※この記事は『ウルトラマンアーク』本編のネタバレを含みます!
データ
別名: | 暗黒宇宙卿(あんこくうちゅうきょう) |
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身長: | 不明 |
体重: | 不明 |
CV: | ??? |
概要
ウルトラマンアーク/ルティオンの故郷である、とある銀河系の指導者の1人。
K-DAYのきっかけとなる一連の出来事の元凶たる存在。
当初は名前と、目のある黄色い塊のような単純なイメージ図のみ登場していただけだったが、第24話で遂に本人が(ホログラム状の思念体で)登場。
金色の抽象的な彫像を思わせる巨大な顔のような、奇怪で無機質な上記のイメージ図そのままのような姿を露わにした(ただし、顔だけ投影していた可能性もあるため、これが本当に全身像なのかは解釈が分かれている)。
尚、性別は劇中で一切言及されておらず不明(そもそも性別の概念そのものが存在しない生命体の可能性もある)。
暗躍の経緯
本編開始前
かつてルティオンの暮らす恒星系は、様々な星々の文明が調和を保ち、平和に共存していた。
ある時、太陽にあたる恒星ソニアが突然膨張を始め、恒星系が吞み込まれる危険性が浮上したため、ゼ・ズーはそのエネルギーを放出する手段として〈ゼ・ズーゲート〉と呼ばれる人工的なワームホール発生装置を作製した。
しかし、それには「放出先(=ワームホールの出口)の発生場所をこちらから指定できない」致命的な欠点があり、更にその放出先が人類を始めとする無数の生命が生息する地球の傍であったと判明、これを巡って指導者間で起きた対立が『アーク』の物語が始まるきっかけとなった。
「自分達が助かるためとはいえ、無関係の星の住人達が巻き添えで滅びる選択を良しとしない」とする他の指導者達からは当然激しい反対に遭ったようだが、滅亡まで猶予が無かった事情もあったのか、ゼ・ズーはそれらの反対を押しのけて計画を強行してしまった。
事態を重く見た他の指導者達は、自分達の代行者にルティオンを派遣しゲートの封鎖を試みたが、これを知ったゼ・ズーも配下である宇宙獣モノゲロスを派遣してルティオンを追撃させた。
モノゲロスはワームホールの内部でルティオンに追い付き、激しい戦いの末にルティオンは何とかゲートをキューブ状の封印に成功したが、モノゲロスの執拗な追撃によりこれを地球に落としてしまい、キューブはそのまま長らく行方不明となってしまっていた。
本編
第15話まで
それから16年後、封じられたゲートを再び開くべく、ゼ・ズーはディゲロスを地球へと派遣するも、眠りから目覚めたルティオン/ウルトラマンアークに阻まれ失敗。
ルティオンの生存を知ったゼ・ズーは、次に自身の腹心であるスイードと宇宙獣ザディーメが地球へ向かわせ、ゲートの本格的な再起動およびアークの抹殺へと動き始める。
尚、最初のモノゲロスの追撃からディゲロス及びザディーメの襲来までは16年のブランクがあるが、その間何をしていたのかは現時点では不明(宇宙では時間の流れが異なる事情はザラにあるため、案外ゼ・ズー側はすぐに後続を送り込んだ可能性もあり得るが)。
第23話〜最終話
アーク/ルティオンの同志であるビオルノからの交信で、ザディーメ戦以降の動向が言及された。
恒星ソニアの膨張を止める手立てについて他の指導者達による打開策が見つかったにもかかわらず、不確定要素が多さから再びゼ・ズーは強硬手段に動き、改めてゲートを解放すべく、アークを消耗させ、あわよくば撃破を前提とした新たな宇宙獣、及び夢を操る能力を持つ“最後の切り札”と共にスイードを再び派遣。
また、アークがゲート/オニキスを分解しキューブとして再構成・制御している仕組みにも気付いており、恒星ソニアのエネルギーと共に汚染物質を流し込み、ユウマとアークの肉体を彼らの気付かぬ間に蝕み続け、両者の弱体化と繋がりを絶つ目論みまで明かされた。
更に、それに気付いてアーク/ルティオンとユウマに警告を送ろうとしたビオルノの通信をも妨害した(尚、2度目の通信が途絶える直前に、ビオルノは「ゼ・ズー一派の反撃により自分達の考案した新たな打開策までも危機に陥っている」事情も告げている)。
