「総統、一言御命じ下さい。『ヤマトを沈めよ』と･･･」
CV:大塚明夫
概要
- 所属：大ガミラス帝星帝星国防軍 小マゼラン方面軍⇒銀河方面軍
- 階級：中将⇒上級大将
- 役職：第6空間機甲師団司令兼小マゼラン方面軍防衛司令官⇒第6空間機甲師団司令兼銀河方面作戦司令長官
- 座乗艦：ゼルグート級一等航宙戦闘艦『ドメラーズⅢ世』
- 年齢：地球年齢に換算して38歳
エルク・ドメルとは、『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場したキャラクターであり、オリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』に登場したドメルのリメイクキャラクター。
元ネタは、砂漠の狐と称されたドイツ国防軍将校のエルヴィン・ロンメル元帥。
大ガミラス帝星帝星国防軍小マゼラン方面軍防衛司令官で、初登場時の階級は中将。小マゼラン方面の帝国領内への侵入を繰り返すガトランティス軍に対する切り札として派遣され、直属の第6空間機甲師団を指揮して小マゼランを強固に守り抜いた。その武勇から敵味方から「宇宙の狼」という異名を付けられている他、小説版では機動戦術を駆使して神出鬼没に現れたため、指揮下の第6空間機甲師団は敵から「幽霊師団」の別名で呼ばれていた。
後にその功績を称えられ（半ばデスラーの政治的パフォーマンスも含まれていたが）上級大将に昇格し、ヤマト討伐の任を受けて銀河方面作戦司令長官に就任し、銀河方面軍の司令部が置かれているバラン星に赴任する。
容姿
容姿はオリジナルと若干変わっている。濃かった揉み上げは短くなり、顎の割れはやや控えめ。またガッシリした印象がある（ほんの僅かではあるが）。その他は変わっておらず、オリジナル同様の逞しい身体つきに、野戦服と思われるスーツを着用している。
また、オリジナルでは着用しなかった、ガミラス将校のマント付の制服（タラン等が着ているグリーンカラー）を、このリメイクで着用している姿が見られるのも、違いの一つである。ただ、こちらはあくまで式典等で着用するらしく、その他はスーツ服が殆どであった（総統の暗殺疑惑が掛けられた時も、スーツ服の姿である）。
家族
オリジナルでは家族関係については明かされていないままだったが、リメイクでは妻エリーサと息子ヨハンの3人家族であることが明かされている。ただし、劇中においては息子は4年前に幼くして死亡しており、ドメル自身が戦線の指揮で長く留守にしていることもあってエリーサとは夫婦としての関係が薄れている模様。息子の命日に帰還できたドメルに対して、「貴方がこの日を覚えているとは思わなかったわ」と皮肉を込められている。なお、息子が死亡した原因に関しては触れられてはいない。
一方で逢える機会は少ないものの、愛する妻と家族としての絆は依然として切れていない様子である。反乱分子を匿った容疑で逮捕されたエリーサの事を聞いた時、「妻が一体何をした！？」とハイドム・ギムレー親衛隊長官に食って掛かった。また「何かの間違いだ！」と必死に妻の無実を訴えようとした。なにより息子の墓前で恋人つなぎしてたし。
七色星団出陣前にも、亡くした息子と明るい笑顔を振りまいていた妻のホログラム写真を懐かしそうに眺めていた。そのことからも、彼なりに家族を愛していることが窺える。
性格
オリジナルのドメルと同様、軍人としての能力は高く、敵味方への賞賛を送るなど、人格的にも出来た人物である。小説版では、決して高い身分の家系に生まれた訳ではなく、厳しい戦場にて着実に戦果を上げてきたと説明されており、それがあったからこそ、ヴァルケ・シュルツの様な他民族であろうとも実力があれば、それを認めるような姿勢を持てたとも考えられる。
