリの目の前を通り過ぎていく自転車を見て、ヒバリと一緒に自転車に乗ってる姿と病院のベッドの上で泣きじゃくるヒバリの頭を撫でる姿が描かれている。現在の話で登場してないことから故人である可能性が高い。
- 亀夫には自分の味を見つけてほしいがために自分の味を教えていないことをヒバリに教えている。それがのちに工一が味が違うと感じた要因ではあるが、そのまたのちに旅から帰ってきた創作がヒバリに「だるまコロッケの心を受け継いでる」と伝えている。
レギュラーキャラ
※一部を除き原則的に単行本初登場順に記載する
- 小林 モリオ(こばやし - )
- 丘の下の男子校に通う高校2年生。誕生月は7月。体育以外はオール2で漢字もことわざ等も間違えて読むことも多く、弟も呆れるほど。「男はクロモリ、ホリゾンタル(※1)」をモットーとし、「前を走る奴は全部抜く」という自転車バカ。
- 少年時代からニンジャに憧れていたバイクバカで。登場初期もバイクの免許を取る気満々でいた。そのためにわざわざ家から遠い高校を選んであらかじめ貰っていた通学費をバイク購入資金に充てるべく自転車通学で浮かそうとしていたが、通学路である並木台の坂道で電動アシスト自転車に乗ったナギサに敗れたことをきっかけに、アオバの店の下取りに入った93年式AOBA ロードレーサー(※2)を購入してナギサと共にヒルクライムを極める事となり、いつの間にかナギサと共に「キング&クイーン」と呼ばれることとなった。
- 2期のスピンオフ作品となる『ケイリンチャレンジ編』では主役を務め、のちに競輪選手、岩田岩男(通称・ガンさん)の弟子となり競輪選手を目指す。これに伴い競輪の特訓のため愛車のロードレーサーを公道向けピスト仕様に切り替え再調整を行った。そしてトラック練習用には師の愛車と同じ系譜を継ぐ工一謹製のTP-4(トウゲ・ピスト 第4世代機)に乗る事となった。
- NBピストについては工一同様否定派で、工一の項でも書いた通り危険運転をしたNBピスト乗りを追いかけて注意したり、ピストにブレーキはいらないと言う同級生には実際に乗せてその危険性を体感させるなどしている。
- 家族は母親と中学三年生の弟リュウジ、そして単身赴任中の父親がいる。
- ※1:「クロモリ」とは自転車の素材となっているメインの鉄原料の事。正しくはクローム・モリブデン鋼。「ホリゾンタル」は自転車のフレームの形状の事でホリゾンタル・フレーム(あるいは地平線枠)と呼ばれ、ハンドルとサドルを繋いでいるトップチューブが地面と平行に作られているフレーム(いわゆる『(逆)三角形自転車』)の事を指す ※2:元値は25万円位の車両だが、アオバが工一を説得して4万円という超破格値で手に入れた、勿論工一が青ざめたのは言うまでもない。初期のみ「蚊トンボ」と呼び、ピスト仕様にカスタマイズする前はサンツアーシュパーブ プロのフルセットが入っていた。 。
- 小林 リュウジ(こばやし - )
- 2期3巻で初登場。モリオと違って頭はいいが、自転車に関しては「A地点からB地点まで人力で安く移動できればいい」という考えしか持っていない。当初こそはモリオの考えに不満を持ちモリオを反面教師としてみていたが、モリオがひそかに自分の自転車を見てくれてたことを知り、少しずつだが理解を示している。さらに『ケイリンチャレンジ編』では根っからの自転車バカのモリオを見かね、自ら兄の頭脳(ブレーン)となる事を宣言してモリオをサポート。公には明らかにされていなかった「TPシリーズ」の存在を見つけ出して工一に突き付け「兄のためにTPを作ってやって欲しい」と頭を下げた。
- リュウジの愛車は、最初はモリオの元愛車だったママチャリ(スーパーで購入した安物、譲ってからもモリオが密かに調整はしていた)に乗っていたが、3期7巻で経年劣化によってフレームが折れたため、ハジメが廃業した自転車店から買い付けて再生した84(85)年式ナショナル パーフェクト・ステンレス(ロッドブレーキ軽快車の最終モデル)に乗り換える。買い付けの際はアオバやモリオと共に同行している。
- 大磯 ナギサ(おおいそ - )
- 丘の上女子高校に通う高校2年生。実家はお金持ち。モリオとのバトルは丘の上女子の名物となっている。1期1巻2話から登場、本作ではモリオと共に最初のレギュラーキャラとなる。
- 愛車は99年式のビアンキ ツール・ド・フランス レプリカ(別名:パンターニ・レプリカ、車体価格69万円)と電動アシスト車ホンダ・ラクーン(愛称はラクーン=アライグマからラスカル号)。最初はラスカル号に乗っていて、ロードに乗り換えたモリオとの勝負に負けた直後に軽量化を施すも、電動アシスト車では本当の意味で勝った気にならないとパンターニ・レプリカを購入。現在はパンターニ・レプリカをメインに用途に合わせて乗り分けている。ちなみにパンターニ・レプリカはビアンキ最後のホリゾンタル・フレームレーサーである。