その後、スイードの中間報告にて、ホログラム状の思念体として遂にその姿を見せる。
ルティオンを取り逃した失敗続きのスイードを咎めており、「事と次第ではお前(=スイード)の『鍵』を開く事になるだろう」と警告した(この『鍵』なるものを用いた予備の策については、最終話で明かされる)。
尚、地球の言葉は話せないのか、この時スイードとは終始宇宙語で会話していた。
以降は直接的な登場はなかったが、ギルバグが討伐されたため本来の姿に戻ったスイードの変身直後、並びに戦死する寸前には、ゼ・ズーの思念体が現れていた。
その後
上記の通り、ゼ・ズーの目論見はギルバグ及び腹心であるスイードの死によって完全に破綻したが、当のゼ・ズー本人の直接的な末路については明確に描かれなかった。
しかし、スイードとの最終決戦を終えたユウマは今までのアーク/ルティオンへの恩返しとして、「今度は自分がアーク/ルティオンの故郷に向かい、彼らの助けとなる」べく地球から飛び立ったため、その後ゼ・ズーが今までの報いを受けた可能性は高いと思われる。
現に最終話のEDシーンを見る限り、ゼ・ズーの暴走はアーク/ユウマの介入によって阻止された事態が見て取れ、それに伴いゼ・ズーはアークや他の指導者達によって、何らかの形で指導者の座から失脚(あるいは戦死)した可能性が濃厚であり、恒星ソニアを巡る騒乱は無事に終結したと考えられる。
尚、上記の末路が推測される都合、ゼ・ズーはウルトラマン作品では珍しく「主役のウルトラマンと直接対峙・戦闘するシーンが描かれないままフェードアウトした 黒幕ポジション」になる。
ただし、ファンの間ではゼ・ズーの詳細がほとんど明かされなかった点や、事件の黒幕たる存在でありながらその決着が描かれなかった扱いに対する不満も散見され、その中には「何かしらの形でそのあたりの補填をしてほしい」との声もある(昨今は『TSUBURAYA IMAGINATION』や放送終了後に発売される超全集等で、裏設定や外伝的なコミック・ノベライズなどが発表される前例もあるため、可能性はゼロではない)。
余談
- 他の銀河への物理的な移動が可能な程の装置を作っている事実から、ゼ・ズーの居る星及び銀河系は光の国並の科学力を有している実態が分かる。
- ルティオンの居た銀河の現状を考えると、ゼ・ズーやスイードのように「他所の星を切り捨ててでも母星を救うべき」と考える一派と、ルティオンや彼を遣わした指導者のように「自分達が助かるために他所の星を犠牲にするのは誤りである」と考える一派との間で大きな社会的分断が起きている可能性も考えられ、ファンの間では「恒星の膨張と同等かそれ以上に深刻な問題が生じているのではないか?」と心配する声もある。
- 第24話では、ゼ・ズーゲートに代わる新たな対抗策を見つけ出した一派に対し(恐らく武力を用いた)攻撃を仕掛けていた現状が明らかとなり、上記のファンの懸念は的中してしまった(ただ、最終話のラストシーンを見る限り、ルティオンの銀河の内紛は最終的に終結した可能性が高い)。
- ネット上で彼の別名を検索すると、大体某SF作品の方の暗黒卿がヒットするため、本名の「ゼ・ズー」の方で検索するのがおススメ。
- ゼ・ズーが最後の最後まで自らが作ったゲートに拘った動機は、公式には「他の方策に不安材料が多かったから」 とあるが、ゼ・ズーの不穏な肩書きや劇中の強硬ぶりも相まって、一部の視聴者からは「〈母星や故郷を救った英雄〉の功績を独占したかったからでは?」「これまでゲートに掛かった費用や犠牲を鑑みた結果、或いは自らのメンツを保つためなどの理由で後に引けなかったのでは?」などと勘ぐられているとか。
関連タグ
- スイード、宇宙獣、ギルバグ:配下。
- ルティオン、ビオルノ:敵対者。
- イシドウ・シュウ:同作で「自分達の平和のために、他の世界に脅威を押し付ける訳にはいかない」と断言した人物で、間違いなくゼ・ズーのアンチテーゼそのものと評価できるキャラクター。