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DDD(小説)

でこれーしょんでぃすおーだーでぃすこねくしょん

ファウストに連載されていた、奈須きのこの小説。
目次 [非表示]

それは骨の軋む幽(しず)かな夜。花開くような、美しい命の音。

――Decoration Disorder Disconnection


概要

DDD(Decoration Disorder Disconnection)


奈須きのこによる『悪魔憑き』を描いた伝綺小説。イラストはこやまひろかず。

『ファウスト』にて不定期連載されており、講談社BOXより刊行。全四巻の予定。

既刊2巻。次回刊行未定。2巻が2007年に発売されてから16年が経つが情報なし。

この件に関して奈須きのこ本人は「(サブプライムとDDDが出ないのは)荒耶宗蓮のせい」としているが、武内崇は「(DDDが出ない理由の)80%は奈須の怠慢」としている。

また、悪魔の概念こそ登場する本作だが、世界観は独立しており、空の境界月姫Fateシリーズと行った魔術魔法が存在しているTYPE-MOONの世界観とは全く繋がっていない。ただし、『路地裏さつきヒロイン十二宮編』では従来の型月作品と共演している。


題名を直訳すると、『装飾 障害 切断』となる。


ストーリー

感染者の精神だけでなく肉体をも変貌させる奇病、アゴニスト異常病患者

――俗に言う『悪魔憑き』が蔓延る世界。

左腕を失った男、石杖所在と、漆黒の義手義足を纏い、天蓋付きのベッドで

微睡む迦遼海江の二人が繰り広げる奇妙な「悪魔払い」の様子を追う。


登場人物

主要人物

石杖所在

主人公。白髪で隻腕の青年。「アリカ」とカタカナ表記で呼ばれることが多い。

数少ない『本物の悪魔使い』であり、A異常症患者による事件が発生すると知らぬ間に足を踏み入れ、度々、悪魔払いをする羽目になってしまう。


迦遼海江

センシティブな作品

『本物の悪魔』で、アリカの雇い主。少女と見紛う可憐な顔立ちで、絹のような長い漆黒の髪と色素の薄い銀色の瞳を持つが、である。四肢が無く、その代わりとして両手両足に(自らの4つの感情を形にした)黒色の義肢を付けている。A異常症患者による事件が発生すると興味を示し、アリカに義肢を提供し、問題解決を促す。


戸馬的

(右側)

公安特務の監察医兼監察官にして、オリガ記念病院の保安管理局特別顧問でアリカの監察官でもある。美人だが権力欲が強く、弱者をいたぶるのが大好きなサディストで、人間離れした戦闘能力を持つことから登場人物の殆どから恐れられている。アリカを度々こき使う。


貫井未早

アリカの高校時代の後輩。通称『ツラヌイ』。

明るい性格の女子大生でアリカ曰く『マキシマム善人』『お天気宇宙人』

アリカを慕って、いつも熱烈なアプローチをするが、あんまり相手にされていない。


石杖火鉈

【流血注意】お兄さんは马鹿

アリカの実妹でA異常症。

黒絹のような長髪を持った絶世の美女だが、最強の『悪魔憑き』であり、完全に人間を辞めている。

またアリカの左腕を奪ったのも彼女である。


日守秋星

連続殺人鬼として指名手配され、『不死身の吸血鬼』と呼ばれる最も有名な悪魔憑き。

黒いロングコートを纏い、鏡面のサングラスをかけた日本人離れした容姿の青年。

後にアリカと親しくなり、彼のアドバイスから「灼熱の揺り籠(しゃくねつのフォウマルハウト)」を名乗るようになる。


霧栖弥一郎

通称『キリス』

アリカの高校時代の一つ下の後輩。で、あるのだがふけ顔であり、年下には見えない。

地元の不良達の顔役であり、暴力団とも繋がっている。 ある事件を機にアリカと再会し、現在は同居している。

高校時代は『支倉の天才スラッガー』として名を馳せていた。


久織巻菜

久織伸也の姉。A異常症。

相手の事を観察し、姿形は別人であるが雰囲気や行動をそっくり真似て相手になりきることが出来る。入院する前は弟の伸也を社会的に抹殺しようとした。他人の真似をしないと生きていけない性質で、伸也やアリカのコピーをした。


その他登場人物

久織伸也

久織巻菜の弟。姉に嵌められ、両親殺害及び姉への暴行の犯人とされる。

後にその事件は事故死扱いになった。事件の後遺症で精神病院に入院。社会復帰後アリカの名を騙り、安価で薬をばら撒いたせいで本物のアリカにとばっちりを喰らわせた。姉に復讐する為に自殺。