ただしオリジナルと違うのは、部下に対して厳しく当たったりしない点である。旧作と違い副官として降格されたグレムト・ゲールに対して、暴言を吐くなどのパワーハラスメント的な行為を行うことはなかった。ただし、ミーゼラ・セレステラ宣伝情報相がバラン星の遺跡へ訪問した時には、ゲールにセレステラの意図を尋ねられて「凡人には分かるまいな」と皮肉のような答えを返している（もっともこれはゲールのみならず、凡人＝ドメル自身をも含めた多くの人間という可能性もある。なお小説版ではこの出来事は次元断層の出来事の前（つまりドメル着任前）に起きたとされ、このやり取りはなされていない）。
また、ゲールから無断で総統直属艦の次元潜航艦の配置換えをしたことに対して問われた時、「私のモットーは臨機応変だ。覚えておきたまえ、ゲール君」と答えてもいた（なおゲールはこれを参考にしたのかは不明だが、バラン星観艦式でのヤマト襲撃時に必死に艦隊間隔を取ろうとしていた）。
部下思いでもあり、自爆する決意をした時は、ヴェム・ハイデルン以下の乗組員に退艦命令を発令したのも、オリジナルとは違う点である（オリジナルは一般兵士へ退艦命令も出さず、全員を巻き込んだ形で自爆している）。
戦術
ドメルのモットーは臨機応変である。この教えはシュルツにも伝授されており、冥王星基地での勇戦に繋がっている。また部下達もそれを熟知しており、カレル163での戦闘でも、即座に集結するなど、行動の速さが見て取れる。
戦闘では艦隊の数も重要である一方、ドメルは機動戦術をもっとも重視している。これは小説版にて補足されており、今の地位になる前の激戦区において、限られた戦力で可能な限りの戦果を上げた実績があるとされている。また、情報収集も怠らず、そこからの情報分析にも長けていることも書かれている。
この機動戦術は、対ガトランティスとカレル163で見事なまでに連携し、動いている様子が描かれている。ガトランティス相手には、常に動き回って的確な場所に攻撃を加えて、直ぐに離脱するという戦法を駆使した。このことから「幽霊師団」とも呼ばれる。
カレル163での、一糸乱れぬ包囲網はドメル軍団の力量の高さを示しているとも言えるだろう。
軍人としての手腕
劇中での活躍を上げていく。
小マゼラン方面
当初は小マゼラン方面軍の防衛司令官として、蛮族ことガトランティスを相手に攻防戦を繰り広げていた。ドメルはこのガトランティスに対する切り札として戦線に送り込まれており、ガル・ディッツ提督やガデル・タラン等は彼を信頼しているのが、建国記念日の発言から見てとれる。
ドメル率いる第6空間機甲師団は、小マゼラン外縁部にてガトランティス艦隊（中型空母を中核）と接触した。ミサイルの集中攻撃によってガトランティス艦隊に穴を空け、そこにフォムト・バーガー指揮下の第7駆逐戦隊を突撃させた。機動戦術を得意とするドメル軍団らしく、バーガーはガトランティス艦隊を打ち崩し、7割もの戦力を撃破してしまった。
なお小説版では詳しく経緯が掛れている。ドメルは、ガトランティス軍の艦載機が攻撃してきた際に、それら艦載機が武器よりも増槽を多く積んでいたことから、ガトランティスの空母が戦線の遥か後方に下げられていることを看破した。
それは図に当たり、奥深く入り込んだ第6空間機甲師団は、ガトランティス機動部隊の側面に出る事に成功。ドメルの綿密な情報収集と分析能力の高さが窺える一面である。ミサイル集中攻撃で、側面を突かれて混乱したガトランティス機動部隊を、バーガーが中央突破して機動部隊を前後に分断。しかもジャミングして指揮系統を混乱させると言う徹底ぶりで、殆どはバーガーの独壇場とかした。後は同じ流れで、ガトランティス機動部隊は3割を残して逃走を図った。
この小マゼラン方面軍での勝利の後、ガル･ディッツから階級昇進の知らせを受け、同時に本国への召還命令を受けた。指揮官の不在は危険であると意見具申したが、交替の戦力を派遣する手筈が整っていると伝えられたため、致し方なくと言う呈で帰還の途に着く事となった。
カレル163での戦闘
バラン星着任後、ヤマトがビーメラ星を目指していることを知ったドメルは、用意周到な罠を仕掛ける。強行偵察部隊を使って執拗に威力偵察を繰り返すことで、ヤマトに常時戦闘配置を強いて乗組員の疲労を狙った。
