人物
CV:井上喜久子
地球連邦軍技術中尉で、RTX-440陸戦強襲型ガンタンク小隊の1番機パイロット兼指揮官。
作中の描写と技術中尉という階級から、同機の開発メンバーだったと思われる。
口調は男っぽい。
かつて交際していたクライド・ベタニーという同僚がジオンに寝返り、RTX-440の技術情報を流出させる事件が起こり、その関与を問われて軍事裁判にかけられ、終身刑を言い渡され服役していた。
以来ずっとクライドへの復讐だけを胸に生きてきたが、オデッサ作戦の際に仮釈放され、オデッサ攻略部隊への増援としてミケーレ・コレマッタの独立混成第44旅団にガンタンク部隊を率いて派遣される。
そのさなか、敵部隊の司令部であるダブデにクライドが乗っていることを通信の混線から知り、鬼気迫る勢いで、襲い来るジオンのMS部隊を次々と撃破。
ついにダブデへ取りつくことに成功するが、あと一歩のところでダブデを攻撃してはならないとの命令が下されてしまう。
これを聞いた彼女は、司令部がジオンと内通していたと思い激昂。命令を無視し、ダブデからのクライドの声にも耳を貸さず、自爆装置を作動させ自機もろともダブデを撃破し、彼女は復讐を成し遂げたのである。
真相
自爆攻撃の後、オデッサの荒野で無傷のまま目を覚ました彼女は、死神の語りかけにより真相を知る事になる。
クライドがジオンに寝返ったのは、実はスパイとしてジオンに潜入するためであり、技術流出事件も司令部があえて行わせた潜入工作の一手だったのである。
実際、死神によると戦局を左右するような重要な情報をジオンから連邦軍に流し続けていたとの事。
もちろん、ミケーレの「ダブデへの攻撃をするな」という命令も、この事情のためであった。
これを知ったアリーヌは泣き崩れるが時すでに遅く、絶望に打ちひしがれたまま、直後に始まった連邦軍の絨毯爆撃の弾幕の中へと消えていった。
備考
彼女は短編まで含めたガンダム作品の中でも、物語のスタート時に囚人という、特に異例の立場の人物である。もちろんガンダム作品の中では唯一。
また『重力戦線』の主人公の中で、一人だけ、戦果も死亡日時も死亡場所も明確な記述がなされていないキャラクターでもある。
彼女が搭乗していた陸戦強襲型ガンタンク自体、ジオンのMSに対抗するため、戦車のノウハウしか持たなかった連邦軍が急きょ完成させたある種の急ごしらえ・その場しのぎの兵器であり、後に開発系譜からも抹消されているあたり、恐らくは機体の記録とともに彼女も存在を消されてしまったのかもしれない。
先述の通り、ダブデを沈めるほどの大爆発にいながら無傷だった点も不自然であり、この時点で本当に生きていたのかも怪しい。