- 3期15巻では小学生低学年の時に起こした自転車での自爆事故がトラウマとなり、中学まで自転車に乗れなかったことをモリオに打ち明けている。(ただし、3期3巻では10歳の彼女が「時代は動いてる」と言いながらラクーンのカタログを手にしている姿もある)。
- 父親の大磯ヤスシは見かけこそ娘よりも背が低く頼りない印象があり、大磯家を訪れたモリオも拍子抜けするほどだが、実は意外とエキサイトするタイプで、それを見たモリオは「やっぱりナギサの父ちゃんだ」と最初の印象を撤回した。それと、実は自転車が乗れない。
- 長岡 ミホ(ながおか - )
- 1期2巻から登場した、報画堂広告舎に勤めるOL。眼鏡をかけている。具体的な年齢は明かされていないが、赤井アカネの2歳下(少なくとも21~22)である。パソコンも使えず仮免も16回も落ちるほどドジでトロくメカオンチだが、アオバ自転車店で勧められた折り畳み自転車との出会いを機に少しずつではあるが自分を変えようとしている。※1
- 旧姓は柳(やなぎ)。のちに夫となる長岡タツロウとは駅駐輪場での更新トラブルをきっかけに出会い、その後2期17巻で結婚をする。結婚初期はタツロウのことを結婚前の呼び方だった「長岡さん」と呼ぶことがしばしばあった。
- 2期1巻のつくば8時間耐久ではレースクイーンとしてサポートする傍ら、落車で離脱した社長に替わりレースに途中参加し、アオバのチームとして参加したナギサの協力もあってライバル同業者チームの選手を抜いている。
- 愛車はブリヂストン ワンタッチ・ピクニカ(最終型)。車体色は紫(2期17巻表紙より)。ピクニカに乗る前はホームセンターで購入したメーカー不明・イチキュッパのママチャリに乗っており(※2)、結婚後は買い物用としてピンクのパナソニック・LALA5にも乗っている。ピクニカはメカオンチだった彼女でも折り畳むことができて自信をつけさせ、LALA5はワカバが彼女の10年先を見据えて勧めた車両で、どちらも「これでいい」ではなく「これがいい」という気持ちの強い車体である。補足として、LALA5が登場した次話では同車の誕生秘話が1話丸ごと描かれている。
- 父親は彼女が務める会社の社長である安倍イチロウと知り合いで、彼女はその口利きで就職していた(社長の安倍は彼女のことはきちんと評価している)。タツロウのことは「なぜミホを選んだのか」と当初あまりいい印象を持たず、挨拶に柳家を訪れた時には殴り合いをするほどだったが、結婚式の前にたまたまアオバの店に訪れた際にアオバからは「優しそうで(ミホと)同じ瞳をしてる」と言われた。そして結婚式ではスピーチで子供用の自転車(アオバ製かは不明)をタツロウに託し「いつかその自転車にに乗れる子をみんなに見せてほしい」と伝えた。なおアップの際は鼻から下のみが多く、顔全体が写るときは目の部分が黒塗りになるなど完全には描かれていない。一方の母親はタツロウには悪い印象を持っていなく、柳家を訪れた時はむしろ歓迎していた。
- 1期16巻のゼロツー大会(※ナツキの項参照)ではスタッフとして動くが、ヒトハから出場を打診されジャストタイム部門に出場し見事0.01秒差という記録を出して優勝、白井ではなくワカバとデートした(実はヒトハによる記録改竄だが、諸々の事情で八方丸く収めるための策だった)。余談だが、ワカバがレースクイーンになる前は出場をパスしていたタツロウの名前を出走表で見つけた時は…お察しください。
- ※1:彼女のこれらの経験は2期3巻での海外アイドルを起用した折り畳み自転車のCMに生かされておいる。 ※2:短大に合格したときにミホの父親が購入したもの。2期10巻の伊那サーキット(現在は閉鎖)のママチャリ耐久レースにも使用した。
- 長岡 タツロウ(ながおか - )
- 1期2巻から登場したツバメ・システムサービスの社員。27歳、身長182センチ。ミホが更新を忘れた駅駐輪場の一件をきっかけにミホのことを気にかけていた。その後は一緒に通勤したり行動を共にし、2期17巻でミホと結婚する。
- 愛車はストライダ(Strida 注:子供向けのキックバイク「ストライダー(Strider)」とは異なります)という折り畳み自転車、車体色は赤(2期17巻表紙より)、ミホがピクニカを購入したのちにアオバの薦めで購入し、購入後は一緒に電車通勤して駅から自転車で会社に向っている。
- 初登場時はミホ同様ママチャリに乗っていたが、駅駐輪場の更新でミホが更新を忘れた事に「あんたのミスだろ」と罵倒して泣かせてしまった。
- ひょんなことかきっかけで報画堂の自転車チームのメンバーや出向社員として助っ人参加することがある。
- 両親はごく普通の夫婦で、ミホからの印象は「優しそうな方」であった。父親の結婚式のスピーチは非常にシンプルなものだった。
- 坂本 ナツキ(さかもと - )
