データ
初出 | 第6世代 |
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タイプ | むし |
分類 | 物理 |
威力 | 30→50(第7世代) |
命中率 | 100 |
PP | 25 |
範囲 | 単体 |
直接攻撃 | × |
効果 | この技で相手を「ひんし」にすると攻撃力が2段階(第6世代)→3段階(第7世代)上がる |
英語名 | Fell Stinger |
概要
第6世代初登場の技。
名前通り、この技で相手をひんしにしてしまえば攻撃を3段階も上げられる、と言う技。
聞こえだけはじしんかじょうの凄いバージョン。
勿論習得者は「針」を持ったポケモンが多いが針を持っていても覚えないポケモンは多く、結構希少な技。
第6世代出身でこの技を習得するポケモンはいない。
前述した通り効果だけは強いこの技。
しかしその使用率は高くない。と言うかまず使われない。
と言うのも、第6世代当時のこの技の威力は僅か30。とても威力が釣り合っていない。
この威力で文字通りとどめを刺さねばならず、それまでに相手を弱らせる必要があるのが難点。体力の有るポケモンに交代されたりしてしまうとただ単に貧弱なダメージを与えるだけに終わる。設計上最も火力の低い状態で打つことが殆どなので倒すだけと言ってもその確実性はかなり低い。予めつるぎのまいやバトンタッチ使っておけば使いやすくなるが本末転倒である。
自身や他の手持ちで相手を弱らせるにもその間に受けるダメージのリスクが高すぎる。
4倍弱点を狙うにも特化シュバルゴですら確定1発に出来るのは草悪複合のみ(カラマネロは無理)。と言うか虫4倍が虫相手に出るなんて愚行は普通しない。
なら等倍でどの程度与えられるかと言えば最強火力で打てるメガスピアーでも大体平均に近い耐久のオニゴーリ(HP80・防御80)辺り相手に打っても半分行かないくらい。むしタイプの通しづらさを考えると大抵のポケモンはHPが2割を切ってないと厳しい。HPバーが赤くなってれば半減でもギリギリ落ちるか落ちないか…というところ。火力が大きく落ちるメガスピアー以外で打つなら本当にHPが1割以下のギリギリを攻めないと厳しい。
コロトックなら夢特性のテクニシャンが活かせない事は無いが、XYで強化されたれんぞくぎりが壁として立ち塞がる始末。
きあいのタスキやこらえるでHP1になった相手ならばとどめを刺せるが、極端に相手に依存する。
最大の問題はもっと汎用性の高いつるぎのまいの存在。あちらはタイミングを選ばない上、「とどめばり」習得者12種類(最終進化)の内7種類が習得できる(ORAS現在)…。習得者に関しては本当に問題が多く、そもそも物理アタッカー適性の低いポケモンや素早さが微妙で攻撃力を上げても全抜きを狙いにくいポケモンばかりで積極的に採用したいと思えるポケモンがあまり居ない。机上論の上ならやはりメガスピアーのようなステータスが理想…というか攻速どちらも高いポケモン以外この戦術は向いていない。天候下等でなら他に早い物理アタッカーステータスのポケモンも居ないわけではないが行動回数の限られたトリックルームや天候PTでは微妙な削りを入れたり針でつんつんしてる暇はないだろう。
以上のことを考えると、非常に浪漫性が高い、と言うより高すぎて扱いに困る技になってしまっている。
戦術として現実的に狙うなら味方のがむしゃらから繋げればそこそこ狙える。交代されたら知らない。
一人でやるならトゲデマルならがんじょう+がむしゃら+カムラのみ→相手より早くとどめばり、交代を読めるなら更にがむしゃらで追撃なんて恐ろしい芸当が出来る。…7世代だけでだが。
とはいうもののこんな使い方もあったりする。
あまりに使い勝手が悪かったせいか、第7世代では威力が50に強化された。
さらに追加効果も3段階上昇に変更され、ますます浪漫度が上昇した。
ちなみに現在、この技を最も使いこなしているのは恐らくメガスピアー。
メガシンカ後の特性てきおうりょくにより、実質威力100で放つ事が出来る。
・・・尤も、先制技であっけなく落とされてしまったりそもそも警戒されがちなので、やはり浪漫技である事には変わりないのだが、コレを決める事が彼の採用理由になりうるので差別化も兼ねてか、PGLのデータにおいても(スピアーだけは)とどめばりの採用率は決して低くない事がわかる。
第9世代では、テラスタルというシステムが登場。むしタイプにテラスタルことで、素の威力が60となり、元からむしタイプを持っていなくても1.5倍されて実質威力90、元からむしタイプを持っていれば2倍されてなんと、実質威力120となる。
ポケモンGO
システム的に「相手を倒すことでこうげきが上がる」という効果の再現が難しかったためか、ポケモンGOでの実装は程遠い…と思われていたが、2019年12月のアップデートでまさかの実装。
ジム・レイドバトルでは3ゲージ威力50、トレーナーバトルでは威力20、攻撃が確定で1段階上昇という早い話がむしタイプ版グロウパンチ。だが、むしタイプそのもののタイプ相性や習得者のスペックの低さによって、あちらに比べて採用率は低い。とはいえ、決して使えないわけではなく、「どくづき」や「ドリルライナー(コミュニティ・デイ限定わざ)」と組み合わせたスピアーや、耐久が高く汎用性も高いドラピオンに活躍の幅が広がっている。
ちなみに、マッシブーンはこれとグロウパンチの両方を覚えられるため、放っておくとどんどん攻撃力が底上げされて手が付けられなくなってしまう。
ポケモン不思議のダンジョン
『超』以降の作品より登場。本シリーズでは相手ポケモンを倒す敷居が本編ほど高くないため容易に攻撃力を強化することが可能。
しかもPPが初期状態の時点で20とかなり高く、威力や命中率も悪くなく(むしくいと威力、命中、PPが完全に一致)これ自体がメインウエポンを張れる性能をしている。
そのためアリアドスやゲノセクトなど、この技を初期習得しているポケモンはレベルリセットダンジョンにおいても大いに活躍する素質を秘めている。