概要
太平洋戦争時の日本本土(樺太・沖縄を含む)への爆撃。ほとんどはアメリカ軍機によるものであるが、一部イギリス軍艦載機や、大戦末期には樺太でソ連軍機による空爆も行われた。
最初の日本本土空襲は、1942年7月のドーリットル空襲であった。最初は軍事施設や工場への爆撃であったが、1944年10月10日に那覇市を中心とした沖縄各地への空襲である「十・十空襲」は民間人にも多くの被害を出した。1945年(昭和20年)には、東京大空襲(下町空襲)を皮切りに都市の民間人を巻き込んだ無差別爆撃が実施された。カーチス・ルメイ少将の指揮で3月から4月にかけて東京・名古屋・大阪が一斉に焼け野原になり、続いて地方都市も次々と焼き払われた。
日本の主要な都市で大規模な空爆被害を免れたのは札幌市、新潟市、金沢市、京都市などがある。これは京都市・新潟市が原爆投下の候補地であった(破壊時の効果測定として空爆による破壊を極力避ける方針が出されていた。ただし京都・新潟双方ともその後候補地から外される)ため、札幌市は当時米軍が日本本土空襲の基地として利用していたサイパン島からでは目標まで遠すぎる(北海道空爆も空母機動部隊による爆撃、及び戦艦中心の艦砲射撃によるもの)ため、金沢市はよく分かっていない。ただし艦載機(グラマン)による中小規模の空爆被害は散見される。
主な日本本土空襲(死者1000人以上)
1945年
3月-東京大空襲(下町空襲)・名古屋大空襲・大阪大空襲・ 神戸大空襲
4月-城北大空襲・城南京浜大空襲・山手大空襲
5月- 横浜大空襲
6月- 浜松空襲、第一次日立空襲、岡山大空襲、佐世保大空襲
7月- 熊本大空襲、高松空襲、徳島空襲、北海道空襲、福井空襲、呉軍港空襲、津大空襲
8月-水戸・八王子・長岡・富山一斉空襲、前橋・高崎空襲、広島原爆、豊川空襲、長崎原爆、八幡大空襲
関連項目
日本本土空襲を描いた作品
うしろの正面だあれ(東京大空襲)
この世界の片隅に(呉軍港空襲)
夏のあらし!(横浜大空襲)
火垂るの墓(神戸大空襲)
カムカムエヴリバディ(岡山大空襲)