概要
特撮テレビ番組『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』に登場する特殊防衛組織。正式な名称は「地球防衛軍」。
地球の危機への対処を任務としており、怪生物「奇獣」が出現するようになった後は、タローマンとともに奇獣の脅威に立ち向かっていく。
富士山を望む東京都内に設けられた極東基地が全軍の本部および日本本部として機能しており、捕獲した奇獣を収容する「奇獣監獄」をはじめ、広大な地下施設を擁している。
日本国内には他に大阪に吹田基地を構えるとともに、フランスおよびメキシコにも支部を置く。また、宇宙防衛軍(UBG)という関連組織も存在する。
レギュラーの面々の所属は対奇獣部隊東京部門(CBG-TKB-TKB)で、あくまで極東基地の一部隊である。
シンボルマークは奇獣の細胞に見られる模様を象ったもの。これは、サントリーのノベルティグッズとして岡本太郎がデザインした「顔のグラス」にあしらわれた顔のひとつ(白い顔の方)をモチーフとしている。
ともに奇獣に立ち向かうとは言ってもタローマンと連携や協調が取れているわけではなく、必殺技の巻き添えを受けたり、墜落するところを助けられたと思ったら戦闘機ごと投げ捨てられたり、風が吹けば桶屋が儲かる的に基地に河童星人の宇宙船が落下してきたりと、タローマンのでたらめさに振り回されている。
後半では、タローマン出現後はその活躍を傍観することが多くなり、救助対象の民間人といざこざが起きた際には彼らがタローマンによって宇宙に連れ去られるのを「心配した我々をバカにして、いい気味だ」と笑って見送ったり、基地内で暇をもて余したりといったモラルの低下も散見されるようになった。
そして最終話では、前述した行動の数々が一気に帰ってくることに……。
メンバーについて
※ 隊長とマミ隊員以外の役名は、本編作中では言及されていない。また、全員演者とは別の声優が台詞を吹き替えている。
※ 前述した第8話でのセリフなど『児童向け作品にありがちな主要人物の口の悪さ』も見受けられる。
- 隊長
(演:森野忠晋)
CBGを束ねる初老の男性。56歳。
風来坊や高津博士ほど顕著ではではないものの、奇獣の能力や意図、状況の分析を図る場面も多い。予算確保など組織内での世渡りの才能もある。
メカの操縦は安全第一。ヘルニアを患っているという。
- マミ隊員
(演:小笠原皆香 吹替:マザえもん)
CBGの紅一点。基地では電話などの通信系を担当しているようだが、他の隊員とともに現場に出ることも多い。若い女性らしく美容には気を使っており、自身の容姿について悩む一面も。
実は、タローマンを除くと彼女がただ1人全話皆勤を成し遂げており、タローマンと直接コミュニケーションを取った唯一の登場人物でもある。
名前の由来は、居住空間機能を持つ岡本太郎唯一の建造物である「旧マミ会館」(マミフラワーデザインスクールにかつて存在していた施設。老朽化に伴い2000年に解体)から取られていると思われる。
- おじさん隊員
(演:べーやん)
お調子者かつ怠け者のコメディリリーフ。
前職はサラリーマンで、奇獣「歓喜」との遭遇をきっかけにCBGに志願した。入隊後も実家のパン屋が売り出した「タローマンパン」の売り子をしていたこともある。
なぜか彼のみ出動時に他の隊員とは異なる工事用のヘルメットを被っている。
- 新人隊員
(演:伊達要希)
彼のみ劇中で台詞が1つもない。タローマンが現れる時にはいつも姿を隠しているが……?
