キャスター(Fate/EXTRA-CCC)
きゃすたー
かくして筆は折れ、物書きは忘れ去られる。何と清々しいことか!
さらばだ、悩み多き少年少女!せいぜい、人に恋し、愛に迷い、生に苦しむがいい!
無駄に使える時間はないぞ!
プロフィール
真名 | ハンス・クリスチャン・アンデルセン |
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クラス | キャスター |
性別 | 男性 |
身長 | 146cm |
体重 | 39kg |
誕生日 | 4月2日 |
出典 | 史実 |
地域 | デンマーク |
属性 | 中立・中庸・人(CCC)※ / 秩序・中庸・人(FGO) |
イメージカラー | 水色 |
特技 | 人間観察 |
好きなもの | 執筆が終わった瞬間 |
嫌いなもの | 執筆作業 |
天敵 | トワイス・H・ピースマン、ラニ=Ⅷ、ガウェイン |
設定担当 | 奈須きのこ |
ILLUST | ワダアルコ |
CV | 子安武人 |
※『EXTRA』マテリアルでは「中庸・中立」となっているが、恐らくは「中立・中庸」の誤植。
概要
『Fate/EXTRA-CCC』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。
マスターは殺生院キアラ。マスターの意向で真名は隠しておらず、作中ではアンデルセンと呼ばれる。
見た目は子供だが中身は成熟しきった大人。声も担当声優が子安武人だけにすごく渋い。いかにもショタキャラな外見からギャップで衝撃を受けたファンも多いだろう。
作中では、主人公を初めとした様々なキャラクターに対する批評を語る。
真名
『人魚姫』や『マッチ売りの少女』などの作品で知られる世界三大童話作家のひとり、ハンス・クリスチャン・アンデルセンその人。他の二人が伝承を基に童話を作ったのに対し、彼だけはゼロから童話を作り上げていたため、三大童話作家の中で完全な創作者と言えるのは彼だけである。
少年姿で召喚されたことについては「感受性の全盛期が子供の頃だったという解釈、或いはマスターの趣味」とのこと。前者については思い当たる節がある(両親の愛と母親の妄信の賜物)と言っているが、後者は恐ろしすぎて確かめる勇気は無いらしい。『FGO』でも少年の姿で召喚された為、アマデウスのキャラクエでのとある言及が本当なら前者が正解なのかもしれない。
「子供時代が一番才能があったというワケだ!」
元々はオペラ歌手を目指していたが身長の低さから役に恵まれず挫折。また劇作や歌などの道に進むも悉くを挫折している。その後は詩人として画期をなし、童話作家として頭角を現す。
苦難に満ちた半生が原因で「人は死以外では幸福になれない」というヘビーな哲学を確立し、自らの作品にも容赦なくその要素を色濃くぶち込み、それを批判されることも有った。
だが、これは「そのような幸福しか手に入れられない貧困層の悲痛な叫びを見て見ぬふりする社会」に対する容赦ない批判だとも言われている。
また、極度の心配性で旅に出る時は必ずと言っていいほど非常用にロープを持参し、「眠っている間に死んだと勘違いされて埋葬されてしまった男」の噂話を聞いてからは、眠るときは枕元に「死んでません」という書置きを残していたという逸話がある。
何度も旅をしていたので友人は結構な人数がいたのだが、高名となった後も女性との交際はなく、生涯独身。一説によると想う相手はいたようだが、プライドの高さと自らの容姿へのコンプレックスで幾度となく告白の機会を逃していたとも。
また、自らの作品をラブレター代わりに送り付けるという重たい告白を三回もぶちかましたとか。
70歳にて長年の飲酒過多が原因の肝臓癌にて死去。肌身離さず身に着けていた、初恋の相手からの手紙を握っての死だったとされている。
生家は扉を開けたらすぐに庭に出てしまうような狭い家だったが、高名となりいろいろな宮殿に呼ばれるようになってなお、この狭い生家で祝うクリスマス・イヴが何よりも好きだったらしい。
人物
一人称は「俺」。
性格は捻くれ者で厭世家。少年の見た目だが、その内面は老成した成人男性のものである。
主人公は勿論、マスターであるキアラに対しても容赦なく毒舌と罵倒を振るう。だが、その毒舌は的確にその人物の人となりを示している。厭世家ではあるが、彼の毒舌の根底にあるのは「拒絶」ではなく「理解」である。