ヤマトが疲弊しきったところで攻撃させ、そこからワープへ追い込む。コースの途中には中性子星カレル163があり、その重力勾配の影響で強制的にワープアウトするであろう、5つのポイントに艦隊を配置。ヤマトを補足次第、遭遇した部隊が足止めを行い、残る全部隊が集結して包囲、撃滅するというものだった。
この作戦は図に当たった。ヤマトの内部事情までは分からないにしても、カレル163を通過する事をも見込んだ艦隊配置は的確なものであった。ヤマトは不足する食糧事情もありビーメラを目指さざるを得ず、ワープをするもカレル163の強烈な重力勾配によりドメルの思惑どおりワープアウトさせられてしまう。
果たしてヤマトがワープアウトしたポイントはドメルの眼前であった。すぐに集結命令を出すと同時に、自らの艦隊を展開させヤマトを包囲する。二手に分けた艦隊の一方にヤマトを後方から円筒状に包囲させ、正面には残りの本隊たる大部隊を壁のように配置して待ち構えた。同航しピッタリ張りついた円筒艦隊により上下左右への逃げ道を封じ、もし反転しようすれば横っ腹を晒したところを正面の大艦隊で滅多打ち。完全にヤマトを袋のネズミと化すことに成功した。
対するヤマトがそこでとった対応は、あえて全速で正面の本隊に突っ込むことだった。最も分厚い箇所だからこそ、それを突破されることは考慮していない可能性が高く、円筒艦隊も本隊と交わらせることで引きはがせる。そして、そのまま敵が態勢を立て直すまでのタイムラグを突いて逃げることを目論んだ。
かくしてヤマトとドメル艦隊の壮絶な砲撃戦が始まる。ヤマトの波動防壁はドメルの部隊による絶え間ない攻撃で消失。ドメル側も損傷艦や撃沈艦を出すも、後続艦との交代を繰り返すことで陣形を強固に保った。
緻密な連携攻撃はドメル軍団の得意とする所であり、一糸乱れぬ艦隊運動はヤマトを追い詰める。しかし、ヤマトも反撃の手を緩めず前衛部隊を突破、猛然とドメラーズⅢ世に突っ込んでくる様子をみて彼は呟いた。
「ヤマト、侮りがたし」
遂に彼の乗艦も砲門を開き、ヤマトを砲撃する。対するヤマトもショックカノンで応戦するが、ドメラーズは強固な艦首装甲で弾き返した。だがヤマトは怯まずドメラーズに突っ込んできた。回避させようとするゲールを「退くな！ドメラーズは一歩も退かん！」と制し、ヤマトと真っ向からぶつかる。ヤマトはドメラーズⅢ世の左舷をこすりながら交錯し、ヤマト第二砲塔が零距離射撃を敢行。ドメラーズⅢ世は前部甲板の主砲3基と甲板を破壊されてしまう。その隙にヤマトは脇をすり抜けて突破しようとした。
だが、ヤマトが光明としていた「本隊を突破されることはないという油断」はドメルには存在していなかった。離脱するヤマトの目の前に、バーガーらの別働隊が姿を現す。ドメルの完全なる読み勝ちであり、ヤマトは別働隊の攻撃に晒され撃沈寸前に追い込まれた。勝利を確信するドメルだったが、ここで事態は一変する。
ガミラス本星から緊急通信が入り、総統暗殺の嫌疑をかけられたドメルは即刻本国へ帰還せよ、とレドフ・ヒス副総統に命じられてしまう。もちろんドメルは反論しようとしたが、最優先命令と厳命されてしまい、撃沈まであと一歩の所でヤマトを取り逃がす事となった。もしもヒスからの命令が数分遅れていたら、ヤマトの運命は終わっていたかもしれない。
七色星団での戦闘
デスラー総統暗殺未遂の誤解が解けたのち、ドメルはヤマトの撃沈のために動き出す。しかし、彼は同時にヤマト艦内にいるイスカンダル人の救出をも命じられてしまった。この命令が、後に重大な事態を招いたと言っても過言ではないだろう。