- 並木橋高に通う高校2年生(初登場時は1年生だった)。ショートカットで身長が138㎝と、小学生と間違われるほどの小柄。母親がいないため家事を切り盛りしている。身長195㎝の父親を筆頭に高1で195㎝のアキヒコ、中3で190㎝のフユヒコ、中2で185㎝のハルヒコの長身男親兄弟との5人家族。特に家族一の長身を誇る父親は元バレー選手だった。
- 中学時代は並木一中の名物スプリンターと呼ばれていたが、亡くなった母親の代わりに家事を切り盛りする関係上、陸上部の誘いを断りアルバイトに励んでいた。家が貧しいわけではないが3人もいる弟たちの将来のことを考えて倹約に走っている。
- 愛車はAOBA 16インチミニベロ(中古車)。アオバの店で8万2千円で購入したもの。車体こそは小さいがフロントに68T超特大の前ギアを装着。一度試乗して惹かれるものの新車の値段(15万円)を聞いて断念(ナツキにとっては天文学的数字だった)。しかし父親が当てた万馬券を基に一家のバレンタインデーの義理チョコのお返しとしてプレゼントされた。小さな車体ながら名物スプリンターと言われる脚力と相まってロードバイクに勝るとも劣らない走りを見せ、その走る姿は並木橋の名物となっている。1期16巻のゼロツー大会※1ではスピード部門で並みいる強豪を押さえて見事優勝し、乾燥機購入の資金である賞金10万円をゲットした(副賞の白井とのデートは眼中になくスルーした模様)。当初はバーハンドルだったが、このレースを機にドロップハンドルに変えている。彼女のミニベロの原型はここの店の車両である(実際に作者の友人がオーダーしていることが書かれていた)。
- 背の高い男兄弟向けには、フレームのみオーダーし28インチのシティサイクルの部品を移植したアオバスペシャルもある。これはアキヒコの自転車との接触事故の謝罪に来たマサが乗ってきたW・MAGに興味を持った坂本ブラザーズが実際に乗って見て感化されたもの。フレームだけをオーダーして市販車の部品を移植する方法を取ったのは、マサのW・MAGのようなフルオーダーだと30万円すると言われ、なるべく総予算を押さえるための策であった。当然ながらマサから修理代として渡された10万円では足りないため(それでも事故でダメになったママチャリ10台分)、アキヒコが新聞配達のアルバイトをして不足分を捻出した(なおナツキは自分がやると意味がないと言いこの件にタッチしていない)。
- 三崎ススムとは通学路の通りで追い抜かれたことを機に度々勝負を挑む。そしてホワイトデーにはレーサーパンツ(レーパン)やバーテープをゲットしている(かわりに義理チョコレートもあげてるが)。しかしそれが三崎ススムファンクラブの逆鱗を買うこともあった(レーパンのことを「とっておきにしか使わないパンツ」というから勝負下着と勘違いされて…なお、その姿はアオ倫(アオバ倫理規定)によってカットされた)。余談だが、レーパンの履き方を最初知らず、本来は水着のように何も下に何も履かないのだが、彼女は下に下着を穿いており、ナツキに指摘されて驚いていた。
- ※1:ゼロツー大会(コンペ)とは、アオバが企画した200mの直線を自転車で駆けるレースで拡幅工事中のバイパスをエリザベスが半日借りて開催されたもの。いわばゼロヨンの短縮版。優勝賞金は10万円とレースクイーンのワカバのキス&デートの権利、優勝者が女性の場合は賞金と白井リョウとのポルシェDEデートの権利が与えられる。部門は二つあり、その名の通りの「スピード部門」とあらかじめ自己申告したタイムに近いタイムでゴールした人が優勝という「ジャストタイム部門」があり、ナツキは当然スピード部門を選んだ。当初はレースクイーンにスポンサーであるエリザベスを予定していたがあまりにもキャラが濃すぎて出場者が集まらず、アオバとヒトハのの悪巧みでワカバに変更した途端応募者が殺到(衣装もヒトハ謹製)、ワカバを守るために工一もジャストタイム部門に出場する羽目になる。
- エリザベス・フィーバー
- ナツキの父親の取引先である「フィーバー・コーポレーション」の社長令嬢。ブロンドのヘアーで身長が183㎝でナツキとの身長差は45㎝。本作登場の女性キャラとしては一番長身で結構濃いキャラ。
- 故郷はアリゾナで、女子MTBレースのチャンピオン。ちょくちょく日本に来てはナツキの家にホームステイする。日本びいきでママチャリに興味を持つ。並木橋での自転車に絡むイベントのスポンサーに名乗り出て、司会をすることもある。
- 愛車はスペシャライズド P-3というマウンテンバイク。三崎ススムと勝負することになったモリオにも1か月貸し出したこともある。
- 父親のアーノルド・フィーバーも日本文化が大好き。
- 楠木 ケンタ(くすき - )
