曖昧さ回避
概要
『うしろの正面だあれ』は、海老名香葉子による自伝的文学作品及び、それを原作とした虫プロダクション制作の1991年のアニメ作品。有原誠治監督。
原作は初代林家三平の妻・海老名香葉子が東京大空襲で一家を失った実体験をもとにした自伝的作品。
アニメ版
アニメの尺の半分以上は戦時下ながら人情あふれる下町の家庭を描いたホームドラマであり、空襲でそれまでの暮らしが永遠に失われた史実を描くことで戦争の悲惨さを訴えている。
『はだしのゲン』や『火垂るの墓』と並ぶ反戦アニメとして扱われることが多いが、失われた東京の下町へのノスタルジーがこもった作品としても秀逸である。
監督・絵コンテは有原誠治、キャラクターデザインは小野隆哉。
画面構成に片渕須直が参加しており、この仕事が評価されてマッドハウス作品を手がけるようになった縁がある。
登場人物
CV:三輪勝恵
主人公で、中根家の長女(第四子)。モデルは原作者の海老名本人。
沼津の親族宅に疎開していて大空襲を逃れる。
中根音吉
CV:若本規夫
かよ子らの父で、和竿(江戸期からの伝統的釣り竿)職人。三代目竿忠の号を有する。
中根よし
CV:池田昌子
かよ子らの母。兄(かよ子の伯父)の光太郎は音吉の同級生で軍医だが、後に戦死。
中根忠吉
CV:林家正蔵 (当時のクレジットは本名の『海老名泰孝』。海老名の長男で実の甥である)
かよ子の長兄(長男)。かよ子からは「大兄ちゃん」と呼ばれる。父の跡を継ぐべく職人修行を受けている。
中根竹次郎
CV:佐々木望
かよ子の次兄(次男)。かよ子からは「竹兄ちゃん」と呼ばれる。読書家でほとんどのシーンで眼鏡をかけている。
中根喜三郎
CV:野沢雅子
かよ子の三兄(三番目の兄、三男)。腕白な性格。かよ子からは「喜兄ちゃん」と呼ばれる。空襲から逃げる際に混乱の中で家族とはぐれてしまったことで皮肉にも生き残る(他の家族は遺体すら見つけられなかった)。
モデルは同名の作者の三兄で、作中同様生存しており父の後を継いで和竿職人として存命である。
中根孝之輔
CV:柳沢三千代
かよ子の弟(四男)で兄弟の末っ子。
おばあちゃん
CV:沼波輝枝
かよ子の父方の祖母(音吉の母)。
関連タグ
あした元気にな~れ!半分のさつまいも…海老名香葉子の原作による2005年のアニメ映画。本作と同時代を描いているが、本作より後の時期も描かれる。