「大丈夫、安心して。海は全てを柔らかく包み込んでくれるもの」
プロフィール
相手の心配を先に汲み取るなど、すべてを愛し、優しく見守る、三女神らしい包容力を持っている。
それでいながら、甘やかすだけではなく時には相手を試すような言動もするが、それらも成長を願って、という愛情のひとつ。
(公式ポータルサイトより)
概要
ゴドルフィンバルブは、メディアミックスプロジェクト『ウマ娘プリティーダービー』に登場するウマ娘。2023年2月22日の「ぱかチューブっ!」で公開され、ゲーム版『ウマ娘』の新育成シナリオ「グランドマスターズ」に登場。モデルはサラブレッドの三大始祖の一頭・「ゴドルフィンバルブ(ゴドルフィンアラビアン)」。ウマ娘の世界では三女神と崇められ、トレセン学園内の女神像のモデルとなったウマ娘の一人である。
ヒミツではアニマルセラピー(特に猫)を指導に活用するが自身も1番癒されていることが明かされるが、これは史実における猫好きのエピソードを反映したものだろう。
愛情を象徴する女神とあってか、レースであろうがいかなる場所でも慈悲深く笑顔を絶やさない(いわゆる糸目キャラ)。イメージカラーの青は、彼(女)の名を冠した世界的競馬集団「ゴドルフィン」の勝負服カラー(青,袖水色一本輪)が由来と思われる。
グランドマスターズでの彼女の叡智の効果は、発動したターンにトレーニングを行うと参加しているすべてのサポカのスキルヒントが獲得(ハルウララなどのヒントなしのサポカの場合はステータス上昇)でき、さらに貯まっている知識の欠片に応じたステータスが上昇する。
他の二人の叡智と比べると発動時のステータス上昇の幅は低めだが、スキルヒントが一気にもらえるのは魅力があり、叡智のレベルを上げていけばSWBCレースでのスキルヒントの獲得数が増えるのでスキル選択の幅が大きく増えるため是非とも狙いたい。
また、三女神サポカでの彼女に関わる選択肢はスピードと賢さ上昇のものが多い。
三大始祖『ゴドルフィンバルブ』(ゴドルフィンアラビアン)
現存のサラブレッドの血統を記録の残る限り、「父の父そのまた父」というふうに遡っていくと必ずたどり着く3頭の種牡馬。その1頭がゴドルフィンバルブである。
本馬は「ジェネラルスタッドブック」(GSB)にはゴドルフィンバルブという名前で記載されているが、現在はゴドルフィンアラビアンの呼び名のほうが一般的である。これはGSBではバルブ種(北アフリカ原産)と記載されているのだが、伝えられるその身体的特徴からアラブ種(アラビア半島原産)と考えられるようになったためである。
しかし、近年のY染色体ハプロタイプの解析によれば、実際にはターク種(トルコ原産)であった可能性が高くなっている。ただし、バイアリータークのTb-oB1ではなくTb-oB3bに属するため、アラブ種の血縁である可能性は残っている。
なお、三女神として登場するウマ娘の育成シナリオ「グランドマスターズ -継ぐ者達へ-」はセガの競馬メダルゲーム『STARHORSE4』とのコラボシナリオであり、同作内では「ゴドルフィンバルブ」の名称であるため、そのままウマ娘でも採用したものとも考えられる。
ダーレーアラビアン(Tb-dに属する)・バイアリータークと共に三大始祖と呼ばれる馬たちの中でもっとも遅く、1729年にイギリスに輸入されたらしいが、その生涯について信頼できる資料は少なく、かなりの部分が謎に包まれている。サラブレッドの基準を定義した初の血統書たるイギリスのGSBですら、ゴドルフィンバルブの死後40年以上経ってから作成されたため既に創作が入り込んでいるという。
今のところ明確に分かっていることをまとめると、1724年生まれの黒鹿毛の牡馬で、チュニス(現在のチュニジア首都)からフランスを経由してイギリスに輸入された。輸入された後はおおよそ90頭前後の産駒を残した後に1753年に死去し、墓は現在もイギリスのゴグマゴグ丘陵の地方公園に残っている。幼名は『シャム(Sham)』と呼ばれていたという話が有名で、上記の「ゴドルフィンバルブ」「ゴドルフィンアラビアン」という呼び名は、最後の馬主だったイギリスの貴族である第2代ゴドルフィン伯爵フランシス・ゴドルフィンの名から、いつの間にか呼ばれるようになったという。
特徴としては気性難だった一方猫好きであったとされる。とりわけ「グリマルキン」という名の猫には心を開いており、ゴドルフィンバルブを描いた絵にはグリマルキンも一緒に描かれていることが多い。ちなみにグリマルキンはゴドルフィンバルブの死後、後を追うように死んだと言われている(これには「グリマルキンが先に死んだ」という逆の話も伝えられており、その話ではグリマルキンの死後、ゴドルフィンバルブは猫が大嫌いになったという)。
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また、これらの半伝説的な話は後に児童文学の小説として纏められ、『名馬・風の王』(原題:『King of the Wind』)のタイトルで出版されている。
その血統は孫のマッチェムを通じて広まり、その子孫から『アメリカ競馬史上最高の馬』と称されるマンノウォーを出した。現在残るゴドルフィンバルブ系はマンノウォーを経由した血統がほとんどであり、史上唯一BCクラシックを2連覇した馬・ティズナウや、時速75キロを出したと言われる最速の新潟千直王・カルストンライトオなどが有名だろう。
また、青一色の勝負服で有名な世界的競馬団体である「ゴドルフィン」は彼の名に由来している。
日本ではマンノウォー産駒の持込馬で不出走で種牡馬入りした月友(ウイニングチケット、マチカネタンホイザなどの牝系祖先スターロツチの母父)やシルバーシャーク(オグリキャップの母父)などの活躍で主に1950〜60年代にかけて一定の勢力を保っていたものの、あまり馴染みのない系統であるため今のところウマ娘のモデルには父系直系の子孫が居ない。が、母系を介在させた傍系も含むとサラブレッドの全遺伝子プールの実に13.8%という圧倒的な影響力を持っている。これはヘロド(バイアリータークの直系曾孫)の18.3%に次ぐ高値である。
ウマ娘化される直系子孫の候補としては、先述のカルストンライトオや、テンポイントとトウショウボーイの2強とされたダービーで一矢を報いた『犯罪皇帝』クライムカイザー(ダイイチルビーの母父ヴェンチアの仔)、現役最晩年に高松宮記念でGⅠ初勝利を飾った遅咲きのスプリンターサニングデールなどが挙がるだろうか。