「アーッハハハハハハ!
オレは不死魔王アトーフェラトーフェ・ライバック!
オレに勝てれば勇者の称号をやろう!
負ければ、我が傀儡として、息絶えるまで使ってやろうではないか!」
概要
魔大陸のガスロー地方を統べる「不死魔王」。初代北神カールマン・ライバックの妻で、不死身の魔王バーディガーディの姉。アトーフェと省略されて呼ばれることもある。酒が大好き。
第二次人魔大戦やラプラス戦役で猛威を振るった武道派の魔王。極めて戦闘能力の高く残虐な魔王と有名で、魔大陸では出会えば死ぬ悪魔以上に恐れられている。実際に作中では、その名を聞いた他の魔王が顔を真っ青にしたり命乞いをする描写が存在する。
第一次人魔大戦末期に誕生し、第二次人魔大戦では魔族側の急先鋒を務めたが、補給路を絶たれ部下は全滅、その後人族に封印された。
ラプラス戦役の前に魔神ラプラスの手によって復活。魔神ラプラスの軍門に下り再び猛威を振るった。魔神ラプラス封印後も残党を率いていたが、最後は北神カールマンとの一騎打ちに敗北し、北神カールマンの妻となって、二代目北神アレックス・カールマン・ライバックを産む。
容姿
一本の太い角を額に生やし白髪赤目に青黒い肌と蝙蝠の羽を持ち、魔術耐性を持つ黒い鎧を身に着けている。
人物像
武闘派魔王らしく非常に好戦的な性格で強者との戦いを楽しむ。
割と気のいいところもあるが自分の思考の範囲外の事が理解できない馬鹿で、説明しても「わけのわからない事を話すな!」と暴れるため、作中五本の指に入る馬鹿の魔界大帝キシリカでさえ「魔王の中でも随一のアホウで、まともな話などできない」と評す。
また、記憶力が良いと自称しているが、部下に命じた命令や自身の行動の目的などをあっさり忘れている。最もど忘れしているだけで、きっかけがあればすぐ思い出すので、本人に忘れていた自覚は無い。
人魔大戦で最強の魔王だった父親のような偉大な魔王になろうとしたが、寿命がない不死魔族には記録を残す習慣がなく、死んだ父親がどう偉大だったのか分からなかったため、人族の文献から偉大な魔王を調べた結果「人族にとって圧倒的な脅威で、姫をさらい助けにきた勇者と戦って負ける」という魔王像を持ち、英雄譚にでてくる魔王のような言動をしている。
そうした魔王像からシチュエーションにはこだわりがあり、一騎打ちでは助太刀を止めたり、演出のために動いたりしている。
謁見すれば他者に力を与えるという伝承があるが、力を与えるというのは部下として鍛えられるという意味で、死ぬまで服従する契約をさせられる。
なお、親衛隊に入ることは一部の魔族には極めて栄誉なことで本人には悪気は一切なく善意で行っている(断る理由を説明しても理解できない)。
戦闘能力
極めて高い戦闘能力にどれだけ攻撃を受けても肉片が集まって再生する不死身の肉体を持ち、決闘なら魔神ラプラスと北神カールマン以外に負けたことは無い。ラプラス戦役終結後は北神カールマンから教わった北神流剣術を使うようになった。
その強さは北神と互角の七大列強下位クラスで、剣帝相当の剣を真剣白羽取りで止め、隙をついて放たれた光の太刀も振り抜く前に骨の間に剣を刺して止めたり、死神ランドルフの奥義でも痣ができる程度の防御力を持つザノバに頭突きで血を流すほどのダメージを与え、パワーの化け物と呼ばれる鬼神マルタとも殴り合いができる。
しかし不死魔族らしく油断しがちで何度も痛い目に合っている。
不死魔族を滅ぼせる方法を持つ龍神以外では封印するしか倒す手段はないが、決闘を行う際は一人で戦い相手を殺さないようにして実力を認めた時点で自分の負けとする。
決闘で自分に勝った者に従うが、敗北した者は無理やり服従させる契約を結び親衛隊に加えてしまう。
アトーフェ親衛隊
不死魔王アトーフェラトーフェによって集められた武闘集団。魔術を軽減する魔大陸最高の黒鎧に身を包む魔大陸最強と名高い軍隊である。戦闘種族の鬼族の戦士団を難なく倒すなど、その戦闘能力は極めて高い。
構成員は大半は好きで親衛隊に入ったが、アトーフェラトーフェに挑戦し決闘で負けて強制的に入隊させられたものもいる。後者は気絶している間に死ぬまで服従する契約を結ばされて親衛隊に入隊させられるため、隊の中では不憫がられている。それ以外にも褒美と称して親衛隊に加えられることがある。
普段はアトーフェラトーフェから北神流を教わり毎日血反吐を吐くような修行をしているが、10年に一度2年の休暇を貰える。
なお作者によると、親衛隊は甲龍王ペルギウスとその使い魔レベルの者たちと集団戦をする想定で訓練をしているとのこと。
関連人物
- カールマン・ライバック
夫。決闘に敗北し結婚した。アトーフェに北神流や創意工夫していくことが人族の強さだと教えた。
息子。アトーフェから北神流を教わり二代目北神となった。長命種ゆえの独特な家族関係らしく、本編の時点では百年ほど顔を合わせていないらしい。傍若無人なアトーフェだが息子相手に窘められると大人しく引いている。
孫。幼少期はアレックスと三人で暮らしていた。彼が死んだと聞かされたときは珍しく悲し気な様子で、それなりに情がある模様。
- 王竜王カジャクト
魔神の配下だったころの戦友で盟友。夫の仇でもあるが、不死魔族の価値観から恨み言めいた言葉を送っただけだった。最終的に息子のアレックスと戦い、息子まで殺せばアトーフェ本人が復讐に来るのではと躊躇した事で討伐される。
親衛隊の隊長。アトーフェに何かと苦言を呈し、手を焼いているが、忠誠心は高い。
宿敵。ラプラス戦役中まだ弱かった彼を何度も殺しかけており、互いに互いを忌み嫌っている。カールマン一世が、生前に二人に殺し合いを禁じる誓いを結ばせた。