山田

迦遼海江の世話役のバイトをやっていた前任者。名前は偽名。

バイトの後任者(アリカの真似をしていた久織巻菜)には、カイエに決して「外に出よう」と言ってはいけないと忠告した。

個性が希薄な人物。巻菜に真似されていた時期もある。現在は消息不明。なお一巻の年表に『95年 山田さん全焼事件』とあるが、彼との関係は不明。


月見里朋里

A異常症。2003年2月に両親を殺害。その際、動機を隠匿するために無関係な人間も殺害。同じ理由で石杖家に忍び込んだが、カナタの圧倒的な力の前に悲鳴をあげ逃走。その事件以後、少女に苦手意識を持ち、男性しか襲わない通り魔として騒がれたが、2004年大晦日に戸馬的により逮捕。

カナタに遭った恐怖でまともに喋れなくなっている模様。また、2004年10月に秋星と対峙している。また、自分を『芝刈り機』と呼び、爪で寸断し相手を解体する。オリガ記念病院C棟に入院していたが、カナタに敗北。生死不明となっている。


鋳車和観

A異常症。2年前のコアラ丘高等学校の元野球部部員で、天才と言われたピッチャー。勝負球のシンカー使いとして注目されていたが、同じ部内の瀬倉弓夜を筆頭とした彼を妬む連中によって利き腕を破壊され野球の道を絶たれた。

悪魔憑きとなった後は、2段階に曲がるシンカーを使い、SVSに参加しているバッターとなった人間を殺す通り魔として都市伝説となっていた。

霧栖との野球勝負に負け、アリカに悪魔払いされた後に自首している。石杖所在の『初めてのお使い』相手。

能力は血液の爆発。ボールに血液を付着させタイミングよく爆発させることにより通常では有り得ない変化を起こす。

しかし、新部が血であることの反動ゆえ使うたびに右腕がボロボロになっていく副作用があった。


謎の男

鋳車和観・瀬倉弓夜をA異常症にした男。鋳車・霧栖が初めて会った時は、願いを聞いてそれが出来なければ死ぬ呪いを相手にかけていたが、数年後鋳車和観と再会した時に彼を完全な悪魔憑きにした。

瀬倉弓夜は、鋳車を悪魔憑きにしてすぐ、彼をSVSに入れる際に願いを聞き、悪魔憑きにした。

その容姿から、久織巻菜が見た『燃えているお化け』も彼の可能性がある。

支倉を『末期』と言っていた(悪魔憑きが多すぎるので)。

名前は明かされていないが、瀬倉弓夜は「どこにでもいるような名前」だったと言っている。


悪魔憑き

木崎

彼と目が合った人物は、彼の首が回るのに合わせて同じように首が回転し、最期には首が180度回りきり死亡してしまう。石杖所在の『2回目のお使い』で払われた悪魔憑き。


扶桑雪緒

ツラヌイの同級生であり、アリカの後輩に当たる人物。本人は太りたくないが、空腹に歯止めが利かない体質になってしまった。石杖所在の『3回目のお使い』で払われた悪魔憑き。


瀬倉弓夜

コアラ丘高等学校の3年のエースピッチャー。SVS参加者。アリカによる悪魔払いにカウントされていない。鋳車和観の母親を自殺に追い込んだグループの首謀者である。通常の悪魔憑きとは異なり、謎の怪人物に悪魔憑きの能力を授けられ、「ピッチャーとして打たれたら死ぬ」と呪いをかけられていた。


「画面潰し(ブラクラ)」

目から繰り出す極細の繊維で、視界の三割を占領する凶悪な画像を脳に焼き付けることができる。日守秋星に殺される。


藤悟木更

元・刑事、日守秋星に目の前で娘を殺され、復讐の鬼となる。

血液感染し発症、同業者となった為に秋星に殺された。


「心臓なし(ハートレス)」

オリガ記念病院ができる前に確認された数少ないD判定の悪魔憑き。本編未登場。


ドクターロマン

オリガ記念病院の医者の一人。苗字は貫井。聞いている方が恥ずかしくなるようなロマン溢れることを平気でしゃべるため、皆から「ドクターロマン」と呼ばれる。通称は「ドク」。

出所する前のアリカやマキナに助言をした。現在は生死不明。


用語

アゴニスト異常症(A異常症)