本来はパッション・バッファローのパイロットとして活躍する予定だったが、大人の事情で出番がカットされてしまったという。
- 少年隊員
(演:北村直大 吹替:マザえもん)
物語の途中から加入した少年の隊員。6歳。
初登場の第4話では「僕も地球防衛軍に入りたい!」と駄々をこねていたただの子供だったが、いかなる手を使ったのか次の第5話からは実際に少年隊員の席に収まっている。
IQ200かつ超能力によって目から虹色のビーム光線を放てるなど、少年隊員としての素養は元からあったようで、第5話以前にも新人入隊テストを受けていた模様。ただし、本編にこれらの能力を見せるシーンはない。
岡本太郎についてもある程度の知識はあるようで、高津博士の台詞を奪ってしまったこともあった。
「TAROMANと私」のコーナーには50年前に少年隊員を演じていたと称する男性(演:熊野雅清)が登場するが、当然子役の北村直大とは全く関係のない赤の他人である。
モデルは『ウルトラマン』に登場したホシノ・イサム少年と思われる。
- 五里博士
CBG開発部の技術者。本編未登場。
CBGが用いる対奇獣用のメカニックやアシスタント・アンドロイド「リセ」などを開発している。CBG奇獣研究調査部に参加している高津博士とは友人同士。
その風貌は非常にゴリラっぽく、基本的には温厚な性格の持ち主だが発明品がぞんざいな扱いを受けるとドラミングで怒りを露にする。
- ビッグ4
闘い続けることを生き甲斐とする、各国CBGの中でも飛び抜けて優秀な隊員たちからなるチーム。本編未登場。
メンバーは策略家にしてリーダー格のディエゴ、甘いマスクを持つ狙撃手のジョルジュ、力自慢なパイロットのハナダ、変装が得意な友好奇獣「若い夢」の4名。
装備
- サイバー・ブラスト・ガン(CBG)
地上戦闘の際に使用される拳銃型の光線銃。リング状の光線を発射できる。
弾速の遅さもあって未来予知ができる未来を見たにはすべて回避され、奇獣の中でもべらぼうに強力な太陽の塔には通じずに終わっており、その威力が判る機会には恵まれなかった。
撮影に使われた造形物は、中国はSevenQ製の水鉄砲をリペイントしたものと思われる。
- 短剣
右足のブーツに隠されている非常用の暗器。本編未登場。
- 超硬質ヘルメット
防御や極限環境下での呼吸維持などの機能を備えたヘルメット。
右側面に設けられた黄色のスイッチでラジオのチューニング、赤色のスイッチで四次元翻訳マシーンを作動させることができる。
四次元翻訳マシーンは、初めて接触する宇宙人の言語であっても自動的に日本語に翻訳・発話してくれる優れもので、みつめあう愛の言葉を翻訳する最に用いられた。
- パッションイーグル1号(CBGパトロール機)
奇獣の調査・追跡やパトロールなどに用いられる戦闘機。
それなりに旧式であるらしく、カタログスペックでこそ最大速度はマッハ5だが、実際には疾走する眼になんとか追い縋れる程度である。操縦自体はさほど難しくはないのか、入隊して間もない新人隊員や少年隊員も普通に操縦している。
通常時の乗員は2名だが、最大5~6名が搭乗できる。また、コクピット後方のドームには捜索用の高性能奇獣探知レーダーや電子頭脳が格納されている。
武装として胴体に高周波発生ユニットととりもちミサイル、主翼にミサイルランチャーを備えるが、作中に奇獣への攻撃を行うシーンはない。
プロップ(撮影用模型)はペットボトルと紙コップを胴体の芯材としつつ、プラモデルのパーツなどでディテールを再現している。また、コクピットのセットの操縦桿はペイントローラーを流用している。
外観はどことなくピブリダーやエキゾスカウト、マリンゴンやマリンブルに似ている。
- パッション号
最大速度364km/hを誇るCBG専用のスポーツカー。胴体両脇に小型核ミサイルを装備している。本編未登場。
- パッションドリル号
パッションドリルで地中を突き進む地底戦車。小型核ミサイルを装備している。本編未登場。
- パッションマリーナ号
深海への潜航が可能な特殊潜水艦。ロボットアームと小型核ミサイルを装備している。本編未登場。
- パッションユニバース号
宇宙探査用とされるロケットだが戦闘も可能。小型核ミサイルを装備している。本編未登場。
- パッション・バッファロー
有人操縦型の巨大ロボットとして登場予定だったが、撮影前に着ぐるみがスタジオから盗難され登場が断念されたとされる。
- 重工業 T(TAKATSU)
一度破壊された奇獣「重工業」を高津博士が搭乗型ロボットに改造した正義のロボット奇獣。少年隊員が操縦する。本編未登場。
『タローマン』以前にパイロット版が製作されたアニメ『重工業T』へのセルフオマージュと思われる。
余談
作中で明言されてはいないが、CBGは「Chikyu Bouei Gun」の略と思われる。
極東基地のプロップには、ドライヤーの梱包ケースやプラモデルのランナーが用いられている。
関連タグ
特務隊 禍特対 新生GUTS-SELECT - 同年に登場した防衛チーム。
トキウム防衛隊 - 同時期に公開された特撮パロディCM。