概要
大気中に可燃性の粉塵が大量に舞っている時に、着火することによっておこる爆発。
漫画などでは屋根のないような開けた場所でもドカーンと大爆発が起こったりするが、本当に恐ろしいのは密閉された空間で起こる場合であり、爆発の反響により威力は倍増する。
実際粉塵爆発が起きるのは、視界がゼロ同然なくらい粉塵が舞っている場合であることが多い。
また、粉炭を燃やすタイプの蒸気機関車が試作されたことがあり、燃焼効率は通常の石炭よりも良かったが、この種の事故が多かったため実用化されなかった。
メカニズム
空気中に一定のバランスで酸素・可燃性の粉塵が存在する状態で、それが着火地点から凄まじい勢いで燃え広がり、空気が膨張して爆発を起こす。
そのため、十分な酸素と視界が霞むほどの粉塵が必要。
さらに、粉塵が少ないと燃焼の伝播が途切れてしまい、逆に多過ぎると酸素不足で不完全になる(この「空気と燃焼物(粉塵)の比率」の事を空燃比と言い、最も爆発に適した比率を理論空燃比と言う)。
そのほか「湿度」も重要な要素であり、多湿な空間では粉塵が湿気てしまい、燃焼力が落ちて不発に終わってしまう。
なお、忘れられがちなのだが、燃焼により周囲の酸素が消費された結果として酸欠状態になってしまう。
このように、手軽にみえるようで実際は非常に繊細な現象であるため、漫画みたいに適当に小麦粉を撒いた程度ではまず起こらない。そもそもそんなに簡単に起こるなら、家庭で小麦粉料理をするにも「危険物取り扱い免許」が必要になる(逆に、巨大な小麦粉倉庫を持つ食品工場では免許が必要)。
一方で出鱈目に小麦粉をまいたとしても偶然にも条件を満たしてしまう事がありえる以上は即座に可否を判断する事が難しく知識と判断能力を持っていれば逃げを考える必要がある、煙幕の代用としても使える、その場にあるものを応用して反撃する展開に持ち込める等により駆け引き等の要素も含めて創作作品では使いやすい。
もしTRPGでシステム上で可能となっているならともかく、そうでないのに粉塵爆発を使おうとするプレイヤーが居たら、しっかりと科学的知識に基づいて返り討ちにしてやりましょう。ただしリアルリアリティ厨になってしまいかねないのでやりすぎは厳禁。
可能な例は、爆発を起こせるものがシステムとして用意されている、相当品が可能である等融通の利くシステムの場合はデータ上は爆発物等の技能やアイテムを使用するが演出は爆発を起こす、演出だけでデータ上は何の意味もない(爆発によるダメージ等は一切ない)、等があるが、最初の例を除けば最終的にはシナリオや世界観、それが可能なPCであるか等を見て是かどうかGMが判断する事となる。
最後に……
間違っても試そうとしないように!!
たいへん危険な上に、近隣にも迷惑がかかります!!!
安易な好奇心で試すと、命や社会的信用にかかわるので、絶対にまねしないように!!!!
粉塵爆発が登場する作品の例
- ARMS
- 異界戦記カオスフレア(特技の1つとして登場する。)
- 科捜研の女(殺害方法の1つとして。)
- 仮面ライダーEVE
- 機動新世紀ガンダムX(外伝作品Under The Moonlightにて小麦粉を煙幕として使用後に自爆を行なった事で爆発を起こした。)
- 喰いタン
- 黒執事
- GetBackers-奪還屋-
- ゴブリンスレイヤー(主人公がTRPGの和マンチネタを使うライトノベル。神が過去の事故例を示した結果それを利用する形でモンスター退治に使われた。)
- ゴルゴ13(炭坑内や穀物サイロ、製粉工場などで爆発を起こしている。)
- スレイヤーズ
- とある魔術の禁書目録
- 鋼の錬金術師
- バキ
- パイナップルARMY
- ポケモン(ビビヨンの専用技に粉塵爆発を元にした技ふんじんがある)
- 無責任艦長タイラー(原作小説版にて、直接爆発を起こす為ではなく、火器を封じる脅しのために使用。)
- 迷宮キングダム(小麦粉が爆発物として使用可能となっている。)
- モンスターハンター(テオ・テスカトル、ナナ・テスカトリが粉塵爆発を攻撃手段として使用する。)
- ルパン三世 天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜
関連項目
サーモバリック弾:爆薬自身が粉塵爆発と同様の効果で作動する方式がある。