概要
『FINAL FANTASY Ⅵ』には姿を透明にする魔法の「バニシュ」がある。
透明になると物理攻撃を無効にできるが、魔法が必中し、即死耐性も無視するようになる。
そのため、この魔法を敵にかけ、透明にした敵に「デス」(即死魔法)をかけると即死が100%成功する。
通常、即死魔法にはボス等の絶対に効かない相手が存在するが、この技によってそのような耐性を完全に無視ができる為、ゲームバランス崩壊モノのバグ……よりかは仕様の穴を突いた技である。
ただし、敵を倒すのに当てるのはあくまでもデスなので、不死系の敵には無効(=デスの効果によってHP全快になって復活する)。但し不死系に対しては「バニシュ」→「デジョン」の倒し方もある。
もっとも、不死系にはそんな手間を掛けずとも敵に対してフェニックスの尾か聖水を使うか、レイズかアレイズを使えば一撃で倒せるが。
また極一部の敵に対してはこの技は通用しない。しかし、デスゲイズに限ればよほどの縛りをしない限りは、この禁じ手を使わざるを得なくなるだろう。
バニシュ自体が効かない敵に対しては使えないように思われるが、ストラゴスが居れば青魔法の波紋でバニシュを掛けるのも出来る。
最もそこまでするくらいなら、アルテマ連発で凌げると思うが……。
しかしながら、ゲームボーイアドバンス版では元々即死が無効の敵に対しては、「バニシュ」→「デス」を使ったとしてもミスするようになってしまった。
これによりこの最凶の技はゲームボーイアドバンス版では使えない(もっとも、魔法の必中効果は残っているので、即死耐性の無い敵には相変わらず有効)。
逆に味方が透明状態になっても、即死耐性で即死をガードできるようになったのもあるが。
ちなみに、ミニスーパーファミコン版では一部の作品で修正されているバグ等(一例をあげれば『紋章の謎』の初期版であったハマーンバグなど)もあるようだが、こちらは問題なく使えたりする。
『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』ではマップスキル「バニシュ・デス」として登場。
自軍より低レベルの敵に無条件で勝利する。
元の凶悪さに比べるといささか地味だが、それよりもこのコンボの登場自体が驚きである(前作時点で同じく『FINAL FANTASY Ⅵ』の裏技が元の「機械装備」があったりもしたが)。
似たような存在
同じく『FINAL FANTASY Ⅵ』では、ほぼザコ戦用の「混乱→けむりだま(orテレポストーンorテレポ)」の即死コンボも存在する。
ただし、こちらは(色々な意味で)不安定な為、「バニシュ→デス」と比べ知名度も有用度もまばらである。
また、実はスクウェアと合併前のエニックスのゲームでも、バニシュ→デスと似たような最凶の呪文が存在した。
それが、スーパーファミコン版『ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ』の『ドラゴンクエストⅡ』における「マヌーサザラキ」である。
実はスーパーファミコン版『ドラゴンクエストⅡ』では、「マヌーサ」が掛かった敵には即死呪文である「ザラキ」が100%成功するのである。
同作でのザラキの効果は「敵に254ダメージを与える」を内部処理で行う為、敵のHPが255以上あるなら「254のダメージ!」のメッセージが出る。
その為、マヌーサが有効な全ての敵を即死させられないが、同作の戦闘バランスにしては壊滅的な被害を与えられる事実に変わりはない。
ハーゴンにはマヌーサが効かないが、3幹部のアトラス・バズズ・ベリアル、そしてラスボスのシドーには有効。
「ザラキ」の使い手であるサマルトリアの王子自身は「マヌーサ」は使えないが、道具として使うと「マヌーサ」と同じ効果が得られる「ひかりのつるぎ」があれば、サマルトリアの王子1人での使用が出来る。
『ドラゴンクエストⅡ』でそれまで「弱い」イメージが定着していたサマルトリアの王子が、一気に最強キャラへと変貌してしまった恐ろしい技である。
この技の原理はプログラムミスによるもので、スーパーファミコン版『ドラゴンクエストⅡ』では通常、状態異常系呪文を使う際に対象が既にその状態異常にかかっていた場合、「100%命中する」判定で処理するようにしている。
ところが「ラリホー」「マホトーン」「マヌーサ」はそのまま問題が無いのに、設定ミスで「ザラキ」の判定にもマヌーサ状態の有無を見るようにしてしまっているので、既に「マヌーサ」が効いている敵には、必ず「ザラキ」が通じるようになってしまうのだ。
当然ながらこの技は、ゲームボーイ版以降のリメイクでは修正されていて使えない。
「バニシュ→デス」とよく引き合いに出されるが、『FINAL FANTASY Ⅵ』におけるバニシュは「物理攻撃に対して無敵になる代わりに魔法攻撃に無防備になる」と、意図して弱点として設定された仕様が結果的にバランスを崩してしまっただけであり、挙動そのものがバグである「マヌーサザラキ」とは事情が異なる。
結果としては一緒だが……。
任天堂のポケットモンスターシリーズではこころのめ+ぜったいれいどで同じことがフリーザーで使えるが、ポケモンは対戦ゲームなのでだいたい予測されて対策を取られる。
なお『FINAL FANTASY Ⅱ』の時点でも、黒魔法を防ぐ防御魔法ウォールをかけた敵に、即死魔法が必ず効いてしまう前科があった。
全ての状態異常魔法でも可能な為、ラスボスが一撃で即死および石化や異次元消失はまだしも、小人やカエルになって逃げていくといった腹筋崩壊な展開も可能!?