日本の漫画家。
香川県高松市出身。香川デザインの名門、県立高松工芸高校の出身。
(平成の大合併の影響で高松市と一口に言っても港湾部から山脈部まで南北に広い。ただし公表されているいくつかのエッセイ漫画やSNSでの発言で予測は可能。ただし、それをあえて指摘するのも野暮ともいえる)
イラストレーター、アニメーションにおけるキャラクター・メカニックのデザイナー、自転車愛好家としても知られ「サイクルマスターG」を称する。二輪車のメカニック的描写に定評のある人物。
(二輪車、特に自転車は身近にある上に構造が剥き出しであるため「デフォルメされたキャラクター」を乗せるのが難しく、メカニック的に描写をすると両立を取り辛いため嫌う絵師が多い……というのが宮尾の弁)
代表作は『魔物ハンター妖子』『アオバ自転車店シリーズ』など。
略歴
元は『メガゾーン23』でおなじみ、アートミック出身のアニメーター。
高松工芸高から東京デザイナー学院に進学後、スタジオアクトに入社するも間も無く(約1年半)同社に出入りしていた制作スタッフ(おそらくは六月十三こと窪田正義)に誘われてアートミックに転籍した。
『メガゾーン23』第1作の終了後、アートミックから独立し、1993年より漫画家としての活動を開始する。(独立した、とはいえアートミックメンバーとは、その後も良好な関係を保っていたようで、アートミックから外注を回してもらったり企画に噛ませてもらったりした事もあった模様)
なお『うる星やつら』(昭和版)にも参加しており、第49話「テンちゃんの恋」(押井守演出、遠藤祐一作督)ではクレジット上において一人原画となっている。
漫画家デビュー当初は学研や徳間書店を中心に執筆をしていたが1996年より『妖子』が縁で少年画報社に移籍。以降、現在まで「ヤングキング」関係誌にて執筆を続けている。
1999年より「アオバ自転車店シリーズ」第1作『並木橋通りアオバ自転車店』の連載を開始。古今東西の自転車を扱ったバラエティに富む日常系のほのぼのとした内容で好評を得て現在に至る。
おもな作品
漫画
(※)アオバ自転車店シリーズは、第1期『並木橋通りアオバ自転車店』第2期『アオバ自転車店』第3期『アオバ自転車店へようこそ!』第4期『アオバ自転車店といこうよ!』によって構成されている。雑誌移籍および単行本構成上の区切りであるため内容および登場人物は各期共通である。
イラストの無い作品(漫画)
- みらくる姫ジュビリィ
- 二度目の人生アニメーター
(※)これらの他に、90年代のアートミック社員時代には「うのん」「アオバ自転車店」に先んじて、タカトクトイスの玩具「機甲虫隊ビートラス」のコミカライズを担当。「てれびくん」誌上で連載していた。
ただし宮尾氏本人としては、「同作はあくまでもコミカライズであり、自身の作品ではない」という旨の発言をしている。
参加アニメ作品
(※1)主に制作前イメージボードを担当。
(※2)『超特急ヒカリアン』『電光超特急ヒカリアン』の2作品
(※3)作内に登場するワンダバメカのメカニックデザイナーとしての参加。キャラクターにはノータッチ。
その他
メカニマルZoo |
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イラストの無い作品(その他)
- にんぎょひめ(永岡書店アニメ絵本版。本文担当は柳川茂)
- ももたろう(永岡書店アニメ絵本版。本文担当は柳川茂)
- こびととくつや(永岡書店アニメ絵本版。本文担当は柳川茂)
- ヘンゼルとグレーテル(永岡書店アニメ絵本版。本文担当は柳川茂)
- つるのおんがえし(永岡書店アニメ絵本版。本文担当はあや秀夫)
エピソード
高校時代は漫画研究会と同時に吹奏楽部にも入部していた(かけもち入部)。
その当時には『宇宙戦艦ヤマト』にドハマりしていたらしく(まぁ、当時の高校生としては珍しい事でもないはない)高校の文化祭で『ヤマト』の紙芝居を手作りして上演した(まぁ、このへんなら当時の漫研部員としても珍しくはないはない)。が、宮尾のドハマりはそれに留まらず、なんと吹奏楽部で野球部の応援に『宇宙戦艦ヤマト』を演奏する事を提案し(まぁ、これも当時の吹奏楽部員なら挑戦した事ではある)当時は公式吹奏楽編曲スコアなど無かったので、部員有志で原曲(アニメOP)から耳コピして楽譜を書き上げ、県立球場でガッツリと演奏して大ウケした(対戦相手の高校からも大喝采を浴びた)という。
行動のひとつひとつは当時の高校生や『ヤマト』ファンとしては珍しくはないものだが、これをコンボアタックで成し遂げた事自体は、とても稀有なことと評される事がある。
そのため『ヤマト』への思い入れは、当たり前だが人一倍深い。
実は『赤ずきんチャチャ』や『ドラゴンボール』『幽幻道士/来来!キョンシーズ』などのグッズ絵や玩具販促イラストを、いくつか手掛けていた事がある。
『チャチャ』に関しては元々タカラ(チャチャの玩具のメイン担当)とアートミックに付き合いがあった事から生じたもので、ぎゃろっぷ(チャチャのアニメ制作)から漏れた仕事をアートミック側が下請けとして受注を受けていたもの。
しかし宮尾の手掛けたビューティーセレインアローの描写がタカラの担当者たちの琴線にダイレクトアタックしたらしく社内で「あのイラストを手掛けたのは誰だ!」と一騒動になり、結果、ぎゃろっぷを飛び越えてアートミックひいては宮尾に問い合わせが行く事となった。
結果、宮尾は担当者からの直接指名でウィングクリスのメイン販促タペストリー(さすがに玩具本体の箱絵はぎゃろっぷに任さねばならなかったので、そちらはノータッチ)を任されたという。