概要
CV:石田彰
『未来福音序』における語り部で、かつて蒼崎橙子が使っていた廃ビルを事務所兼自宅として使っている青年。
今は亡き友人の助けもあって売れない絵本作家として細々と暮らしていたが、借金で首が回らなくなってしまいヤクザに身売りされそうになってしまう。
だが、ボスの娘であるマナが彼のファンであり、さらにそのボスが彼と少々因縁のある人物であった事から温情を受けて、直下の興信所所長となることで命を救われた。
以来、マナは彼の事務所に入り浸るようになり、彼としては扱いに困る存在なのもあって邪険に扱っているつもりなのだが、なんだかんだでいいように使われている。
過去
かつては「倉密メルカ」という名義で活動していた爆弾魔。
金で依頼を受けては、あちこちで小火騒ぎを起こして回っていた。
自分の正体を見られたと思った彼は式を殺そうと画策するも返り討ちに逢い、絶体絶命の危機に見舞われた。
だが当時まだ14歳の子供であったこともあってか、その姿を見た式は殺る気を失くし、起爆スイッチだけ奪ってそのまま立ち去ってしまった。
その後出会うことはなかったのだが、上記の通り何の因果か10年越しで再会することになってしまう。九死に一生を得たとは言え彼にとって式はトラウマの権化であり、加えて式の方も命こそ取らなかったがこの件をしっかりと根に持っていたので逆える道理などあるはずも無く、絵本作家との兼業を条件に大人しく子分として傘下に付くのだった。
ちなみに前述の友人を紹介したのは彼女の旦那。
処女作である『吸血鬼の涙』はその友人がミツルをモデルに描いたものである。
能力
右目で自身が望んだ未来を、左目でそこへ至る道順を視る事が出来る『未来測定』と呼ばれる擬似未来視の力を持つ。
爆弾魔時代、子供ながらに警察の手を逃れていたのはこの力のおかげであるが、この力ゆえに自身を決められた作業をこなすロボットのように感じていた。
この能力、一見すると望んだ未来を得る万能の力に見えるが『視た範囲の未来しか決める事が出来ない』という文字通りの『能力の死角』が存在する為、例えば『誰かの傍で爆炎が上がる』未来を確定させても『その誰かが爆発に巻き込まれている姿』を視ていなければ事実として確定しない為、爆発から逃れている可能性が生じる。
式との戦いでは能力と爆弾を駆使して追い詰めたかに見えたが、確定させた『式の死』という未来を直死の魔眼により右目ごと殺されてしまい、能力を失うことになった。
しかし、作中では使用していないが眼鏡を掛ければこの力の真似事くらいは出来るらしい。
また、後の作品において彼と同系統の魔眼を持つ並行世界の放浪者が登場している。
余談
彼のデザインは原作(同人版・文庫版双方)の時点では無く、劇場版に伴って作られた。
これは武内崇の『描くべきタイミングが来たら、その時にいちばん“今っぽい”デザインにしたかった』という意図によるものである。
関連イラスト
pixivでは青年時代の彼とマナを描いたものが殆どを占めている。