ヒス副総統から「精鋭」としてドメルに与えられたのは、本国のドックに係留されていた空母4隻のみ（ドメラーズⅢ世を含んで5隻）だった。しかもその内訳も、試作艦として建造され係留状態だったゲルバデス級航宙戦闘母艦『ダロルド』、ガイペロン級多層式航宙母艦で最初に就役した最古参の『シュデルグ』、ガイペロン級の中期生産型『ランベア』、そしてガイペロン級の後期生産型『バルグレイ』であり、前者の二艦は勿論、後者の二艦も本国に係留されていた事からランベアは修理が終わったばかりか何かしら問題を抱えており、バルグレイは就役したばかりと思われ、戦力として疑わしい空母艦隊だった。しかも空母の艦載機には二級戦力に成り下がった雷撃機ドルシーラも含まれ、パイロット達の技量も含めて戦力として心もとないものだった。
護衛艦らしいものは一切なく、これは暗殺未遂事件以降本国防衛艦隊を牛耳っているギムレーの仕業であると、幕僚団の一人ライル・ゲットーは分析している。この事からも、ギムレーは故意にドメルを死に追いやろうとしているのが窺える。おまけに人員の大半は老人と若年兵で構成されており、これには流石のドメルも「精鋭が聞いて呆れるな」「艦は古く、兵は幼い」と苦笑していた。
それでも彼は、限られた部隊でヤマトを撃沈するための作戦を練った。また友人のヴェルテ・タランからは無理を言って極秘の試作兵器である物質転送機を借り、民間の作業機ガルントや特殊削岩弾を徴用してもらった。同時にイスカンダル人救出のために、ザルツ人で構成された特務部隊を登用している他、再びフラーケンが指揮する次元潜航艦UX-01を指揮下に収めている。
ドメルの作戦手順は次の様なものである。
1、バルグレイを先行させると同時に、同艦の戦闘機隊でヤマトの戦闘機部隊を引き寄せて拘束する。
2、瞬間物質移送機でランベアの爆撃隊を送り込み、ヤマトのレーダーを破壊する。
3、UX-01で接近し、UX-01に搭載したFS型宙雲艇を用いて特務小隊をヤマトに乗り込ませてイスカンダル人を救出させる。
4、重爆機ガルントを転送し、ヤマトの波動砲射出口に特殊削岩弾を撃ち込んで無力化。
5、特殊削岩弾の爆破時間までに特務小隊は任務を完遂させ、宙雲艇を介してUX-01に帰還する。
6-1、救助確認後、爆破時間に余裕があれば、雷撃隊を転送して攻撃または艦砲射撃を実施。
6-2、時間がなければそのまま爆破を待つ。
というような手順であると推察される。
いざ実戦に突入したドメル機動部隊は、作戦手順の5つ目までをクリアしていった。しかし、作戦手順を踏んでいった代償は、決して小さいものではなかった。
まず先行した第1空母ことバルグレイと戦闘機デバッケ隊は、コスモファルコン隊を拘束することに成功したものの、ガミラスパイロットは若年兵が中心だったために、その殆ど（57機）が撃墜されてしまった。一方のコスモファルコンも、ゲットーの活躍などによって12機を失ってしまったが、そのゲットー自身も、加藤三郎によって撃墜され戦死している。
激しい空中戦の最中、先頭を行く空母バルグレイは、コスモファルコン2機に発見されてしまう。本来なら単艦で行動せず後方に居て然るべきだが、護衛の艦がいない事、転送されずに長距離を飛んで行った戦闘機隊の燃料を考慮しての接近であったのかもしれない。バルグレイは、コスモファルコン1機を撃墜するものの、ミサイル4発（内2発は艦内部へ命中）と艦橋への銃撃を受けて撃沈されるという結末を迎えた（この母艦撃沈の報が原因で、ゲットーは動揺してしまった）。
さらにスヌーカからなる爆撃隊もコスモゼロの迎撃で少なくない損害を受け、後に任務を果たしたガルントもコスモゼロの逆撃を受けて撃墜されている。内部に潜入した特務小隊も、4人中1人（ノラン・オシェット）を除いて戦死。
第4次攻撃隊の雷撃隊の転送攻撃は、迎撃態勢を整えていたヤマトの対空火器と、帰還してきたコスモファルコンとコスモゼロの迎撃にさらされることになった。大型の魚雷攻撃によりヤマトに少なくない被害を与えるも、36機全て撃墜。指揮を執ったカリス・クライツェも撃墜されて戦死。
この時点でドメル機動部隊に残された戦力は、戦闘艦と空母を各2隻ずつと、損耗しおまけに補給中の爆撃隊のみ。爆撃隊を出しても、戦闘機を擁する相手に対して戦闘機隊が壊滅した状態では護衛を付けずに丸裸で送る事を意味し、もはや航空戦力のみによる効果的な攻撃は困難となっていた。この事態に、ドメルは不敵な笑みを浮かべて意を決した。