- チヅルの彼氏。初登場時は17才の高2で、のちにチヅルと同じ大学に進学。チヅルとは夏休みのプール監視員のバイトをしてた時に出会う。そしてチヅルと同じ大学に進学したもの、雑学部というハキダメ学部だったため応援団に入部させられる。チヅル同様当初ゲストの予定だったが、チヅルの「来年、遊びに来るね」の台詞から再登場し、そのままレギュラーキャラとなった。
- 愛車はシュウィン・スティングレイの98年限定復刻盤。何とか1台だけ入荷できた車体。チヅルが前に観たビデオの不良少年が乗ってたの見てカッコイイと聞いたのを機にバイトをして購入。のちにチヅルからのバレンタインプレゼントとしてオーバーホールついでに5段変速に改造してもらっている。特にスティックレバーに関しては工一が探したオリジナル品で、のちにハジメがよく見つけたと感心するほど。補足として、単行本7巻巻末によると「STING・RAY ORANGE KRATE」がスティングレイの正式名称。その他、チヅルのカレンダー撮影バイトのギャラの残りで購入した初代ワゴンRコラム(1+2ドア、コラムAT+ベンチシートでコミコミ10万)を二人で乗っている。
- 黒井 ワタル(くろい - )
- 「黒井探偵事務所」所長。年齢は30歳前後(第1期11巻では工一の3つ下)。身長190㎝。基本的に黒いモノしか身に着けないことをポリシーとしているが人生にポリシーを持ってない。コーヒーもブラック(しかも夏でもホット)を好み、タバコはゴールデンバットを吸う超ヘビースモーカー(アカネ曰く肺まで真っ黒説あり)。自分のことは全く話さないため、アカネですら彼のことは良く知らない。アオバや工一からは「黒ちゃん」と呼ばれている。
- 元並木署刑事でアウトローコースまっしぐら。少年時代から自転車で街中を爆走することから「チャリ暴黒ちゃん」と呼ばれており、並木橋の裏通りを隅から隅まで知り尽くしている、怒らせるとすごく怖い。正反対の白井リョウとはライバル同士。
- 愛車はキャノンデール・バッドボーイ。ディスクブレーキだがFフォークが片持ちのレフティーではない(登場当時まだレフティーモデルは未発売)。前に乗ってたベスパが全損したことでアカネがアオバ自転車店で購入した車両。万年ドンブリ勘定で火の車だった探偵事務所が一時的に黒字になったとかならないとか。その他にもスカイラークのボディガードを引き受けた際の準備金で購入したホンダ・Z(車体色は艶消し黒のゼロ・ブラック、輸出仕様のエンジンに載せ替えている)にも乗っている。
- 養護施設に預けられた少年時代は普段から問題児として有名で、将来の夢も「最強の悪モン」だった。しかし曲がったことや卑怯なことは嫌いでもあった。彼が黒を好む理由は、少年時代好きだった施設の先生が彼女にプロポーズをした男の車で同乗中の事故で亡くなったことが起因する。ただし彼女への弔いではなく、これが彼の生き方と工一は語る。そしてその時の自転車のトラブルでで工一に助けられたことからそのことをずっと恩に持っている。
- 赤井 アカネ(あかい - )
- 元並木署婦警(現在は「女性警察官」が正式呼称だが、本稿では「婦警」と記述する)で、黒井探偵事務所の秘書兼助手兼経理担当。眼鏡をかけている。1期5巻時点で23歳→24歳。黒井とは恋人でも夫婦でもなくいわゆる戦友。何となくウマが合う関係で、独立する際に即決で付いてきている。
- 警察官時代は並の男では刃が立たないほど強く、黒井が自由に動けるのは彼女のフォローがあってのことで、彼女がいなければ即ブタ箱行と語る者もいる。
- 姉御肌で、商店街のオッサン共には人気がある。が、黒井同様怒らせると怖い(3期3巻6話)。黒井と組むその姿は「闇の帝王と炎の王女」と憧れる人も。
- 愛車はバイクフライデー・ポケット ロケット。車体色は赤(アカネ色)。彼女の性格を名で表している自転車である。
- 田舎には80歳の祖母がいて、婿選びに上京し黒井か白井のどちらかが選ぼうとした。その時に黒井が用意したのが前述のポケット・ロケットだった(白井はウエディングドレスを用意したが、軍配は黒井に上がった模様)。
- 白井 リョウ(しらい - )
- 白い色が好きな並木署のエリート刑事。黒井が警官だった頃はその人気を二分していた。現在も婦警からの人気は高い。そしてアカネに好意を持っているが、アカネ自身は並木署の中で唯一関心を示さなかった。
- 愛車は特注で白に塗り替えたポルシェのロードバイク。もちろん車もポルシェである。
- ゼロツーレースでは女性が優勝したときの副賞としてポルシェDEデートの権利が用意されたが、両部門でどちらも女性(ナツキとミホ)が優勝したにもかかわらずスルーされた(ナツキは優勝賞金で乾燥機を買うことで頭一杯で、ミホはワカバとデートした)。
- 三崎 ススム(みさき - )
- 片山 シノブ(かたやま - )
- 並木西高の2年生。風紀委員長で女子剣道部主将。校内では「歩く校則」と言われている。ナツキとモリオの中学の同級生(なのにナツキとモリオの間では中学の話が出てこない。さらにはナツキとナギサの間でも中学時代のモリオの話が出てこない)。
