……そうですか。
喚ばれて、しまいましたか……ふぅ……(溜め息)。
適材適所、はご存じの筈。
戦場よりは、あなたのお部屋で――
プロフィール
真名 | シェヘラザード |
---|---|
クラス | キャスター |
性別 | 女性 |
身長 | 168cm |
体重 | 58kg |
出典 | 千夜一夜物語(アラビアンナイト) |
地域 | ペルシア |
属性 | 秩序・中庸・人 |
好きなもの | 安心と安全 |
嫌いなもの | 死んでしまうこと |
設定担当 | 水瀬葉月 |
ILLUST | なまにくATK |
CV | 井上喜久子 |
『彼女自身の物語』の全てを真に知る者は、彼女以外にはいない。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
メインストーリーでは第1.5部2章『伝承地底世界 アガルタ』にて不夜城のキャスターの仮称で登場。不夜城に仕える語り部としてメガロスの打倒に協力するが……
真名
『千夜一夜物語』の登場人物であり、その語り手である、『シェヘラザード』。
ササーン朝ペルシアの王シャフリヤールに夜ごと幾多の物語を語り聞かせる。
シャフリヤール王は処女と結婚しては一晩で殺すという事を繰り返していた。
大臣の娘であったシェヘラザードはその悪行を止めるために自ら王と結婚する。シェヘラザードは王と一夜を共にした後、呼び寄せていた妹ドニアザードが話をせがんでくるよう計画していた。王はシェヘラザードがドニアザードに語った話を気に入り、続きを求めるが、夜が明けてしまった。
シェヘラザードは「明日のお話はもっと心躍りましょう」と告げる。
このため王はシェヘラザードの物語の続きを聞くために彼女を生かし続け、そして―――
……現在まで読まれている千近くの物語は、大部分が後世の訳者たちの手によって付け加えられたもの。一説には、核となった最初期は二百数十話程度で、結末も存在していなかったとされる。
人物
入れ子構造の説話集である『千夜一夜物語』。
その最外枠の物語において語り手の役割を果たすのがシェヘラザードである。ここにいる『彼女』が物語の登場人物であるのか、そのモデルとなった実在の人物であるかは定かではない。
一人称は「私(わたし)」。
表の記事にもあるように、極めて臆病で何よりも『死ぬこと』を恐れている性格。
アガルタでの特異点後にカルデアに召喚されてからも、この死への臆病さは相変わらずで、事あるごとに土下座してトラブルを回避しようとし、常に手を挙げて横断歩道を渡り、喉に詰まらせないように毎回お餅を細かく刻んで食べ、ふぐ刺しが出るたびに厨房に行って料理人のふぐ調理師免許をじーっと確認する等といった、「石橋を叩いて渡る」どころか「石橋を鉄骨補強してから渡る」を実践している。その度を越した用心深さは劇中でも度々突っ込まれている。
特に土下座に関しては「最大限の誠意を表す形」と曲解してしまった節があり、本気の謝罪でも使うようになっている。死への臆病さを差し引いても、真面目で腰が低い点は彼女本来の地であるようだ。そしてカルデアとの出会いを得て、その心境にも少しだけ変化が……?
