スッポン類
分類グループについてはスッポン科を参照。
概要
近縁種も含めた亜種の分類については学説上の争いがあり、日本産の別名についても記事の編集合戦や紛糾化、乱分割化等を避けるため、ひとまず広く一般的な標準和名とする。
別名:スッポン、ヒガシアジアスッポン、シナスッポン、、キョクトウスッポン、チュウゴクスッポン。
漢字で『鼈』と書く。
日本で「スッポン」というと、殆どがこのカメ類を指す。
形状
色は背側が緑色で、腹側がくすんだクリーム色。
稀に全体が淡い黄色やクリーム色の突然変異個体も出現する。
平均サイズは甲長20cm〜30cmで、大型のものは約40cm。チュウゴクスッポンよりも大きくなる。70㎝という記録は捨てられたカミツキガメやワニガメの間違いである。即ち現在日本に生息し、確認されている在来種のカメ類の仲間では最大の種類でもある。
生態
日本の本州以南、中国、台湾、朝鮮半島、ベトナム等の東アジアから東南アジアに分布する。ハワイに移入された。
中流から下流域の流れの緩やかな川や池、湖沼、水田などに生息し、よく底の泥の中に身を潜めている。
水搔きが発達し、泳ぐのが上手である。非常に臆病な性質で、まず自分から人間やエサ以外の物体を襲う事はない。
防御反応として噛みつく危険性があり、不用意に指を近づけると最悪喰いちぎられる恐れもある。俗に｢雷が鳴っても離さない｣とも言われるように一度噛みつくと力ずくで外すのはほぼ無理であるとされるが、体を水中に浸してやるとすぐに離して逃げていく。甲羅の後ろを持っていても、長い頸を伸ばして嚙もうとする。
4月～6月に交尾をし、産卵は6月上旬～8月下旬行う。
分類
ニホンスッポンは、一種だと思われていたが、近年の研究で細分化されている。
2010年にフリッツらが発表した論文では、遺伝子解析結果より、スッポンをチュウゴクスッポン、アムームスッポン、ナイリクスッポンの3種に分けた。
2014年に鈴木大と疋田努が発表した論文で、日本にいるスッポンは、在来種のアムールスッポンと外来種のチュウゴクスッポンの2種であり、アムールスッポンはニホンスッポンと同種である可能性が高いという指摘を行った。
参考
岡本卓、竹内寛彦 & 鈴木大. (2019). “2013年以降の日本産爬虫類の分類の変更および関連する話題について“. 爬虫両棲類学会報. 2019(2): 202–217.
人間との関係
日本では少なくとも江戸時代以前より食材とされており、現在も高級料理に用いられていて老舗の商店街の魚屋でも生きたまま並べられている事もある。
骨以外のほぼ全てが可食部位である。
栄養価が高く特に精力増強や美肌によく効くとも言われており、ニホンスッポンのエキスをサプリメントとして生産販売する企業も多い
日本料理としては鍋料理(丸鍋)、雑炊、吸い物、唐揚げなどがあり、国外では中華料理やフランス料理等にも用いられる。 大抵は鍋料理にして賞味されるが、中には生きたスッポンを木綿でぐるぐる巻きにして火中に投じ、丸焼きにする「地獄焼き」なる豪快な料理法も存在する。
老舗の商店街の魚屋でも生きたまま並べられていることもあり、60年ほど前の子供たちは川で偶然捕まえたスッポンを売って小遣いを稼いでいたという。
非常に臆病な性質で、まず自分から人間やエサ以外の物体を襲う事はない。
防御反応として噛みつく危険性があり、俗に｢雷が鳴っても離さない｣とも言われるように一度噛みつくと力ずくで外すのはほぼ無理であるとされるが、体を水中に浸してやるとすぐに離して逃げていく。
食材として養殖化されて飼育知識が一般層にも比較的早く浸透した事と、意外と愛嬌のある顔つきからペットとして飼われる事も多い。
小さな仔亀の頃から飼ったり長く飼う事によって、人に慣れてあまり噛みつかなくなり多少のスキンシップもできるようにもなる個体もいるとされる。
ただしほぼ完全水棲のため大きさと水量のある水槽での飼育と、爬虫類としての定期的な日光浴は必要不可欠。
また民俗学における妖怪の河童について、その正体がニホンスッポンとする説もある。
南西諸島には食用や貨物に紛れ込んだとされるものが、琉球列島にはチュウゴクスッポンが養殖場から逃げ出して野生化している。