- ショートカットの髪型に膝下スカートという真面目(モリオ曰くカタブツ)な印象が強く、中学の頃から潔癖症で有名だった。
- エリザベスから映画の出演を打診されるも断り続けるが、出演を賭けた決闘を申し込まれ自分の得意なものを使って勝負することとなった際には、ウイリーしてきたエリザベスのP-3を竹刀でジャンプ台にさせて転倒させ一本を取った。
- 1期14巻では自転車を盗まれたことでアオバの店に買いに来ている(いくつか候補はあったが、何を買ったかまでは不明)。エリザベスと父親アーノルドの会話に平常心なアオバとナツキを見て慣れてると感心する。
- あえて多くは語らないが「白」。
- 竹田 タダシ(たけだ - )
- 1期20巻から登場したテレビ制作会社に勤めるちょびヒゲのディレクター、後に関東テレビの製作ディレクターとなっている。主にニュース番組のディレクターをしており、生放送中のインタビューでマイクを向けられたアオバが「無灯火で自転車に乗るヤツは大キライ」と叫んだことが彼の目に留まり、そのバクハツぶりを評価してその件でのTV出演を依頼する。この時のアオバはスカイラークのPV撮影の一件で痛い目に遭ってたことから出演をパスをするが、自分の服を汚してても同じ目線の高さで会話をしてきたことを見て出演を決めた。
- 以後も度々登場し、3期2巻では髪型が似ている孫のカズキも登場。なお、彼の当初の名前も「カズキ」だったが、孫が登場した3期2巻で創作に渡した名刺には「タダシ」と表記されているため標題にはこちらの名前を用いた。
- 桃寺 コージ(ももでら - )
- 2期2巻から登場した漫画家。愛称はモモコー。トレードマークは桃の絵に「寺」の文字。「くるくるポニーちゃん」という女児向け漫画を連載している。まん丸の目がギョロギョロし低身長で出っ歯、ひさしに切れ目の入った帽子を被り、おめんサイダー変身ベルトを腰に巻き、裸足で下駄をはいている。パンクで訪れたアオバ自転車店でワカバとアオバを見て興奮し警察のお世話になるも引っ越しを決意(そのため初期はそのキャラの濃さにアオバは警戒していた)、チヅルが住んでいるアパートに引っ越し、結婚後も作業部屋として使っている。一応彼のモデルはいるが、初登場時は「実在の人物とは関係ない」ことを幾度も強調していた。
- 大のメガネスキーで、眼鏡をかけたストライクな女性を見ると暴走する。アオバの知り合いということで授業の一環として作業部屋を訪れた海野サチコに好意を持つようになり、その後も頻繁に学校に顔を出し、サチコの(別な男性との)お見合いの席に押し掛けた際にプロポーズして結婚に至る。そのメガネスキーが災いしたのか、柳ミホの結婚式の際は不幸になる女性が二人も出るかもしれないというアオバの危機感から内緒にされた模様…でもミホの父親とはアオバの店での面識がある。
- 幼いころ乗れなかったローラースルーGOGOへの思い入れは強く、1台目はゴミ捨て場から見つけ出し工一の手によって再生するも45㎏の耐荷重量をオーバーして乗ることができなかった(モモコーの体重は50㎏)。2台目はに工一から情報を得た「GOGO7」(こちらは60㎏までOK、ただし生産台数は少なかった)も半年以上探した結果(一応オークションで見つけ出すことは出来たが、当時の定価7700円に対し10倍超えという法外なプレミアが付けられていたことに憤慨していた)、アオバの通う小学校に「開かずの箱」として長年封印されて代々の体育教師に管理されていたものを見つけ出す。その後サチコの実走チェックを経て、校長(孫娘と共にくるくるポニーちゃんのアニメを見ている)の好意で譲ってもらえるチャンスはあったが、昔より大きくなった子供たちのためにあえてそれを固辞した。
- 代表作「くるくるポニーちゃん」は、幼稚園や小学生低学年に人気の魔法少女ものでアニメ化もされている。人間界に降りてきた見習い天使のポニーちゃんが愛車コロコロン号に乗って走ると(中略)魔法少女くるくるポニーに変身する…と言う作品である。そのポニーちゃんはアオバと同じポニテールの女の子。当初モモコーはメカが苦手で、コロコロン号の作画にアオバから何度もダメ出しされていた。最終的には最初と同じ画風になったが、ポニーちゃんと同じ愛で描いてることから合格を貰った。
- その後登場したポニーちゃんの宿敵「黒の女王 ヒリバ」は、最初は名前とキャラの顔のイメージが浮かばず前回の引きをシルエットで誤魔化していたが、ヒバリと出会ったことでイメージが湧き、ヒリバというキャラが誕生した。ヒリバは自転車を否定する王女ではあるが(中略)「トレンキイ」なしでは本来の力を発揮できないというキャラクターに仕上げた。なお、その代償はだるまコロッケ1000個お買い上げだった。