サーヴァントとしての能力は完全な援護・支援型。加えてキアラはある事情から前線には出ないので、戦闘面では全く役に立たない。その為、彼の仕事は特技である人間観察を生かしてマスターやサーヴァントたちの詳細な人物像を語ることにある。
赤ランサーを「色々と醜くて見るに堪えない!」、キャス狐に「狐耳のようなあざといものの存在意義など誤字以下だ!」、ジナコ=カリギリを「サイズなら一番、かつ腐っている!」とバッサリ切るほどの毒舌を発揮するが、名門であっても育ちが過酷な凛に対する評価は比較的高め。
なお物書きとしては優秀だが、プロフィールから分かる通り「極度の仕事嫌い」。彼の創作意欲を掻き立て原稿へ向かわせることは、とても困難である。
また流行りものが好きで流行には敏感だが、その理由も「仕事が早く済む(≒世間受けがいいから脱稿が楽)」という、仕事嫌いな彼らしい理論に基づいている。
ステータスは魔力と宝具以外は軒並みEだが、『ちびちゅき!』では初等部生徒との付き合いもあってか作家組の中では最も体力はあるとされている。
尤も、これは少年のような外見を基にしたでっち上げではない。実際後述の通り彼は旅行好きで外を出歩く機会が多かったので、一般的な作家系サーヴァントの中では比較的体力が高いと思われる。
後に『FGO』では2020年夏イベントにて大人の姿が登場しており、こちらでも厭世的な性格は相変わらずではあるものの、一人称が「僕」で二人称は「君」とどこか落ち着いた口調になっている。
ちなみに、そのイベントではマスターの方が幼児体型になっており『CCC』とは逆になっている。
能力
ステータスは魔力こそEX(規格外)だが他は全てE(最低値)と偏りすぎにもほどがある有様である。
彼自身は魔術師ではないが、著書に因んだ魔術を扱う事が出来る。『裸の王様』ならば対象の透明化、『みにくいアヒルの子』なら対象を強制的に弾き出し、『雪の女王』なら対象の能力を強化する。
保有スキル
陣地作成(D) | 魔術師として、自らに有利な陣地を作りあげる。アンデルセンの場合、やってきた敵を送撃する為のものではなく、敵はおろかマスターの目さえ眩ますタイプのものだ。誰にも見つからない場所に書斎を作ってサボ、否、筆を動かしているのだろう。このあまりにもサバ、否、怠慢ぶりに堪忍袋の緒を切らした某マスターは小さな匣を作り、その中に閉じ込めて執筆を急がせた。 |
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アイテム作成(C) | 魔術師クラスの特典。宝具を応用した詩文によりアイテムを作れる。 |
道具作成(C) | アイテム作成と同様。何故か『CCC』ではアイテム作成、『FGO』では道具作成となっている。 |
高速詠唱(E) | 本来は詠唱速度のスキルだが作家なので執筆速度のスキルに置き換わっている。ただし、気分屋ゆえにランクは低い。 |
人間観察(A) | 人々を観察し、理解する技術。ただ観察するだけでなく、名前も知らない人々の生活や好み、人生までを想定し、これを忘れない記憶力が重要とされる。厭世家で知られるアンデルセンだが、その根底にあるものは拒絶ではなく理解である。彼にできることは物語を紡ぐ事だけだが、だからこそ誰よりも語るに真摯であろうと誓い続けた。 |
無辜の怪物(D) | 読者からの呪い。足には魚の鱗が生え、手は火傷や凍傷に悩まされている。 |
人魚姫の愛(EX) | 『FGO』にて無辜の怪物が強化クエストにより「人魚姫の愛(EX)」へと進化する。 |
貴方のための物語(メルヒェン・マイネスレーベンス)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:0
- 最大捕捉:1人
「脱稿、即ち開放の時!」
「ではお前の人生を書き上げよう。タイトルは……そう、『貴方のための物語(メルヒェン・マイネスレーベンス)』だ。」
アンデルセンの書いた自伝『我が生涯の物語』の生原稿。
この書の1ページ1ページが“読者の見たがっているアンデルセン”の姿を取り、分身となって行動できる。しかし、その真価は別のところにある。
詳細は該当記事を参照。
他作品での活躍
Fate/Grand Order
サービス開始直後から実装。レアリティは☆2(UC)で、フレンドポイント召喚で手に入る。
