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苦無の編集履歴2024/07/25 12:04:35 版
編集内容:使い手に虎視餡子を追加しました。

苦無

くない

暗器(手裏剣)の一種。 細長い両刃のナイフのような武器で、柄尻に紐を通す輪が存在するものが多い。

苦無とは、暗器の一種である。

概説

 メディア作品では「くない」「クナイ」と表記されることが多い。

 鉄製で両刃の鋭い切っ先を持ち、片手で握るための十分な柄とその柄尻に紐を通せる輪が付いている。

 「苦無手裏剣とも呼ばれ、手裏剣の一種として扱われることが多い。

 8〜10cmほどの「小苦無」と、13〜15cmほどの「大苦無」の二種がある。

 インド仏具である金剛杵が源流とされている。

苦無≠忍具

 現在ではもっぱら忍者の使う武器(暗器)というイメージで浸透しているが、これは近年の創作による誤解だということが判明してきた。

 本来、苦無はその形状が示す通り短剣シャベル・ペグなどの機能を兼ね備えた鉄製品で、当初は刃もついていなかった。

 基本的に職人や旅人が何かと便利な道具として携帯していた物で、持ち歩いていても見咎められることは無かった。その秘匿性と多機能性の為に忍者達も様々な任務に用いたというだけである。

 むろん刃物である以上、武器や暗器といった攻撃的な運用も可能だが、投擲武器としてのイメージは棒手裏剣との混同が多分に含まれる。というのも、使われている鉄の質・量(=値段)や重心的にも投げナイフには向いていないのである。

 そもそも諜報活動や潜入工作に従事した忍者が「私は忍者でございます」とばかりに専用の特殊な道具を使うこと自体筋の通らない話である。現代人にとっては馴染みのない道具であることも、そうした誤解に拍車をかけているのだろう。

 また忍者にとって「使えるものは何でも利用する」のは基本戦術であり、市井にありふれた苦無を忍具に利用していたのは当然の選択であったともいえる。

 しかしながら、そのユニークなシルエットは特に映像媒体で様になる上に「投擲・格闘・潜入に対応できる万能ツール」のイメージとあればフィクションに用いられるのも無理からぬ話である。

 現代の創作物において忍者という存在を描く際、現存する資料や取材をもとにより外連味のある「曲者」という雰囲気を出す意味で、忍者と苦無は切っても切れない関係になったといえるだろう。

関連タグ

武器 忍具

手裏剣 暗器

忍者

独鈷杵…仏教の法具で、形状がどこか似ている。

使い手(作品名五十音順)

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