- のちに、アニメでヒリバを登場させたときは候補に挙がった3人の声優に納得がいかず、ヒバリに声優を頼みこむも断られるが、ヒバリの一言から喋らないキャラに変更をアニメ会社に頼みこみ、トレンキィのカードシューターから放たれるカードを台詞に使うノンボイスキャラとして登場させた。結果的には反響を呼び成功を収めている(脚本から作り直すため予算はモモコーの自腹となり、本来ならプロとしてはやってはいけない反則技なのだが、それでもモモコーの強いこだわりでアニメ製作会社に土下座をしてまで変更させた)。
- 愛車は1982年式のブリヂストン・ピクニカPC-160。折り畳み式には工具を使うため少々めんどくさいが敢えてこれを選んだ。同時購入したサチコのグランテックと同じスピードで走るために内装8段のハブも組み込んである。そしてピクニカと同時期にフォルクスワーゲン・タイプⅡという空冷エンジン4速マニュアルミッションの1BOX車を購入している(何度も仮免落ちた上で苦労の末に限定なしの免許を取得してミニバンを買いに行くものの、現在のミニバンはほぼすべてMTの設定がないことからハジメに見つけてもらったもの)。
- 結婚する前の彼も含めてだが、アシスタントは全員年齢=彼女いない歴である。さらにアシスタントの干野(ほしの)はバツイチ。
- 桃寺 サチコ(ももでら - )
- アオバのクラスの担任教師。旧姓は海野。第1期から登場しているが、すごく地味な扱いだったうえ、名前が明らかになるのは2期になってから。家は祖母の家に一人で住むいわゆる犬猫屋敷で、多数の猫と犬を飼っている(中にはクラスの男子が家で飼えず内緒でパンを与えていた捨て犬もこの中にいる)。
- モモコーとはたまたま居酒屋で隣の席で背中合わせとなり、酔っぱらっていたモモコーにいきなりクダを巻かれたため水をかけてしまう(このときは一緒に居合わせた編集の干野が「センセイ」を連呼したため学校の先生だと思っていた)。そのあとのクラスの社会見学としてモモコーのアパートに訪れた際に再会(モモコーは居酒屋の一件の記憶はなかったが、彼女は居酒屋の一件もあり警戒していた)。ここでモモコーが彼女に一目惚れし好意を持つようになった。のちにお見合いの席で乱入したモモコーのプロポーズ(完成したての原稿を目の前で破って求婚をする)にデビュー作「純情番長」の台詞で返し、根っこが変わらないという側面を知ってプロポーズの返事を受け、原稿があがったら結婚する約束をし電撃結婚をした。結婚後はモモコーも彼女の家に住んでいる。
- 3期15巻でお腹に子供を宿したことが分かって産休を取り、自転車に乗ることも一時的にやめている。
- 愛車は、中学の頃から15年乗り続けた普通のママチャリ。ブレーキの調子が長年悪かったが、工一の手に追って改善された。結婚後の誕生日プレゼントにモモコーからミヤタ・LUCKLE(ラックル)を贈られた。これには車体にモモコーが描いた飼い猫や飼い犬、そして動物たちをつかさどる女神様として彼女自身が描かれている。ほかには車載サイクリング用として84年式のブリヂストン・グランテックをモモコーのピクニカと一緒に購入している。
- 芝野 ケンキチ(しばの - )
- モモコーの知り合いの漫画家で、公道レース漫画「イナズマレビン」の作者。略称はシバケン。
- 初登場はモモコーと同じ2期2巻でその時は2ページだけの登場で、車やバイクの絵は描けるが自転車の作画は苦手と言い、テキトーでいいんだと言ってしまいモモコーの逆鱗に触れてしまう。のちの2期14巻では漫画の執筆に行き詰ってモモコーのもとに訪れている。しばらくしてワカバが運転免許を取りたいと言ったのも実は彼の作品が大きく影響している。
- 愛車はエレクトラ クルーザー。それまで「速い=かっこいい」「遅い=かっこ悪い」という観念しか持ってなかった彼の見方を大きく変えることとなった。その直前には「速い乗り物には金を惜しまない」という考えからピナレロ・ドクマ60.1とルイガノ・LGS XCエリート(共に車体価格100万円)を購入してたものの、自分の体力では遅いと部屋の物干しと化していた(注1)。その一方で、フェラーリのエンツォフェラーリという超高級スポーツカーにも乗っている。
- モモコーがサチコと結婚したことについては裏切り者と言って羨ましがっていた。
- 注1:これら3台はのちの新連載作品に使われ、アオバも無駄がないと感心していた。
- 環 八郎(たまき はちろう)
- サチコの代わりにアオバのクラスの担任を務めることとなった臨時教師。家庭教師をしていたが、あまり成績が伸びなかったことでクビになっていたところに臨時教師の話が入り引き受けることとなった。
- パンク修理でアオバの店に入ったときに疲れた表情を見せたことでアオバが砂糖を多く入れたコーヒーを用意したことから、初登壇でアオバの姿を見た時に「激甘少女」と叫ぶ。