能力
サーヴァントとしては宝具特化型で、キャスターらしくステータスは貧弱。
千夜一夜物語内の登場人物・道具・精霊を召喚しての応戦を基本とし、想像以上に高いその応用性により、幅広い状況に対応する事が可能となる。
万巻の書物を読んできたことで多少の知識を蓄えており、敵軍の動きを読むことや機の把握については得意。専門家ではないため本職の戦士や軍師には読み負けること。持ち前の一級品の話芸で味方の慰安を行う事も出来、やはり彼女自身としてはそれが一番の適材適所だと思っている様子。
モーション中では、杖を振ったり巻物を投げることで、曲刀を持ったターバン姿の戦士(そのまま斬りつけたり、空飛ぶ絨毯に乗る)、短刀を持った小人達、巨大な人形の精霊(口から火炎を吐いたり、砂嵐を起こす)を召喚し、本人も魔力の籠もった息を吐いて攻撃を行う。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | E | E | E | C | EX | EX |
保有スキル
陣地作成(A++) | キャスターのクラススキル。魔術師として、自身に有利な陣地を作り上げる。シェヘラザードが作成するのは、自身の生存目的の為の「閨」である。 |
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語り手(EX) | 物語や伝説をいかに上手に口で語れるかを示すスキル。書物に物語を書き記す技術とは全く別の、聞き手の気分や精神状態も加味して適切な語り口を選ぶ、即興性に特化した物語伝達能力。恐らく落語家の英霊も持っている。 |
夜話の語り手(EX) | 「語り手(EX)」が変化したスキル。詳細不明。 |
生存の閨(A+) | 防御に特化した、『フェロモン』の亜種スキル。「自身の魅力」「場の魅力」「行動の魅力」を状況に応じて最適な形で組み合わせる事により、彼女は「世界で最も自分が死ぬ確率の低い領域」を構築し運用する。概念的なものだが、それは彼女の工房にも等しい安全拠点とはまた別の「閨」である。 |
対英雄(A) | 本来はセイヴァーのクラススキル。英雄を相手にした際、そのパラメータをダウンさせるスキル。彼女のこのスキルは「対王」に限定されている。それ故にAランクを得ている。彼女の場合「王と名がつく存在に対する生存力」を示すものとなっており、王の機嫌、性格、能力、主義、体調などを把握し、あらゆる手練手管を用いる事で、どれだけ気紛れな王相手であっても、少なくとも殺される事はないように立ち回る事が出来る。仏陀以来の習得者である。 |
対英雄(譚)(EX) | 「対英雄(A)」が変化したスキル。「消されようとしている英雄譚」に語り手として対する事を決意した時、或いは「人知れず世界を救った英雄」に譚を以って正当なる相対を果たした時、彼女独自のこのスキルへと昇華される。 |
宝具
千夜一夜物語(アルフ・ライラ・ワ・ライラ)
- ランク:EX
- 種別:対王宝具
- レンジ:−(具現化させたものに依存)
- 最大補足:−人(具現化させたものに依存)
「全てとはいきませんが……」
「求めたのは次の夜。そしてまた……次の夜。これは私の言の葉が紡いだ、終わりなき願いの物語……『千夜一夜物語(アルフ・ライラ・ワ・ライラ)』――今宵は、此処まで……ふふっ。」
これは「彼女の語る物語」という固有結界である。
世界が信じるほどの圧倒的な存在感・現実感で語る事により、その「物語」を具現化させる。
千夜一夜物語内の登場人物や、道具や、精霊などを召喚する形となる。
本来の歴史的には正当な千夜一夜物語には存在せず、後世の創作・吸収されたとされるアラジン・アリババなどのエピソードも、英霊としての彼女の生存には有用なので使用できる。重要なのは正しさではない。王が面白がるかどうかだ。
詳細は該当記事を参照。
関連人物
生前
シャフリヤール王
彼女が生前に仕えた王。
妻の不貞から極度の人間不信に陥ってしまい、処女と結婚しては一晩で殺してを繰り返した。
シェヘラザードはその悪行を止めるために自ら王と結婚し、凶行を止めさせることに成功する。
最終的にはシェヘラザードは王との子を身籠り、正室に迎えられる。
その後は妻子ともども幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし(という話が一般的だが?)。
ドニアザード
実の妹。シャフリヤール王を止めるために協力した。
型月時空では未だに言及がないため、詳細については不明。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
