『思いやりとエゴが天秤でゆらゆら 君と出会ってからゆらゆら』
概要
醜い生き物に登場する主人公。
三浦加恋の同級生でもある。
また絵を描くことも好きなようで、PVでは彼女の描いた絵が所々登場している。
ボーイッシュでさばさばした性格だが、長い間人と関わり合わず、孤立していたためか捻くれている。
また「心から信頼し合える親友」「生涯の友」「リア充」といったものを心から嫌悪しているようだが…?
趣味はボーイズラブのイラストを描くこと。……個性的なキャラクターが集うHoneyWorksシリーズの中でも、まさか腐女子なキャラが登場するとは誰が予想できただろうか?
また、なぜか加恋と親しくしている隅田恵を憎悪しているようだが…?
能力
加恋の陰口を叩き彼女へのいじめを起こしていた相川早希を怯えさせるほどの怪力、加恋の手を引っ張りながら猛ダッシュと、遠近共に隙が無い。
このように力の強い女の子としても有名であり、一部からは「某ガキ大将に近い」と言われることもある千紗だが、その某ガキ大将と違い、千紗が過去に手をかけたり破滅に追いやったりしてきた対象は、いずれもいじめや陰口などの悪行を働いたことのある者が殆どを占めており、意外にも無関係の善良な人間に直接手を出した事は一度もない。
特に、相川早希に対して正論(というより嘲りの言葉)を述べつつも狡猾に立ち回り、視聴者の心に凝りを残していくスタイルなど、余程厄介な相手でなければ相手の精神面を攻めにかかっており、パンチなどの格闘技は極力使おうとしていない。
この事から戦闘行為はあくまで目的達成のための手段の一つでしかないと割り切っていると言うべきか。
余談だが、千紗によって制裁を下された相川早希や伊原リエたちがその後どうなったのかは一切語られておらず、また物語からフェードアウトしているため不明だが、結果的に早希達へ直接喧嘩(と見られる行動)を起こした千紗(と彼女たちにいじめられていた被害者である加恋)が、その後特に処分を受けた様子もなかった事から、彼女達も今回の騒動に際して何らかの責任を追及される等して、加恋に干渉できる立場ではなくなった可能性が窺える。
過去
実は彼女もまた加恋と同じく過去に周囲から嫌がらせを受けていた。
詳しいことは不明だが、小学生の頃、たまに気分が悪くなってトイレに駆け込むことが多かった当時の千紗に不愉快なあだ名をつける一部のクラスメートがいたそうである。
そして、そのクラスメートたちが黙らなければ実力行使に出ていたとも言われている。
こうして、千紗は周囲から次第に恐れられていくようになり、誰も面と向かって言わなくなっていたとのこと。
ハートの誓いでは間接的に自身の過去を踏まえた発言が多く、中学の頃の友達に会いたいと思ったことはあるかと聞かれた際には「あるわけないじゃない。その前に、友達なんていなかった」、誰かを傷つけて後悔したことはあるかと聞かれた際には「誰かを傷つけたことなんて数えきれないくらいあるだろうけど、後悔したことは一度もない。相手に傷つけられたぶんだけ、やり返しただけなんだからお互い様でしょ。相手に謝ってほしいなんて思わないし、私も謝るつもりなんてない」と、それぞれ自分の考えを語っている(特に後者は加恋からも「千紗らしいよね」と称賛されている)。
これらのことから、千紗が他人との関わり合いを持とうとしなかったのは自らの過去に裏打ちされたゆえの行動ととることもできる。
ある意味、彼女のテーマでもある「醜い生き物」の歌詞を体現したともいえるか。
加恋との関係性
加恋のことは当初「悲劇のヒロインとでも思っているのか?」「本当に……びっくりするぐらい警戒心がない」「得体の知れない奇妙な生き物」「お人好し」など辛辣な印象を持っていた(酷い言われようだが、同時に的確にも感じてしまう)。
しかしその一方で、前述したとおり陰口を叩かれていじめられていた加恋を助けたり、加恋がかつてのトラウマで思い悩んでいた際には、「加恋は真面目すぎ。みんな、同じじゃない。誰も傷つけずに生きてる人がどこにいるの……」とフォローするなど、(他者のそれとは大きく異なるものの)情に篤い面も見せている。
ただし前者に関しては、加恋から「ありがとう。かばってくれて……」とお礼をされても、当の本人は
「なんで私があんたをかばうの……あんたが誰になにを言われていようと私には関係ないし興味もない。あいつらがうるさいから黙らせただけ。」
「私はあんたみたいに誰にでもいい顔をしようとするやつが、一番嫌いなの。わかったら、話しかけないで」
と、嫌悪感を隠すこともなくはっきりと言う始末であった(もっとも劇中における加恋の行動も考慮すると千紗の言うとおりともいえるシーンが多く存在しており、これに関しては一概に千紗が悪いとは言い切れない)。