- いわゆる「ゴンパチ先生」世代で、自らを「カンパチ先生」(環八郎→環八→カンパチ)と呼んでもらいたく生徒の心を掴みたいとあれこれ奮闘するも、やることなすことが裏目に出てすべてスベってばかりで悩んでしまい、アオバの店で「生徒の心をつかむ自転車」をとの注文に工一が勧めたSE BIKES・SO CAL FLYER24 (ソーカルフライヤー)という24インチのBMXに乗ることとなる。
クラスメイト
ここでは特に中心的な人物のみ紹介。
- ユミ
- アオバの一番仲良しだった女の子。二年生の時から仲良し。13巻で北海道に転校し大沢ヒバリと入れ替わる形で登場しなくなる。
- 転校の際アオバに自分の好きな歌を入れたMDプレーヤーを贈るが、その中にはスカイラーク(ヒバリ)の曲が入っていた。NS40の一件でスカイラークの歌を聞けなくなったアオバに電話でヒバリの歌は悪い人には歌えないと伝えている。
- トシヒコ
- クラスの中では最も人気のある男の子。バレンタインチョコも彼に集中して他の男子が涙をのむことも。
- サトシ
- クラスのガキ大将的存在の男子。
- アオバの印象は「にぎやか・おせっかい・ちゃっかりしてる」とのこと。ユーノが転校してきた際は声をかけている。
- 3つ上の兄がいる。
報画堂広告舎
ミホの勤める広告代理店。タツロウもPCのメンテナンスでよく顔を出している。つくば8時間耐久レースのために社長の安倍が結成した「チーム報画堂・フィーバー」は自転車通勤をしている社員を集めた急造チームで、後にフィーバーコーポレーションとスポンサーを結んでいる。メンバーは登場順に「あいうえお」で続いている。
チームとしての使用車両はアオバが勧めた07年モデルのTREK・1500、車体色は青/銀。この車体色に合わせてジャージも製作している。当初はメンバーのサイズに合わせた3サイズ5台分をアオバで購入したが、2戦目で江口が怪我で欠場したため、1台しかない580サイズのスペアとなり、代役のタツロウのサイズに合った同カラーの車体を安倍がネットオークションで購入する(チームとしては同じ車体色じゃないとだめという安倍の強いこだわりから)。
- 安倍 イチロウ(あべ - )
- 報画堂広告社の社長。柳ミホの父親と知り合い。ライバル同業者の挑発に乗ってしまい社内で自転車チームを結成した(後に自転車部として発足)。車体サイズ490のTREK・1500に乗る(以下同)。
- 初参加のつくば8耐では落車で途中離脱、身長が近く、同サイズの車両に乗れるミホが代役となった。
- 後日談として、チーム結成により社員の士気が高まり次の年は2チームに増やそうと考えている模様。
- 長野県の伊那市出身で、弟のサブロウが地元で社員5人の小さな印刷所を営んでいる。その伊那サーキットでの「ママチャリ耐久レース」にも弟の印刷所のチーム共々参加し(ただしこの時のメンバーはアオバ・ミホ・エリザベスの4人)見事優勝を納めている(なお印刷所のチームは10位に届かなかった)。
- 伊藤(いとう)
- 役職は部長。5人の中では一番背が高く、社長の安倍を別として年長。ロードバイクの説明を聞いてる最中に突如現れミホにちょっかいをかけようとする同業チームの人間の手首を捻る。チームの中では一番速い模様で、2戦目ではレース中に24人抜いている。車体サイズは580。
- 宇野(うの)
- 役職は課長。メンバーの中で唯一家族(妻と娘)が登場。1戦目ではGWに仕事(レース)に出なければならなく、当初は予算にも問題があったため家庭不和になるのではと心配したが(※)、その家族も応援に駆け付けており、レースではアンカーを務めた。車体サイズはは539
- ※:最初安倍より渡された総予算が20万円で、不足分を自腹で用意しなきゃならないためみんな悩んでいたが、安倍がフィーバー社のスポンサーを取り福利厚生費として経費で落とせることから、予算面についての問題は解決した。
- 江口(えぐち)
- メンバーの中では一番若手のヒラ社員。身長は162㎝、車体サイズは490。少しメタボ気味でメンバーの中では一番遅いことを悩んでいるが、それでもアベレージ40を保つことは出来ている。1戦目では終盤でやっと一人抜き感涙する。2戦目は仕事中の交通事故で右足を怪我して選手としては欠場しサポートとして参加(同乗のミホもムチ打ちで選手参加できない)、落車をしたタツロウの車両に自分の車両の部品を移植したりポジションを修正したりして超特急で修理。実は1戦目で工一が超特急で直す姿に憧れ、練習の他に自力で分解や組み立ての勉強をしていた。
- 2期19巻ではミホの注意を無視して両耳イヤホンしながら自転車に乗るコズエを追いかけて注意をしている。その際に危険性を説明しつつも「大事な人をこんなことで失いたくない」と口にしている。
- 奥田(おくだ)
- 役職は係長。2戦目では14人抜いている。車体サイズはは539。2期16巻の宇野の台詞では何故か「関田」になっていた。
- 相原 コズエ(あいはら - )
