たとえあなたを忘れても
たとえあなたをわすれても
朝日放送ホスト局で放送されたドラマ。
放送期間は2023年10月~12月。
夢を失い生活苦に陥ってしまった音楽教室のピアノ講師の女性と、記憶を失ってしまう「解離性健忘症」という障害を抱えながらも、キッチンカーを運営し懸命に生きる青年の恋物語を描いたヒューマンラブストーリー。
- 河野美璃(演:堀田真由)
音楽教室のピアノ講師。元々ピアニストを目指していたが、とある発表会の際にスランプに陥って夢を失い、挫折。ピアノ一筋だったため、社会人経験が殆どなく生活苦に陥っている。
音楽教室の生徒数の減少を機に別の業務の仕事に就こうと決心し携帯ショップ「モバイルテルミー」に転職した。
しかし、空の励ましにより再びピアノ講師として働く決意を固め、「モバイルテルミー」を退職。元々勤務していた音楽教室に再就職した。それでも生活が苦しいため休日は空のキッチンカーで働くこととなった。
しかし、空が自分を忘れたため5度目の健忘が発生したと思い込み、生きる気力を見失いかけ、これから先も空の傍にいるべきかどうか苦悩していたが、茜の言葉を受けそれでも空の隣にいることと結婚する決意を固めた。
その後、母・ゆかりの許しを得て無事に結婚。半年後には第1子となる男児を妊娠・出産し、「朔」と名付けた。
- 青木空(演:萩原利久)
キッチンカー「coffee SORA」を経営する記憶障害を持つ青年。美璃が偶然キッチンカーを訪れたことで彼女と交流を深めたものの、自身の病気「解離性健忘症」が原因で彼女のことを忘れてしまった。
18歳の時に頭を強打してしまい意識不明の重体となった際の後遺症により「解離性健忘症」を発症。生まれた頃から18歳までの記憶を失ってしまった。その後、大学卒業、一般企業への就職を果たしたものの、会社に慣れてきた時に2回目の健忘が発生。その結果退職せざるを得なくなり、その後も2回、つまりこれまでに4回健忘が発生してしまっている。
これまで症状が起こる度に病院に行っていたものの、カウンセリングは効果が無く、薬品の過剰投与によりせん妄が起こったため沙奈は「これまで散々苦しんできたからもう諦めてるんちゃうかな」と推測している。
美璃と交流していくうちに自身の過去に興味を持ち始め、遠山の診察を受ける決意を固めた。
しかし、母・理佐子の家を訪れた後に階段から転げ落ちる空き缶を見て父・智也から理佐子とともに暴力を振るわれていたこと、それを止めようと揉み合いになって転落し、彼を死なせてしまった記憶を思い出してしまい、錯乱状態に陥った。
その後、幼少期の頃に自身の家族と沙奈の家族と共に旅行した思い出の地・淡路島の商店街に姿を現し、沙奈に叱責された。なお、家族に関する記憶を取り戻した際に美璃との記憶も思い出している。
その後、自身のキッチンカーで働き始めた美璃のために副業として平日の夜に工事現場の作業員などアルバイトを掛け持ちするようになった。しかし、連日の長時間勤務で貧血を起こし、目覚めた時にはその日の記憶を失っていた。この件で健忘の再発を恐れるようになり、自身の生活・未来との間で葛藤するようになる。
その後、ゆかりの発言をきっかけにストレスがピークに達し5度目の健忘が発生してしまった…。
かと思いきや、初めから演技していたのか、はたまた早い段階で思い出すことができたのか、ちゃんと美璃に関する記憶は残っており、忘れることへの恐怖を美璃に吐露した。
その後、あえて美璃を突き放すために記憶を失ったふりをしていたことが判明した。しかし、美璃の覚悟を感じたことで彼女からの結婚の提案を素直に了承した。
- 青木朔
美璃と空の子供。
周辺人物
- 森亜弓(演:松井玲奈)
美璃がアルバイトを始める携帯ショップ「モバイルテルミー」の上司。シングルマザーで5歳の子供がいる。利益のためとはいえ態度はかなり高圧的だが、その裏には優しさも秘めており、何かと美璃を心配し世話を焼いている。
- 遠山保(演:風間俊介)
美璃の従兄。心療内科の医師。茜の主治医であり、美璃の紹介で空の主治医にもなった。その後、札幌に転勤することとなった。
しかし、転勤直前になってインフルエンザを発症してしまい延期。その際に看病してくれた沙奈と距離を縮めた。
- 藤川沙奈(演:岡田結実)
薬剤師。空の幼なじみ。空が記憶をなくす度にサポートする。姉御肌の女性。仕事が休みの日は彼のキッチンカーの手伝いをしている。
空に好意を持っていたが、空の記憶喪失前は幼なじみだったが故に恋愛対象として認識されておらず、記憶喪失後もそれが変わることは無かった。
それを機に空への未練を断ち切る決意を固め、あくまで幼なじみとして引き続き彼をサポートしている。
その後、インフルエンザに罹った保を看病したことを機に保に好意を持つようになった。
- 宮下茜(演:畑芽育)
保の患者。3年前にいじめが原因でマンションから飛び降り自殺を図っており、その時に頭を強打したことにより記憶喪失となり、17歳までの記憶がない。
後に嘗ての高校の同級生にいじめの件を聞いた事でそれが事実だと発覚。受け入れる事が出来ずに動揺した。
しかし、空の励ましで自身の過去を受け入れる決意を固めた。
その後、空に5度目の健忘が発生したと思い込み生きる気力を無くしかけた美璃を「空くんはまだ死んでない。生きてる。どう向き合うかは美璃さん次第。」と励ましたが、その後元恋人と再会したことで記憶喪失が「死」に近い感覚だということを自覚し、発言を撤回。美璃に対して「辛い想いをしてまで一緒にいる必要ない。逃げたっていい。」とも勧めた。
その後、元恋人とのデートで嘗ての親友とも再会し、蟠りを解くことができた。その後、元恋人ともよりを戻した。
- 河野ゆかり(演:加藤貴子)
美璃の母親。美璃に対して過保護な面があり、それが原因で美璃は神戸へ逃げており娘との仲は険悪である。甥っ子である保に全幅の信頼を注いでいるため、美璃が保と結ばれることを望んでいる。
しかし、美璃が空との結婚を決意したことで「解離性健忘」を抱える空のせいで苦悩する娘を見たくないという一心で猛反対していたが、2人の覚悟を見て渋々了承した。
- 青木理佐子(演:檀れい)
空の母親。「解離性健忘」により空に母親と認識されておらず、毎日空のキッチンカーを訪れる。
喫茶店でバイトしており、空と美璃の姿を見て自身も前に進もうとコーヒーマイスターの資格取得と東京支店での勤務を決意した。
- 青木智也(演:丸山智己)
空の父親。理佐子曰く「旋盤工として海外を飛び回っている」らしい。しかし、短気で頭に血が登りやすい性格で、日常的に空と理佐子に暴力を振るっており、ある日それを止めようとした空と階段で揉み合いになって転落死したことが後に明かされた。