使い魔であるサーヴァントを死地に追いやろうとせず、対等な個人として見てくれる彼/彼女を「良き王」として信頼する。最終的には、死にたくない理由として「マスターと離れ離れになってしまうから」ということが追加されたことを明かす。
人を愛し、女を愛する英雄。何故人は死への恐怖を打ち消し、楽しく生を謳歌できるのかを語り、死への忌避に取りつかれていた彼女の心を少しだけ前進させた。
カルデアに召喚された後は別の意味で死んでしまいそうなので、遭わないように逃げ回っている模様。静謐のハサンから対処法を聞かれる事もあるらしい。
シェヘラザードの「死にたくない」という願いに呼応し手を組んでいた黒幕。
だが、最後にまさかの窮地に追い込まれ、見苦しく上から目線の救援を喚きたてた彼を(少しだけ心が動いていた事もあり)見限って拒絶した。 一方、漫画版では終始比較的良好な関係のままだったが、互いに願いが近すぎる故に友と呼べる関係にはならなかった事を敗因として挙げている。
別人の役柄を被せて変質させていた、同ストーリーでのNPCサーヴァント。
幕間の物語では後ろめたさから土下座で謝罪するも、当人たちは対して気にしていなかった。
同時期実装のサーヴァント。
ストーリーでは主人公に出会うまでは彼女の下に軍師として身を寄せていた。
シェヘラザードの苦手な暴君タイプの人間だが、扱いは悪くはなかったようだ。
2017年水着イベントにて共演。相方が見つからなかったニトクリスに捕まえられ、「優勝賞品の聖杯を材料に持ってるだけで死を回避できる護符を作る」という約束をエサに、チーム名「デザート・ビューティ」としてなし崩し的にレースに参加させられる事に。
だが実際に始まると、使命感の高さから焦りがちでそそっかしいニトクリスを冷静沈着な分析で窘め、逆に慎重になり過ぎる彼女をニトクリスがノリと勢いで引っ張ってみせるなど、相性は抜群。
自身も「清く正しい王」であろうとする彼女に価値観を揺さぶられた所があった様で、最終的には「相棒」と呼ばれる程に打ち解け合い、以降も度々行動を共にする様になった。
所持しているとマイルームにて言及が有る。
同郷の大英雄、アーラシュ・カマンガー。彼の物語も彼女はよく知っているようだ。
節分イベントにて競演。
語り部の才能にビジネスチャンスを見出しスカウトするが、シェヘラザードは過労死の予感を感じて逃走。その後も何かにつけて商売を持ちかけられている。
クラス以外に関連性はないが、その宝具は彼女にとって天敵以外の何物でもない。
自身としては必死の叫びだったのだが、結果的に彼の決意を侮辱する発言をして主人公やマシュの逆鱗に触れてしまった(ただしこの場面は「事情を知らない相手に怒る割に、シェヘラザードの事情は鑑みない主人公達があまりに理不尽過ぎる」と言う否定意見も多く、そのためか漫画版では怒りではなく悲しみに描写が変わっている。また、終盤でこの様な発言をした理由として「自らの願いのために多くの人の命を理不尽に弄んだ自分はかつて恐れた悪しき王そのものであり、憎まれるべき悪として討たれるのが道理」と言っており、意図的な発言だったとされている)。
その事がカルデアに召喚されてからも気になっていたようで、幕間の物語ではロマニが見守ってきた主人公の旅路を追体験することになる。そして……
第2部3.5章『徳川廻天迷宮 大奥』にて、シェヘラザードが「自らと寸分違わぬ人形を創れる冠位の人形師がいる、というお話も聞いたことがあります」と言うセリフを口にしている。
余談だが、橙子のドラマCD版のCVはシェヘラザードと同じ井上女史である。
『王に翻弄された者同士』という共通点がある為か、何かと気にかけられている。
バレンタインイベントでは友達になって一緒にチョコを作ったことが会話から聞き取れる。
その他
解析で立ち絵が流出した頃、彼の女体化ではないかと明後日の方向に勘違いされていた英霊。
関連イラスト
関連タグ
Fate/GrandOrder キャスター(Fate) サーヴァント
デザート・ビューティ(ニトクリスとのチーム名でカップリングタグ)
現在読まれている『千夜一夜物語』の結末の中には、「最終的にシェヘラザードは三人の子をもうけ、王は寛容を身につけたのであった」という形で締められているものがある。
前述の通り、これは元々の話にはなかった結末であり、ここにいる『彼女』が体験したものではない可能性が高い。なのにこれが今、まことしやかに語られているということは幻想の都市を砕く虹の中、在ったものと同じく誰かが彼女自身の救いを願った可能性がある。