- 1期9巻でミホの後輩として入った元気いっぱいの新人社員。仕事の覚えが早く、ミホの先輩(時々登場しミホをフルネームで呼ぶ名無しの人)曰く「ミホの新入社員だった頃の100倍早い」。当初はタツロウに惚れてしまい追いかけることからミホとタツロウの関係が一時期険悪になりかけた。
- つくば8耐2戦目でおしかけキャンギャルとして参加。チームで一番遅い江口のことを見下してタツロウのことを贔屓にし、タツロウが落車した際も「変な形のハンドルの自転車が怖くて乗れない」と代走も拒否していたが、江口が自分の部品を移植してタツロウの乗る車両を修理する姿を見て少しずつだが見方を改めている。そしてタツロウを応援するミホのことを後押しし、江口のことも少しずつながら意識しはじめている。
- 江口から自転車運転中の両耳イヤホンをやめるよう注意された時は素直に従っていた。
並木橋商店街
アオバの店の近くの商店街。商店街の店主にとってプジョーで商店街を回るワカバは心を和ませる一服の清涼剤みたいなもの。
- ナミキベーカリー店長
- 長身で面長で出っ歯のパン屋の店主。名前は九十九ツトム(つくも - )で、妻と息子のジローがいる。 ※名前はゼロツー大会申込用紙から
- ワカバ退院後に差し入れを持って駆け付けた一人で、商店街の中ではおそらく最もワカバに惚れている男で、ワカバが店に来ると喜ぶ。ゼロツー大会のジャストタイム部門では工一を押さえてトップになった時はワカバの手を握って喜ぶが、他の店からの冷たい視線を浴び、周りが殺気立つほどだった(工一がトップだった時も周りの視線は厳しかったが、そのときはワカバのフォローで皆納得していた)。この時のゼッケンが九十九=99番だった。そのほか、ワカバへの点数を上げるために自分の息子に自転車通学圏内の高校に入らせて息子の自転車をアオバの店で購入しようと企んでいた。
- 幼いころは喘息もちで、高校の時に片道10㎞の自転車通学をしたことから喘息は治り、喘息を持ってた息子にもそれをさせようとするが、前述の通りワカバへのご機嫌取りのためと妻に見抜かれる(息子の喘息は妻が幼稚園の時に漢方薬を2年飲ませて体質改善させている)。
- 後述するワカバが嫁いできた際の集合写真でもちゃっかりワカバの隣に座っている。
- 八百丸(やおまる)のおじさん
- 少しメタボ気味で店名の入った帽子を被る八百屋の店主。ワカバが退院後に差し入れを持って店に駆け付けた一人。
- 2期15巻ではワカバが買おうとしたインゲンが昨今のまとめ買い騒動宜しくどこも売り切れで、町はずれの無人販売で売ってると言う情報を教えたことで商店街の人からの冷たい視線と集中砲火(タイムセールで店の商品が半額というデマを流される)を浴びた。
- 魚正(うおまさ)のおじさん
- 体格がよく捻じり鉢巻をしている魚屋の店主。ワカバが退院後に差し入れを持って店に駆け付けた一人。
- ジローが高校選びで悩んでた際、父親(ナミキベーカリー店長)の志望校基準を見破り、シローにトリックを見破るあることを言わせようとした。
- タマキ
- 現在の八百丸のおじさんの祖母に当たる、かつての並木橋商店街のマドンナだった女性(故人)。ワカバが影響を受けた人物の一人。口は悪く厳しかったが、ワカバのことを一人前の自転車屋のおかみにするべく常に見守っていた。当初こそはワカバの手を見てフシ穴になると言っていたが、ワカバが自転車屋の女将として成長した1年後に病床に倒れた際にはワカバの手を握りフシ穴じゃないと言いワカバを峠輪業のおかみだと認めた上で「並木橋商店街へようこそ」と言葉を残す(そこまでしか描かれていないため、そのあとに息を引き取ったかしばらくしてからかは不明)。
- ワカバがアルバム整理した際にワカバを歓迎する集合写真が出てきて、アオバは最初しかめっ面の人と言ってたが、ワカバがその写真を見て突然涙を流す。アオバもワカバから話を聞いた後その写真に謝っている。その集合写真は彼女の呼びかけで商店街の面々を集めたものだが、撮影時に「あたしゃいい」とその場から離れようとして横向きになった姿で写されている。さらには昭和10年に撮影された彼女の若いころの隠し撮り写真も出し、ワカバがこのときの彼女の髪型を真似しているのと、その時の創作も彼女に憧れていたことをアオバに教える。
3期18巻では本作の舞台になった場所の紹介があり、登場する並木橋(街)は三鷹市が舞台で、並木橋(橋)は万助橋がモデルになっている。しかしその並木橋(橋)が本編に登場したのはこれまでは1期10巻のみ。その他、並木橋公園や並木橋公園駅などのモデルになった場所をアオバとヒバリが玉川上水を歩きながら紹介している。
なお前身作品である「あの空とおんなじ」(1期1巻に同時収録)の回想部および4期6巻の過去話(工一とワカバの新婚旅行)では香川県高松市(作者の出身地)が舞台となっている。(ちなみに両話はリンクしているかのような演出がとられている)