が、中盤では本屋で遭遇した加恋に「なんで、あんたがいるの………!」と本気で驚いたり、加恋がとあるアイドルの舞台のプラチナチケットに当選した際には「なんで、当たってるの!」と頭を抱えながら大声を出したり、加恋に漫画のシーンをされたらどうするか聞かれた際に「平手打ちしてやる」と返す、「じゃあ……千紗の初めての友達は、私なんだね」と、笑みをこぼしながら言った加恋に「鈍いっ!」とツッコミながら本で加恋の頭をコツンと小突く(ちなみにこの時照れくさかったのか、頬がわずかに赤くなっている)などコミカルな面も披露したり、「私も……名前で呼んでもいい?」と問いかけた加恋に対して「んー特別に許す」と許可するなど、二人の仲が縮まった様子が窺える。
関連タグ
瀬戸口雛:親友やそれと親しい男に対する言動や考えがほぼアンチテーゼ。
この先はネタバレを含みます。
「本気で思ってもいないくせに……そういう思わせ振りな態度が人を傷つけるんだってわからない!?」
なんと、千紗も実は加恋に片思いしている男隅田恵と同じく加恋に片思いしていたのである。
そのため、千紗は似たような立ち位置の綾瀬恋雪や夏川つぼみと同じ、三角関係の一角を担う人物であり、なおかつ、Honeyworksシリーズの中でも初となる同性を好きになった人物でもあった。
劇中で恵を嫌っていたり、恵の告白の邪魔をしていた(告白しようとしていたところを水をかけて止めるという豪快すぎるやり方。ちなみにこの際「あ、ごめん。雑草と間違えた」と語っている)のもすべてこのためであり、端から恵のことは「決して相容れることができない邪魔者」として認識していた可能性が高い。
小説版「乙女どもよ。」では二人の会話シーンが存在するので必見である。
その後は胸に溜まる不快な感情を抑えながらトイレに入り込み(奇しくもこれは千紗の過去と、加恋のトラウマとも言える過去のオマージュにもなっている。わかりやすく言うなら、これは読者に対する「過去の自分を越えてゆけ!」というメッセージなのかもしれない)。
しかし、後を追ってやってきた加恋と扉越しに話すなかで、失恋から吹っ切れて応援することを決断した。
「ぶっ壊されて、嬉しかったんだ。」
が、最後のシーンでは、なんと厄介な禍根を残すことになるという、転んでもただでは起きないともいえる行動に出るというもはや人間性すら疑える行動に出てしまう…。
加恋「わ、私……は、初めて……の………っ!!」
千紗「大丈夫、私も同じだから」
加恋「そういう問題じゃないってば!!」
果たして加恋の身に起きた出来事とは?それのすべての真相を知るのは、鷹野千紗ただ一人だけである…。
真の関連タグ
高見沢アリサ…加恋の元親友。もしかすると、劇中で加恋が千紗に積極的に話しかけていたのは、かつて自分が図らずも裏切ってしまったアリサのことを思い出したからなのかもしれない。
柴崎健…上記のアリサの彼氏。片思いしていたという面では共通こそしているが、健のアリサに対する愛情はとても凄まじいものであり、一部では「リア充を嫌う千紗にとって天敵」とも言われている。
榎本虎太朗…上記の健の親友であり、アリサを陰ながら助けた人物。加恋がアリサの、恵が健の立ち位置を担っていることを考慮すると、千紗の立ち位置としては虎太朗に近いとも言える。
綾瀬恋雪、夏川つぼみ…加恋ポジションの人物を巡って恵のポジションを担う人物と対立した繋がりがある。ある意味ではこの二人の立ち位置も担っているのだろうか。
中村千鶴…ヒロインたるもの!の登場人物。彼女もまた千紗と同じく一癖も二癖もある人物だが、同時にいじめられていた主人公をかばうなど共通点が見いだせる……と思われていたが、その正体は千紗の様な同性愛どころの話では無い超危険人物であった。
服部樹里…同じくヒロインたるもの!の登場人物。千紗や上記の千鶴とは真逆の性格だが、一部では樹里の活躍を見て千紗を思い出したという人も。
ダークザギ…こちらも加恋ポジションの人物と対立する描写があるが、ザギの場合は千紗のような片思いとは違い「自分のオリジナルに対する劣等感の肥大化からなる闇堕ち」という、加恋と出会ったことで光堕ちしたともいえる千紗とは真逆の性質を持つ。
メガロゾーア、ネオメガス…前者は加恋ポジションの人物への愛憎を持つ、後者は加恋をいじめていた相川早希や伊原リエの立ち位置を担う人物を圧倒するなどどちらとも共通点が多く、後に厄介な禍根を残している点でも似ている。また千紗は上記のアリサや虎太朗をオマージュしたともいえるのだが、奇しくも両者にもオマージュ元といえる人物が存在する。
クッパ、デデデ大王…前者はマリオシリーズ、後者は星のカービィの登場人物。両者とも恵のポジションを担う人物とライバル関係にある人物。ただし、クッパやデデデ大王が時に利害の一致などからそのライバルと共闘することもあるのに対し、千紗の場合は恵を完全に敵として認識しており、クッパやデデデ大王とは真逆の「ライバルとは決して相容れない存在」として終始描かれている(このためこの二人よりはこちらに近い)。