襟草
えりくさ
治安、及び民度
ぶっちゃけて言うと最低最悪である
というのも、制作サイドの「ケミーを悪者として描かない」方針から想像以上に治安と民度が悪く、マルガムになった人間を軽く数えてみても、
・金銭の執着心から強盗をした後、用済みとばかりに舎弟を突き落とした強盗犯
・女性に執着心が強い上に、多くの女性の人生を奪ってきたストーカー
・選手のみならず観客すら病院送りにし、乱暴狼藉を働くヒールレスラー
・息子を大切に思うあまり、息子の障害(と思ったもの)を排除しようとした父親(後に和解した)
等々、マルガムになる前から何かしらの問題点を抱えた人間ばかりである。
しかも、マルガムになっていない一般人でも、
・経営難から立ち退きを命じるも応じなかったため、高校生相手に発砲しようとした地上げ屋(ヤクザ)(脚本時点ではダンプカーでジムに突っ込む予定で、これでもまだマシになった方)
・散々振り回した上に「もういらない」と女を捨てたり、捏造された記事を書くようとあるライターに命令し、出来ないなら「クビを切る」と脅迫する、更には錬金術師を排斥しようとする暴徒の扇動を加速させるなど人間としても問題だらけな最低最悪の迷惑系YouTuber
・子供が作ったぬいぐるみをケミーと思い込み取り上げ、なおかつ「人騒がせ」と乱暴に投げ捨て、反省の色をまったく見せない大人達(しかも、奪ったにもかかわらず「話し合いで解決した」と騒動を止めようとしたスパナに嘘を吐く始末)
・錬金術師達の個人情報が判るや、該当錬金術師の自宅兼店舗に襲撃を掛ける
……等々、吐き気を催す人間ばかりである。
グリオン登場後の中盤からは、新たに人間より更に純然たる悪意を持つ人造生物を素体にしたマルガムの登場により、人間素体のマルガムが減り相対的に落ち着いた(番外として、襟草とは別の地域で2体マルガムが生まれた程度で、終盤までに襟草で生まれた人間素体のマルガムは、アノマロカリスマルガムだけである)……と思われたが、冥黒王の1人であるガエリヤの策略で以前マルガムに変身した人間が、マルガムに再変身する事態に陥った。
更に、第46話では人々がケミーや錬金術師に関する記憶を思い出したため、問題が散見された治安が更に悪化。ケミーの力を求めて暴れだしたり、錬金連合の関わりのある施設に押し入っては大勢でめちゃくちゃに荒らし回る等、錬金連合でも手に負えない事態に陥っている。
第49話では、不安と不満に駆られた一般民衆が錬金術師やケミーの排斥を求めて、一種のデモ隊のような暴徒と化してしまっている。
ここまで見ると救いようのない街に聞こえるかもだが、加治木を筆頭に善性の人間も多く、
・相棒の好意を知り泣きながらもあえて突き放した元プロレスラー
・父親の言いつけでケミーを捨てようとしたが、仲良くなった友人を見放さなかった小学生
・ケミーをきっかけに蟠りが解けたことで、ケミー達に感謝し暴徒達への説得を試みた親子
・彼氏にフラれた直後にケミーから元気を分け与えられ、その恩返しとしてケミーに夢を与えた女性
・ケミーからの恩恵を素直に受け入れ、友好的に触れ合う運送業者
・ケミーとの交流で誰かを笑顔にしたい気持ちを思い出し、前に進むことを決めたダンサー
などと、真っ当にケミーとの絆を結んでいる人物も確認されている。
また仮面ライダーがピンチの際は一丸となって応援する人々もおり、一貫して治安と民度が悪いだけではないのである(彼らと同列に語られがちだが、生臭だけどケミーが強く惹かれるほどの善性を持つ男は襟草とは無関係)。
もっとも、市街の様子を見る限りでは、行政や警察が機能不全を起こしている様子はほぼなく、ケミー並びマルガム案件は仮面ライダーと錬金術師が大事になる前に最善を尽くしている事情もあり、襟草の場所そのものが無法地帯ではない。
そのため「治安が悪い」 のではなく、「住民の民度が最低最悪」と評価する方が正しいのかもしれない。