少し特殊な精神病の一つ。鬱・対人恐怖症に代表される現代病の一種。発病者は俗に悪魔憑きと称されるが、その悪魔は『人為的で打算的な悪魔(にせもの)』だという。

ただし、悪魔が本物か偽物かに関わらず、悪魔憑きになるのは心の弱い人間と決まっている。

患者は軽度で人格の変貌、自己の喪失が表れ、重度で強迫観念による自傷行為や自殺未遂、周囲への敵意の発散が起こる。端的には『些細な感情で他人を傷つける犯罪者』『社会的弱者』とされる。


SVS(えすぶいえす)

支倉で流行っているゲーム。公式と非公式がある。1vs1の簡略式野球で、バッターボックスまでの距離は状況によって変えてもいい。

しかし、とあるピッチャーによって2004年8月の公式SVSは死のゲームとなる。

非公式は賭博オンリーのゲーム。1vs1で勝負し、勝ちを予想する。人気はこれの方にある。


オリガ記念病院

悪魔憑きの治療を専門とする病院。 症状が軽い順にA〜D棟に分かれている。D棟は重度の悪魔憑きの収容施設で人外魔境と評される。実はE棟があり、たった1人入院している。

石杖火鉈がオリガ内の全患者を殺害し、堂々と正面から脱走する。


患者一覧

E棟患者
檻我鞠音『夢見がちファッキン泥棒猫シエスタ』現在までに作中で確認される唯一のE判定悪魔憑き。特別病室内で既に死亡していたので、カナタと戦うことはなかった。能力の詳細も不明。名字は『オリガ』だが、オリガ記念病院との関係性は不明。
D棟患者
午宮留是留「認識障害共有者(ダブルバインド)」身長160cm足らずの少女。巨大化してカナタを押し潰したかに見えたが、その実態は相手の認識を狂わせる新部だった。
倉密メルカ※「出口なき脳髄陥穽(クラインキューブクラインネス)」自分の脳に相手を閉じ込める能力を持つ。敗戦主義者。カナタに判定負け。カナタ曰く「女々しくも私の中に逃げ込んできたので倒せないけど逃げられない」との事。
大熊猫目々「銀河最強ニート」生きる事も死ぬ事も面倒という引き込もり・ニート。彼の自室をそのまま移植させたD棟404号室内には自ら引きこもるための宇宙が形成されており、その宇宙空間内を空飛ぶ畳の上でずっと観測するだけの存在となった。唯一、カナタに出会いながら殺害されなかったD棟患者。
屋敷戸京麻「増殖臓腑(ぞうしょくぞうふ)」物量的には最も強い悪魔憑き。カナタ曰く「最終形態には不覚にもトキメいた」。
夜口止々也「氷の華(フリージア)」カナタに敗北し死亡(カナタ曰く「時間とか止められても」)。劣化していく隣人(恋人)を恐れるあまり、隣人どころか自分、周囲の時間さえ止めてしまった。
由寿餅アロウ「アメンチア・ナイトメア」C棟全域及び中央棟6階まで融合するも、自滅。
胡島はでる「ウミガメの味」毒物系の悪魔憑き。あらゆる命を液化して食べる。
C棟患者
韮菱豊「注文が襲う雑貨店(マーブルファンブルマーケット)」相手の弱点やトラウマを暴くらしい。
譲羽涙「サニーデイ・レインコート」呪い系の悪魔憑き。
誠子美雄「声消し楽曲(トラック/3)」カナタに敗北し死亡。
B棟患者
海風太刀野「ヤマダβ」カナタに最初に敗北し、死亡。「宙の外」でもそれらしき男性が登場
宮原無明「投影奇術(トリビュート・アンソロジー)」カナタ曰く「劣化久織さん」。
在野立花「胸に宿る月の琴」最も多く殺人を犯した悪魔憑き。カナタ曰く「エア月琴」。
A棟患者
日守桜夏カナタに三秒で敗北し死亡。外見に新部は全く無い。日本刀を所持していた。カナタ曰く「もしかしたらオリガで一番強かったのかな」。名字が同一である日守秋星との関連性は不明。本編未登場。

午宮留是留、大熊猫目々、海風太刀野以外は本編未登場。

※『空の境界 未来福音』でも同名の登場人物が存在するが、こちらは創作物から引用された偽名(瓶倉光溜爆弾魔時代に使用していた。)。


関連項目

奈須きのこ

どんな名前だ:当作品の正式名称『DecorationDisorderDisconnection』はタグとして使用できる30文字を超えてしまっている。


Fate/hollowataraxia悪魔祓いの少女この世全ての悪を背負わされた悪魔の物語


外部リンク

DDD (小説) - Wikipedia

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