メインシナリオでは、第1部第四章『死界魔霧都市ロンドン』にてはぐれサーヴァントとして登場。
第1部第四章の魔霧事件の謎を解く“探偵役”であり、『CCC』で見せた鋭い観察眼と推理力は本作でも健在。切れ味鋭い毒舌と自虐思考も同様。魔霧から逃れるべく古本屋に勝手に居座り、勝手に本を読み漁っていた。打開策を講じるための助け船を待ち続けていたところに主人公と遭遇し、事件解決のために協力関係を結ぶ。事件の解決に関するアドバイスだけでなく、Fateシリーズにおける「英霊召喚の儀」に隠された目的、果ては黒幕のカラクリすらも見抜く。
一方、マイルームでも毒舌全開。しかし絆が深まっていくにつれ、若干のデレも見せてくれるようになる。セリフもなかなかはっちゃけており、特に宝具ダメージをもらった際(大概致命傷)の「締切り3秒前と見たー!!」は自虐の効いたコミカルなもの。
なお、絆3ボイスでは黒幕について言及している。
なお霊基再臨でコロコロと佇まいが変わるサーヴァントでもあり、初期でいつもの礼服姿、第一再臨で眼鏡を掛け魔道のペンと魔道のノート(『雪の女王』仕様)を携え、第三再臨では眼鏡はそのままにタブレットにマルチモニターにヘッドホンで白衣とテンコ盛りになる。特に第三霊基の姿は、流行に敏感な彼らしいチョイスだといえよう。
最終再臨では彼の書斎が一部描かれているが、見事に超現代風かつズボラ派な仕様となっている。
ゲーム上での性能
最大HP | 8484(LV65) |
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最大ATK | 5758(LV65) |
コマンドカード | Buster:1/Arts:3/Quick:1 |
宝具カード | Arts |
スキル1 | 人間観察(A)/味方全体のクリティカル威力アップ(3T) |
スキル2 | 高速詠唱(E)/自身のNP増加(+50~75%) |
スキル3 | 無辜の怪物(D)/自身に毎ターンスター獲得状態を付与&防御力ダウン(各3T) |
スキル3(強化後) | 人魚姫の愛(EX)/味方単体に毎ターンスター獲得状態&毎ターンNP獲得状態を付与(各3T) |
宝具 | 確率で味方全体の攻撃力をアップ&確率で味方全体の防御力をアップ&味方全体に毎ターンHP回復状態を付与(各3T) |
宝具(強化後) | ↑&確率で味方全体のスター発生率をアップ(3T) |
☆1アマデウスを含め、同格のシェイクスピアと並ぶ低ランクキャスター枠の一角……なのだが、呪腕のハサンと並ぶ“ランク詐欺サーヴァント”の一人であり、初期においては耐久型パーティーの要を担う動力炉として活躍した。
シェイクスピアとはほとんど性能差が無い一方、攻撃向きか防御向きかの差が存在し、アンデルセンは後者に当たる。
Artsが多い事からNPの回転効率も高く、「高速詠唱(E)」と合わせて即効かつ高い回転率での宝具解放が可能なのが特徴。
クリティカルスターの供給とバフにより、クリティカル型のアタッカーに対するサポーターとしても優れている。
総じて「スター運用に秀でたマルチ型のサポーター」。
後に実装されたマーリンが彼の上位互換性能となったものの、当該サーヴァントはレアリティの問題でコストが重く、それ以前に入手機会が乏しいため、その代打としても通用する。また上位互換とはいうものの、マーリンに比べて運用における瞬発力が高く、マーリンの穴を埋めサポート性能を加速させることができるため、フレンドの強力なサーヴァントをアタッカー枠で採用してこれを両者で補助する運用も有効である。
欠点は、ランクの低さからくるステータスの低さ。そのため、主力に据えるならば「聖杯転臨」での補強は必須となるだろう。生存させるのは諦めて、捨て石覚悟の玉砕運用も一つの手である。
2017年5月10日に殺生院キアラもまたサーヴァントとして実装されたため、主従で共に戦わせることが可能となった。
ちなみに組ませた場合、キアラの元々高いクリティカル威力の底上げが可能、キアラにできないクリティカルスター供給が可能、キアラのスキル3で減るHPを宝具で回復可能、2人で宝具も合わせてArtsが7枚になりArtsチェインが組み易い、とこれでもかというほどのシナジーを発揮する。
なんだお前ら仲が良いじゃあn(弾き飛ばされた)
2020年8月17日のアップデート(奇しくも彼女の実装日でもある)で遂に待望のモーション改修を果たす。