「天はこの手で、直接ヤマトを沈めろと言うのか･･･ならば天命に従うのみ！」
ヤマトにトドメを刺す必要性を感じたドメルは、艦隊を単縦陣（先頭からダロルド、ドメラーズⅢ世、シュデルグ、ランベアの順）に直して進撃を開始。直接ヤマトに砲撃戦を挑む構えをとった。
砲撃戦は数で勝るドメル側に優位かと思われた。が、ここでヤマトに突き刺さっていた切り札特殊削岩弾が新見薫とアナライザーによって反転させられる。同時にヤマトはイオン乱流を背に取り舵反転、ドメル艦隊の右側に出て同航戦の体勢をとった。一方反転させられていた特殊削岩弾は、先頭を行くダロルドの手前まで急接近。ガミラス側は特殊削岩弾の反転にギリギリまで気がついていなかった。
ヤマトはこの特殊削岩弾をショックカノンによる狙撃で破壊、その巨大な爆炎はダロルドを一瞬にして呑み込み爆沈させてしまった。後続のドメラーズⅢ世は転舵で回避に成功、しかし続くシュデルグは咄嗟に舵が遅れ、爆炎に突っ込む形で誘爆、轟沈という末路を辿った。
最後尾のランベアは右へ転舵し回避には成功したものの、今度はヤマトから砲撃を受ける。純粋な空母であるランベアがヤマトに砲撃戦で敵うはずもなく、たちまち左舷にショックカノンを被弾。慣性制御システムや機関部に異常をきたしたランベアは、バランスを崩してイオン乱流の嵐へ沈んだ。生き残っていたバーガーは土壇場で艦載機で再出撃しようとしていたが、間に合うはずも無く「こんな結末、認められるかよ！！」と沈む艦と運命を共にした（かに見えた）。
最後の1隻となったドメラーズⅢ世だが、ドメルは怯まずに砲撃戦を展開し、ヤマトに最後の勝負を挑んだ。ドメラーズⅢ世は5発のショックカノンと、8発のミサイルを浴びつつもなお健在であったが、その巨大な艦体はイオン乱流に捉えられつつあった。
ドメルが気づいたときには被弾のダメージとイオン乱流によりドメラーズⅢ世は既に操艦不能に陥り、もはや立て直せない状況となっていた。
「機動部隊で直接叩こうなど我が身の驕り！このドメル、最後の最後で詰めを誤った。」
ドメルは自らの過ちを認め、最後の手段として自爆攻撃を決意する。乗組員の退艦を命じたが、ハイデルン以下、クルーはそれを拒否。共に殉死する意思を見せた。沈むドメラーズⅢ世から艦橋部を分離するとヤマトの第3艦橋に取り付き、ついに敵の艦長沖田と会話を交わす。
わずかな接触ながらお互いを認めあう両指揮官。そして沖田はドメルの健闘を称え停戦を望むものの、ドメルは軍人の責務と部下達の死が無駄になる事からそれを拒否した。
そして自らの命と引き換えにヤマトを道連れにすべくドメルは自爆を決行した。
「君達テロン（地球）と我がガミラスに栄光と祝福あれ！」
だが間一髪ヤマトは波動防壁を復旧させ、この自爆攻撃はヤマトにダメージを与えたものの、致命傷を負わすことはできなかった。
こうして指揮官ドメル戦死、艦隊の全滅という結果をもって七色星団での戦いは幕を閉じた。
ガミラスにおいての人間関係
その強さと勇猛さ故に、ドメルはガミラス国民からは絶大な人気を誇っており、高官であるガル・ディッツやヴェルテ・タラン達とも友好な関係を持つ。
また軍人としても好人物であり、二等ガミラス人に対する差別意識も持っていない。そのため現在の幕僚団や指揮下の人間のみならず、かつて部下であったシュルツや冥王星前線基地の士官、次元潜航艇を駆るヴォルフ・フラーケンからも慕われていた。
また本人は政治に興味がないと言う一方で、その国民への人気ゆえにデスラーの側近達の一部（特にヘルム・ゼーリックとその部下グレムト・ゲールなど）からは一方的に憎まれており、ディッツやヴェルテ達からは政争に巻き込まれる事を懸念されている。
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