その内容とは今まで魔力弾での攻撃であったモーションが、彼の捜索した童話の登場人物達が攻撃するものとなっている。登場人物は次の通り。
人物 | 攻撃方法 |
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人魚姫 | 突風 |
雪の女王 | 氷柱 |
親指姫 | 特攻 |
赤い靴 | 足の切断 |
マッチ売りの少女 | アンデルセンがマッチで放火 |
小夜啼鳥 | 突撃 |
因みに親指姫についてはたまに甲高い声で特攻していく事があるがCVは不明。
宝具演出も大幅に変わっており、書き上げたページがサーヴァントに張り付くエフェクトが無くなった代わりに第三再臨ではコードキャストを思わせる方法で発動するというシークエンスが追加されている。
また、ランダムで赤い靴と親指姫のモーションがキアラからの支援攻撃(方法がなんだかこの人に似ている)に変化するが、これは『CCC』でキアラの物語を書いた事に由来するのではないかと考察されている。なんだか漫才してるみたいにも見える。
関連人物
Fate/EXTRA CCC
契約したマスター。
アンデルセンの「理想の女性像」とは対極的な人物であり、普段から「牛女」「乳魔神」「腐汁の詰まった肉塊」などと散々にコキおろしている。一方で彼女をひとりの人物として認めており、サーヴァントとして“最期まで”付き添った。
月の裏側で出会った少年/少女。複雑怪奇な状況に戸惑う彼/彼女に対し、多くの毒舌とアドバイスを贈った。その内容は事件を解決するためだけのものではなく、若人に対する教訓でもあった。
Fate/Grand Order
『CCC』作中での接点はないが「対」となる様デザインされたキャラクター。
『FGO』四章では実体のない彼女に名を与える。
子供達の英雄である彼女のあり方を、出会った頃は宝石のようだが時が経てば忘れ去られるが、無意味ではない価値あるものだと評している。彼曰く、子供の思い出とは大人のポケットから零れ落ちていくものだという。
この世界で契約したマスター。
容赦なく毒を吐きながらも、渋々協力する。
その理由は、彼/彼女の行為が生前理想と願って書いた作品を想起させるかららしい。
同じ文化人キャスターである劇場作家。『FGO』では本編で出会って以降、行動を共にしている。
口ではなんだかんだ言いつつも実は生前からかなりのファンで、彼の前では毒舌も幾分か鳴りを潜めるという。とはいえ、自己評価や創作に対する姿勢は真逆である為、並んで執筆はしても合作は「内容が割れる事が分かりきっている」と否定的。
生前に面識のある作家仲間。2015年エイプリルフール企画ではアカウント名を詐称され、最終的に直接ドロップキックをブチかました(本人は懲りずに子供の姿を爆笑していたが)。
同じく作家の英霊。イベント『ボイス&レター・これくしょん!』での共演では毒舌を交えながらも何かと世話を焼いていた。
曰く「おまえ相手だと気が緩む。誰かに似ているか?」とのこと。
実は生前からのファンで、旅行先で彼ゆかりの地を訪れた(いわゆる聖地巡礼)こともある。
同じく語り手であるサーヴァントで、物語の登場人物を召喚して操る。
彼女が経営するお宿を気に入っており、執筆に打って付けだと評している。日本の昔話では他に鶴の恩返しに登場する鶴のあり方を気に入っている様子。
のちにその鶴もカルデアに召喚されたが、その中身はというと……
対応ボイスこそないものの同じ作家として興味があるらしく、北斎親子に紹介してほしいと頼んでいる。
上記にあった鶴その人。同じキャスタークラスでサポーター属性・他者強化型宝具の使い手。
いかにもクールビューティーな佇まいなのに、中身は非常に残念。
ちなみに両者とも「仕事は部屋に缶詰めでやる」「基本的に片づけは苦手」「見た目と中身のギャップが凄まじい」「割とミーハー」「なんやかんやで義理堅い」と、ちょいちょい共通点が見受けられる。
一方でサボり癖の強いアンデルセン先生に対し、クレーン女史一度仕事にかかるときっちり期日内に仕上げてくる職人肌である点は違っている。
『サーヴァント・サマーキャンプ!』においてのキアラとの絡みを思わせる人物達。
尤も、光溜とアンデルセンは同じ作家ではあっても売れ行きは全く異なるのだが。
特に関係がないはずだが、彼の事は的確に評価している。